2022年04月02日

文京区・駒込にある吉祥寺でしだれ桜

東京でしだれ桜の名所といえば、もっとも名高いのは六義園(りくぎえん)だろう。今シーズンのサクラ見物のメインとして見に行くつもりだった。しかし都立庭園が3月21日までコロナの蔓延防止措置で閉鎖されていたこともあり、スケジュールが決められずに出遅れてしまう(/o\)

SNSで訪れた人の情報を見たときには既に散り始めとのことだった。また今年は例年と較べてもともと花数が少なかったらしい。というわけで断念。まあ来年まで長生きする目標ができたと前向きに考えましょう。

それで六義園のことを調べているときに知ったのが、そのすぐ近くにある直線距離なら800mほどしか離れていない吉祥寺というお寺。どうやら隠れたしだれ桜の名所とのこと。「有名な隠れた名所」なるものはたくさんあるが、ここはサクラの名所ガイド的なものにはあまり載っていなかった。隣の六義園で散り始めならここも同じだろうと考えるが、SNS情報ではそうでもなさそう。それならばと出かけてみることに。


ところで「駒込にある吉祥寺」「吉祥寺というお寺」と書いたのは、もちろん吉祥寺(きちじょうじ)といえば地図で左側に示した吉祥寺を思い浮かべるから。東京の住みたい街ランキングでは常にトップ3に入っている人気エリア。吉祥寺は知っていても、それがある東京都武蔵野市なんて聞いたことがない人のほうが多いくらい。
地図1


実はその街の吉祥寺は、今回訪れた寺の吉祥寺が名前の由来。この寺の建立は古く、室町時代後期に太田道灌(どうかん)が築いた江戸城の一画に彼によってなされた。現在の和田倉あたり。

しかし1590年に秀吉によって家康が駿河から江戸に移されると、現在の東京ドーム東隣の場所に移転させられる(>_<) おそらく家康による江戸城拡大の邪魔になったからだろう。

そして江戸の半分以上が被害に遭ったという、1657年の明暦の大火によってこの付近も焼け落ち、現在の地である駒込に再移転。
地図2

焼失した吉祥寺周辺は大名屋敷街として再開発されることになり、寺の門前町に住んでいた人々は幕府の斡旋で現在の武蔵野市東部に移住する。その場所に彼らが以前を懐かしんでつけた地名が吉祥寺村であり、現在の吉祥寺はそれに由来する。地名にも歴史ありだね。

なお寺の吉祥寺は「きっしょうじ」「きっちょうじ」と発音する場合もあるみたいだ。



地下鉄南北線の本駒込駅で下車。
ちなみに六義園の最寄り駅は隣の駒込駅。
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目の前は本郷通り。
緩やかな坂道を進む。
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寺は本郷通り沿いだし、こんな標識もあるから方向を間違わなければ迷う心配はない。
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駅から数分で吉祥寺に到着。
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山門に掲げられている額には「旃檀林(せんだんりん)」と書かれている。これは江戸時代に吉祥寺が開いていた僧侶の学問所の名前。これが後に駒澤大学となる。いやあ知らなかったなあ。


それはともかく、
山門をくぐる前からワクワクするね。
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ーーー続く

wassho at 21:15│Comments(0) お花畑探訪 

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