2019年12月14日

オーディオ塞翁が馬

先日、3度目となるテレビの修理を行った時のこと。

サービスマン氏が帰ってしばらく後、オーディオのスピーカーの右側がいつもと違う方向を向いているのに気がついた。テレビの横にスピーカースタンドが立っているから、修理の時に身体をぶつけてしまったのだろう。

向きを修正した。
ついでに気まぐれで、スピーカーの内振り角度を以前より内側に向けた。もちろん左側のスピーカーも同じように合わせた。

たいていの人はスピーカーを壁と平行に置いているが、オーディオの教科書的にはスピーカーとリスナーの位置関係は正三角形が望ましく、その三角形に合わせてスピーカーは60度内振りにすることになっている。
スピーカー三角形


今回の修正で60度に近づいたかな。
音楽を鳴らしてみた。
すると今まで聴いていた音は何だったのか思えるくらほど、いい感じに鳴った。

言葉で表現するのは難しいが立体感が増したした気がする。また写真でいうならピントがキチンと合ったようにクリアに聞こえる。ほんの2センチほどスピーカーを動かしただけなのに。オーディオマニアはセッティングにもあれこれこだわるというが、その意味がわかったような気がした。

しかし、おかしいな。ここに引っ越してきた時、スピーカーの角度は正面向きから内振り、そして外振りも含めていろんな角度を試して決めたはずなのに。インテリアの配置も多少は変わったし、その影響だろうか。まあ結果オーライでよしとしよう。


しばらくは音楽を聴くのが楽しかった。
でもふと気がついた。
生演奏ではこんな立体感はない。

リビングルーム程度の面積ところでアンサンブルを演奏してもらえば違うかも知れない。しかしコンサートホール的な広さなら、音は拡散して響いても、意外とモノラル的に聞こえているような気もする。会場でそんなことを考えながら聴いたりはしないが。

いい音になったと喜んで聴いていたのに、ちょっと冷めた(^^ゞ

音の立体感とはオーディオでよくいわれるテーマである。しかしそれはオーディオ的なフェイクのような気もする。オーディオというより録音のと表現するべきか。そういえばピアノでもバイオリンでも、コンチェルトは生演奏と録音ではバランスがかなり違う。オーケストラのそれぞれの楽器を聞き分けられるのは生演奏より録音である。


2センチスピーカーを動かして喜んだり冷めたりの塞翁が馬。
でも偶然の産物で、コストゼロでいい音になったので満足している。

wassho at 09:41│Comments(0) 音楽、オーディオ 

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