2022年11月03日
温暖化防止のためビールのゲップは禁止?
前回、世の中に出回っている柿の多くが実は渋柿で、それらは柿農家が炭酸ガスを使って渋抜きをして出荷している話を書いた。
さて炭酸ガス、炭酸飲料など「炭酸」の言葉には馴染みがあっても、それが二酸化炭素の別名だと分かっている人は意外と少ない。
二酸化炭素すなわち炭素原子1つと酸素原子2つが結合したCO2ーーーそう地球温暖化の元凶と忌み嫌われているあの二酸化炭素である。
正確にいうと「炭酸ガス」が二酸化炭素。化学の分野で「炭酸」は「炭酸ガス」を縮めた言葉ではなく、二酸化炭素が水分子H2Oと結合した別物。化学式はH2CO3になる。よく炭酸飲料の泡を炭酸と呼んだり、それが少なくなると炭酸が抜けると言うけれど、泡の正体は炭酸ではなく炭酸ガス。
ついでに、ガスと聞くとガスコンロのガスや排気ガスなどを思い浮かるはず。そしてガスそのものについて漠然とした理解だと思うが、ガスとは単に気体という意味ね。二酸化炭素は常温常圧では気体。だから炭酸にガスが付く(のだとおもう)。
二酸化炭素がなぜ炭酸ガスと呼び変えられるのか(炭酸がそのまま気体化したものでもないのに)調べてみたがよく分からなかった。英語で二酸化炭素は carbon dioxide (カーボンは炭素、ダイオクサイドは二酸化物)。 carbon dioxide gas との使い方はあっても、別の名前には変わらないようだから、これは日本独自の言葉遣いかも知れない。
それはともかく、炭酸ガスとは二酸化炭素なのである。炭酸ガスは溶接に使ったり(溶接する金属の酸化防止)、冷やして固体にしてドライアイスにしたり、その他いろいろな分野で使われている。その中で最も身近なのは炭酸ガスが含まれた泡の出る飲料だろう。飲料に含まれる炭酸ガスは天然あるいは天然由来と、人工的に作られたものに分かれる。
まずは天然の炭酸水。これは地中にある炭酸ガスが溶け込んで湧き出すミネラルウォーター。1980年代にオシャレな飲み物として一世を風靡したペリエが代表的な商品。
ビールやスパークリングワインの泡は、醸造の過程で糖分がアルコールと炭酸ガスに分解されて発生する。だから天然由来の炭酸ガス。
ただしビールは缶や瓶に詰める際に、酸素を抜くため人工の炭酸ガスが充填される。また生ビールの場合は、生ビールが入った樽に、別のボンベから人工の炭酸ガスを押し込んで、樽からビールをディスペンサーと呼ばれる注ぎ装置に送り込んでいる。
人工の炭酸ガスはいろいろな物質の化学反応で作られるが、化学工場や製鉄所などの製造工程で副産物として生まれるものが多い。
スーパーやコンピにで売られている炭酸水は、水に人工的に作った炭酸ガスを溶かし込んでいる。そして清涼飲料の炭酸飲料は、原料を人工の炭酸水で割ったもの。
つまり炭酸飲料とは
人工の甘味料と香料と着色料で作ったシロップを
二酸化炭素入りの水で薄めた飲み物
だけど、そんな言い方をされたら飲む気がしないから、
炭酸ガスの言葉があってよかったかも(^^ゞ
さて世の中の趨勢は脱炭素社会である。
脱炭素社会とは地球温暖化の原因となっている温室効果ガスの排出をなくすこと。温室効果ガスにはメタン、一酸化二窒素、フロン類などもあるが、最も温暖化に影響の大きいのが二酸化炭素。そこで脱二酸化炭素を図るのが脱炭素社会。ターゲットは二酸化炭素一択。
そして二酸化炭素=炭酸ガスである。
だとすれば泡の出る飲料はどうなるのだろう。
天然に湧いてくる炭酸水。まあこれは仕方ないかな。ビールやスパークリングワインが出している二酸化炭素ってどれくらいの量なのか? それについて具体的には分からなかったが、面白い情報を見つけた。1997年(平成9年)と出典は古いものの
キリンビールの環境報告書によると、
同社がビールの原料作物の生産から醸造、物流、消費の各段階毎の
二酸化炭素排出量を調べたところ、
1位は醸造の加熱工程で使うボイラーからで年間48.7万トン
そして2位は何とビールを飲んだ後のゲップ!
年間34.5万トン!! ビール関連で排出される二酸化炭素の2割を占める!!!
