2023年09月28日
トレッドストーンとサンクコスト その3
コンコルドほど超がつく大コケでなくとも、サンクコストにとらわれてズルズルと赤字を垂れ流し、さらに追加投資までしている事業は多くの企業にあるだろう。
サンクコストにとらわれないとはいわゆる「損切り」をすること。ただしこれは金額が大きくなるほど難しくなってくる。「少しでも取り返さなければ」との意識が働くし、「中止すれば損失が確定してしまう」のが恐怖になる。そしてそれによる責任問題が発生するから先送りされがち。また戦争では敗戦を認めれば「これまでに戦死した将兵に申し訳が立たない」と金額に換算できない理屈が持ち上がってくる。
また変形パターンとしては
社会の変化で既存事業が衰退
そこで新規事業を始めて成功
して、だったら既存事業をたためばいいのに「会社の祖業をやめるわけにはいかない」「創業者に顔向けできない」と、せっかくの新規事業の黒字を既存事業の赤字が食い潰す例も割とある。
そう書くと、世の中はアホな経営者や政治家が多いなあと思われるかも知れないが、個人の生活においてもサンクコストの沼にはまりやすいもの。本来の行動経済学からは拡大解釈になるものもあるが、例えば次のような事例。
本やCDを買う、あるいは映画を見に行く。
すぐにハズレと分かる。
しかしせっかくお金を払ったのだからと最後まで読む・聴く・観る。
長い行列に並んで順番を待つ。
並んでいる内に冷静になって「実はそれほど欲しくなかった」と気付くものの、
ここまで我慢したのだからと並び続ける。
使っていないモノ、着ていない服がたくさんあるのに、
もったいないからと捨てられず、
部屋が狭くなりクローゼットも一杯。
今までの負けを取り返すまではとギャンブルをやめられない。
ここまで攻略した課金したからと続けるゲーム。
長期の司法試験浪人も似たようなもの。
もう冷めているし将来性がないのは確実なのに、
長く付き合っている人と別れられない。
あるいは転職できない。
どういう心理が働いているのか、失っているものは何かについてはそれぞれで考えて欲しい。意外と例外はダイエットで、すぐに諦めて「趣味はダイエット、特技はリバウンド」な人が私の周りにもたくさんいる(^^ゞ
またサンクコストの心理を逆手に取った、
マーケティングの術中にとらわれる場合もある。
典型的なのはデアゴスティーニ(社名がディアじゃないの知ってた?)などの定期購読で付録模型が徐々に完成する例のヤツ。最新の「週刊 陸上自衛隊 90式戦車」は創刊号が290円で2号目以降が1999円。それが110号まで続く。ただしそのうち3990円の号が3回と4990円の号が1回ある。計算すると完成させるには22万6200円が必要。完成させるのは購読者の1割程度らしい。残りの人で途中でイヤになってもすぐに諦めず「ここまで組み立てたのだから」としばらく続けたのなら、それはサンクコストの心理に陥っている。途中から楽しみではなく単に意地になって完成させた人も同じ。
またクレジットカードや会員カードには、それを使って得られるポイントによって会員ランクが変動するものがある。もちろん上級ランクほど得られるメリットは大きい。それで航空会社カードではランクを上げたい、あるいは維持しようと、行きたくもない旅行をする人をマイル修行僧と呼ぶみたい(^^ゞ

厳密には損失が出ていないのでこれはサンクコスト効果ではないが、今まで溜めてきたものを守りたい点では通ずるものがある。サンクコストをネットで調べると事例として何でもかんでも当てはめているものも多いので、その点は注意が必要。一般的にカタカナ用語は解釈が拡大しやすい。
サンクコストのワナに陥らないためには、冷静に合理的に「今後の損得」「のみ」を考え判断するしかない。というか「どうしたって回収できないもの」がサンクコストなのだから、本来はそれに影響されること自体がおかしい。
でも「もったいないお化け」が出て「もうちょっとがんばってみようか」と悪魔が囁くのが人間なんだよなあ。とりあえずどう対応するかは別にして、これはサンクコストかそうでないのかを判別する習慣を付けておくといいかも。そのために第3者の意見を求めるのも効果的。
