2021年11月23日
アラン・ドロンのサムライ
先日、TVK(テレビ神奈川)というローカル局がアラン・ドロン主演の「サムライ」という古い映画を放送していた。制作は1967年。アラン・ドロンの代表作の1つで、フィルム・ノワールの名作とのこと。
フィルム・ノワール(Film Noir)はフランス語。Filmは映画でNoirは黒だから直訳すれば黒映画。日本語では暗黒映画と訳すこともある。狭義では1940〜50年代にハリウッドで数多く制作された犯罪映画のことだが、それをフランス人の評論家がネーミングしたのでフランス語が使われている。それまでの大衆娯楽としてのハッピーエンドな映画じゃなくて、虚無的、退廃的、悲観的などがキーワードだからノワール=黒なのだろう。現在はそういう内容のフランスあるいはヨーロッパ映画の形容詞として用いられることが多い気がする。
映画はアラン・ドロンが演じる一匹狼の殺し屋のストーリー。冒頭に「サムライの孤独ほど深いものはない。さらに深い孤独があるとすれば、ジャングルに生きる虎のそれだけだ 《武士道より》」というテロップが流れる。その《武士道より》の武士道ってナンだ? そんなタイトルの本があるのか? ジャングルの存在を知っているなら、とりあえず江戸時代の武士が書いたものではなさそう。
面白い映画だった。淡々としたストーリーに美意識の行き届いた映像と書くとありきたりの表現になってしまうけれど。派手なアクションや絶叫は一切なし。それどころか冒頭の数シーンが過ぎるまで台詞すらない静かな映画。現在のジェットコースターのようなハリウッド映画とは正反対で、じっくりと小説を読んでいるような気にさせてくれる。もっともアラン・ドロンの美貌ありきの作品なのは間違いないが。
ところでフレグランス(香水)のブランドにサムライというものがあって、それはアラン・ドロンがプロデュースした商品ということになっている。発売されたのは20年ほど前。当時は俳優としての人気が衰えたアラン・ドロンが、あるいはアラン・ドロンを担ぎ出した誰かが、てっきりその知名度を利用して日本人相手にインチキ商売を始めたのかと思っていた。しかし実は大いに優れた商品で現在に至るまで人気・定番ブランドの地位を保っている。今ではアラン・ドロンのサムライといえば映画ではなくフレグランスのことを思い浮かべる人のほうが圧倒的に多いだろう。
インチキ商売と感じた理由はサムライというネーミングにもあった。アラン・ドロンはフランス人なのにナンでサムライやねん、日本の単語を使ったら受けると考えたのか、日本人を舐めとるなあと思っていた。サムライというのは出演映画のひとつだったのね、無知というのは恐ろしい。ごめんなさいアラン・ドロンm(_ _)m
さてアラン・ドロン、私が小学生から中学生頃にかけては他を寄せ付けない「世紀の二枚目スター」だった。今でもよく覚えていることがある。
アラン・ドロンが来日。
空港には多数の女性ファン。アラン・ドロンがゲートから出てくるとキャーと大絶叫。
そして彼がウインクすると数人の女性が失神して倒れた。
(実際に起きた順序は分からないがニュース映像ではそういう編集になっていた)
アラン・ドロンは目から何か光線を出しているに違いないと子供の私は思った(^^ゞ
そのアラン・ドロンも今年で御年86歳。
美男子から渋いミドルまではよかったが、
これは3年ほど前の写真。
ただのジジイに(/o\)
時の流れは残酷だなあ。
アラン・ドロンでさえこうなのだから、そりゃ私もブサイクになるわ。
アラン・ドロンでもうひとつ思い出した。
40年ほど前だったと思うが次のような文章をどこかで読んだ。
俳優には2種類ある。
長生きしていい俳優とそうでない俳優。
ジャン・ギャバンは老醜をさらした役もいいが、
アラン・ドロンはそろそろ死ぬべきである。
ひょっとしたらアラン・ドロンの俳優としての実力をけなしていたのかも知れない。しかし私にそこまでの映画知識はなく、単純に顔面レベルの経年劣化を危惧して?の意見だと捉えた。その時は凄いことを言うなあと思ったが、現在のアラン・ドロンの写真を見ると、まあ納得できなくもないかな。ごめんなさいアラン・ドロン(2回目)。
