2023年10月29日
玉川上水緑道のキンモクセイ並木
10月21日に代々木公園〜渋谷はるのおがわプレーパークと巡った話の最終回。
いよいよメインディッシュの玉川上水緑道へ。
緑道(りょくどう)とは
市街地を中心に設けられた歩行路あるいは自転車路。
ただし法律的には道路ではなく公園扱い。
だから緑の道。
小さな河川沿い、あるいはそれににフタをして地下水路にした暗渠(あんきょ)、
鉄道の廃線跡または高架化や地下化で生じたスペース、
高圧電線の下
などに作られていることが多い。
これは私の住んでいるエリアでは断トツに美しく整備されている目黒川緑道。
桜で有名な目黒川の上流部分。
ほとんど普通の路地と変わらない緑道も多いけれど散歩道としてはよく利用する。クルマが通らないから静かだし、ボーッと歩いていても轢かれる心配がない(^^ゞ
そして玉川上水とは、江戸時代に多摩川の水を江戸の中心部まで引き込んだ水路。最初は飲料水用=上水道だったので上水。多摩川ではなく玉川なのは、江戸時代までは玉川と書かれることも多かったから。
どうも当時は玉=美しいものとのイメージがあって好まれたようだ。現在も二子玉川などの地名は残っているし、東急田園都市線も2000年まではその一部区間は新玉川線の名称だった(さらに遡れば路面電車の玉川電鉄)。今なら「玉川と多摩川」では多摩川のほうが字面的にイケてる感じ。時代によって何事も捉え方は変わってくるもの。
なおこの水路工事を請け負ったのは玉川庄右衛門&清右衛門の玉川兄弟で銅像も建っている。ただし彼らの名前を取っての玉川上水ではない。この兄弟は農民あるいは町民だったようで、上水道引き込みを完成させた功績で玉川姓を与えられた。
多摩川の源流は奥多摩湖から北西に20キロほど離れた笠取山。それが東に流れて奥多摩湖に注ぐ。その奥多摩湖から流れ出す川が多摩川と呼ばれる。
この地図はGoogleマップにあった誰かが作成公開してくれた(感謝)玉川上水の経路図に、私が多摩川の経路その他を書き加えたもの。玉川上水は羽村というところに堰(せき)を設けて取水し、現在の新宿区四谷にあった「水番所」まで引き込んだ。全長約43キロ。完成は1653年(江戸時代は1603年から)。工事期間は8ヶ月と意外と短い。
関係ないけれど多摩川の全長は138キロ。地図に線を引いてみると玉川上水の3倍以上も長いようには見えないのだがーーー
羽村から四谷までは露天掘りで、水番所から先は木樋や石樋を用いた地下水道で江戸市中に分水したとされる。ところで玉川上水は言ってみれば川の水。江戸時代の人はそれをどうやって飲んでいたのだろう。しばらく瓶(かめ)にでも溜めて砂やゴミを沈殿させてから、上澄みを沸騰消毒でもしたのかな? そのうち調べましょう。
現在でも玉川上水を流れる水の一部は、パイプで東村山浄水場(東村山市)に送水され、羽村より上流の多摩川で取水された水も含めて、東京の上水道の2割弱をまかなっている。
さて渋谷はるのおがわプレーパークを出てキンモクセイ並木に向かう。
踏切は小田急線。
位置関係はこんな感じ。直線的にも移動できるが、玉川上水緑道は初めてなので初台まで行って緑道を歩くことにした。距離は2〜3キロ程度。
適当に代々木の住宅街を歩く。
右の急な坂は代々木八幡宮に通じている。着物姿の女の子が降りてきたのは七五三かな。本来の七五三参りは11月15日前後とされるものの、その時期は神社が混むので「秋のうちに」となってきていると聞く。
ここを歩いているときに嗅覚のキンモクセイセンサーが反応した!
なかなか見事な植え込みじゃないか。
さすが高級住宅街。
満開状態だった。
どうして代々木公園や渋谷はるのおがわプレーパークでは終わっていたのだろう。
山手通りに出た。
前方の道路案内標識があるところが初台の交差点。
交差点の手前50メートルほどのところに玉川上水緑道の入口。
特に何の変哲もない緑道。ただ両サイドも含めて道幅は広い。
玉川上水は羽村から分岐して立川市〜小金井市〜三鷹市の区間は開渠(暗渠の反対語)として地表を流れ、杉並区久我山から暗渠になる。ただし現在、立川市の途中から流れているのは多摩川の水ではなく浄化処理された下水。東京の緑道を流れている水のほとんどはそんな下水のようだ。
初台駅前の商店街を横切る。
緑道を進むと両サイドにキンモクセイ。
だんだんと期待が高まる。
少し先は児童公園のようになっていた。
そこにあったトンネル遊びをする遊具。
写真では分かりにくいが光が透過している。形も曲がりくねっているから材質は樹脂に間違いない。でも手触りがまるで石みたいだった。
画像検索していくつかの公園に似たものが設置されているのを見つけたものの、この遊具の名前、製造メーカーは分からず。当然ながら材質が何かも不明。ちょっと気になっている。
もうすぐ目的地。
到着!
