2024年06月13日
山手イタリア山庭園で春バラ その2
(5月10日の横浜バラツアーその7)
山手イタリア山庭園のほぼ中央にある通路。
背が高く茂っている木はメタセコイヤ。
和名ではアケボノスギ。以前は化石でしか見つからず絶滅種と考えられていたが、1946年(昭和21年)に中国・四川省で現存種が発見される。それで「生きた化石」と呼ばれることも。今は各地に多く植えられている。オレンジ色の紅葉が特徴。
外交官の家を横目に見て、
山手イタリア山庭園の奥にあるのが、
本日の山手西洋館巡りで7軒目のブラフ18番館。
「5月10日の横浜バラツアーその2」で書いたようブラフとは山手を意味している。
1993年(平成5年)にここに移築され公開。
外交官の家の移築は1997年(平成9年)。
なお山手イタリア山庭園の開園は1998年(平成10年)と移築より後。山手イタリア山庭園に移築したというより、移築した先を山手イタリア山庭園として整備したとの順番。ここは山手地区の大きな公園の中では最も新しい公園になる。面積は1.3ヘクタール。
このあたりが山手イタリア山庭園となる前は未利用の国有地だったようだ。1880年(明治13年)から1886年までイタリア領事館が置かれたことから、山手イタリア山庭園と名付けられたが、庭園を造る以前からイタリア山と呼ばれていたのかは知らない。港の見える丘公園のイギリス山とフランス山は昔からそう呼ばれているものの、アメリカ山は2009年(平成21年)に元町・中華街駅ビルの屋上を立体都市公園とした際に、無理矢理こじつけたネーミングなので何となくここもそんな気がする。
ついでに横浜市が所有している山手にある7つの西洋館の一般公開時期をまとめると
ブラフ18番館 移築1991年 公開1993
外交官の家 移築・公開1997年
(山手イタリア山庭園開園 1998年)
山手111番館 公開1999年
山手234番館 公開1999年
エリスマン邸 移築1990年 公開1999年
横浜市イギリス館 公開2002年(ホールや集会室の利用は1970年)
べーリック・ホール 公開2002年
ほとんどが2000年(平成12年)前後と意外に最近。神戸北野の異人館がブームになったのは1970年代の中頃だからずいぶんと差がある。てっきり同じ頃から観光スポットになっているものだと思っていた。公開年代的にはここイタリア山庭園が山手西洋館巡りの発祥ともいえる。
ブラフ18番館は中に入らず外から眺めただけ。
延べ床面積264平米。
北東角にある展望コーナー。
山手が高い位置にあるとわかる景色。
この地点の標高は34m(山手地区全体では10〜40m)
ベイブリッジ中央までの距離は3.3km
さてブラフ18番館から離れて、
外交官の家の裏側にやってくると、
そこにあるのは整形花壇と呼ばれる幾何学的に剪定されたゾーン。
公式ホームページによれば「イタリアで多く見られる庭園様式を模し」とある。
これは横浜市の緑化事業関連で使われているガーデンベアというゆるキャラ。熊なのに緑なのは体が苔に覆われているとの設定。
キンギョソウに囲まれてガーデンベアも楽しそう。
ところでヨーロッパの庭園造りにはイギリス式、フランス式、イタリア式がある。もっと他の国の様式もあるだろうが日本ではあまり有名じゃない。イギリス式は自然の形や姿を生かす作庭。フランス式は正反対に幾何学的に人の手を入れた美しさを追求する。よって全体の構成としてイギリス式は左右非対称、フランス式は左右対称である。
フランス式とイタリア式は整形・幾何学的な所は同じで、フランスの庭園は平面な土地に、イタリアの庭園は傾斜地や階段状の土地に作るのが違いらしい。
上の写真でわかるようにここはキレイに刈り込まれた生け垣で、幾何学的な造園がなされているけれど、平面だけだからフランス式じゃないのかな。逆に山手は起伏の多い地形で、実際ここでもブラフ18番館は外交官の家より低い位置にあるのに、どうしてそれを利用したイタリア式庭園にしなかったのか。あくまで「イタリアでござい」と謳いたければだけど。
アメリカ山公園、ブラフ99ガーデンに続いて、
本日3本目のベニバナトチノキ。
新緑の3色違い。
そして整形花壇一番のバエポイントはこの水路。
実は水路の両サイドにある低い木も高い木もバラ。咲いていればこんな感じだけれど、この日はまだ未開花。ツボミもごく小さかったからかなり遅咲きの品種。咲いていないのは事前にSNS情報で確認済みだったものの、やはり見たかったな。
おそらくこの水路のバラが咲く頃には前庭のバラは見頃を過ぎていると思う。
いつかこれだけを見に来ましょう。
ちなみに水路のバラが満開になったのは5月の後半に入ってからみたい。
整形花壇の端にあった水盤。
水があれば高速シャッターで水しぶきの時間を止めるのがお約束。
水路も噴水が吹き出してきた。
でも水量がちょっとショボい(^^ゞ
それでもこれでバラが咲いていれば最高なのに。
八角形の塔屋があって、外交官の家はこちらから見たほうが面白い。
前回に紹介した八角形のサンルームはこの塔の1階部分。
外交官の家の横を通り抜けて、
バラアーチのあった前庭に戻る。
バラのバラエティとボリュームをもう一度楽しんで、
山手イタリア山庭園を後にする。
ーーーまだ続く
