2024年02月19日
平安時代も今もア〜レ〜はできない その2
着物は帯を含めて9種類もの道具で身体に巻き付けられており、
ア〜レ〜をしただけではムフフな状態にはならないと前回に書いた。
せっかくの機会(どんな?)なので紹介しておくと、
女性の場合、
着物では5層の衣類を着用している。
<第1階層>
ブラジャーとパンツ。
<第2階層>
肌襦袢:上半身用の肌着。
裾除け(すそよけ):下半身用の肌着。腰巻きや「お腰」とも呼ばれる。
なお両者が一体となったワンピースタイプもある。
ブラジャーとパンツがなかった時代は、これが下着の役割を果たしていたのだろう。現在はブラジャーとパンツだけでは肌の露出が大きいので、肌が触れて長襦袢を汚さないために着るようである。
<第3階層>
次に着るのが長襦袢。
着物をスーツだとすれば長襦袢はワイシャツ的なポジション。
写真のように白だと下着っぽいが、色や柄が付いている長襦袢もある。
また着物の内側から覗いている襟は半襟と呼ばれ、これは長襦袢の襟部分に被せて使用する。白だけじゃなくて染めや織りなどで色柄も豊富。私の母親は白い半襟しかつけていなかったなあ。昭和の着物から一番変化したのはこの部分だと思う。画像はhttps://senkosha.base.shop/items/82034069&82089134&83154172から引用
着用はまず肌襦袢と裾除けを着た上に、半襟を被せた長襦袢を羽織り、
腰紐と呼ばれる紐で固定する。
さらに伊達締めという細い帯を締める。腰紐か伊達締めのどちらかだけでよさそうにも思えるけれど、着たことがないのでなんともいえない。画像はhttps://ommki.com/news/archives/13555から引用
<第4階層>
長襦袢の上に着物を着る。
これも長襦袢と同様に腰紐を結び、伊達締めを巻く。
だからア〜レ〜をして帯がほどけたとしても長襦袢と着物の、それぞれに腰紐と伊達締めがベルトの役割としてまだ4重にガードしているのだ。
<第5階層>
最後に帯を締める。
帯の中には写真左の帯板と右の帯枕を入れ、
どちらもベルトが付属している。
帯板は帯の身体の前部分に挟み込み、
帯がパンと張ったように見せる芯材のようだ。
帯枕は身体の後ろ側で作る帯の結び目を立体的にかさ上げする役目。帯枕はさらに帯揚げと呼ばれる布で包(くる)んで本体が目に触れないようにし、またその帯揚げ自体も結ぶ。画像はhttps://g-iseya.jp/dressing/sash-2とhttps://www.simaya.net/product/106から引用

そして最後に帯締めを帯の上から結ぶ。
上の写真で帯の中央にある紐が帯締め。
まとめると帯板+帯枕+帯揚げ+帯本体+帯締めの5重構造。長襦袢と着物の腰紐と伊達締めを加えると合計9重構造で着物は身体に巻き付けられていることになる。ア〜レ〜で帯を引っ張っただけでは道はまだ遠いゾ(^^ゞ
どうやって着るのか知りたい人は動画でどうぞ。
長襦袢の上に着物を着て腰紐と伊達締めを結ぶまで。 約8分
帯の結び方。 約10分
肌襦袢から帯までのフルバージョン。 約1時間
ア〜レ〜からは話が逸れてしまったが、着物についてはまったく無知だったので調べてみていろいろと面白かった。最大の発見は帯に着物をまとめるベルトの役割はあまりなく、どちらかといえば着物姿の見栄えをよくするアクセサリー的な存在だということ。それでベルトとしては不必要なほどに太いのかと納得。
そういえば舞妓さんなんてあんなに大きな帯を。画像はhttp://www.imamiya.jp/haruhanakyoko/event/hassaku.htmから引用
すっかり見慣れているから違和感はないものの、冷静に衣服として眺めれば(舞妓さんのではなくても)帯はかなりオーバーデコレーションで、世界各地の民族衣装と較べても特異な存在である。しかし大きな布を使って、後ろ姿に膨らみまで作って結ぶ帯があるから着物姿は美しいのだろう。女性の帯が男性用の帯と同じだと想像するとちょっと興ざめである。
しかし大きな布を使うからそれを結ぶのは難しく大変であり、その大きさゆえに高価なものとなる。それが着物離れの一因でもあるとすれば、なんとも「塞翁が馬」的な巡り合わせかも知れない。
さて前回に書いたテレビ番組に話を戻すと、江戸時代にア〜レ〜ができたとは、帯は単独で結んでおり、帯板〜帯枕〜帯揚げ〜帯締めなどの補助道具を使っていなかったとの意味だと思う。着物と長襦袢に腰紐と伊達締めを巻いていたのかは不明。
もし巻いていたら帯だけのア〜レ〜じゃ目的を達せられない。でも考えようによっては帯でア〜レ〜、そして伊達締めでア〜レ〜腰紐でア〜レ〜をそれぞれ2回、合計5回もア〜レ〜を楽しめるじゃないか(^^ゞ
