2022年11月08日

赤い月を眺めて

本日は皆既月食&惑星食が同時に起きためずらしい日。

太陽→地球→月が一直線上に並ぶと、月が地球の影に入って欠けたり見えなくなるのが月食。ただし部分月食は月の一部が見えなくなるが、皆既月食では赤い満月が見える。惑星食は地球→月→惑星の順番に並んで、惑星が月に隠れて見えなくなること。それが惑星じゃなくて太陽なら日食になる。

月食も惑星食もそんなにめずらしい現象ではない。しかし皆既月食と惑星食が同時に起きるとなると前回が442年前の1580年、そして次回は322年後の2344年。ちなみに今回の惑星食は天王星食で、1580年は土星食、2344年も土星食とのこと。なお惑星食を天王星食に限ると、過去4000年以上も皆既月食と同時に起きていないらしい。

1580年といえばまだ信長が生きていた時代である(本能寺の変が1582年)。そして次が322年後ということは、人間のみならず地球上で目のある全生物にとって、今夜が皆既月食&惑星食を眺められる最初で最後となるチャンス。とはいっても天王星は肉眼では見えないから、天体望遠鏡でも持っていない限り普通の皆既月食と変わりないけれど(^^ゞ 信長も「土星が隠れた」なんて気がつかなかったはず。参考までに次の皆既月食は2025年9月8日にやってくる。


今回の月食タイムスケジュールは

  部分食の始まり 18時09分
  皆既食の始まり 19時16分
  食の最大    19時59分
  皆既食の終わり 20時42分
  部分食の終わり 21時49分

天王星食は(東京の場合)

  月に隠れる   20時41分
  月から出てくる 21時22分

午後7時くらいから月が欠けていくのをのんびり眺めるつもりが、残念ながらどうしても手を離せないことがあり、空を見上げたのは午後8時からで皆既月食がマックスになった頃。


20時05分撮影。月は赤く輝いていた。赤い月を眺めるのは初めてじゃないものの、今夜は空気が澄んでいたのかくっきりと見えた。
aDSCF1433

地球の影の中に隠れているはずなのに、月が赤く見えるのは

   太陽光は地球に遮られ影はできている

   ただし地球を覆っている大気層を通過した太陽光のうち、
   波長の長い赤い光が、大気層で屈折して影の中を通って月に当たっているから

というような理屈。詳しくは自分で調べてね。
図はhttps://www.nao.ac.jp/astro/basic/lunar-eclipse.htmlからの引用。
c1


月は地球から約38万キロの距離にある。といわれてもピンとこないが縮尺を揃えてイメージ化したのが下の画像。月と地球の間には地球が約30個並べられる。夜空を眺めての感覚よりはるかに遠い。ちなみに月まで宇宙船で片道約4日、旅客機の飛行速度時速900kmなら約18日、新幹線285kmなら約56日。
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20時32分撮影。
何が反射したのか不明だが赤い帯が映り込んだ。何となく宇宙ぽくて素敵(^^ゞ
bDSCF1438

たいした倍率のズームレンズではないし、三脚もなく手持ちでの撮影。だから写真がボケボケなのは仕方ないところ。記念に撮影はしたものの、本日はパソコンやスマホの画面ではなく38万キロ先をしばし眺めたことに意義があったと思う。


参考までに、
それなりの機材とテクニックで撮られた写真。
d1


月の下にある白い点が、月に隠れようとする天王星らしい。
これを天体望遠鏡で観察できたとしても感動したかどうかはーーー(^^ゞ
d2


ところで
月は38万キロ離れていても遮るものがないから直接見られる。それなのに地上で暮らしていると、遮るものが多くて世の中がなかなか見えないねと思ったりの天体イベントの日。

wassho at 23:07│Comments(0) 生活、日常 

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