2020年10月01日
ローマ皇帝はイケメンだった!?
以前に「モナリザは美人だった」のテーマでブログを書いた。AI(人工知能)を使ってモナリザをリアルな画像に仕立てた話。今回はそのローマ皇帝版である。主に彫刻をベースに再現している。制作したのはダニエル・ヴォシャートというデザイナー。映画業界でCGなどを手がけていて、コロナで仕事が暇になったから作ったらしい。
初代皇帝のアウグストゥスから54代目までが再現されている。古代ローマは帝政になってからの約500年間に77名の皇帝がいたものの、存在感のある皇帝がいたのは帝政時代前半だから、必要充分にカバーされていると思う。
アウグストゥスといえば、この彫刻が有名であるが、
他にもいろいろ参考にしたようだ。ヴォシャートのホームページには54名に対して800枚の画像を解析したとあるから、1名あたり平均15枚の計算になる。
彫刻以外に肖像画や硬貨も使ったみたい。
54名勢揃いの顔写真。時代が下るにつれてさまざまな人種がミックスされているように思える。ローマ帝国は征服地の出身でも皇帝になれる多様性のある社会だった。
そして意外とイケメンな皇帝が多い。これは左がアウグストゥス(紀元前63年〜14年)、右がマクシミヌス・トラクス(173年〜238年)である、ハリウッドスターのダニエル・クレイグとジョージ・クルーニーにどことなく似ている。
でもよく考えたら、AIにインプットされたのは彫刻の画像。すなわちローマ時代に「皇帝陛下」を彫ったものだから、その時点でかなりイケメンに修正されていたはず。あまりにリアルな画像なので、まるで真実のように思えてしまうのが、こういった作品の危ういところ。これから「AIによる〇〇〇」を売り物にする商品やサービスはどんどん増えてくるが、鵜呑みは禁物なのをこういうお遊びで学びましょう。
残念なのはカエサルのCGがないこと。彼は皇帝ではなかったから制作されなかったと思われる。しかしローマ時代の人物で一番人々が見たいと思うのはカエサルのはず。
そして日本のクリエーターにも是非がんばってもらいたい。
いずれ画像ではなく動画で表現されるだろうし、さらには歴史的な記録を元にAIによって思考や人格までを再現できるようになるかもしれない。おそらく会話も可能になる。つまり生きている人間を相手にするのと変わりない。ひょっとしたらAIは生死を超える存在になる可能性もある。
そうなるとなかなか哲学的な課題もはらむだろう。それはさておき「AIによって蘇った信長と光秀の対談が実現!テーマはもちろん本能寺の変。司会はブルータスに同じような目に遭わされたカエサル!」なんてのを見てみたいなあ(^^ゞ
参考:ダニエル・ヴォシャートのホームページ
https://www.voshart.com/ROMAN-EMPEROR-PROJECT
https://medium.com/@voshart/photoreal-roman-emperor-project-236be7f06c8f
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