2023年09月07日
サンダルとスリッパのよもやま話 その4
今回のよもやま話を書いたきっかけは無印良品の「ルームサンダル・鼻緒」という商品。まるでビーチサンダルの形をしているのに、それを部屋で履くのが面白いと思って衝動買い。
商品はなにがしかのカテゴリーに属していて、そのカテゴリーには「この商品はかくあるべし」との暗黙のルールや固定概念がある。それを少しハズしたりズラしたり、別の要素を付け加えたりするとマーケティング的に活きてくる場合が多い。
「ルームサンダル・鼻緒」の場合は、
室内で履くのはスリッパで足の前部が覆われているがルールだったのに、
外履きのサンダルに見られる鼻緒のあるデザインを用いた
ーーーのがそれに当たる。つまりまんまと無印良品のマーケティングにのせられてしまったわけ(^^ゞ もちろんただハズせばいいわけではなく、スリッパで足の前部が覆われていると夏は暑い、かといって裸足だと足の脂でフローリングがベタつくといった問題解決にもなるから買う価値があった。
カテゴリーのルールをハズしてヒットした例はミュールもそうかも知れない。多くのバリエーションがあるが私のイメージするミュールは 画像はhttps://eimyistoire.com/shop/g/g1121460347-0000-0092から引用
足の前部は覆われている
カカトを固定するストラップなどはなく、形状としては突っ掛け式のサンダル
ヒールはそこそこ高い
サンダルなのに少しフォーマル感のあるところがヒットの要因では思っている。ただしミュールについて女性と話したことはないので、これはあくまで想像。とりあえず駅の階段でミュール女子がいるとカカトを打ち付ける音がうるさいのが困る(^^ゞ
また似たようなデザインのまがい物も含めれば、
今や一家に一足はあるといわれるクロックスも同じ。
クロックスは外履きのサンダルなのに、足の前部をすっぽりと覆って室内履きのスリッパ、あるいはそれを通り越して靴に近いデザインをしている。まずはそれが目新しかったのが第1の要因。またサンダルでは足が露出しすぎてカジュアルすぎるシチュエーション、また怪我が心配な場合にもクロックスなら大丈夫とイメージできたのもプラス要因。
さてさて
履き物業界で最大のカテゴリーハズしといえば、それでヤンキーサンダルの右に出るものはないはず(^^ゞ もう知らない人のほうが多いだろうが、それは1970年代の終わり頃に突然ヤンキーの世界を席巻した一大ムーブメントだった。
どんなものかといえば
男性のヤンキーが
女性用のサンダル(突っ掛けタイプ)を履く
と、ただそれだけ。当然ながらサイズは小さく足がはみ出すものの、それは彼女のサンダルを一時的に借りてきたりしたものではなく、常に履いている自分専用のサンダルである。
嘉門達夫のレコードジャケットで、
左側のニイちゃんが履いているのがヤンキーサンダル。
ネットでは当時のヤンキーの写真はあまり見当たらない。
とりあえずリンクを2つ紹介しておく。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/g/gemini-yahata/20171019/20171019144411.jpg
https://qph.cf2.quoracdn.net/main-qimg-292d06378e6fea0e3a04c3379411918e-lq
なぜヤンキーサンダルがブームになったのかは知らない。まあでもファッションの流行なんてそんなものである。今一番イケてる服装やヘアスタイルだって30年後には「ナンジャこれ?」になる。社会のいろいろなことが説明不能なくらい複雑に絡み合って、その時はかっこよく思えるのである。
あえてヤンキーサンダルを分析すると、男物より女性物のサンダルの方が派手なのが好まれたとの推測はできる。戦国時代の傾奇者(かぶきもの)と呼ばれた反体制的な武将達は目立つために女性物の着物を羽織ったりした。それと似たようなマインドかも。
ヤンキーサンダルは1980年代の終わり頃には姿を消したように思う。しかし同時期に誕生して現在も発売されている商品がある。それが健康サンダル。
いうまでもなくサンダルのカテゴリーに今まではなかった健康の要素を付け加えた商品。マーケティングの定石がヒットに結びついた事例でもある。これを履いているとオッサンと後ろ指を指された時代もあったものの、それなりにデザインにも工夫を加えてしぶとく生き残っている。また地方都市に行くとマイルドヤンキーがキティちゃんの健康サンダルを愛用しているとか。ヤンキーサンダルも形を変えながら生き残っているのか?