まあ私は長生きしても許されるに違いない(^^ゞ
ーーー続く
フィルム・ノワール(Film Noir)はフランス語。Filmは映画でNoirは黒だから直訳すれば黒映画。日本語では暗黒映画と訳すこともある。狭義では1940〜50年代にハリウッドで数多く制作された犯罪映画のことだが、それをフランス人の評論家がネーミングしたのでフランス語が使われている。それまでの大衆娯楽としてのハッピーエンドな映画じゃなくて、虚無的、退廃的、悲観的などがキーワードだからノワール=黒なのだろう。現在はそういう内容のフランスあるいはヨーロッパ映画の形容詞として用いられることが多い気がする。
映画はアラン・ドロンが演じる一匹狼の殺し屋のストーリー。冒頭に「サムライの孤独ほど深いものはない。さらに深い孤独があるとすれば、ジャングルに生きる虎のそれだけだ 《武士道より》」というテロップが流れる。その《武士道より》の武士道ってナンだ? そんなタイトルの本があるのか? ジャングルの存在を知っているなら、とりあえず江戸時代の武士が書いたものではなさそう。
面白い映画だった。淡々としたストーリーに美意識の行き届いた映像と書くとありきたりの表現になってしまうけれど。派手なアクションや絶叫は一切なし。それどころか冒頭の数シーンが過ぎるまで台詞すらない静かな映画。現在のジェットコースターのようなハリウッド映画とは正反対で、じっくりと小説を読んでいるような気にさせてくれる。もっともアラン・ドロンの美貌ありきの作品なのは間違いないが。
ところでフレグランス(香水)のブランドにサムライというものがあって、それはアラン・ドロンがプロデュースした商品ということになっている。発売されたのは20年ほど前。当時は俳優としての人気が衰えたアラン・ドロンが、あるいはアラン・ドロンを担ぎ出した誰かが、てっきりその知名度を利用して日本人相手にインチキ商売を始めたのかと思っていた。しかし実は大いに優れた商品で現在に至るまで人気・定番ブランドの地位を保っている。今ではアラン・ドロンのサムライといえば映画ではなくフレグランスのことを思い浮かべる人のほうが圧倒的に多いだろう。
インチキ商売と感じた理由はサムライというネーミングにもあった。アラン・ドロンはフランス人なのにナンでサムライやねん、日本の単語を使ったら受けると考えたのか、日本人を舐めとるなあと思っていた。サムライというのは出演映画のひとつだったのね、無知というのは恐ろしい。ごめんなさいアラン・ドロンm(_ _)m
さてアラン・ドロン、私が小学生から中学生頃にかけては他を寄せ付けない「世紀の二枚目スター」だった。今でもよく覚えていることがある。
アラン・ドロンが来日。
空港には多数の女性ファン。アラン・ドロンがゲートから出てくるとキャーと大絶叫。
そして彼がウインクすると数人の女性が失神して倒れた。
(実際に起きた順序は分からないがニュース映像ではそういう編集になっていた)
アラン・ドロンは目から何か光線を出しているに違いないと子供の私は思った(^^ゞ
そのアラン・ドロンも今年で御年86歳。
美男子から渋いミドルまではよかったが、
これは3年ほど前の写真。
ただのジジイに(/o\)
時の流れは残酷だなあ。
アラン・ドロンでさえこうなのだから、そりゃ私もブサイクになるわ。
アラン・ドロンでもうひとつ思い出した。
40年ほど前だったと思うが次のような文章をどこかで読んだ。
俳優には2種類ある。
長生きしていい俳優とそうでない俳優。
ジャン・ギャバンは老醜をさらした役もいいが、
アラン・ドロンはそろそろ死ぬべきである。
ひょっとしたらアラン・ドロンの俳優としての実力をけなしていたのかも知れない。しかし私にそこまでの映画知識はなく、単純に顔面レベルの経年劣化を危惧して?の意見だと捉えた。その時は凄いことを言うなあと思ったが、現在のアラン・ドロンの写真を見ると、まあ納得できなくもないかな。ごめんなさいアラン・ドロン(2回目)。
まあ私は長生きしても許されるに違いない(^^ゞ
ーーー続く
wassho at 23:04│Comments(0)│
│映画、ドラマ、文学