これが玉川上水緑道のキンモクセイ並木\(^o^)/
長さは70〜80mといったところ。
ちょっと散りかけ気味。
そしてほとんど片側しか咲いていない。
キンモクセイの花は小さいし、見た目も特に興味を引かない。
つまりバエない。
あくまで香りを楽しむのがキンモクセイ。
既に開花後期で香りや弱くなっていたとはいえ、
80mの並木と数が多いのでキンモクセイの香りを満喫できた。
所在地を端的に書くと甲州街道の本町一丁目交差点あたり。
この付近で玉川上水緑道は甲州街道と隣接して平行に走っている。
甲州街道とは国道20号線。東京と山梨を経由して長野を結ぶ幹線道路。
なのでこのキンモクセイ並木はクルマの騒音がうるさいのが難点(/o\)
少し離れた場所からの写真。
できたら次は開花真っ盛りで、両側のキンモクセイが咲いているときに来たいもの。
もう少し玉川上水緑道を散歩。
10月下旬なのに何とアジサイが咲いていた!
秋色アジサイといってアジサイの花が散らずに退色してドライフラワーのようになったものがある。しかしこれはフレッシュに咲いているアジサイ。秋に咲く品種なのか、今年の夏が長く暑かったので勘違いしてまた咲いたのか? ナゾ
これは白いモクセイ=ギンモクセイ。あまり見かけない気がする。というよりキンモクセイのように香らないので気がつかないのかも。鼻を近づけるとキンモクセイに似た香りがかすかにする。
さらに進んで、幡ヶ谷駅前の商店街を横切る。
この後も散歩を続けた。
でも緑道の風景はずっと同じなので写真は撮らず。
代々木公園と渋谷はるのおがわプレーパークではダメだったものの、
最初に書いた
「さて今年もキンモクセイの香りを楽しんだ。でもそれはどこからとなく
漂ってくる香り。もっとダイレクトに、そしてたくさんのキンモクセイの
ある場所でクンクンしたくなる」
との目的は果たせたので満足の1日。
おしまい
いよいよメインディッシュの玉川上水緑道へ。
緑道(りょくどう)とは
市街地を中心に設けられた歩行路あるいは自転車路。
ただし法律的には道路ではなく公園扱い。
だから緑の道。
小さな河川沿い、あるいはそれににフタをして地下水路にした暗渠(あんきょ)、
鉄道の廃線跡または高架化や地下化で生じたスペース、
高圧電線の下
などに作られていることが多い。
これは私の住んでいるエリアでは断トツに美しく整備されている目黒川緑道。
桜で有名な目黒川の上流部分。
ほとんど普通の路地と変わらない緑道も多いけれど散歩道としてはよく利用する。クルマが通らないから静かだし、ボーッと歩いていても轢かれる心配がない(^^ゞ
そして玉川上水とは、江戸時代に多摩川の水を江戸の中心部まで引き込んだ水路。最初は飲料水用=上水道だったので上水。多摩川ではなく玉川なのは、江戸時代までは玉川と書かれることも多かったから。
どうも当時は玉=美しいものとのイメージがあって好まれたようだ。現在も二子玉川などの地名は残っているし、東急田園都市線も2000年まではその一部区間は新玉川線の名称だった(さらに遡れば路面電車の玉川電鉄)。今なら「玉川と多摩川」では多摩川のほうが字面的にイケてる感じ。時代によって何事も捉え方は変わってくるもの。
なおこの水路工事を請け負ったのは玉川庄右衛門&清右衛門の玉川兄弟で銅像も建っている。ただし彼らの名前を取っての玉川上水ではない。この兄弟は農民あるいは町民だったようで、上水道引き込みを完成させた功績で玉川姓を与えられた。
多摩川の源流は奥多摩湖から北西に20キロほど離れた笠取山。それが東に流れて奥多摩湖に注ぐ。その奥多摩湖から流れ出す川が多摩川と呼ばれる。
この地図はGoogleマップにあった誰かが作成公開してくれた(感謝)玉川上水の経路図に、私が多摩川の経路その他を書き加えたもの。玉川上水は羽村というところに堰(せき)を設けて取水し、現在の新宿区四谷にあった「水番所」まで引き込んだ。全長約43キロ。完成は1653年(江戸時代は1603年から)。工事期間は8ヶ月と意外と短い。
関係ないけれど多摩川の全長は138キロ。地図に線を引いてみると玉川上水の3倍以上も長いようには見えないのだがーーー
羽村から四谷までは露天掘りで、水番所から先は木樋や石樋を用いた地下水道で江戸市中に分水したとされる。ところで玉川上水は言ってみれば川の水。江戸時代の人はそれをどうやって飲んでいたのだろう。しばらく瓶(かめ)にでも溜めて砂やゴミを沈殿させてから、上澄みを沸騰消毒でもしたのかな? そのうち調べましょう。
現在でも玉川上水を流れる水の一部は、パイプで東村山浄水場(東村山市)に送水され、羽村より上流の多摩川で取水された水も含めて、東京の上水道の2割弱をまかなっている。
さて渋谷はるのおがわプレーパークを出てキンモクセイ並木に向かう。
踏切は小田急線。
位置関係はこんな感じ。直線的にも移動できるが、玉川上水緑道は初めてなので初台まで行って緑道を歩くことにした。距離は2〜3キロ程度。
適当に代々木の住宅街を歩く。
右の急な坂は代々木八幡宮に通じている。着物姿の女の子が降りてきたのは七五三かな。本来の七五三参りは11月15日前後とされるものの、その時期は神社が混むので「秋のうちに」となってきていると聞く。
ここを歩いているときに嗅覚のキンモクセイセンサーが反応した!
