2021年08月16日
ご先祖様のナゾ
お盆になるとご先祖様がキュウリで作った馬に乗ってあの世から帰ってきて、茄子で作った牛に乗ってまた戻っていく手はずになっている。ただしどちらも名前は「精霊馬(しょうりょううま)」。その戻る時に焚くのが送り火。有名なのは京都の大文字焼き、正式には五山の送り火。オリンピックの閉会式は聖火を消すけれど、お盆では来年も帰ってきてねと盛大に燃やしてお見送りするという感じかな。
京都では本日が大文字である。しかしコロナ対策で昨年に引き続き規模を縮小とのこと。それは仕方ないねとも思うものの、その方法がちょっと変わってる。大文字は焚き火で文字を作るのだが、その焚き火の数を減らすのである。
つまり「大の字」ではなく6つの点(通常は75箇所に点火)。大文字はまだ連想というか今までの残像効果で大に見えても、焚き火が1つか2つしかない他の場所は(/o\)
それにしても送り火は離れたところから見るものなので(火の周りは立ち入り禁止になっている)、焚き火の数を減らしたところで、いわゆる密とは関係ないはず。火を付ける作業員のためのコロナ対策? それならもっとやりようがあるとも思うが。
さてお盆の主役であるご先祖様。いわゆる血がつながっている意味では単純明快な間柄であるが、実は数学的?に矛盾に満ちた存在なのにお気づきか?
誰もが両親から生まれてくる。親は2人。
両方の親にもそれぞれ親がいる。祖父・祖母は合計4人。
祖父祖母にも親がいるので曾祖父母(ひいジイチャン、バアチャン)は合計8人。
その1世代前になる高祖父母(ひいひいジイチャン、バアチャン)は合計16人。
誰1人欠けても私は存在しない。だから会ったこともなくどんな人なのかわからない曾祖父母や高祖父母に、お盆の日くらい思いをはせるのは子孫の務めかも知れない。
それはそれとして、
ただしこれだと計算が行き詰まるのである。
上に書いた人数を見ればわかるように、人が生まれるには父親・母親の2人必要で世代が上がるごとに先祖の人数は倍々で増えていく。世代をnで表せば2のn乗。例えば高祖父母なら4世代前=2の4乗(2×2×2×2)で16人になる。
この倍々というのが破壊力抜群。例えば10世代前なら先祖は1024人で、そんなものかと思ってしまう。しかし15世代前で3万2768人、20世代前なら104万8576人となる。そして30世代前で10億人を超え40世代前なら1兆人を突破! 念のために書いておくと(^^ゞ 現在の日本の人口は約1億3千万人。全世界で約77億人である。
今の平均初産年齢は約31歳であるが、昔はもっと早かったので20歳で計算すると10世代で200年。30世代前は600年前となり戦国時代が始まった頃。当時の人口は1000万人ほどとされる。
戦国時代の人口を持ち出すまでもなく30世代前で10億人を超え、40世代前なら1兆人を突破する人数の先祖がいるなどはあり得ない。
それでも人間は2人の親から生まれてくる事実は動かしようがなく、
計算としては絶対に間違っていない。
ーーー続く
wassho at 11:36│Comments(0)│
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