2024年05月22日

ミドリのもみじ狩り その2

池や東屋の手前にある芝生広場。
奥に見えているのは茶室+休憩所+管理事務所を兼ねた建物。
50DSCF2823


芝生に竹で作られた見慣れないものがーーー
52DSCF2826


このような配置で立ち入り禁止のプレートも一緒にあったので、この竹細工もその意味なのだろう。しかしどうして通路に面した位置ではなく芝生の中央部に置いてあるのかが不明。
53DSCF2820

54DSCF2825


見上げるともみじの新緑。
でもちょっと木の雰囲気が違う。
55DSCF2835


名札を見ると右はサワラで左がカエデ。サワラは真っ直ぐに伸び、カエデは横に枝を張るので、パッと見にはもみじばかりに見えたのが違和感の正体。
56DSCF2836

57DSCF2837


ところでもみじ関連は言葉がややこしい。

まず植物分類的にモミジとカエデは同じ。どちらもムクロジ科カエデ属。英語では Maple(メイプル)。なおメイプルシロップはメープルシロップとの表記も多い。

モミジは古語の「もみづ」が由来。意味は草木の葉が秋に色づくのを表した動詞。その名詞形が「もみぢ」。それで色づく葉の中で特にに赤くなる品種をモミジと呼ぶようになったとされる。

また学術的ではないものの葉の切れ込みが深いのをモミジ、浅いのをカエデと呼ぶ分類もある。カエデの語源は葉の形が「蛙(カエル)の手」に似ているから。画像はhttps://www.shinrin-ringyou.com/topics/kaede.phpから引用
もみじとカエデ

ついでにイロハモミジ(最も多く見る品種)は葉が7つに切れ込んでいるものが多く、それを七文字であるイロハニホヘトになぞらえてのネーミング。

別の観点でややこしいのが紅葉を「もみじ」とも「こうよう」とも読むこと。さらに黄色く色づくのは黄葉といい、これも「こうよう」と発音するから混乱する。もっとも黄葉はあまり使われず「イチョウが紅葉してきた」なんて表現も多い。私はレッドオータム、イエローオータムと使い分けている。そんな英語は辞書には載っていないが、外人にもたいてい理解してもらえる。



さて黒い屋根瓦があってもどこか洋風なこの建物は、音楽評論家だった大田黒元雄の記念館。ここは彼の死後に自宅が寄付され、周辺の土地と合わせて公園となったところ。ドビュッシーを日本に紹介したともいわれる大田黒元雄(1893年・明治26年〜1979年・昭和54年)については前回訪れたときのブログに書いたから、興味があればご参照を
60DSCF2829

61DSCF2844

ところで大田黒は苗字ぽくないので大田黒公園の名前には人物を感じない。でももし彼が鈴木や佐藤の苗字だったら鈴木公園とかになっていたのかな?


見学自由。
靴を脱がなければいけないので前回はパスしたが今回は入った。
62DSCF2846


入り口に年譜。
63DSCF2848


公開されているのは一部屋だけ。ここは自宅の母屋ではなく離れに当たる建物で大田黒の仕事部屋。(母屋は残っていない)
64DSCF2850


淡いパステルのタイル張りの壁は珍しい。
でもこの部屋にすごく馴染んでいる。
65DSCF2855


現在の感覚では華奢(きゃしゃ)に見えるピアノは、
66DSCF2857


スタンウェイ製。1900年に独のハンブルグ工場で製造されたと解説にあった。スタンウェイというとアメリカのピアノのイメージがあるが、創業間もない頃からアメリカとドイツの2本社体制。
67DSCF2852

ちなみにカエデの木は固いのでピアノにも多く使われている。それがこの公園にカエデが多いのと関係あるかどうかは知らない。


室内にはピアノ演奏が流れていた。しかしその音源はこのショボいラジカセ(/o\) CDとラジオだからCDラジオか。とにかくもう少しいい音でお願いしたい。
68DSCF2853


30歳前後の頃だろうか。
奥さんは声楽家の広田ちづえ。彼女の情報はネットにはなかった。
69DSCF2861


彼は100冊近い著作を残している。
ファイルに入っていたのは表紙や目次ばかりで中身を読めなかったのが残念。
70DSCF2858

71DSCF2859


蓄音機は蓋を開けておいてくれないと単なる家具(^^ゞ
72DSCF2862


部屋を別角度から。
この赤い椅子は何のため? 座ってピアノを眺めるの?
73DSCF2868



記念館を出て再び芝生広場。
75DSCF2884


記念館方向は逆光で木々が陰になっている。
77DSCF2900


反対側を向くと目に眩しいもみじの新緑!
78DSCF2912


それを見上げて眺めていると、
79DSCF2911


まるで墜落したような飛行機雲があった(^^ゞ
80DSCF2910



紅葉を見に出かけてミドリのもみじがあるように、
新緑の季節に紅葉しているもみじもある。
82DSCF2782


新緑もみじとの対比が美しい。
832DSCF2777

833DSCF2779


もっともこの紅葉は逆光で光を透かしているからキレイなのであって、
順光で撮ると汚く濁った色(/o\)
840DSCF2792


そんな種明かしはしないで光あふれる景色を楽しみましょう。
845DSCF2775

846DSCF2776


これは本日の魅力が全部詰まった1枚。日差しとそれに照らされてキミドリが色鮮やかなもみじの新緑、オレンジ色に輝いている紅葉、そして青空。
850DSCF2797

下の方に順光で写っている紅葉もある。同じ方向で撮っているのに順光と逆光が一緒なのが不思議。幹で光が反射しているのか?



新緑なので順光でもミドリもみじはキレイ。
851DSCF2839


陰になっている部分の柔らかい色合いも魅力的。
856-2DSCF2918


そして真逆光だと妖艶ですらある。
858DSCF2931



紅葉が好きで新緑はもっと大好きな私には、
実に楽しめたミドリのもみじ狩りだった。
もし新緑が好きならもみじを見に行きましょう。


おしまい

wassho at 21:25│Comments(0) お花畑探訪 

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