2022年12月30日

年が明けたら蛍の光?

     ♪蛍の光 窓の雪
     書(ふみ)読む月日 重ねつつ
     何時(いつ)しか年も すぎの戸を
     開けてぞ今朝は 別れゆく

実は「すぎの戸」が「時が過ぎ」と「杉の戸」の掛詞になっているを知ってた?
それはともかく誰もが歌える蛍の光。


「書(ふみ)読む月日」を重ねたのに「今日でお別れ」なので卒業式の定番ソング。私が児童や学生だった頃は、在校生が「蛍の光」を歌って、卒業生が「仰げば尊し」で返すのがお約束にだったものだが今はどうなんだろう。

そしてもちろん卒業式だけでなく、いろんなお別れの場面でも歌われる。この曲が流れると何となく終わったんだなと、しんみりした気分になるのは日本人共通の感情だろう。それを逆手にとって?お店が閉店時間になると客を追い出すためにも使われる(^^ゞ ただしあれは4拍子の「蛍の光」を、3拍子に編曲し直した「別れのワルツ」という派生バージョン。

その違いを気にした人はあまりいないと思うが、こちらで聞き較べれば「別れのワルツ」だと「本日はご来店まことにありがとうございました」と、まるでアナウンスが聞こえてきそうなのがおもしろい。


とにかく蛍の光のメロディを聴くと「別れ」「おしまい」と条件反射してしまう。しかしどうやらそれは日本人だけのようであるというお話。英語圏では大晦日のカウントダウンで年が明けた瞬間に歌われる新年ソングとなっているらしい。ホンマカイナ? と思ってしまうが論より動画で。


新しい年がいきなり蛍の光して大丈夫?

カウントダウンの後、オッサンがロックで蛍の光!


そもそも蛍の光はスコットランド民謡のAuld Lang Syne(オールド・ラング・ザイン)が原曲。Auld Lang Syneはスコットランド語で英語に置き換えればOld Long Since。日本語だと「古き昔」あたりのニュアンス。歌詞は「旧友と会って、昔を懐かしんで酒を飲み交わす」ような内容。蛍の光とメロディは同じでも、まったく別れとは関係なく逆に再会がテーマ。だから蛍の光が原曲を無視して歌詞を作り替えたといえる。どうしてそうなったのかは知らない。

もっとも「旧友と会って、昔を懐かしんで酒を飲み交わす」Auld Lang Syneを新年早々に歌うのも意味がよく分からないが。

またこの曲は世界各国に広まっており、なんと韓国では国歌が1948年までAuld Lang Syneのメロディーで歌われており、つまり国歌が蛍の光だった時代がある。また本家スコットランドでAuld Lang Syneは準国歌の扱いだそうだ。ということは国歌になっていた可能性もあったのだろうか。表彰式で蛍の光が流れたら日本人の観客は帰っちゃうよ(^^ゞ


まあところ変われば、あれこれ変わる。世界は広いね。
さて年の瀬もいよいよ押し迫ってきた。

  ♪ もうふたつ寝るとお正月

やっぱりこの歌の方がいいかな。
よいお年をお迎えください。

wassho at 22:27│Comments(0) 生活、日常 

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