2020年10月22日

三菱国産ジェット:事実上の凍結ってーーー

本日の午後9時くらいに「三菱国産ジェット、事実上の凍結へ」というニュースが流れてきた。共同通信の単独スクープで三菱重工からのコメントはまだないようだが、6月にも計画の大幅縮小が発表されていたから、まったくの誤報である可能性は低いだろう。

ニュースではコロナによる航空機の需要減少が理由とされている。しかしこの事業は元々まったく予定通りに進んでいなかった。2008年から開発がスタートし、当初は2013年に航空会社へ納入というスケジュール。しかし、ようやく初飛行にこぎ着けたのが2015年で、納入時期はまるで定例行事のように6度も延期され、最後の延期では2021年以降というだけで明確な時期も示されなくなってしまった。

普通の商品や事業の開発ではあり得ない話。とっくに全員がクビになっている(^^ゞ しかし自分が携わっているわけでもなし、飛行機って大変だなあと呑気に思いつつ、多くの人と同じように初の国産ジェット旅客機の就航というメデタイ知らせを気長に待ち望んでいたクチである。

   それも夢で終わったみたい(/o\)

以前にブラジルの航空機メーカーであるエンブラエルについて、こんなことを書いたくらいだから色々と思うことはある。どうしてコケたのか、どこで間違った、何が足らなかったのかーーーそういった分析や反省は、下り坂にさしかかった今後の日本にとって多くの教訓が含まれているはず。

それはさておき、

気になったのは「事実上の凍結」という表現。正確に表現するなら開発の失敗、もう少し軟らかく言い換えるとしても断念や撤退が正しい日本語のはず。それを凍結と訳のわからない比喩にして、事実上と二重にオブラートに包むような言い回し。もはや婉曲の域を超えてごまかしの表現である。こんな言葉遣いひとつで揚げ足を取るのは憚られるが、現実を直視する気概がないのかと思う。もっとも今に始まったわけでなく、敗走を転進と言い換えて大本営発表していた国だけれど。

反省するなら、そういうところからだぞ日本人。

三菱ジェット


wassho at 23:01│Comments(0) 社会、政治、経済 

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