山手イタリア山庭園のほぼ中央にある通路。
背が高く茂っている木はメタセコイヤ。
和名ではアケボノスギ。以前は化石でしか見つからず絶滅種と考えられていたが、1946年(昭和21年)に中国・四川省で現存種が発見される。それで「生きた化石」と呼ばれることも。今は各地に多く植えられている。オレンジ色の紅葉が特徴。
外交官の家を横目に見て、
山手イタリア山庭園の奥にあるのが、
本日の山手西洋館巡りで7軒目のブラフ18番館。
「5月10日の横浜バラツアーその2」で書いたようブラフとは山手を意味している。
1993年(平成5年)にここに移築され公開。
外交官の家の移築は1997年(平成9年)。
なお山手イタリア山庭園の開園は1998年(平成10年)と移築より後。山手イタリア山庭園に移築したというより、移築した先を山手イタリア山庭園として整備したとの順番。ここは山手地区の大きな公園の中では最も新しい公園になる。面積は1.3ヘクタール。
このあたりが山手イタリア山庭園となる前は未利用の国有地だったようだ。1880年(明治13年)から1886年までイタリア領事館が置かれたことから、山手イタリア山庭園と名付けられたが、庭園を造る以前からイタリア山と呼ばれていたのかは知らない。港の見える丘公園のイギリス山とフランス山は昔からそう呼ばれているものの、アメリカ山は2009年(平成21年)に元町・中華街駅ビルの屋上を立体都市公園とした際に、無理矢理こじつけたネーミングなので何となくここもそんな気がする。
ついでに横浜市が所有している山手にある7つの西洋館の一般公開時期をまとめると
ブラフ18番館 移築1991年 公開1993
外交官の家 移築・公開1997年
(山手イタリア山庭園開園 1998年)
山手111番館 公開1999年
山手234番館 公開1999年
エリスマン邸 移築1990年 公開1999年
横浜市イギリス館 公開2002年(ホールや集会室の利用は1970年)
べーリック・ホール 公開2002年
ほとんどが2000年(平成12年)前後と意外に最近。神戸北野の異人館がブームになったのは1970年代の中頃だからずいぶんと差がある。てっきり同じ頃から観光スポットになっているものだと思っていた。公開年代的にはここイタリア山庭園が山手西洋館巡りの発祥ともいえる。
ブラフ18番館は中に入らず外から眺めただけ。
延べ床面積264平米。
北東角にある展望コーナー。
山手が高い位置にあるとわかる景色。
この地点の標高は34m(山手地区全体では10〜40m)
ベイブリッジ中央までの距離は3.3km
さてブラフ18番館から離れて、
外交官の家の裏側にやってくると、
そこにあるのは整形花壇と呼ばれる幾何学的に剪定されたゾーン。
公式ホームページによれば「イタリアで多く見られる庭園様式を模し」とある。
これは横浜市の緑化事業関連で使われているガーデンベアというゆるキャラ。熊なのに緑なのは体が苔に覆われているとの設定。
キンギョソウに囲まれてガーデンベアも楽しそう。
ところでヨーロッパの庭園造りにはイギリス式、フランス式、イタリア式がある。もっと他の国の様式もあるだろうが日本ではあまり有名じゃない。イギリス式は自然の形や姿を生かす作庭。フランス式は正反対に幾何学的に人の手を入れた美しさを追求する。よって全体の構成としてイギリス式は左右非対称、フランス式は左右対称である。
フランス式とイタリア式は整形・幾何学的な所は同じで、フランスの庭園は平面な土地に、イタリアの庭園は傾斜地や階段状の土地に作るのが違いらしい。
上の写真でわかるようにここはキレイに刈り込まれた生け垣で、幾何学的な造園がなされているけれど、平面だけだからフランス式じゃないのかな。逆に山手は起伏の多い地形で、実際ここでもブラフ18番館は外交官の家より低い位置にあるのに、どうしてそれを利用したイタリア式庭園にしなかったのか。あくまで「イタリアでござい」と謳いたければだけど。
アメリカ山公園、ブラフ99ガーデンに続いて、
本日3本目のベニバナトチノキ。
新緑の3色違い。
そして整形花壇一番のバエポイントはこの水路。
実は水路の両サイドにある低い木も高い木もバラ。咲いていればこんな感じだけれど、この日はまだ未開花。ツボミもごく小さかったからかなり遅咲きの品種。咲いていないのは事前にSNS情報で確認済みだったものの、やはり見たかったな。
おそらくこの水路のバラが咲く頃には前庭のバラは見頃を過ぎていると思う。
いつかこれだけを見に来ましょう。
ちなみに水路のバラが満開になったのは5月の後半に入ってからみたい。
整形花壇の端にあった水盤。
水があれば高速シャッターで水しぶきの時間を止めるのがお約束。
水路も噴水が吹き出してきた。
でも水量がちょっとショボい(^^ゞ
それでもこれでバラが咲いていれば最高なのに。
八角形の塔屋があって、外交官の家はこちらから見たほうが面白い。
前回に紹介した八角形のサンルームはこの塔の1階部分。
外交官の家の横を通り抜けて、
バラアーチのあった前庭に戻る。
バラのバラエティとボリュームをもう一度楽しんで、
山手イタリア山庭園を後にする。
ーーーまだ続く
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│お花畑探訪