2020年03月06日
ハマスホイとデンマーク絵画
ブログにするのがずいぶんと遅くなってしまったが、
2月12日に上野の東照宮ぼたん苑を見終えて向かったのは、
動物園を横目で眺めて、
毎度おなじみの東京都美術館。
この日は入り口にこんな看板。
係員のオバサンが立っていて、
こんなカードを渡された。
居住地を調べているらしい。
渡されていたのは全員じゃない。そういう場合はランダム性を確保するために何人かおきに声をかけるというルールでやることが多い。あるいは性別や年代別に目標数を決めて声をかける場合も。こういう場で私は「声をかけられにくいタイプ」なんだけど、看板を撮影していたから協力してもらえると思われたのか、あるいは美しい冬ボタンを鑑賞した後なので優しい顔になっていたのか(^^ゞ
アンケートは該当する部分に穴を空けて、このボックスに投入するだけ。
単純に来場者特性を調べていたのか、あるいはコロナウイルス対策の準備として情報収集をしていたのか。居住地しか調べていないから後者ぽいかな。だとしたら、この頃はまだ今ほどヒステリックな状況になっていなかったから、東京都の対応は迅速だったといえる。
さて今回の展覧会は「ハマスホイとデンマーク絵画」。
昨年のロシア展とウィーン展、今年になってからはハンガリー展に続いてデンマークと、西洋美術にとってはマイナーな国の展覧会が開かれていることはうれしい。メインストリームの絵画だって少しかじった程度でエラソーなことをいえる身分ではないけれど、何事も広く浅くが私の信条。
出展されている画家は初めて聞く名前ばかり。実はハマスホイだって最初は画家の名前だと思っていなかった。「レアリスムとデンマーク絵画」のように何かの美術用語かと(^^ゞ
改めて書いておくとヴィルヘルム・ハマスホイ(1864-1916)は、日本でなら明治維新の4年前に生まれたデンマークの画家。苗字のHammershoiはハンマースホイと表記されることも多い。ハマスホイのほうがデンマーク語の発音に近いらしいが、どうもこの展覧会はその方針で画家を名付ける方針のようで、他の画家も従来とは違う日本語表記が多かった。
ハマスホイはデンマークを代表する画家として名声を得たが、死後は急速に忘れられ、20世紀後半に再評価が始まったとのこと。よくあるパターンといえるが、
どうして絵画のような実体のあるものが忘れられるのか?
(音楽ならわかるような気もするが)
再評価待ちの過去の著名画家って、後どれくらいいるのか?
といつもながら疑問というか好奇心がわく。カラヴァッジョなんて教会の壁に描いているのに、350年も忘れられていたなんて信じられない。
さて私はハマスホイの名前すら知らなかったが、展覧会はそこそこの入りで、そして若い女性がとても多かったのが印象的だった。そんなに人気があったのか、ひょっとしてブームなのかーーー何となく世間の事を知らなかったような気分で凹む。
展覧会はハマスホイが生まれる少し前、19世紀初頭からのデンマーク絵画のトレンドを紹介してハマスホイにつなげるという構成。だからデンマーク絵画の歴史を俯瞰するというものじゃない。ハマスホイはかなり独特の画風で、また他の画家もハマスホイに近いものを集めたのかも知れないが、いつもの展覧会とはかなり違ったものが楽しめた。
そういう意味でお勧めの展覧会なのだが、現在は2月29日からコロナウイルス感染防止のために休館中。今のところ休館は3月16日までの措置で会期は3月26日まであるものの、現状では再開の可能性は低いだろう。ハマスホイの前回の展覧会は12年前の2008年で、なかなか見る機会はない画家だから残念なことである。
ーーー続く
2月12日に上野の東照宮ぼたん苑を見終えて向かったのは、
動物園を横目で眺めて、
毎度おなじみの東京都美術館。
この日は入り口にこんな看板。
係員のオバサンが立っていて、
こんなカードを渡された。
居住地を調べているらしい。
渡されていたのは全員じゃない。そういう場合はランダム性を確保するために何人かおきに声をかけるというルールでやることが多い。あるいは性別や年代別に目標数を決めて声をかける場合も。こういう場で私は「声をかけられにくいタイプ」なんだけど、看板を撮影していたから協力してもらえると思われたのか、あるいは美しい冬ボタンを鑑賞した後なので優しい顔になっていたのか(^^ゞ
アンケートは該当する部分に穴を空けて、このボックスに投入するだけ。
単純に来場者特性を調べていたのか、あるいはコロナウイルス対策の準備として情報収集をしていたのか。居住地しか調べていないから後者ぽいかな。だとしたら、この頃はまだ今ほどヒステリックな状況になっていなかったから、東京都の対応は迅速だったといえる。
さて今回の展覧会は「ハマスホイとデンマーク絵画」。
昨年のロシア展とウィーン展、今年になってからはハンガリー展に続いてデンマークと、西洋美術にとってはマイナーな国の展覧会が開かれていることはうれしい。メインストリームの絵画だって少しかじった程度でエラソーなことをいえる身分ではないけれど、何事も広く浅くが私の信条。
出展されている画家は初めて聞く名前ばかり。実はハマスホイだって最初は画家の名前だと思っていなかった。「レアリスムとデンマーク絵画」のように何かの美術用語かと(^^ゞ
改めて書いておくとヴィルヘルム・ハマスホイ(1864-1916)は、日本でなら明治維新の4年前に生まれたデンマークの画家。苗字のHammershoiはハンマースホイと表記されることも多い。ハマスホイのほうがデンマーク語の発音に近いらしいが、どうもこの展覧会はその方針で画家を名付ける方針のようで、他の画家も従来とは違う日本語表記が多かった。
ハマスホイはデンマークを代表する画家として名声を得たが、死後は急速に忘れられ、20世紀後半に再評価が始まったとのこと。よくあるパターンといえるが、
どうして絵画のような実体のあるものが忘れられるのか?
(音楽ならわかるような気もするが)
再評価待ちの過去の著名画家って、後どれくらいいるのか?
といつもながら疑問というか好奇心がわく。カラヴァッジョなんて教会の壁に描いているのに、350年も忘れられていたなんて信じられない。
さて私はハマスホイの名前すら知らなかったが、展覧会はそこそこの入りで、そして若い女性がとても多かったのが印象的だった。そんなに人気があったのか、ひょっとしてブームなのかーーー何となく世間の事を知らなかったような気分で凹む。
展覧会はハマスホイが生まれる少し前、19世紀初頭からのデンマーク絵画のトレンドを紹介してハマスホイにつなげるという構成。だからデンマーク絵画の歴史を俯瞰するというものじゃない。ハマスホイはかなり独特の画風で、また他の画家もハマスホイに近いものを集めたのかも知れないが、いつもの展覧会とはかなり違ったものが楽しめた。
そういう意味でお勧めの展覧会なのだが、現在は2月29日からコロナウイルス感染防止のために休館中。今のところ休館は3月16日までの措置で会期は3月26日まであるものの、現状では再開の可能性は低いだろう。ハマスホイの前回の展覧会は12年前の2008年で、なかなか見る機会はない画家だから残念なことである。
ーーー続く
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