ビール好きの諸君、地球温暖化防止のためにこれからはゲップ禁止な(^^ゞ
なお天然でない炭酸水や炭酸飲料など人工の炭酸ガスを原料とする飲み物は、工場の副産物としての炭酸ガスを利用している=利用しなければ大気中に放出されるものだから、二酸化炭素の増大には寄与していない。でも今後、工場での二酸化炭素排出がどんどんと少なくなれば、炭酸ガス不足なんてこともあり得るのかな。
さて炭酸ガス、炭酸飲料など「炭酸」の言葉には馴染みがあっても、それが二酸化炭素の別名だと分かっている人は意外と少ない。
二酸化炭素すなわち炭素原子1つと酸素原子2つが結合したCO2ーーーそう地球温暖化の元凶と忌み嫌われているあの二酸化炭素である。
正確にいうと「炭酸ガス」が二酸化炭素。化学の分野で「炭酸」は「炭酸ガス」を縮めた言葉ではなく、二酸化炭素が水分子H2Oと結合した別物。化学式はH2CO3になる。よく炭酸飲料の泡を炭酸と呼んだり、それが少なくなると炭酸が抜けると言うけれど、泡の正体は炭酸ではなく炭酸ガス。
ついでに、ガスと聞くとガスコンロのガスや排気ガスなどを思い浮かるはず。そしてガスそのものについて漠然とした理解だと思うが、ガスとは単に気体という意味ね。二酸化炭素は常温常圧では気体。だから炭酸にガスが付く(のだとおもう)。
二酸化炭素がなぜ炭酸ガスと呼び変えられるのか(炭酸がそのまま気体化したものでもないのに)調べてみたがよく分からなかった。英語で二酸化炭素は carbon dioxide (カーボンは炭素、ダイオクサイドは二酸化物)。 carbon dioxide gas との使い方はあっても、別の名前には変わらないようだから、これは日本独自の言葉遣いかも知れない。
それはともかく、炭酸ガスとは二酸化炭素なのである。炭酸ガスは溶接に使ったり(溶接する金属の酸化防止)、冷やして固体にしてドライアイスにしたり、その他いろいろな分野で使われている。その中で最も身近なのは炭酸ガスが含まれた泡の出る飲料だろう。飲料に含まれる炭酸ガスは天然あるいは天然由来と、人工的に作られたものに分かれる。
まずは天然の炭酸水。これは地中にある炭酸ガスが溶け込んで湧き出すミネラルウォーター。1980年代にオシャレな飲み物として一世を風靡したペリエが代表的な商品。
ビールやスパークリングワインの泡は、醸造の過程で糖分がアルコールと炭酸ガスに分解されて発生する。だから天然由来の炭酸ガス。
ただしビールは缶や瓶に詰める際に、酸素を抜くため人工の炭酸ガスが充填される。また生ビールの場合は、生ビールが入った樽に、別のボンベから人工の炭酸ガスを押し込んで、樽からビールをディスペンサーと呼ばれる注ぎ装置に送り込んでいる。
人工の炭酸ガスはいろいろな物質の化学反応で作られるが、化学工場や製鉄所などの製造工程で副産物として生まれるものが多い。
スーパーやコンピにで売られている炭酸水は、水に人工的に作った炭酸ガスを溶かし込んでいる。そして清涼飲料の炭酸飲料は、原料を人工の炭酸水で割ったもの。
つまり炭酸飲料とは
人工の甘味料と香料と着色料で作ったシロップを
二酸化炭素入りの水で薄めた飲み物
だけど、そんな言い方をされたら飲む気がしないから、
炭酸ガスの言葉があってよかったかも(^^ゞ
さて世の中の趨勢は脱炭素社会である。
脱炭素社会とは地球温暖化の原因となっている温室効果ガスの排出をなくすこと。温室効果ガスにはメタン、一酸化二窒素、フロン類などもあるが、最も温暖化に影響の大きいのが二酸化炭素。そこで脱二酸化炭素を図るのが脱炭素社会。ターゲットは二酸化炭素一択。
そして二酸化炭素=炭酸ガスである。
だとすれば泡の出る飲料はどうなるのだろう。
天然に湧いてくる炭酸水。まあこれは仕方ないかな。ビールやスパークリングワインが出している二酸化炭素ってどれくらいの量なのか? それについて具体的には分からなかったが、面白い情報を見つけた。1997年(平成9年)と出典は古いものの
キリンビールの環境報告書によると、
同社がビールの原料作物の生産から醸造、物流、消費の各段階毎の
二酸化炭素排出量を調べたところ、
1位は醸造の加熱工程で使うボイラーからで年間48.7万トン
そして2位は何とビールを飲んだ後のゲップ!
年間34.5万トン!! ビール関連で排出される二酸化炭素の2割を占める!!!
ビール好きの諸君、地球温暖化防止のためにこれからはゲップ禁止な(^^ゞ
なお天然でない炭酸水や炭酸飲料など人工の炭酸ガスを原料とする飲み物は、工場の副産物としての炭酸ガスを利用している=利用しなければ大気中に放出されるものだから、二酸化炭素の増大には寄与していない。でも今後、工場での二酸化炭素排出がどんどんと少なくなれば、炭酸ガス不足なんてこともあり得るのかな。
wassho at 23:11│Comments(0)│
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