なかなか見事な植え込みじゃないか。
さすが高級住宅街。
満開状態だった。
どうして代々木公園や渋谷はるのおがわプレーパークでは終わっていたのだろう。
山手通りに出た。
前方の道路案内標識があるところが初台の交差点。
交差点の手前50メートルほどのところに玉川上水緑道の入口。
特に何の変哲もない緑道。ただ両サイドも含めて道幅は広い。
玉川上水は羽村から分岐して立川市〜小金井市〜三鷹市の区間は開渠(暗渠の反対語)として地表を流れ、杉並区久我山から暗渠になる。ただし現在、立川市の途中から流れているのは多摩川の水ではなく浄化処理された下水。東京の緑道を流れている水のほとんどはそんな下水のようだ。
初台駅前の商店街を横切る。
緑道を進むと両サイドにキンモクセイ。
だんだんと期待が高まる。
少し先は児童公園のようになっていた。
そこにあったトンネル遊びをする遊具。
写真では分かりにくいが光が透過している。形も曲がりくねっているから材質は樹脂に間違いない。でも手触りがまるで石みたいだった。
画像検索していくつかの公園に似たものが設置されているのを見つけたものの、この遊具の名前、製造メーカーは分からず。当然ながら材質が何かも不明。ちょっと気になっている。
もうすぐ目的地。
到着!
これが玉川上水緑道のキンモクセイ並木\(^o^)/
長さは70〜80mといったところ。
ちょっと散りかけ気味。
そしてほとんど片側しか咲いていない。
キンモクセイの花は小さいし、見た目も特に興味を引かない。
つまりバエない。
あくまで香りを楽しむのがキンモクセイ。
既に開花後期で香りや弱くなっていたとはいえ、
80mの並木と数が多いのでキンモクセイの香りを満喫できた。
所在地を端的に書くと甲州街道の本町一丁目交差点あたり。
この付近で玉川上水緑道は甲州街道と隣接して平行に走っている。
甲州街道とは国道20号線。東京と山梨を経由して長野を結ぶ幹線道路。
なのでこのキンモクセイ並木はクルマの騒音がうるさいのが難点(/o\)
少し離れた場所からの写真。
できたら次は開花真っ盛りで、両側のキンモクセイが咲いているときに来たいもの。
もう少し玉川上水緑道を散歩。
10月下旬なのに何とアジサイが咲いていた!
秋色アジサイといってアジサイの花が散らずに退色してドライフラワーのようになったものがある。しかしこれはフレッシュに咲いているアジサイ。秋に咲く品種なのか、今年の夏が長く暑かったので勘違いしてまた咲いたのか? ナゾ
これは白いモクセイ=ギンモクセイ。あまり見かけない気がする。というよりキンモクセイのように香らないので気がつかないのかも。鼻を近づけるとキンモクセイに似た香りがかすかにする。
さらに進んで、幡ヶ谷駅前の商店街を横切る。
この後も散歩を続けた。
でも緑道の風景はずっと同じなので写真は撮らず。
代々木公園と渋谷はるのおがわプレーパークではダメだったものの、
最初に書いた
「さて今年もキンモクセイの香りを楽しんだ。でもそれはどこからとなく
漂ってくる香り。もっとダイレクトに、そしてたくさんのキンモクセイの
ある場所でクンクンしたくなる」
との目的は果たせたので満足の1日。
おしまい
wassho at 19:22│Comments(0)│
│お花畑探訪