2024年04月26日

パンケーキを焼けなくても

みんな大好きパンケーキ。バターとメイプルシロップだけじゃなくて、様々なフルーツやソースと一緒に提供されるメニューも多くなり、有名店には長い行列が並んでいる。(写真はグーグルの検索画面)

パンケーキ1

一昔前までパンケーキはホットケーキと呼ばれた。パンケーキの名前は1970年代後半に雑誌で、海外のお店で出されているメニューを紹介するときに使われていた記憶はあるものの、一般に広くパンケーキと呼ばれ出したのは平成になってから。ただしファミレスではもっと前からパンケーキだったようにも思う。

その名前を初めて聞いて「まあ原料は小麦だからパンといえばパンなのかな」と思った人は多かったかも知れない。でもパンケーキのパンは、食パンなどのパンではなく、浅めの鍋を意味するパン(深い鍋はポット)が由来。日本語になっている中でいえばフライパンのパン。ケーキはオーブンで焼くが、パンケーキはフライパンなどを使うからパンケーキ。

なのでホットケーキは和製英語である。パンケーキをホットケーキと呼ぶ場合も無くはないようだが、基本的に英語圏ではパンケーキが一般的。hot cake だと「アツアツの焼きたてケーキ」になってしまう。

ついでにフライパンも和製英語で英語圏では frying pan。なおフライは炒めると揚げるのどちらでも使う。天ぷらや日本語のフライのように小麦粉などをつけて揚げる場合は deep‐fry。


どうして日本ではホットケーキの名前になったのかははっきりしない。明治に初めてパンケーキが伝わった頃の名前は「薄餅」だった模様。大正時代になりデパートの食堂でハットケーキとして提供され人気が出る。HOTの発音は hάt または hˈɔt でハットに近いからホットケーキの意味だと思う。(発音記号がお使いのスマホやパソコンで表示されなければゴメン)

そしてハットがいつ頃ホットに変わったのかも不明。しかし1957年(昭和32年)には「森永ホットケーキの素(小麦粉その他の粉材料をすべて混ぜたもの)」が発売されているので遅くともその頃。

またパンケーキ = ホットケーキではなくパンケーキ > ホットケーキとする考え方もある。その違いは甘さ。ホットケーキは原料に砂糖も加えるが、そうではなくておかずと一緒に食べるパンケーキもあるらしい。そういえば日本でビスケットはお菓子のイメージが強いものの、アメリカではパンと同じようなポジションのビスケットもある。

しかし平成になってパンケーキと呼ばれだしブームとなったのは、基本的にすべてスイーツ系のパンケーキである。だから甘くないパンケーキが登場してホットケーキと区別のために使い分けられるようになったのではなさそう。

要するに言葉としてのオシャレ感の問題。ホットケーキには昔ながらの喫茶店などで提供されるイメージもあったので、それを嫌ってオシャレなホットケーキはパンケーキと誰かが言い出したのだろう。

今のところパンケーキとホットケーキのどちらでも通じる。森永や昭和(製粉会社)で売られている粉材料は現在も「ホットケーキミックス」の名前のまま。ただし日清製粉にはホットケーキミックスとパンケーキミックスの両方がある。でも令和生まれが大人になる頃にはビフテキやライスカレーのように死語になっている予感。

パンケーキ2


さてそのパンケーキ。付き合いで有名店にも何度か入ったが、いつでも食べられるものではない。もちろん粉を練って焼いた経験もなし。でもたまに無性に食べたくなるときがある。まあこれは発作みたいな現象で1分も我慢すればたいてい収まる。

それで先日、そのパンケーキ発作が起きた。そのときにふと、パンケーキの味の多くを占めているのはメイプルシロップなのだからトーストにそれを掛ければ似たような味になるのでは?とひらめく。

幸か不幸かヨーグルトやシリアルに垂らして食べるために、
自宅にはメイプルシロップが常備されている。

そうなると発作はとまらない(^^ゞ

もう0時を回った深夜にもかかわらずコンビニにダッシュして食パンを買ってきた。いつもより少し長めにトーストし、バターも普段より多めに塗る。ちなみに私はトーストにはマーガリンよりバター派。そしてメイプルシロップを。

食べた。
バターに、メイプルシロップの甘さと香ばしさが混じった味はまさにパンケーキ。もちろん食感はまったく違う。それでも25%ほどはパンケーキを食べている雰囲気になるかな。けっこう気に入って、それ以来トーストはほとんどこのパンケーキもどきにして食べている。


発作が起きたときにはお試しを。

wassho at 21:22│Comments(0) 生活、日常 

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