2022年01月28日
ミケル・バルセロ展
昨年末に篁牛人(たかむら ぎゅうじん)の展覧会を見て「あまり有名じゃないけれど凄い画家がいるものだなあ〜これからもそういう人の作品をたくさん観られますように」と思っていたら、年明け早々にSNSで気になる展覧会情報が流れてきた。
ミケル・バルセロ Miquel Barcelo
これまた牛人同様に今まで一度も耳にしたことのない名前。
展覧会公式ページの文章を一部引用すると
1957年、スペイン・マジョルカ島生まれ。
1976年、前衛芸術家のグループに参加。
1982年の「ドクメンタ7」(ドイツ・カッセル)で国際的にデビュー。
以降はマジョルカ島、パリ、アフリカなど各地にアトリエを構えて精力的に制作。
その制作は絵画を中心に、彫刻、陶芸、パフォーマンスなど領域を越えて広がり、
近年ではマジョルカ島のパルマ大聖堂の内部装飾、スイス・ジュネーブの国連欧州
本部・人権理事会大会議場の天井画など、壮大な建築的プロジェクトにも
結実しています。
などと紹介されている。また「長らく日本でほとんど未紹介であった」「本展は日本国内で初めて彼の仕事の全貌を紹介するものである」とも書かれていた。ヨーロッパじゃよく知られていても、なぜか日本では紹介もされず注目を得なかったということか。どうして?
ウィキペディアでミケル・バルセロを調べてビックリ。
本日現在、情報はたったこれだけしか記載されてない。
名前、生年月日、出身地、画家であることくらいしかわからない。
最後に「現代のピカソと呼ばれている」と補足されているが、この情報量でそんなことを言われてもウソくさいゾ(^^ゞ
日本ではまだ知られていないのだから仕方ないかと思い、英語版のウィキペディアを見ても、経歴が多少は文章で説明されている程度だった。A4サイズでプリント設定するとわずかに3ページしかない。ならばとスペイン語版のウィキペディアまで調べたが、こちらも4ページでほとんど変わらず。ちなみに日本語版のウィキペディアでルノワールだと34ページ、ゴッホに至っては65ページもの解説が載っている。
というわけでミケル・バルセロの海外での評価もよくわからず。でも心配はご無用、この展覧会は文句なく素晴らしかった。モダンアートは嫌いで、どちらかというと馬鹿にしている私が言うのだから間違いなし! 単によかったというのではなく、ちょっと魂を揺さぶられるような快感を味わえた。そんな展覧会は久しぶりかな。
この写真は2年ほど前に撮られたもの。
ミケル・バルセロは歌手のスティングを丸くしたような顔をしている。
ついでにマジョルカ島はここね。面積は沖縄本島の約3倍とのこと。
なお最近はマヨルカ島と呼ぶことのほうが多い。
展覧会が開催されているのは東京オペラシティのアートギャラリー。オペラシティとは新宿から京王線で1駅目の初台という場所にあり、大きくは超高層のビジネスビルと新国立劇場から成り立っている複合施設。
その新国立劇場にオペラ&バレエ専用のホールがあるので全体の名称がオペラシティ。アートギャラリーはビジネスビル低層の張り出した部分にある。
東京オペラシティは初台の駅と直結している。
地下から上がってきて最初に目にする光景。
巨人の彫刻は空を見上げてるのかと思ったら、
タイトルはSinging manで唄う男だった。
でも見上げているマンにしか見えない(^^ゞ
この写真の3層目にアートギャラリーが入っている。
上からの眺め。
この広場はサンクンガーデン(Sunken Garden)と呼ばれている。Sunkenは沈むという動詞sinkの形容詞形。だから地下に掘り下げた庭園というような意味の建築用語。このサンクンガーデンの床面は地下1階に当たる。
3階にあるアートギャラリへ。
ここへ来るのは始めてで、オペラシティにこんな施設があるのも実は知らなかった。
この展覧会には他と違う点がいくつかあって、
1)
写真撮影可。
いくつか展示風景を撮ってきた。おそらくはSNSでの拡散&集客を狙ってのものだろうが、他の展覧会でも見習ってほしいもの。ただし3〜4点ほど撮影が不可の作品があり、その区別がナゾ
2)
鑑賞順路が定められていない。
どこが最初の展示室か分からず係員に尋ねたら、出品リストの番号に沿って展示しているわけでもないので、お好きな場所からどうぞと言われた。企画展で(常設展でないという意味)そんな経験は初めてかも。
3)
順路がないことは徹底していて、今回は水戸部七絵という画家の展覧会も同時開催なのだが、ミケル・バルセロ展との区別はなく、通路を曲がったらいきなり水戸部七絵展のコーナーになっていてビックリした。
ミケル・バルセロの作品は大きなものが多い。
この左側の絵は縦3メートル、幅2メートル。
一般家屋じゃ吹き抜けの部屋がないと飾れないね。
ーーー続く
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