おしまい
ア〜レ〜をしただけではムフフな状態にはならないと前回に書いた。
せっかくの機会(どんな?)なので紹介しておくと、
女性の場合、
着物では5層の衣類を着用している。
<第1階層>
ブラジャーとパンツ。
<第2階層>
肌襦袢:上半身用の肌着。
裾除け(すそよけ):下半身用の肌着。腰巻きや「お腰」とも呼ばれる。
なお両者が一体となったワンピースタイプもある。
ブラジャーとパンツがなかった時代は、これが下着の役割を果たしていたのだろう。現在はブラジャーとパンツだけでは肌の露出が大きいので、肌が触れて長襦袢を汚さないために着るようである。
<第3階層>
次に着るのが長襦袢。
着物をスーツだとすれば長襦袢はワイシャツ的なポジション。
写真のように白だと下着っぽいが、色や柄が付いている長襦袢もある。
また着物の内側から覗いている襟は半襟と呼ばれ、これは長襦袢の襟部分に被せて使用する。白だけじゃなくて染めや織りなどで色柄も豊富。私の母親は白い半襟しかつけていなかったなあ。昭和の着物から一番変化したのはこの部分だと思う。画像はhttps://senkosha.base.shop/items/82034069&82089134&83154172から引用
着用はまず肌襦袢と裾除けを着た上に、半襟を被せた長襦袢を羽織り、
腰紐と呼ばれる紐で固定する。
さらに伊達締めという細い帯を締める。腰紐か伊達締めのどちらかだけでよさそうにも思えるけれど、着たことがないのでなんともいえない。画像はhttps://ommki.com/news/archives/13555から引用
<第4階層>
長襦袢の上に着物を着る。
これも長襦袢と同様に腰紐を結び、伊達締めを巻く。
だからア〜レ〜をして帯がほどけたとしても長襦袢と着物の、それぞれに腰紐と伊達締めがベルトの役割としてまだ4重にガードしているのだ。
<第5階層>
最後に帯を締める。
帯の中には写真左の帯板と右の帯枕を入れ、
どちらもベルトが付属している。
帯板は帯の身体の前部分に挟み込み、
帯がパンと張ったように見せる芯材のようだ。
帯枕は身体の後ろ側で作る帯の結び目を立体的にかさ上げする役目。帯枕はさらに帯揚げと呼ばれる布で包(くる)んで本体が目に触れないようにし、またその帯揚げ自体も結ぶ。画像はhttps://g-iseya.jp/dressing/sash-2とhttps://www.simaya.net/product/106から引用

そして最後に帯締めを帯の上から結ぶ。
上の写真で帯の中央にある紐が帯締め。
まとめると帯板+帯枕+帯揚げ+帯本体+帯締めの5重構造。長襦袢と着物の腰紐と伊達締めを加えると合計9重構造で着物は身体に巻き付けられていることになる。ア〜レ〜で帯を引っ張っただけでは道はまだ遠いゾ(^^ゞ
どうやって着るのか知りたい人は動画でどうぞ。
長襦袢の上に着物を着て腰紐と伊達締めを結ぶまで。 約8分
帯の結び方。 約10分
肌襦袢から帯までのフルバージョン。 約1時間
ア〜レ〜からは話が逸れてしまったが、着物についてはまったく無知だったので調べてみていろいろと面白かった。最大の発見は帯に着物をまとめるベルトの役割はあまりなく、どちらかといえば着物姿の見栄えをよくするアクセサリー的な存在だということ。それでベルトとしては不必要なほどに太いのかと納得。
そういえば舞妓さんなんてあんなに大きな帯を。画像はhttp://www.imamiya.jp/haruhanakyoko/event/hassaku.htmから引用
すっかり見慣れているから違和感はないものの、冷静に衣服として眺めれば(舞妓さんのではなくても)帯はかなりオーバーデコレーションで、世界各地の民族衣装と較べても特異な存在である。しかし大きな布を使って、後ろ姿に膨らみまで作って結ぶ帯があるから着物姿は美しいのだろう。女性の帯が男性用の帯と同じだと想像するとちょっと興ざめである。
しかし大きな布を使うからそれを結ぶのは難しく大変であり、その大きさゆえに高価なものとなる。それが着物離れの一因でもあるとすれば、なんとも「塞翁が馬」的な巡り合わせかも知れない。
さて前回に書いたテレビ番組に話を戻すと、江戸時代にア〜レ〜ができたとは、帯は単独で結んでおり、帯板〜帯枕〜帯揚げ〜帯締めなどの補助道具を使っていなかったとの意味だと思う。着物と長襦袢に腰紐と伊達締めを巻いていたのかは不明。
もし巻いていたら帯だけのア〜レ〜じゃ目的を達せられない。でも考えようによっては帯でア〜レ〜、そして伊達締めでア〜レ〜腰紐でア〜レ〜をそれぞれ2回、合計5回もア〜レ〜を楽しめるじゃないか(^^ゞ
おしまい
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