2019年08月01日
全然と御前会議
言葉は生き物なので時代によってニュアンスや使い方が変わってくる。
例を挙げればきりがないが、例えば「むかつく」。かつては強い怒りを表す単語だったが、いつのまにか随分と軽いニュアンスでも使われるようになった。
使い方で変化したものに「全然」がある。以前は「全然ダメ」「全然違う」というように否定の強調として使われていたのに、今では「全然大丈夫」と肯定でも使われる。はやり言葉、若者言葉の段階を過ぎてアナウンサーでも言うようになったから、今日的用法として定着したと考えていいだろう。
ーーーという認識だったが、昨日に見たテレビ番組で新たな発見。
それは昭和天皇と戦争の関わりをテーマにした内容だった。1941年9月、太平洋戦争開戦の3ヶ月程前に、外交交渉継続か開戦かについての方針を決める御前会議(天皇臨席の会議)が開かれる。通常、御前会議で天皇は発言しないらしいが、この時は天皇から陸軍・海軍の責任者に質問が投げかけられた。
番組での彼らの発言を細かく覚えていないが、ここでそれは重要でない。とにかくまず海軍の責任者が「〜〜ということであります」と答えた。そして驚いたのは、次の陸軍責任者の発言が「海軍の考えと全然同じであります」という表現だったこと。
全然同じ? 全然と肯定系の組み合わせじゃないか。しかし陸軍高官が天皇に対しての発言である。言葉遣いを間違ったとは考えづらい。つまりこれは正しい日本語ということになる。
調べたところ「全然+肯定系」は明治時代には普通に使われていたらしい。夏目漱石の「それから」にも出てくるという指摘もあった。しかし、なぜか戦後になって「全然+否定系」しか使われなくなり、それが最近まで続いていたということ。
ふ〜ん
言葉は生き物ではあるけれど、まさか先祖返りすることもあるとはね。
例を挙げればきりがないが、例えば「むかつく」。かつては強い怒りを表す単語だったが、いつのまにか随分と軽いニュアンスでも使われるようになった。
使い方で変化したものに「全然」がある。以前は「全然ダメ」「全然違う」というように否定の強調として使われていたのに、今では「全然大丈夫」と肯定でも使われる。はやり言葉、若者言葉の段階を過ぎてアナウンサーでも言うようになったから、今日的用法として定着したと考えていいだろう。
ーーーという認識だったが、昨日に見たテレビ番組で新たな発見。
それは昭和天皇と戦争の関わりをテーマにした内容だった。1941年9月、太平洋戦争開戦の3ヶ月程前に、外交交渉継続か開戦かについての方針を決める御前会議(天皇臨席の会議)が開かれる。通常、御前会議で天皇は発言しないらしいが、この時は天皇から陸軍・海軍の責任者に質問が投げかけられた。
番組での彼らの発言を細かく覚えていないが、ここでそれは重要でない。とにかくまず海軍の責任者が「〜〜ということであります」と答えた。そして驚いたのは、次の陸軍責任者の発言が「海軍の考えと全然同じであります」という表現だったこと。
全然同じ? 全然と肯定系の組み合わせじゃないか。しかし陸軍高官が天皇に対しての発言である。言葉遣いを間違ったとは考えづらい。つまりこれは正しい日本語ということになる。
調べたところ「全然+肯定系」は明治時代には普通に使われていたらしい。夏目漱石の「それから」にも出てくるという指摘もあった。しかし、なぜか戦後になって「全然+否定系」しか使われなくなり、それが最近まで続いていたということ。
ふ〜ん
言葉は生き物ではあるけれど、まさか先祖返りすることもあるとはね。
wassho at 06:40│Comments(0)│
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