2021年12月27日

あれから11年経ってまだフロッピー!

その昔、11年前の2010年に大阪地検特捜部・主任検事・証拠改ざん事件というものがあった。厚労省を舞台にした障害者に対する郵便割引制度を悪用した事件の捜査で、大阪地検特捜部の主任検事が証拠となるデータを改ざんしていたことが発覚。実行犯である主任判事には実刑判決、彼をかばった上司である特捜部長と副部長には、証拠隠滅と犯人隠避の罪で執行猶予のついた有罪判決が下された。

検察特捜部が証拠を改ざんし犯人をでっち上げたことで歴史に残る大事件であるが、それよりも衝撃的だったのは、そのデータがフロッピーディスクに収められていたこと。

そんな古くさいものが未だに使われていたのかとビックリして、主任検事が逮捕された翌日にブログにも書いた。それを読み返すと

    フロッピーディスクはパソコンの記憶媒体として主流だった時期もあったが、
    15年ほど前にその座を去った。昔はフロッピーを読み込む装置がパソコンには
    内蔵されていたが(今のCDやDVDドライブみたいな位置づけ)、今じゃオプション
    のリストにもない。20代の人とか、この10年くらいにパソコンを始めた人なら
    フロッピーを見たこともないんじゃないか? 

と書いている。

あれから11年経ったから、現在ではフロッピーディスクは25年ほど前に廃れたテクノロジーである。今でもアナログのよさを求めてレコードやフィルムカメラを使う人はいる。けれどもフロッピーディスクはもちろんデジタルだし、パソコンマニアのコレクション以外では、記憶容量的にも信頼性の上でも、さすがに実務で使うことはあの事件の頃を最後にもうないだろうと思っていたらーーー


2021年も終わろうとしている本日に出ました!
今度は警視庁が個人情報が入ったフロッピーディスクを紛失するという不祥事で。

共同通信のニュースを引用すると

   警視庁組織犯罪対策3課は27日、東京都目黒区から預かっていた区営住宅の
   申込者38人分の個人情報が記録されたフロッピーディスク(FD)2枚を紛失したと
   明らかにした。暴力団関係者がいないかどうかを照会するためのもので、
   情報流出は確認されていない。

   同課によると、FDには申込者の名前や生年月日、性別が記録されていた。
   2019年12月と21年2月に目黒区から1枚ずつ預かった。12月7日、区職員から
   「預けていた分を返してほしい」と依頼があり、保管庫を確認したところ紛失が
   発覚した。

記事を読む限り目黒区役所と警視庁では未だにフロッピーディスクが現役らしい。大阪地検特捜部の事件の時もデータをフロッピーディスクで保存していたのは厚労省。役所ではまだ使っているのか? 当然、今のパソコンにフロッピーディスクのドライブ装置はないから、わざわざそれを外付けしてということになる。そこまでして使う理由を是非知りたいところ。だいたいもうメーカーはフロッピーディスクを生産していないはず。


誰もがスマホを利用する時代になったのに、コロナによって「連絡がファックスでしかできない」「給付金の事務手続きが手作業なので時間が掛かる」など日本社会のIT化が行政の根本のところでダメダメなことが露わになった。2021年にフロッピーを使っているんだから、それも推して知るべしなのかも。


記念として、
見出しにフロッピーディスクと文字が書かれた記事を(^^ゞ

警視庁、フロッピーディスク2枚紛失 38人の個人情報入り | 毎日新聞


wassho at 21:26│Comments(0) 社会、政治、経済 

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