おしまい
サンクコストにとらわれないとはいわゆる「損切り」をすること。ただしこれは金額が大きくなるほど難しくなってくる。「少しでも取り返さなければ」との意識が働くし、「中止すれば損失が確定してしまう」のが恐怖になる。そしてそれによる責任問題が発生するから先送りされがち。また戦争では敗戦を認めれば「これまでに戦死した将兵に申し訳が立たない」と金額に換算できない理屈が持ち上がってくる。
また変形パターンとしては
社会の変化で既存事業が衰退
そこで新規事業を始めて成功
して、だったら既存事業をたためばいいのに「会社の祖業をやめるわけにはいかない」「創業者に顔向けできない」と、せっかくの新規事業の黒字を既存事業の赤字が食い潰す例も割とある。
そう書くと、世の中はアホな経営者や政治家が多いなあと思われるかも知れないが、個人の生活においてもサンクコストの沼にはまりやすいもの。本来の行動経済学からは拡大解釈になるものもあるが、例えば次のような事例。
本やCDを買う、あるいは映画を見に行く。
すぐにハズレと分かる。
しかしせっかくお金を払ったのだからと最後まで読む・聴く・観る。
長い行列に並んで順番を待つ。
並んでいる内に冷静になって「実はそれほど欲しくなかった」と気付くものの、
ここまで我慢したのだからと並び続ける。
使っていないモノ、着ていない服がたくさんあるのに、
もったいないからと捨てられず、
部屋が狭くなりクローゼットも一杯。
今までの負けを取り返すまではとギャンブルをやめられない。
ここまで攻略した課金したからと続けるゲーム。
長期の司法試験浪人も似たようなもの。
もう冷めているし将来性がないのは確実なのに、
長く付き合っている人と別れられない。
あるいは転職できない。
どういう心理が働いているのか、失っているものは何かについてはそれぞれで考えて欲しい。意外と例外はダイエットで、すぐに諦めて「趣味はダイエット、特技はリバウンド」な人が私の周りにもたくさんいる(^^ゞ
またサンクコストの心理を逆手に取った、
マーケティングの術中にとらわれる場合もある。
典型的なのはデアゴスティーニ(社名がディアじゃないの知ってた?)などの定期購読で付録模型が徐々に完成する例のヤツ。最新の「週刊 陸上自衛隊 90式戦車」は創刊号が290円で2号目以降が1999円。それが110号まで続く。ただしそのうち3990円の号が3回と4990円の号が1回ある。計算すると完成させるには22万6200円が必要。完成させるのは購読者の1割程度らしい。残りの人で途中でイヤになってもすぐに諦めず「ここまで組み立てたのだから」としばらく続けたのなら、それはサンクコストの心理に陥っている。途中から楽しみではなく単に意地になって完成させた人も同じ。
またクレジットカードや会員カードには、それを使って得られるポイントによって会員ランクが変動するものがある。もちろん上級ランクほど得られるメリットは大きい。それで航空会社カードではランクを上げたい、あるいは維持しようと、行きたくもない旅行をする人をマイル修行僧と呼ぶみたい(^^ゞ

厳密には損失が出ていないのでこれはサンクコスト効果ではないが、今まで溜めてきたものを守りたい点では通ずるものがある。サンクコストをネットで調べると事例として何でもかんでも当てはめているものも多いので、その点は注意が必要。一般的にカタカナ用語は解釈が拡大しやすい。
サンクコストのワナに陥らないためには、冷静に合理的に「今後の損得」「のみ」を考え判断するしかない。というか「どうしたって回収できないもの」がサンクコストなのだから、本来はそれに影響されること自体がおかしい。
でも「もったいないお化け」が出て「もうちょっとがんばってみようか」と悪魔が囁くのが人間なんだよなあ。とりあえずどう対応するかは別にして、これはサンクコストかそうでないのかを判別する習慣を付けておくといいかも。そのために第3者の意見を求めるのも効果的。
おしまい
wassho at 19:24│Comments(0)│
│マーケティング、ビジネス
