2021年10月31日

さよならタワレコ

音楽業界ではCD不況が叫ばれて久しい。アメリカでは何とレコードの売り上げがCDを上回ったと1年ほど前にニュースになった。世界的に見て日本はCDがよく売れている国とはいえ、それでもピーク時の1998年に5879億円あったCDの売り上げが昨年は1269億円である。つまり22年で22%にまで減少。なぜかゾロ目の数字(^^ゞ

その原因は音楽離れとCD以外の音楽メディアの台頭。音楽離れについては推測に推測を重ねたような話になるので横に置いておく。若者の音楽離れなんて話も聞くけれど、高齢化社会が進んだことも大きいんじゃないかな。さてCD以外で有料の音楽メディアといえば、具体的にはダウンロード販売やストリーミング(ネット配信)となる。

日本レコード協会の統計では項目の定義に不明な部分があるものの、とりあえず数字を拾っておくと2020年の実績は以下の通り。ダウンロードとストリーミングを足すと684億円だから、CDの約半分の市場規模にまで育っている。

  CD        1269億円
  ダウンロード    177億円
  ストリーミング   507億円
gassyou_onpu

前置きが長くなったが、とりあえず人々はCDを買わなくなったのだ。でも私はけっこうCDを買ってきた。だいたい年間で10万円くらい。もっとも5〜6年前からはCDの中にあるファイルをパソコンに取り込んで、それをDAC(デジタル・アナログ・コンバーター)という装置を介してオーディオにつなぐスタイル。同時に携帯音楽プレーヤーにもファイルを移してある。CDプレーヤーを使うのは購入直後でまだパソコンに取り込んでない時くらい。

それならばCDに取り込む手間なんかかけずに、ダウンロード販売で買えばと思われるかも知れない。しかし私が主に買うクラシックの分野では品揃えが充実していないのである。直近となる5月に購入した7枚について確認してみると、e-onkyoというメジャーなサイトで販売されていたのは、そのうちの1枚しかなかった。それとe-onkyoで扱っているのはハイレゾというCDより高音質のファイルで、だからCDと較べて価格が数割ほど高い。なのに私の耳と持っているオーディオ機器ではほとんど違いが分からず(^^ゞ だったらCDでいいかと考えていた。


一方のストリーミングはというと、昨年の4月にDoCoMoのキャンペーンでAmazonプライムが1年間無料になり、遅ればせながらその特典に含まれるAmazonミュージックを利用していた。若かりし頃によく聴いていた音楽と、夜に流す女性ジャズヴォーカルが中心。最近はJ-POPのカバーアルバムにちょっとハマった。

Amazonミュージックはファミリー割引や学割を除いてPRIME、UNLIMITED、HDの3コースに分かれており、曲数と音質では以下の違いがある。

 PRIMEが200万曲なのに対して、UNLIMITEDとHDは7500万曲
 PRIMEとUNLIMITEDがCDより低い音質なのに対して、HDはCDと同等かそれ以上の音質

DoCoMoのキャンペーンで利用できたのはPRIMEコース。
つまりCDより音質的には低いストリーミングで聴いていた。

もっとも、それはAppleミュージックやSpotifyなどのメジャーどころと同等の音質で、いわばストリーミングでの標準的な音質。CDと聞き較べてもほとんど聞き分けられないし、それだけを聴いていたら音質に不満を感じる人はほとんどいないはず。だいたい私は古いロックやポップスを聴くのに、当時のカーステやラジカセの雰囲気に近い低音質で楽しむために、オーディオではなくパソコンのスピーカーで鳴らしていたくらいで。

ちなみにAmazonミュージックでクラシックはほとんど聴いていない。PRIMEコースではラインナップが貧弱だったので、クラシックはCDそれ以外をストリーミングとの使い分けに自然となった。


そして1年が経って今年の4月に無料キャンペーン期間が終了したわけだが、まんまとキャンペーンでの体験に取り込まれて有料会員になってしまった(^^ゞ ただしそれは音楽のためよりはAmazonプライムビデオで観られる映画が主な理由。

なので当然ながら音楽はPRIMEコースを選択(というよりAmazonのプライム会員になるとAmazonミュージックのPRIMEコースが無料で付いてくる)。PRIMEコースで音楽を聴いていると、しょっちゅうUNLIMITEDにアップグレードしませんか?と表示が出る。でもPRIMEコースでも古いロックやポップスあるいは女性ジャズヴォーカルでまだ聴いていないアルバムがたくさんあったので、それらを聴き尽くすまではいいかなと思っていた。


しかし6月にストリーミグ業界に大きな変化が起こる。


ーーー続く

wassho at 19:35│Comments(0) 音楽、オーディオ 

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