2022年11月20日

危険な天文学? その3

宇宙が誕生したのは138億年前とされるのが初回に書いた話。ビッグバン理論によれば138億年前より過去は存在しないのだから究極の昔である。そして前回は太陽系だけでも気の遠くなるような広さなのに、それが宇宙の中では点にもならない存在なことについて。

その想像すら追いつかないスケールと人生や日常を較べると、あらゆる出来事がどうでもよく思えてきてヤル気がなくなるから天文学は危険である。ただしクヨクヨする気も失せるプラス面もある(^^ゞ


さて時間と距離の次は量について。
宇宙に星がいくつあるか考えたことある?

太陽系には光を発する恒星である太陽を中心に、その周りを回る惑星8つ、準惑星5つがあり、さらに惑星や準惑星の周りを衛星が回っている。衛星の数え方はいろいろあるようだが国立天文台で確定番号がついた(観測の結果、衛星だと認められたとの意味だと思う)惑星の衛星数は182個。発見されていない衛星もまだ残っているようで、数年前の2018年に木星で10個、2019年に土星で20個が新たに見つかっている。また準惑星の確定衛星数は8個。

他にも小惑星や彗星などがあるけれど、とりあえず恒星1+惑星8+準惑星5+確定衛星182+8=204が太陽系の星の数。衛星は月くらいしか意識にないからずいぶんと多く感じる。衛星の大きさは様々で半径1メートル以下の岩のかけらもあれば、惑星である水星より大きな衛星も2つある。


太陽系のように恒星が惑星を伴っているものを惑星系と呼ぶ。ただし恒星と違い惑星は光を発しないので発見が難しい。今までに確認された太陽系以外の惑星系は3873個、惑星の総数は5241個。衛星はまだ見つかっていない。

というわけで、とりあえず星とは恒星に限定として、太陽系が属する天の川銀河にいくつの恒星があるか。正確に数えた人はいないが学説では1000億個から4000億個とされる。

そして全宇宙の銀河の数はなんと2兆個と推定されている!

ということはあまたある銀河の恒星数を、天の川銀河の恒星数1000億から4000億の中間をとって2000億とすれば、全宇宙の恒星は

  2000億個 × 2兆個!!

もう掛け合わせたら桁の単位は何になるか調べるのも面倒なくらいの数量。そして仮にすべての恒星が太陽系のように惑星系を持つとすれば、星の数は

  2000億個 × 2兆個 × 200個!!!   (太陽系の星の数を切り下げて200個)

たった200倍になるだけのように思えても、掛け合わせる相手が巨大だから、この200倍の破壊力も強烈になる。よく「世の中には星の数ほど−−−」との表現が使われるが、星の数ほどあるものなんて人間社会にないよ。

え〜そして、我々は2000億個 × 2兆個 × 200個のうちの1つの星に住んで、その中に196カ国あるうちの1つの国で暮らし、日常の生活範囲なんてせいぜいーーーやっぱり天文学に手を出すのは危険である(^^ゞ



さて地球に最も近い太陽系外の星はプロキシマ・ケンタウリと名前がついている。距離は約4.2光年。光の速度は秒速約30万キロで時速に直せば約11億キロ。時速1225キロのマッハに換算すればマッハ90万。その光速で移動しても4.2年、往復で8年半ほども掛かる距離。

10プロキシマ・ケンタウリ

画像はhttps://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=46833562から。明るく輝いている2つの星がケンタウルス座のα星とβ星で、赤く丸を付けたところにプロキシマ・ケンタウリがある。

ところで、ご承知のように光より早いスピードはないと物理学ではなっている。それどころか人類史上最速の宇宙探査機ヘリオス2号のスピードでも時速25万3000キロだから、光速の0.00023%しか達成していない。

いやいや大丈夫、来年あたりにアインシュタイン以上の天才が現れて、10年後にはワープ航法の宇宙船が完成しているはずだから、それに乗って宇宙旅行にーーーと、かれこれ50年以上思い続けているのだが。そろそろ実現してくれないともう年齢的に(^^ゞ

しかし、もし明日にでも未来から宇宙船エンタープライズ号がやって来てくれたとしても、そう簡単に喜べないのである。

11エンタープライズ号

スタートレックではなくまだ宇宙大作戦と呼ばれていた頃のエンタープライズは、ワープ2から3のスピードだったように思う。しかし最新の機体はワープ9.9まで出せるらしい。ワープ1が光速、値が上がる毎に指数関数的にスピードは増してワープ9.9は光速の3053倍。これだとプロキシマ・ケンタウリまで12時間ほどである。

しかし天の川銀河は直径10万光年の広さなのである。端から端までワープ9.9で33年も掛かる。太陽系の位置は画像に赤丸で示したところで、そこから銀河の中心部まで2万5800光年。ワープ9.9で8.5年、往復で17年も掛かる。やっぱり宇宙旅行するなら中心は見ておきたいでしょ、日本でいえば富士山みたいなものだから。でも17年も旅行するのは無理(>_<)

12銀河系

地球から最も近いプロキシマ・ケンタウリは4.2光年先だが、他にも10光年以内に13個の星が見つかっている。しかし10光年とはエンタープライズで片道29時間掛かる距離。現地で遊んで観光して、それでも3泊4日くらいで宇宙旅行を楽しみたいのになあ(^^ゞ

なお10光年は天の川銀河の直径10万光年に対して0.0001%の距離。これを日本の長さ3000キロに当てはめるとわずかに300メートル! それじゃ宇宙旅行してきたと自慢できない!

またどうせなら隣のアンドロメダ銀河にも訪れてみたいもの。何となく子供の頃からアンドロメダという言葉に神秘的な響きを感じていたのよ。しかしアンドロメダは、天の川銀河の直径10万光年よりはるかに遠い250万光年も先にある。82年も掛かるぢゃないか! それではとウルトラマンの出身地であるM78星雲を調べたら300万光年も離れていた(>_<) 買いたかったなあ、ご当地限定販売グッズをM78にあるウルトラマン記念会館で(^^ゞ

13アンドロメダ

まあそれだけ宇宙は桁外れに広いという話である。ちなみに宇宙大作戦の最初のシリーズでは、エンタープライズ号で5年間の宇宙探査任務に出かける設定だった。片道2年半を、途中の船外活動時間を考えないで真っ直ぐに飛び続けたとして、平均速度ワープ2(当時の設定では光速の8倍)とすれば、20光年先までしか進んでいない計算になる。日本サイズだと600メートル。えっ、たったそれだけ?

あんなに心躍らせて放送を見ていたのに、その夢がしぼんだようなーーー
これが宇宙のあまりのスケールはSF映画や小説の危機でもあると書いた意味。

それでもつい見てしまうけどね。
庵野秀明監督がシン・スタートレックや
シン・スターウォーズをを撮ってくれないかな(^^ゞ


おしまい

wassho at 20:58│Comments(0) ノンジャンル | 映画、ドラマ、文学

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