2006年12月22日

道真と時平

菅原道真(みちざね)と藤原時平(ときひら)。深夜にほろ酔い気分でテレビを見ていたら、この二人をテーマにした歴史番組をやっていた。


10世紀後半、律令制がほころびを見せ始めた頃に、この二人は登場する。エッ?律令制のほころびって何かって? 私もよくわかりません(^^ゞ 要は時代の変化で、今までうまくいっていたシステムが、うまく機能しなくなった、構造改革が必要な状況になってきたと理解しましょう。


道真のほうが20歳ほど時平より年上。
秀才の誉れ高い道真は高級官僚の試験に若くして合格し、政権の中枢に上り詰めていく。時平は藤原家の御曹司。家柄で政権の中枢に入る。和歌の達人でプレイボーイでもあったらしい。まったく対照的な二人。この時点では道真のほうが政治の中心。


構造改革、つまり律令制の改革に道真は取り組む。しかし律令制「命」の官僚から総スカンを食らう。このあたりは1000年以上たった今でも構図は変わらない。途中は省略するけれど、結局官僚の反感を買った道真は、クーデターみたいな形で太宰府へ追放になる。


それで時平に道真のポジションが回ってくる。道真が追放されても改革はやらないと国家が持たないから、時平も改革に着手する。秀才道真が企画した構造改革案は理にかなったものだから、時平の改革も道真と同じ内容。当然、律令制「命」の官僚から総スカンを食らう。


ここからがおもしろい。
でも上手に書くのは難しい。


律令制というのは唐(中国)の政治制度を手本にしたもの。だから当時、役所の中の文書は漢文。日本語である「ひらがな」は和歌に使われていたくらいで、一段低く見られていたらしい。


それで一計を案じた時平は、ひらがなを使った和歌集の編纂を命ずる。和歌は時平の専門分野でもある。それがあの有名な古今和歌集。ここから先の番組の作りはかなり強引ではあるが、


素晴らしい古今和歌集

ひらがなは素晴らしい

ひらがなを生んだ日本語、日本は素晴らしい

だから、中国のコピーである律令制を日本にあったものに改革しよう


この時平のPR戦略によって、守旧派の官僚にも意識改革が起こり、律令制の構造改革が進んだ、メデタシメデタシ。



史実がこの通りかはちょっと疑問。教養番組というより歴史娯楽番組みたいな放送だから、テレビ的なデフォルメはあると思う。

でも本日は “正論が通ると思うのは、正論を立てられる能力がある人たちに見られる、ありがちな錯誤”とか “通すのではなく、どうすれば受け入れられるかを考えないと通るものも通らない”とか “社会のドライビングフォースは理じゃなくて情だよねぇ”とか “社会じゃなくて個人対個人ならもっとそうか”とか “急がば回れ”とか “やっぱ芸は身をたすく”とか、何かと数多い下書きでした。


こんなこと書いてミチザネの祟りがありませんように(^^ゞ

wassho at 17:32│Comments(0) マーケティング、ビジネス 

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