ところで健康サンダルはインソール(靴底の足に接する側)に突起を付けて足裏を刺激する仕組み。それで健康になるかはともかく、そこそこ気持ちがいい。でもどうしてそういう構造を持った履き物は健康サンダルだけで、スニーカーや革靴にないのかが不思議。いかにも企画モノじゃないマトモな商品があれば試しに買ってみるけどな。
履き物業界の皆様、そこのところよろしく。
おしまい
<追伸>
私は「ルームサンダル・鼻緒」タイプの商品を無印良品で初めて知ったが、今治タオルで作られたものもあるし、そもそも室内履きの上草履というものは昔からあったようだ。来年の夏は伝統的な上草履にチャレンジしてみようか。
商品はなにがしかのカテゴリーに属していて、そのカテゴリーには「この商品はかくあるべし」との暗黙のルールや固定概念がある。それを少しハズしたりズラしたり、別の要素を付け加えたりするとマーケティング的に活きてくる場合が多い。
「ルームサンダル・鼻緒」の場合は、
室内で履くのはスリッパで足の前部が覆われているがルールだったのに、
外履きのサンダルに見られる鼻緒のあるデザインを用いた
ーーーのがそれに当たる。つまりまんまと無印良品のマーケティングにのせられてしまったわけ(^^ゞ もちろんただハズせばいいわけではなく、スリッパで足の前部が覆われていると夏は暑い、かといって裸足だと足の脂でフローリングがベタつくといった問題解決にもなるから買う価値があった。
カテゴリーのルールをハズしてヒットした例はミュールもそうかも知れない。多くのバリエーションがあるが私のイメージするミュールは 画像はhttps://eimyistoire.com/shop/g/g1121460347-0000-0092から引用
足の前部は覆われている
カカトを固定するストラップなどはなく、形状としては突っ掛け式のサンダル
ヒールはそこそこ高い
サンダルなのに少しフォーマル感のあるところがヒットの要因では思っている。ただしミュールについて女性と話したことはないので、これはあくまで想像。とりあえず駅の階段でミュール女子がいるとカカトを打ち付ける音がうるさいのが困る(^^ゞ
また似たようなデザインのまがい物も含めれば、
今や一家に一足はあるといわれるクロックスも同じ。
クロックスは外履きのサンダルなのに、足の前部をすっぽりと覆って室内履きのスリッパ、あるいはそれを通り越して靴に近いデザインをしている。まずはそれが目新しかったのが第1の要因。またサンダルでは足が露出しすぎてカジュアルすぎるシチュエーション、また怪我が心配な場合にもクロックスなら大丈夫とイメージできたのもプラス要因。
さてさて
履き物業界で最大のカテゴリーハズしといえば、それでヤンキーサンダルの右に出るものはないはず(^^ゞ もう知らない人のほうが多いだろうが、それは1970年代の終わり頃に突然ヤンキーの世界を席巻した一大ムーブメントだった。
どんなものかといえば
男性のヤンキーが
女性用のサンダル(突っ掛けタイプ)を履く
と、ただそれだけ。当然ながらサイズは小さく足がはみ出すものの、それは彼女のサンダルを一時的に借りてきたりしたものではなく、常に履いている自分専用のサンダルである。
嘉門達夫のレコードジャケットで、
左側のニイちゃんが履いているのがヤンキーサンダル。
ネットでは当時のヤンキーの写真はあまり見当たらない。
とりあえずリンクを2つ紹介しておく。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/g/gemini-yahata/20171019/20171019144411.jpg
https://qph.cf2.quoracdn.net/main-qimg-292d06378e6fea0e3a04c3379411918e-lq
なぜヤンキーサンダルがブームになったのかは知らない。まあでもファッションの流行なんてそんなものである。今一番イケてる服装やヘアスタイルだって30年後には「ナンジャこれ?」になる。社会のいろいろなことが説明不能なくらい複雑に絡み合って、その時はかっこよく思えるのである。
あえてヤンキーサンダルを分析すると、男物より女性物のサンダルの方が派手なのが好まれたとの推測はできる。戦国時代の傾奇者(かぶきもの)と呼ばれた反体制的な武将達は目立つために女性物の着物を羽織ったりした。それと似たようなマインドかも。
ヤンキーサンダルは1980年代の終わり頃には姿を消したように思う。しかし同時期に誕生して現在も発売されている商品がある。それが健康サンダル。
いうまでもなくサンダルのカテゴリーに今まではなかった健康の要素を付け加えた商品。マーケティングの定石がヒットに結びついた事例でもある。これを履いているとオッサンと後ろ指を指された時代もあったものの、それなりにデザインにも工夫を加えてしぶとく生き残っている。また地方都市に行くとマイルドヤンキーがキティちゃんの健康サンダルを愛用しているとか。ヤンキーサンダルも形を変えながら生き残っているのか?
ところで健康サンダルはインソール(靴底の足に接する側)に突起を付けて足裏を刺激する仕組み。それで健康になるかはともかく、そこそこ気持ちがいい。でもどうしてそういう構造を持った履き物は健康サンダルだけで、スニーカーや革靴にないのかが不思議。いかにも企画モノじゃないマトモな商品があれば試しに買ってみるけどな。
履き物業界の皆様、そこのところよろしく。
おしまい
<追伸>
私は「ルームサンダル・鼻緒」タイプの商品を無印良品で初めて知ったが、今治タオルで作られたものもあるし、そもそも室内履きの上草履というものは昔からあったようだ。来年の夏は伝統的な上草履にチャレンジしてみようか。





