2020年03月03日

コロナウイルスと水筒に半分の水

とうとう学校が休校になり、大型イベントが中止になり、人が多く集まる施設は閉鎖され、社員の多くを在宅勤務にする大企業が出始めて、また北海道では知事が緊急事態宣言を出すなどコロナウイルスは近年に経験したことのない未曾有の事態になってきた。

厚労省

マスクは1月下旬からずっと売り切れが続いている。2月12日に厚労省から「例年以上の毎週1億枚以上を国民の皆様に届けられることになった」という「デマ」がツイートされ、その後も政府がいろいろ発表しているが、店頭に豊富に並ぶまでそれを信じろというのが無理な話。そんな社会心理が働いてティッシュやトイレットペーパーまでが消えた。スーパーでは米などの棚も空っぽである。

すべて昨日撮影の写真
ドラッグのマスク売り場
IMG_2207

生理用品売り場
IMG_2208

ティッシュとトイレットペーパー売り場
IMG_2210

スーパーの米売り場
IMG_2211

パスタ売り場
IMG_2212


それで国内におけるコロナウィルスの被害状況はどうなっているかというと
3月2日時点で、

  感染者総数980名。
  うちクルーズ船と武漢から引き上げてきたチャーター便と検疫官などが738名。
  それを差し引いた国内での感染確認は258名。

  ※計算が合わないがデータに重複があるらしい
  ※なお国内感染者には中国からの旅行者なども含む

  死亡した人はクルーズ船6名と国内感染6名の合計12名。


これをどう見るべきなのか。
感染者数は、その人数を少なくカウントするために検査をさせていないという話も聞かれるが、死亡者数については間違いのないところだろう。それで

  たった12名が亡くなった程度で騒ぎすぎだ
  コロナウイルスは感染力は高いが危険性は低い

という意見がある。
致死率は6÷258なら2.3%、12÷980なら1.2%である。報道では全世界で最終的には2%を切るというのが今のところの推定。これはSARS(サーズ)の10%、MERS(マーズ)の35%と較べると相当に低い。エボラ出血熱なんて致死率が50%もあった。そういう意味では死のウイルスと恐れる必要はない。

しかし致死率は低くても、感染力は高いとしたら(←抽象的な表現だけれど)別の視点も出てくる。つまり仮に致死率が2%だとしても1000万人が感染すれば20万人が亡くなる計算になる。参考までに書いておくと東日本大震災と阪神・淡路大震災の死者は、それぞれ約1万8500人と6500人である。

それに1000万人が感染したら、それは医療の完全崩壊を意味するから致死率は2%では済まない。参考までに日本の病院のベッド数は156万床、医師は32万人である。もちろんここからコロナウイルスに対応できる割合はごく僅か。ひょっとしたら太平洋戦争の犠牲者300万人を超えるかも知れない。そう考えると感染防止のためにできることはすべて行うべきとなる。


いくら何でも1000万人は数字を膨らませすぎと思われるかも知れない。私もそう思う(^^ゞ しかし第1次世界大戦の頃に流行ったスペイン風邪では、当時の人口5500万人のうち39万人が死亡している。感染者数のデータは見つけられなかったが、総人口に対する致死率は0.7%。それを現在の人口1億2000万人に当てはめると85万人になる。

ちなみにスペイン風邪はインフルエンザの1種で、当時の世界人口約20億人にたいして感染者5億人以上、死亡者5000万人から1億人といわれている。もちろん当時と現在では医療レベルも衛生環境もまったく違うから、同じ事になるかもと心配しながら生活する必要は今のところない。


致死率と感染力の関係は、あの話に似ている。

   砂漠で水筒の水が半分になった。
   それを「まだ半分も残っている」と思うか、あるいは
  「もう半分しか残っていない」と思うのか。

いわゆる楽観論・悲観論の例え。
もっとも現在の状況は楽観論・悲観論ではなく、事実認識は二の次で、周りが騒ぐから自分も騒いでしまうというものかな。冷静に考えれば馬鹿げているが、世の中というのはそういうもの。このブログだって、その騒ぎに乗っかってネタにしているだけ(^^ゞ

ところで水筒の例えで、あなたはどう思うと尋ねられると「半分は半分やろ」と答えて、いつも話の腰を折ってしまうーーー
砂漠


wassho at 22:31│Comments(0) 社会、政治、経済 

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