2024年07月18日
リバースATM
7月3日に新しいお札が発行されたのは記憶に新しいところ。
渋沢栄一がちょっとブ男(^^ゞ そのうち見慣れるでしょう。
発行日の前後にはマスコミの報道も加熱。そして渋沢栄一の出身地である埼玉県深谷市では3日0時前のカウントダウンや祝賀パレードなどお祭り騒ぎ。ただし五千円札の津田梅子の出身地の東京新宿、千円札の北里柴三郎の熊本県阿蘇で何かやったとの話は聞かなかったな。先日の選挙で「2位じゃダメなんですか」の人が3位になっていたけれど、やはり1位じゃないと盛り上がらないのか。ちなみにスパコンで「2位じゃダメなんですか」の考え方を私は否定しない。世界一の戦艦大和は結局、何の役にも立たなかった。
それはさておき、なぜかメデタイこととなっている新紙幣発行であるが、「大量に流通するお札としては、今回が最後になるのではないか」とも言われている。それはもちろんキャッシュレス社会の進行。
経産省によると2023年のキャッシュレス決済比率は39.3%で、これはこれは10年前の2.5倍。政府が目標に掲げている「2025年までに40%」は前倒しで達成しそうである。画像は同省2024年3月29日のニュースリリースより
(なおこの数字には家賃の支払い、公共料金の引き落としなどの銀行口座送金・決済は含んでいない。含んだ数字での比率は経産省発表で54%、他のシンクタンクでは70%となぜか大きな開きがある)
ただし目標達成でも、諸外国と比較すると日本はキャッシュレス後進国。
もっともキャッシュレス社会がバラ色の未来かどうかは疑問もある。
こちらは2021年のデータで出典は国連の機関である世界銀行。韓国、中国、カナダのグラフの色が違うのは統計の取り方が違うらしく参考値だから。グラフは一般社団法人キャッシュレス推進協議会のロードマップ 2023から引用編集
中国ではアリペイ(支付宝)やWeChat(微信)ペイなど、PayPayのようなスマホ決済が急速に拡大した話を以前はよく聞いた。今は当たり前になってニュースにならないほど。いろんな祝儀や春節のお年玉もそれで渡す、町中で現金を使える店がなくなり外国人旅行者が困る(ホテルや高級レストランなどを除いてVISAやMasterなど外国製クレジットカードは使えない)状況のようだ。
でも韓国はその中国以上にキャッシュレス社会とはまったく知らず、
見聞の狭さを反省(/o\)
アメリカはクレジットカードの普及していない時代から小切手を使うなど、キャッシュレス先進国のイメージがあったものの、現在の比率を見ると主要国の中では平均的レベル。そのアメリカでもさらなるキャッシュレス化は進んでおり、その中で日本とは違う「ところ変われば品変わる」的なお話が本日のメイン。
さてATMといえば現金自動預け払い機。英語フルネームは automatic teller machine で teller とは銀行の窓口。お金を引き出す、預け入れるなど現金を扱う機械のイメージ。振り込みもできるがネットバンキングの時代になって使わなくなったなあ。
ところが現金を扱う店が少なくなりつつあるアメリカではATMに現金を入れ、デビットカードに替えられるリバースATMなるものが登場している。
リバース reverse とは反対、裏返し、逆転などの意味。クルマで後ろ向きに走るのをバックすると言うけれど、バックギアは和製英語でシフトレバーにはリバースギア=R の表示があるはず。ついでにバックミラーも和製英語で正しくはリバースミラー。ある年齢以上ならカセットテープを裏返しにしなくても再生できるリバースデッキやオートリバースなんて言葉に聞き覚えがあるはず。
話をリバースATMに戻すと、それを知ったのは6月21日付の経済誌ダイヤモンド(元ネタはウォールストリート・ジャーナルからの転載)。記事は野球場の売店で現金が使えなかったため、仕方なく店員に教えられたリバースATMに200ドルを投入したら、3.5ドルの手数料を取られて196.5ドルがチャージされたデビットカードが出てきたとの体験談から始まる。計算すると手数料率は1.75%になる。(別の事例で20ドルで0.5ドル引かれたとあり、それだと手数料率は2.5%)
日本でデビットカードは銀行口座から直接引き落とす仕組みだけど、この記事のデビットカードは日本でいうプリペイドカードみたいなものか。デビット debit にはいろいろな意味があって、デビットカードの場合は「引き落とし」。
プリペイドカードも日本なら手数料なんて取られないのにと思ったら、
驚くなかれアメリカでは現金が不利な扱いで、
現金を受け取るお店では1〜6ドルの割増料金になる。
以前は現金だと割引してもらえたのに。(クレジットカードなどだと
カード会社から支払われるときにお店が手数料を取られるから)
税金や電話料金を現金で払うと、政府機関や民間企業は現金決済業務を
