2023年05月15日
明治神宮で新緑 &鳥居のナゾ
「春はあけぼの」ならぬ「春は新緑」だの話は何回か前に書いた。5月6日は曇りのち雨のさえない予報だったはずが、いい天気になったので新緑を楽しみに出かけようかと。しかしそんなつもりはなく遅くまで寝ていたから、あまり郊外までは足を伸ばせない。ならば緑が深くて自宅から近いところといえば明治神宮である。
2020年に新しくなった原宿駅。
地下鉄で来たのでこの駅で降りたわけじゃない。地下鉄の明治神宮前駅とはつながってはいるものの、実はJRの新しい駅舎にはまだ入ったことがない。
原宿駅前の交差点。
真っ直ぐ進めば(明治神宮のというより地名としての)表参道。
180度向きを変えて神宮橋。
橋の下は山手線その他JRの線路。
それを渡れば明治神宮の南門。
この鳥居は第一鳥居と呼ばれる。
あれ? 以前に来たときと雰囲気が違う。
こちらの写真は2019年1月の撮影。
調べてみると、以前の鳥居は明治神宮が創建された1920年(大正9年)からのもの。老朽化や腐食が進んだとの理由で、昨年の1月から7月にかけて建て替えたそうだ。古くなっているイメージなかったけどなあ。それにしてもシンプルな構造物なのに工事期間はけっこう長いね。写真では新しい鳥居が小さく見えるが、それは構図のせいで高さ11m、最上部の幅15.6mは先代と同じ。
新緑が映える新鳥居。
境内に入る。
原宿駅前から3分でこの光景に変化するワープ感覚が明治神宮の魅力。
うっそうとしているので新緑は木々の間から。
写真に撮ると光の当たっているところしか新緑のように見えないものの、
実際は新緑のトンネルに包まれている感がある。
ところどころ視界が開けた場所では巨大な新緑。
参道はまだまだ続く。
南門の第一鳥居をくぐり、次の鳥居である大鳥居まで約450mある。
大鳥居で社殿方向に曲がらずに、北門までまっすぐ行くと約1km。
明治神宮に来ると何か特別な感覚を覚えるという人は多い。パワースポットだからなんて説明されたりもする。もちろんそんな都合のいいエネルギーなんて存在しないから
深い森に囲まれた
先が見えないほどの長い直線道路
がその正体だと思う。山に行けばもっとたくさんの木が生えているし、高速道路を始め長い直線道路もあちこちにある。しかしこの2つが同時に存在している場所はそう多くはない。だから不思議な気持ちになる。さらに森はカオス的存在だし、直線道路は秩序そのもの。その極端でスケールの大きな対比が知覚に普段とは違う刺激を与えるのだろう。もちろん神様がいるからと信じたい人の気持ちは尊重するよ(^^ゞ
奉納された日本酒。
どこの神社にもあるが明治神宮のはスケールが桁違い。数えてみると5段目までは1列に38樽が並んでいる。最上段は27樽で合計217樽。ただし2樽奉納しているお酒が多いので銘柄数はその半分ほど。ちなみにこの樽にはお酒は入っていない。
その向かいにはワインの樽。
明治天皇がワイン好きだった縁でフランスのブルゴーニュから贈られたもの。
ロマネコンティの樽もあるらしい。
そして現れるのが大鳥居と呼ばれる第二鳥居。
こちらは1975年(昭和50年)に立て替えられている。ところで明治神宮のホームページによると、この鳥居は「高さ12m、笠木(最上部)の長さ17m」で「木造の明神鳥居としては日本一」と書かれており、ネットでもそのコピペ情報がほとんど。
そこをスルーしないのがこのブログのいいところでありメンドくさいところ(^^ゞ
まず明神鳥居とは何だ。
鳥居には主なものだけで30種類ほどのバリエーションがあるらしく、大別すると明神(みょうじん)鳥居系と神明(しんめい)鳥居系に分けられる。明神と神明ーーーどうして漢字を入れ替えただけの紛らわしい名前にした?
