2024年04月15日

板橋と練馬の南蔵院でしだれ桜のハシゴ 板橋編

気象庁によるサクラ満開宣言が4月4日。しかし3月31日こそ最高気温28.1度を記録するバカ陽気になったものの、東京の4月前半は天候に恵まれず。画像はhttps://kishojin.weathermap.jp/diary.php?ame=より引用

天気予報

それでも晴れた日を狙って4月2日に妙見堂のしだれ桜&池上本門寺、4月7日には善福寺川緑地&和田堀公園を見てきた。そしてそろそろ葉桜になり始める4月10日に出かけてきたのは板橋区と練馬区にある南蔵院というお寺。

地図1

3月31日にはかむろ坂と目黒川の桜祭りを回って「花の咲いていないサクラ祭りをハシゴした本日の最高気温は28.1度!」のブログを書いた。4月2日と4月7日も場所としてはつながっているとはいえ2箇所を回っている。だから「ハシゴ」は今年の花見の隠れテーマ。

それにしてもどうしてハシゴなのだろう。語源としては梯子酒で、これは「飲み屋を次々と変えて飲み歩くのを」「梯子を一段一段と上がる様子になぞらえた」と解説される。でもいい気分でフラフラとお店を回るのと、慎重に足元を確認しながら上がっていく梯子とではイメージがずいぶん違う。深く考えると違和感あり。


そろそろ葉桜に−−−と書いたが、板橋の南蔵院のしだれ桜はSNSで情報を探すと、4月1日の時点ではまだほとんど咲いていなかった。4月6日に公式ホームページのお知らせで「しだれ桜もようやく咲き始め、見頃を迎えつつあります」と載る。咲き始めと見頃では文章が矛盾しているが、いずれにせよまだ満開でないと判断。それで4月7日は善福寺川緑地&和田堀公園にした。

しだれ桜といっても品種は様々で、ソメイヨシノより先に咲いてそれが満開の頃には散ってしまうものもあれば、ソメイヨシノと同時期あるいは遅く咲くしだれ桜もある。ソメイヨシノと違ってしだれ桜の開花情報はマスコミで流れないから、調べるのがけっこう面倒。

4月6日以降の開花情報はSNSや公式ホームページで得られなかった。それでも7日と8日は20度を超える気温となったので、もうそろそろ大丈夫かと天気予報とスケジュールの都合を睨んで4月10日に訪れることにした。ここはモモもキレイで、それが3月末には咲いていたので傷まないうちにとの気持ちもあった。


話は変わるがこの板橋の南蔵院は東京のしだれ桜を特集していたネットのページで見つけた。しかし南蔵院というと、こんな大きな涅槃(ねはん)像のある福岡のお寺が有名。
南蔵院涅槃像

だから「南蔵院」だけでネット検索すると福岡の情報の方が多くなるので「東京 南蔵院 サクラ」などの工夫が必要。それでたまたま見つけたのが練馬にある同じく南蔵院。こちらはネットでもあまり情報がなかったものの、板橋まで行けば帰り道かと思い、今年の隠れテーマのハシゴに合わせて訪れたしだい。実はまったく帰り道じゃなかったけれど、その話は後ほど。



さてまずは板橋の南蔵院から。
2月に赤塚梅まつりで、上の地図にも記した赤塚公園と赤塚溜池公園を訪れたとき「東京で暮らしてずいぶんと長いが、単なる通過ではなく目的を持って板橋区を訪れたのは初めてかも知れない」と書いた。なのに2ヶ月後にまさかの板橋区再訪。もっとも同じようなことが連続して起きるのは人生あるあるな話。

都営地下鉄三田線の本蓮沼(もとはすぬま)駅で下車。
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目の前は国道17号である中山道。
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ところでこの中山道(なかせんどう)。東海道が江戸から京都までを主に太平洋沿岸ルートで結ぶのに対して、こちらは長野や岐阜など内陸部を通る街道。しかし子供の頃に社会科で習ったのは中仙道だったのに、いつのまにか中山の表記が一般的になっている。どうしてなの? 中山を「なかせん」とは読みづらいやろ。


中山道に突き当たっているのがこの蓮沼アスリート通り。
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この道路沿いにオリンピック強化指定選手などが(だけが)利用できるナショナルトレーニングセンターがあって、このしゃれた名前が付いている。ただし何の変哲もないごく普通の道路。


中山道沿いに歩いて行く。
寺に着いたかと思ったら石材屋だった(^^ゞ
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その数軒隣に南蔵院。
外から眺めるだけでやたらキレイなお寺。
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寳勝山(ほうしょうざん)と書かれている。
寳は宝の旧字。
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境内はまるで箱庭のように整った光景。
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板橋十景に選ばれている。
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板橋十景のうち「赤塚溜池公園周辺」「高島平団地とけやき並木」「東京大仏(乗蓮寺)」は赤塚梅まつりの際に訪れている。板橋2度目で早くも4つをゲット!


