2022年08月06日

何が何でもブルーシート

遺体の搬出や容疑者の移送などの際に、なんとかそれを見せまいと大勢の関係者がブルーシートで取り囲むことにとても違和感を感じていて、このブログでも過去に2回書いた。1回目は主にその理由の推察。2回目はそんな行為がもう当たり前になっていて、ブルーシートに代わる目隠し専用道具までが発売されていることへの驚き。

興味があればこのリンクからお読みいただきたい。

  「ブルーシートの違和感と危惧
  「ブルーシートに代わる専用の目隠し道具まで登場


このテーマに関してそれらの投稿以降に、さらに深く考えたわけではない。しかしここ数ヶ月に「ここまでやるか?」と思った事例があったので記録しておくことにした。


まず最初は4月23日に北海道で起きた知床観光船の沈没事故。

これは5月26日に観光船が海底から引き上げられ、作業船に横付けされたところ。
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そして数時間後、
作業船の上に載せられたときにはブルーシートでラッピング!
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このニュースを見たときは、ブルーシートへの違和感をはるかに通り越して、笑ってしまったというか、古い表現を使えば「鼻から牛乳噴いた」ね。

このブルーシートに何の意味がある? ご存じのように船内に犠牲となった乗員乗客は見つかっていない。仮にいたとして、それをそのまま船内に放置して運ぶなんてあり得ない。

今後の捜査や裁判の支障にならないように損傷箇所を隠した? 引き揚げるまで数時間に渡ってマスコミの目にさらされていたから意味ないでしょ。だいたい裁判は提出された証拠によってのみ審理されるので、船体が人目に触れても影響はない。もちろんこの事故は「犯人しか知り得ない事実がある事件」でもない。

ではもしかして、これ以上に船体が損傷するのを防ぐためのもの? ブルーシートにそんな強度はないと思うけどーーー

特に理由を説明した報道は見つからなかった。逆にいえばブルーシートを疑問に思っている人もいないわけで、とりあえず何でも覆う・隠すのが習い性になっているとしかいいようがない。


次はあまり笑えない事例。
それはまだ記憶に新しい7月8日に起きた安倍元首相への銃撃事件。

銃撃後、安倍元首相は救急車で近くの公園に運ばれ、そこからドクターヘリで病院に向かった。信じられないことにニュース画像を見ると、救急車からヘリに移し替える際に、わざわざブルーシートでストレッチャー(車輪付きの担架)を覆い隠している。
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ブルーシートを展開するのにも時間が掛かるし、当然ながら何人かで持ち上げているブルーシートの移動にあわせれば、ストレッチャーを押すのもゆっくりになる。まさに一刻を争う状況だったはずなのに。


次は病院の屋上にヘリで到着したときの画像。
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こちらではブルーシートは使われていない。安倍元首相の身体を見ると、出血している部分を隠すためなのか、他に救急処置的な理由があるのか分からないが、毛布のようなものが掛けられている。私にはこれで不足があるとは思えないが。


ところでヘリに載せ替えるときに使われたブルーシートは、どこから持ってきたのか。断定はしないが、救急車に備え付けられているのじゃないか。もしそうならば、それだけ普段からブルーシートを使う機会が多いのだろう。

とりあえず「ここまでやるか」「そこでもやるか」と驚いたのが正直な気持ち。そう思うのは少数派なんだろうけれど。絶対にブルーシートを使うべきではないとまでは思っていないが、何となく日本社会の「異常な気遣い」に息苦しさを感じる。


最後になったが、犠牲になられた方々のご冥福をお祈りする。


※画像は上から順に下記のサイトから引用した。

https://www.asahi.com/articles/ASQ5W2BYRQ5WIIPE001.html
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220527-OYT1T50252/

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220715/k10013718861000.html
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220726/k10013731781000.html

https://www.yomiuri.co.jp/national/20220708-OYT1T50277/
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/photonews/photonews_nsInc_202207080000725-2.html

なおこの2つの事例だけで「息苦しさを感じる」とは過剰に感じられるかも知れないので、
できれば「ブルーシートの違和感と危惧」の投稿も併せて読んで欲しい。

wassho at 11:03│Comments(0) 社会、政治、経済 

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