2021年02月06日
森会長の発言とコタツ記事
2月3日に森喜朗元総理・現東京五輪・パラリンピック組織委員会会長が、女性蔑視の発言をしたとされネットではそれに関するニュースで溢れかえった。彼の発言を是とはできないとしても、それに対するバッシングがあまりの激しさなのに少々驚いた。
コロナでたまった鬱憤(うっぷん)に対する格好のはけ口となった、あるいはコロナが収まっていない現状でオリンピック開催の姿勢を崩さない組織委員会への反感が吹き出したーーー女性蔑視だけでなく、そういうことも何かと影響しての反響の大きさなのだろうなあと何となく思っていた。
そういう中で、興味深い記事を読んだ。
「コタツ記事」を重宝するWebメディアの大迷走
「取材なき記事」や「ネタの盗用」が許される理由
東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/408372
内容はネットニュースの編集者が業界の抱える問題について指摘したものである。コタツ記事とは初耳だが、取材をしないで書く記事を業界用語でそう呼ぶみたい。なおこの記事と森発言は何の関係もない。
できれば記事そのものを読んで欲しいが、
内容のいくつかを引用すると
メディアの大小に限らず、ここ数年、取材をしない「コタツ記事」が
量産されている。
記事の代表的なパターンは、テレビやTwitter、ブログ、ラジオなどから有名人の
発言や、ネット上の反応を抜粋し、まとめたものだ。そこには「○○氏が『××』と
発言し賛否両論の議論に」といった具合に興味を引くタイトルがつけられる。
(中略) 「有名人の失言は儲かる!」という意識が出てきたのか、
特に取材もない、有名人の発言とネット上の感想だけをまとめた記事が量産
されるようになった。
かつて、メディア業界では取材をしない「コタツ記事」は恥ずかしいものとされて
いた。ところが、今や貴重なドル箱になってしまった。
とりあえずワイドショーのコメンテーターや、Twitterで過激な発言が目立つ有名人
の発言を正確にメモして、SNSで騒動になった直後に記事化すれば、大量にPVを
稼げる。うまくいけば1本の記事で百万円単位の儲けが出ることもある。
※PVとはページビュー。ネットでクリックして読まれた回数で、それにしたがって広告費が支払われる。テレビでの視聴率みたいなもの。
またあるプロ野球選手の退団を事例に、ネットニュースが似たような記事ばかりになる理由も解説されている。
とりあえず、この東洋経済オンラインの記事を読むと、ウスウスわかっていたことではあるが、メディアの質が低下していくメカニズムの一端が理解できる。また、この記事を読んだ後にヤフーニュースのいくつかをクリックすると、実に適当というか、どうでもいいような内容のものが多いことに改めて気づかされる。スポーツ紙や夕刊紙が提供している記事は、ほとんどがコタツ記事である。
話は変わるがタレントと呼ばれる職業の人がいる。俳優、歌手、芸人とは違って、これといった特技はないが、何となくテレビの中で一定のポジションを占めている。芸能人というジャンルの場合は俳優などと一緒に括られる。
それで報道機関あるいはマスコミと、今は全体を指す呼び名しかないが、コタツ記事しか書かないようなマスコミは、タレントのように別の呼び名が必要な気もする。
追伸
取材に基づかない記事が増えたことに対する問題意識は、実は昔から持っていて清原(プロ野球)の引退をネタ振りにこんな投稿も過去に書いた。私にいわせれば、コメントでつなぐような構成の記事は、そのコメントを得るために独自の取材をしていたとしても、コタツ記事とあまり変わらない。
清原とはあまり関係ない話
https://wassho.livedoor.blog/archives/52055117.html
コロナでたまった鬱憤(うっぷん)に対する格好のはけ口となった、あるいはコロナが収まっていない現状でオリンピック開催の姿勢を崩さない組織委員会への反感が吹き出したーーー女性蔑視だけでなく、そういうことも何かと影響しての反響の大きさなのだろうなあと何となく思っていた。
そういう中で、興味深い記事を読んだ。
「コタツ記事」を重宝するWebメディアの大迷走
「取材なき記事」や「ネタの盗用」が許される理由
東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/408372
内容はネットニュースの編集者が業界の抱える問題について指摘したものである。コタツ記事とは初耳だが、取材をしないで書く記事を業界用語でそう呼ぶみたい。なおこの記事と森発言は何の関係もない。
できれば記事そのものを読んで欲しいが、
内容のいくつかを引用すると
メディアの大小に限らず、ここ数年、取材をしない「コタツ記事」が
量産されている。
記事の代表的なパターンは、テレビやTwitter、ブログ、ラジオなどから有名人の
発言や、ネット上の反応を抜粋し、まとめたものだ。そこには「○○氏が『××』と
発言し賛否両論の議論に」といった具合に興味を引くタイトルがつけられる。
(中略) 「有名人の失言は儲かる!」という意識が出てきたのか、
特に取材もない、有名人の発言とネット上の感想だけをまとめた記事が量産
されるようになった。
かつて、メディア業界では取材をしない「コタツ記事」は恥ずかしいものとされて
いた。ところが、今や貴重なドル箱になってしまった。
とりあえずワイドショーのコメンテーターや、Twitterで過激な発言が目立つ有名人
の発言を正確にメモして、SNSで騒動になった直後に記事化すれば、大量にPVを
稼げる。うまくいけば1本の記事で百万円単位の儲けが出ることもある。
※PVとはページビュー。ネットでクリックして読まれた回数で、それにしたがって広告費が支払われる。テレビでの視聴率みたいなもの。
またあるプロ野球選手の退団を事例に、ネットニュースが似たような記事ばかりになる理由も解説されている。
とりあえず、この東洋経済オンラインの記事を読むと、ウスウスわかっていたことではあるが、メディアの質が低下していくメカニズムの一端が理解できる。また、この記事を読んだ後にヤフーニュースのいくつかをクリックすると、実に適当というか、どうでもいいような内容のものが多いことに改めて気づかされる。スポーツ紙や夕刊紙が提供している記事は、ほとんどがコタツ記事である。
話は変わるがタレントと呼ばれる職業の人がいる。俳優、歌手、芸人とは違って、これといった特技はないが、何となくテレビの中で一定のポジションを占めている。芸能人というジャンルの場合は俳優などと一緒に括られる。
それで報道機関あるいはマスコミと、今は全体を指す呼び名しかないが、コタツ記事しか書かないようなマスコミは、タレントのように別の呼び名が必要な気もする。
追伸
取材に基づかない記事が増えたことに対する問題意識は、実は昔から持っていて清原(プロ野球)の引退をネタ振りにこんな投稿も過去に書いた。私にいわせれば、コメントでつなぐような構成の記事は、そのコメントを得るために独自の取材をしていたとしても、コタツ記事とあまり変わらない。
清原とはあまり関係ない話
https://wassho.livedoor.blog/archives/52055117.html
wassho at 23:45│Comments(0)│
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