まずは境内に入ってすぐ右側にある真っ赤なキクモモ。
菊の花びらに形が似ているからその品種名。別名はゲンジグルマ(源氏車)。
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あまり菊には見えないけれどいい形。
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赤とピンクのキクモモに囲まれて極楽にいるような仏様。
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この三体は奥から

   羽黒山供養塔:聖観音菩薩
   湯殿山供養塔:大日如来
   月山供養塔:阿弥陀如来

で、まとめて出羽三山供養塔と呼ばれる。ただしここ南蔵院では湯殿山供養塔を単独で出羽三山供養塔と称していて、三体全部でも出羽三山供養塔とする変則的な構成。

なお出羽三山とは、山形県の中央にそびえる月山(1984m)・羽黒山(414m)・湯殿山(1500m)の総称。3つの独立した山ではなく月山を主峰とした峰続きの3つの山。

古くから信仰の対象となっている山である。ただし出羽三山供養塔は供養と名前が付いていても、その山で遭難などした人の冥福を祈るのでなく、普通にご利益を願って拝む。だからちょっと変わったネーミング。


出羽三山供養塔の隣は地蔵堂。
ここの地蔵は「はいた地蔵」と呼ばれ歯痛に効くらしい。
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地蔵堂にはピンクのキクモモ。
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新緑とのコントラストが美しい。
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地蔵堂の斜め向かいにある不動明王を祀る不動堂。
その左右に2本のモモ。
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左側はモフモフしたモモ。
品種名はわからず。
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ところで桃の花をハナモモと呼ぶ場合があるが私はそれがどうも気に入らない。果実栽培ではなく花の観賞用に改良した園芸品種がハナモモらしいが、その理屈だと桜も梅もハナサクラやハナウメじゃないと整合性がとれない。それにハナモモだって実がなって食べられる。

またハナモモは品種名ではなく園芸品種の総称なのに、「南蔵院のハナモモとキクモモがきれいでした」と書かれているものもたくさん見かける。アホチャウカ?


おっと、仏の前ではしたない言葉は慎んで(^^ゞ
ところでこのモモは花から葉が飛び出ている。
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そんな咲き方ってある?と思ってよく見ると、
枝から延びた葉が花の間をすり抜けているとわかった。
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モモはサクラと違って枝から延びる花柄(かへい)が短く、つまり花と葉の出所がほぼ同じ位置。だから見方によって花から葉が生えているように見える。


とても素晴らしかったので全体像をもう一度。
ウメやサクラと違ってモモを見られるところは少ないので貴重。
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そして不動堂の右側は、
先ほどの地蔵堂と同じピンクのキクモモ。
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キクモモの隣にも別のお地蔵さん。
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さて本堂右手前のしだれ桜。
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なかなか立派な姿ではあるとはいえ、ちょっと花数が少ない。ツボミがたくさん残っているでもなく、またネットで見かける写真ではもっと豪華な咲きっぷりなので、今年は不作なのかも知れない。


それでもまさに桜色の淡いピンクが降ってくる姿は楽しめた。
南無阿弥陀仏、お釈迦様ありがとう。
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こちらは本堂より手前のしだれ桜。
周りの新緑と混じり合いがキレイ。
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少し葉桜になっているのは品種が違うのか?
でもその葉の色もいい。
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先ほどのお地蔵さんをアップで。
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横顔まで撮るのがこのブログのいいところ。
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そのお地蔵さんの横、
本堂の左側にもしだれ桜がある。
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右にあるのよりかなり小さく、
植えられてそれほど年数が経っていない印象。
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こちらの方が花付き「率」は高く、
また花により元気がある印象。
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ーーー続く

wassho at 21:03│Comments(0) お花畑探訪 

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