2021年09月26日

東京オリンピック開会式あれこれ その7

開会式での日本選手のユニフォーム。
これが毎度毎度かわり映えしないというのが前回に書いた話。
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どの程度かわり映えしないかについて詳しくは前回を参照して欲しいが、
日本が戦後に参加した17の大会において、

   上下で色違いのブレザー&ボトムのユニフォームだったのが13回
   そのうち赤と白の日の丸カラー配色が9回

とマンネリを競うオリンピックなら金メダルを取れるレベル。

それでも1992年のバルセロナから2004年のアテネまでの4大会では、著名デザイナーを起用したり、かなりアバンギャルドに攻めたり(裏目に出たけど)した時期もあった。しかし今回に至るその後の4大会ではまたブレザースタイルに戻っている。

なぜそうなったのか、その背景までは知らない。
でも邪推するとーーー


8月8日の閉会式では、次の開催国であるフランスへの引き継ぎセレモニーが行われた。その時にパリからの中継映像が流れたのをご覧になっただろうか。イベントに集まった人々があまりマスクをしていないのにも驚いたけれど(ワクチン接種有無やPCR検査陰性など厳格に管理されていたらしい)、やたらカッコイイ映像が流れて彼我のセンスや演出力の差を見せつけられた思いになった(/o\)

残念ながら資料はあまりなく、
これはそのカッコイイ映像ではなく、現地パブリックビューイングの風景。
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ところで中継の最後のほうにカメラのレンズに向かって、マジックで「パリ 2024」と落書きしたちょっとイケてる男性がいたのを覚えているかな?
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この人物はトニー・エスタンゲ。3度も金メダルを取ったカヌーの元選手であり、43歳と若いが現在はフランスのオリンピック大会組織委員会の会長を務めている。つまり彼がパリのオリンピックを仕切る。

同じく大会組織委員会の会長として東京のオリンピックを牛耳っていたのは84歳のこのご老人。女性は話が長いと発言して辞任に追い込まれはしたが。
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そりゃトップのセンスが違えば、あれこれ変わってくるよね。
それはユニフォームに限った話ではもちろんない。
改めるなら、そういうところからだぞ日本。



前置きが長くて話もそれたが、
日本には優秀なファッションデザイナーはたくさんいるのだから、次のパリ大会ではぜひそういった人を起用して腕を振るわせてほしいもの。

さてユニフォームのデザインが大切なのは、それによって注目を集める=日本のPRにつながるからであるが、その実現については少し違ったアプローチの方法もある。それが今回のメインテーマ。


今回の開会式で、最も注目を浴びネットでバズったのは、カザフスタンの旗手を務めたこの人のユニフォームというかコスチューム。まあマスクで少し得した面もあるが(^^ゞ
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マッチョな上半身を披露したトンガのこの選手も人気が高かった。
31 トンガ


バヌアツやツバルも負けじと。
日本にも相撲という裸の伝統があるのだが(^^ゞ
32 バヌアツ

33 ツバル

ちょっと事例が偏ってしまったが、ここで注目すべきなのは旗手や一部の選手に、選手団のユニフォームとは別のコスチュームを用意するという手もあるということである。


そしてもうひとつの観点は、こういった世界各国から人々が集まる場において、民族衣装あるいはそれをベースにしたものはインパクトがあるし「バエる」ということ。
40 カメルーン

41 パレスチナ

42 ブルンジ

43 キルギス


そこから導かれるのは、

   日本の旗手あるいは少数の先頭集団には
   他の選手達とは別に
   和装をベースとしたコスチュームを採用すべし

ということ。

やはり着物のインパクトは強力である。
百合子だっていい女に見える(^^ゞ
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もちろん本物の着物では、行進には向かないし真夏には暑いから、あくまで和装をモチーフにしたコスチュームデザインということ。価格や着る手間も考える必要がある。参考として上で紹介した民族衣装の選手だって、民族衣装そのものを着ているわけじゃない。

逆に旗手あるいは少数の先頭集団以外の選手はジャージでいいんじゃないかな。今回のブレザー&ボトムを制作したのは「紳士服のAOKI」で、オリパラ総勢1600人を採寸してジャストフィットのものを提供したそうである。その労はねぎらわれるべきではあるが、オリンピック全体の戦略としては努力の方向が間違っている気がしなくもない。


カザフスタンの女神とトンガの戦士の写真は世界中に拡散した。それはそのコスチュームが人々の心をつかんだから。その結果としてそれぞれの国へなにがしかの貢献になったはず。一方で同じレベルで日本の選手を紹介した海外の人はほとんどいないだろう。たかが服のデザインの話と捉えるべきではないのだ。


次はがんばろうね。


おしまい

wassho at 18:09│Comments(0) ノンジャンル 

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