その最も大きな違いは、明神が上部が反って装飾性を持たせているのに対して、神明は丸太を組み合わせただけのシンプルなデザイン。
それで「木造」の注釈はコンクリート製あるいは鉄製ならさらに大きな鳥居があるのは当然として、「木造の明神鳥居として」と言うからには、木造の神明鳥居に明治神宮のより大きなものがあるように読み取れる。
調べてみると工法を問わず、日本で最大の鳥居は和歌山県にある熊野本宮大社のもの。
鋼板製で高さ33.9m、幅42m。
この鳥居は日本一なのでときどき紹介される。
それにしても巨大。無駄にデカいとの気もするが(^^ゞ
しかもこの鳥居は神社からかなり離れた場所にあって(鳥居の背後の森は神社ではない)、神社の参道に建っているわけでもない。建設地はかつて神社があった場所らしいが、境内にこんなサイズでは建てられないからそこが選ばれたのだろう。まあ巨大なものを造りたいとは人間の本能。建立は2000年。施工は川崎製鉄と日本鋼管が前身のJFEエンジニアリング。
それはさておき「神社の鳥居、高さランキング」を記したホームページを見ていておかしなことに気づいた。1位から19位は鋼板製やコンクリート製の鳥居が並ぶ。工法不明のものもあるが木造ではないだろう。
木造の鳥居が登場するのは20位の山梨県の北口本宮冨士浅間神社から。
冨士山大鳥居と呼ばれ高さ18m、幅11m。
それがこの写真。
あれ? 上部が反っているから明治神宮と同じ明神鳥居じゃないか。
でもこれは脚が3本あるから明神系の両部鳥居としてカウントしているのかも知れない。
木造2位は広島県の厳島神社で高さ16.6m。
これも明神系の両部鳥居。
問題は木造3位である埼玉の川越氷川神社。
高さ15mで明治神宮のより3m高い。
そしてこれは純粋な明神型の鳥居じゃないか。
面白いのは木造4位の同じく埼玉にある武蔵一宮・氷川神社。
この神社の鳥居は明治神宮が大鳥居を1975年に建て変えたときに譲り受けたもの。その時に鳥居下部を1m継ぎ足して高さ13mにしている。もちろん明治神宮のお下がりだから正真正銘の明神鳥居。
それ以上は調べていないが、明治神宮が「木造の明神鳥居としては日本一」と述べているなら「木造の神明鳥居」でもっと大きなものがあるかと思いきや、明治神宮と同じ「木造の明神鳥居」でより大きなものが存在した。
もっとも明治神宮のホームページは「木造の明神鳥居としては日本一」と述べているだけで、日本で一番大きいとも高いとも書いていない。でもナンダカなあ〜と思わざるを得ない。ましてや明治神宮の元鳥居を改造して現鳥居より大きくしたものまで存在するのである。
えっ、そんなアラ探しをしたらバチが当たるって?
いや、バチが当たるのはウソをつく奴だよ。
鳥居の話で長くなってしまったm(_ _)m
ーーー続く
画像の引用元ページ
引用1:https://intojapanwaraku.com/rock/culture-rock/7261/
引用2:https://hotokami.jp/area/wakayama/Hrtts/Hrttstk/Dskmy/147552/252217/
引用3:https://www.sekaiisan-wakayama.jp/know/kumano-sanzan/hongu.html
引用4:https://www.jtb.co.jp/myjtb/card/travel_life/column/article310.asp
引用5:https://j-town.net/2019/06/27290669.html?p=all
引用6:https://thegate12.com/jp/article/456
2020年に新しくなった原宿駅。
地下鉄で来たのでこの駅で降りたわけじゃない。地下鉄の明治神宮前駅とはつながってはいるものの、実はJRの新しい駅舎にはまだ入ったことがない。
原宿駅前の交差点。
真っ直ぐ進めば(明治神宮のというより地名としての)表参道。
180度向きを変えて神宮橋。
橋の下は山手線その他JRの線路。
それを渡れば明治神宮の南門。
この鳥居は第一鳥居と呼ばれる。
あれ? 以前に来たときと雰囲気が違う。
こちらの写真は2019年1月の撮影。
調べてみると、以前の鳥居は明治神宮が創建された1920年(大正9年)からのもの。老朽化や腐食が進んだとの理由で、昨年の1月から7月にかけて建て替えたそうだ。古くなっているイメージなかったけどなあ。それにしてもシンプルな構造物なのに工事期間はけっこう長いね。写真では新しい鳥居が小さく見えるが、それは構図のせいで高さ11m、最上部の幅15.6mは先代と同じ。
新緑が映える新鳥居。
境内に入る。
原宿駅前から3分でこの光景に変化するワープ感覚が明治神宮の魅力。
うっそうとしているので新緑は木々の間から。
写真に撮ると光の当たっているところしか新緑のように見えないものの、
実際は新緑のトンネルに包まれている感がある。
ところどころ視界が開けた場所では巨大な新緑。
参道はまだまだ続く。
南門の第一鳥居をくぐり、次の鳥居である大鳥居まで約450mある。
大鳥居で社殿方向に曲がらずに、北門までまっすぐ行くと約1km。
明治神宮に来ると何か特別な感覚を覚えるという人は多い。パワースポットだからなんて説明されたりもする。もちろんそんな都合のいいエネルギーなんて存在しないから
深い森に囲まれた
先が見えないほどの長い直線道路
がその正体だと思う。山に行けばもっとたくさんの木が生えているし、高速道路を始め長い直線道路もあちこちにある。しかしこの2つが同時に存在している場所はそう多くはない。だから不思議な気持ちになる。さらに森はカオス的存在だし、直線道路は秩序そのもの。その極端でスケールの大きな対比が知覚に普段とは違う刺激を与えるのだろう。もちろん神様がいるからと信じたい人の気持ちは尊重するよ(^^ゞ
奉納された日本酒。
どこの神社にもあるが明治神宮のはスケールが桁違い。数えてみると5段目までは1列に38樽が並んでいる。最上段は27樽で合計217樽。ただし2樽奉納しているお酒が多いので銘柄数はその半分ほど。ちなみにこの樽にはお酒は入っていない。
その向かいにはワインの樽。
明治天皇がワイン好きだった縁でフランスのブルゴーニュから贈られたもの。
ロマネコンティの樽もあるらしい。
そして現れるのが大鳥居と呼ばれる第二鳥居。
こちらは1975年(昭和50年)に立て替えられている。ところで明治神宮のホームページによると、この鳥居は「高さ12m、笠木(最上部)の長さ17m」で「木造の明神鳥居としては日本一」と書かれており、ネットでもそのコピペ情報がほとんど。
そこをスルーしないのがこのブログのいいところでありメンドくさいところ(^^ゞ
まず明神鳥居とは何だ。
鳥居には主なものだけで30種類ほどのバリエーションがあるらしく、大別すると明神(みょうじん)鳥居系と神明(しんめい)鳥居系に分けられる。明神と神明ーーーどうして漢字を入れ替えただけの紛らわしい名前にした?
