2021年06月29日

トーハクの総合文化展ウロチョロ

6月8日に上野にある東京国立博物館(トーハク)で見てきた鳥獣戯画展の番外編その2。

庭園をブラブラした後は本館で常設展を。
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何度も来ているのについ写真を撮ってしまうレトロで重厚な空間。
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本日の展示内容。
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写真では切れてしまっているが全部で9つあった。開催期日を見ると、だいたい2週間に1つの割合で展示が入れ替わるみたい。

ところでトーハクの総合文化展とはいわゆる常設展だと思っているのだが、普通の美術館のそれと較べれば、もう少し企画的要素が強いのかも知れない。収蔵品数が膨大だから何かテーマを設けないと展示しにくいのかな。ちなみに東京国立博物館の収蔵品は約12万件で、京都国立博物館の約1万5000件や国立西洋美術館の約6000件と較べて圧倒的。

ただしここに記されていない展示もあったような。それらと総合文化展との関わりがよくわからないが、まあとにかくトーハクに来ればたくさんの展示品を見ることができる。


本館は2階建て。建物の外周部分に沿って展示室が連なっている。
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最初に向かったのはこの期間の目玉展示である「鳥獣戯画展スピンオフ」。スピンは回るでオフは離れていくだから、スピンオフはクルクル回って遠心力で飛び出すというようなイメージ。そこから転じて派生という意味合い。ドラマや映画でよく使われるようになった。

ここでは鳥獣戯画に登場する動物に焦点を当てて、いろいろな像や絵などが展示されていたがーーーあまり関心を持てなかった。結局、鳥獣戯画とは甲巻に描かれている内容・世界観がすべてで、それを見てニコニコできればいい〜それ以上でも以下でもないというのが私の捉え方のような気がする。だから展覧会での模本や断簡でオリジナルに迫ろうという企画にもあまり興味が湧かなかったのだと思う。

またこのスピンオフ展には山崎董洤(やまざき とうせん)という絵師が、鳥獣戯画4巻を明治時代に模写したものが展示されていた。また模本かと思いあまりよく見なかったが、これは「鳥獣戯画展のチケットが取れなかった人のための展示でもある」というようなこともいわれている。展覧会に入れないのに、これだけを見に来る人なんているのかな?
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当初はスピンオフ展だけを見るつもりだったが、せっかくなので館内をウロチョロと。

トーハクでいつも楽しみなのは埴輪とかの古代日本の展示。いつぞやは国宝の挂甲武人(けいこうぶじん)を見てけっこう興奮した。展示室に入るといきなり国宝が鎮座していてビックリするのがトーハクの醍醐味。
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仏像見たり絵巻見たり。
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展示室と展示室の途中に設けられている休憩スペース。
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この椅子がなかなかよかった。何がよかったかというと座面のフレームが左右に張り出しているが、座るとその反り上がっている部分が手を置くのに絶妙な高さ。外観的にはいかにも「デザインしました」という感じでまったく好みではないが、試してみないとわからないこともあると実感。
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この休憩スペースからテラスに出て庭園を眺められる。前回の投稿で庭園側から写真を撮った場所。ついでに2階以上にあって屋根のあるのがベランダ、ないのがバルコニー、1階で外に出やすいように床などを敷いたのがテラスね。
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テラスに出ると隅に係員がいた。おそらく日本庭園が閉まる午後4時に会わせてテラスも出入りができなくなるので締め切るために待機しているのだろう。この時は4時2分前。「雨で床が濡れているのでご注意を」と声をかけられる。いうほど濡れていなかったがボーッと立っているだけじゃ退屈なんだろう(^^ゞ


ところで後でスマホを見ると、午後3時半に80mmもの豪雨予報が出ていた。実際にはこの前後にそんな雨は降っていない。このアプリの予報はいつも大げさなのが困る。
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館内の所々にこのレトロなダイアル式の電話が置いてある。いちおう内線番号が書かれているがつながるのかな。それともシャレ?
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武具が置いてあるコーナーに来た。
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日本刀のよさというのもサッパリわからないのだが、
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これは国宝らしい!
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では改めて国宝を鑑賞しましょう。
やはり何も感じないが(^^ゞ
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最近は刀剣乱舞というゲームの影響で日本刀がブームらしく、刀剣女子や日本刀女子という言葉もよく耳にする。何でも「女子」を付ければいいものじゃないとは思っているが。最初の写真にも一眼レフを構えている熱心な刀剣女子がうっすらと写っているよ。


最後に見たのは大型の仏像コーナー。
これはあまりヤル気のないホトケダンサーズ?
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ところで一般的に(日本では)

   博物館:写真撮影可
   美術館:写真撮影不可

である。トーハクの場合は何も注意書きがなければ撮影可で、不可の場合はその旨の表示がある。この仏像コーナーでは5点のうち1点が撮影可能だった。似たような仏像なのに何が違うのか。たまたま係員がいたので尋ねてみると、

  トーハク所蔵(所有権があるという意味)の展示は原則的に撮影可。
  寄託(所有者からトーハクが預かって展示)されているものは所有者の意向による。

ということだった。ではその所有者はどうして撮影禁止にするのだろう。海外では美術館でもたいてい撮影できる。やはり「写真を撮ると魂を抜かれる」と思われていた伝統がまだ生きているのかな(^^ゞ



話は変わるがトーハクの常設展示を見て歩くと、いつも注意力散漫な鑑賞になってしまう。
その原因はおそらく

  館内がメチャ広い
  全体的なつながりがなく、あらゆる時代や内容のものが展示されている
  個々の展示方法にもメリハリがない
  企画展のオマケで見ているという意識がどこかにある

からかな。
何となくもったいないというか、もっと工夫できるはずと思ってしまう。
もっとも具体的な提案はないが。



来た時には止まっていた噴水が噴き出していた。
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残念なことに今年はこれからおもしろそうな展覧会がほとんどない。コロナで企画が進まなかったのかなあ。でも大規模な展覧会は数年かけて準備するものだから、コロナの影響が出るとしたらもっと先だと思うけれど。それはそれで心配ーーー

wassho at 22:37│Comments(0) 美術展 

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