2021年01月23日

左利きのバリアフリー

先日、駅の改札を通ろうとしたら、
私の前を歩いていた人が、いきなり身体を90度ほど右にひねった。

何のことかわからないと思うが、
つまりこういうことである。

Apple PayあるいはGoogle Payの機能を使って、スマホやスマートウォッチにクレジットカードや電子マネーあるいはICカードを組み込むことができるようになった。昔でいうならおサイフケータイ。
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スマホなら改札を通る時にこうやればいいけれど、
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「左手」にはめたスマートウォッチを、
自動改札機の「右側」にあるカード読み取り部分にかざそうとすると、
身体をひねって腕を伸ばすことになる。
    ※この写真はwww.fukulow.info/applewatch-lifeから引用
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歩きながらだから、けっこうアクロバチックな動作である。スマートウォッチを使う人はスマホも持っているだろうから、交通系のカードはスマホに入れればいいと思うのだが、わざわざスマートウォッチを使う理由が何かあるのだろうか。


さて首都圏で自動改札機が設置され始めたのは1990年頃から。そしてICカードであるSuicaがJRで使えるようになったのが2001年。私鉄や地下鉄で使えるPASMOが誕生し、またSuicaとも相互利用が可能となったのが2007年である。私はPASMOになってからICカードを使い始めた。だから1990年から2007年までの17年間、つまり磁気式の切符や定期あるいはプリペイドカードの時代はけっこう不便を感じていたのである。

なぜなら左利きだから。

磁気式の切符などは改札機の右側にある投入口に差し込むことになるが、それを左手でやるものだから、上のスマートウォッチの写真のような状態になる。急いでいる時など自分の身体を腕がブロックしているような感覚。別に右手でも差し込めなくはないが、どうもしっくりこないので無意識のうちに左手が動く。

PASMOなどのICカードならタッチ、スマホに組み込んでいる場合はかざすだけで済む。投入口に差し込むのと較べればずいぶんとアバウトな動作なので、これは右手でも支障なく行える。

というわけで磁気式からICカードという技術の進歩で、自動改札機が左利きに対してバリアフリーになったのに、スマートウォッチというさらに進んだ技術で振り出しに戻って、しかも右利き左利き関係なく不便になったという不条理が何となくおかしい。

wassho at 18:04│Comments(0) 生活、日常 

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