その最も大きな違いは、明神が上部が反って装飾性を持たせているのに対して、神明は丸太を組み合わせただけのシンプルなデザイン。
画像引用1
それで「木造」の注釈はコンクリート製あるいは鉄製ならさらに大きな鳥居があるのは当然として、「木造の明神鳥居として」と言うからには、木造の神明鳥居に明治神宮のより大きなものがあるように読み取れる。
調べてみると工法を問わず、日本で最大の鳥居は和歌山県にある熊野本宮大社のもの。
鋼板製で高さ33.9m、幅42m。
画像引用2&3
この鳥居は日本一なのでときどき紹介される。
それにしても巨大。無駄にデカいとの気もするが(^^ゞ
しかもこの鳥居は神社からかなり離れた場所にあって(鳥居の背後の森は神社ではない)、神社の参道に建っているわけでもない。建設地はかつて神社があった場所らしいが、境内にこんなサイズでは建てられないからそこが選ばれたのだろう。まあ巨大なものを造りたいとは人間の本能。建立は2000年。施工は川崎製鉄と日本鋼管が前身のJFEエンジニアリング。
それはさておき「神社の鳥居、高さランキング」を記したホームページを見ていておかしなことに気づいた。1位から19位は鋼板製やコンクリート製の鳥居が並ぶ。工法不明のものもあるが木造ではないだろう。
木造の鳥居が登場するのは20位の山梨県の北口本宮冨士浅間神社から。
冨士山大鳥居と呼ばれ高さ18m、幅11m。
それがこの写真。
画像引用4
あれ? 上部が反っているから明治神宮と同じ明神鳥居じゃないか。
でもこれは脚が3本あるから明神系の両部鳥居としてカウントしているのかも知れない。
木造2位は広島県の厳島神社で高さ16.6m。
これも明神系の両部鳥居。
画像引用5
問題は木造3位である埼玉の川越氷川神社。
高さ15mで明治神宮のより3m高い。
そしてこれは純粋な明神型の鳥居じゃないか。
画像引用6
面白いのは木造4位の同じく埼玉にある武蔵一宮・氷川神社。
この神社の鳥居は明治神宮が大鳥居を1975年に建て変えたときに譲り受けたもの。その時に鳥居下部を1m継ぎ足して高さ13mにしている。もちろん明治神宮のお下がりだから正真正銘の明神鳥居。
それ以上は調べていないが、明治神宮が「木造の明神鳥居としては日本一」と述べているなら「木造の神明鳥居」でもっと大きなものがあるかと思いきや、明治神宮と同じ「木造の明神鳥居」でより大きなものが存在した。
もっとも明治神宮のホームページは「木造の明神鳥居としては日本一」と述べているだけで、日本で一番大きいとも高いとも書いていない。でもナンダカなあ〜と思わざるを得ない。ましてや明治神宮の元鳥居を改造して現鳥居より大きくしたものまで存在するのである。
えっ、そんなアラ探しをしたらバチが当たるって?
いや、バチが当たるのはウソをつく奴だよ。
鳥居の話で長くなってしまったm(_ _)m
ーーー続く
画像の引用元ページ
引用1:https://intojapanwaraku.com/rock/culture-rock/7261/
引用2:https://hotokami.jp/area/wakayama/Hrtts/Hrttstk/Dskmy/147552/252217/
引用3:https://www.sekaiisan-wakayama.jp/know/kumano-sanzan/hongu.html
引用4:https://www.jtb.co.jp/myjtb/card/travel_life/column/article310.asp
引用5:https://j-town.net/2019/06/27290669.html?p=all
引用6:https://thegate12.com/jp/article/456