外部に委託しているのでそこが手数料を取る。
らしい。
現金の受け入れを企業に義務付ける連邦法はなく、州によっては現金受け取り拒否を禁じる措置をとっているようだ。また中国でも4月に政府が主要観光地に現金での支払いを受け付けるよう通知を出している。キャッスレス化=脱現金化を官民一体で進めている日本とは正反対の動きで、まさにところ変われば政策もリバースするである。
ところで今までのお札発行年次は
福沢諭吉・樋口一葉・野口英世:2004年(平成16年)
福沢諭吉・新渡戸稲造・夏目漱石1984年(昭和59年)
聖徳太子・聖徳太子・伊藤博文1958年(昭和33年)〜1963年(昭和38年)
期間を計算すると
2024 − 2004 = 20年間
2004 − 1984 = 20年間
1984 − 1958 = 26年間
と、この2回は20年間ペースで更新されている。さて2044年にはもう現金を使わない時代になっているのか、お札はどんな扱いになるのかな。
なおリバースATMをGoogleで検索すると、今のところ昨年4月に書かれたマネックスグループ会長である松本大氏のコラムがヒットする以外は、リバースモーゲージ(死亡時に担保の自宅を売却して清算する融資)関連しか出てこない。
だからこれはまだほとんどの人が知らない「ところ変われば」の話題のはず。「ショウヘイを応援しにアメリカの球場に行ったらさーーー」と知ったかぶりしてみて(^^ゞ
参考までに松本氏はリバースATMから出てくるのは、
デビットカードではなくプリペイドカードだと書いている。
渋沢栄一がちょっとブ男(^^ゞ そのうち見慣れるでしょう。
発行日の前後にはマスコミの報道も加熱。そして渋沢栄一の出身地である埼玉県深谷市では3日0時前のカウントダウンや祝賀パレードなどお祭り騒ぎ。ただし五千円札の津田梅子の出身地の東京新宿、千円札の北里柴三郎の熊本県阿蘇で何かやったとの話は聞かなかったな。先日の選挙で「2位じゃダメなんですか」の人が3位になっていたけれど、やはり1位じゃないと盛り上がらないのか。ちなみにスパコンで「2位じゃダメなんですか」の考え方を私は否定しない。世界一の戦艦大和は結局、何の役にも立たなかった。
それはさておき、なぜかメデタイこととなっている新紙幣発行であるが、「大量に流通するお札としては、今回が最後になるのではないか」とも言われている。それはもちろんキャッシュレス社会の進行。
経産省によると2023年のキャッシュレス決済比率は39.3%で、これはこれは10年前の2.5倍。政府が目標に掲げている「2025年までに40%」は前倒しで達成しそうである。画像は同省2024年3月29日のニュースリリースより
(なおこの数字には家賃の支払い、公共料金の引き落としなどの銀行口座送金・決済は含んでいない。含んだ数字での比率は経産省発表で54%、他のシンクタンクでは70%となぜか大きな開きがある)
ただし目標達成でも、諸外国と比較すると日本はキャッシュレス後進国。
もっともキャッシュレス社会がバラ色の未来かどうかは疑問もある。
こちらは2021年のデータで出典は国連の機関である世界銀行。韓国、中国、カナダのグラフの色が違うのは統計の取り方が違うらしく参考値だから。グラフは一般社団法人キャッシュレス推進協議会のロードマップ 2023から引用編集
中国ではアリペイ(支付宝)やWeChat(微信)ペイなど、PayPayのようなスマホ決済が急速に拡大した話を以前はよく聞いた。今は当たり前になってニュースにならないほど。いろんな祝儀や春節のお年玉もそれで渡す、町中で現金を使える店がなくなり外国人旅行者が困る(ホテルや高級レストランなどを除いてVISAやMasterなど外国製クレジットカードは使えない)状況のようだ。
でも韓国はその中国以上にキャッシュレス社会とはまったく知らず、
見聞の狭さを反省(/o\)
アメリカはクレジットカードの普及していない時代から小切手を使うなど、キャッシュレス先進国のイメージがあったものの、現在の比率を見ると主要国の中では平均的レベル。そのアメリカでもさらなるキャッシュレス化は進んでおり、その中で日本とは違う「ところ変われば品変わる」的なお話が本日のメイン。
さてATMといえば現金自動預け払い機。英語フルネームは automatic teller machine で teller とは銀行の窓口。お金を引き出す、預け入れるなど現金を扱う機械のイメージ。振り込みもできるがネットバンキングの時代になって使わなくなったなあ。
ところが現金を扱う店が少なくなりつつあるアメリカではATMに現金を入れ、デビットカードに替えられるリバースATMなるものが登場している。
リバース reverse とは反対、裏返し、逆転などの意味。クルマで後ろ向きに走るのをバックすると言うけれど、バックギアは和製英語でシフトレバーにはリバースギア=R の表示があるはず。ついでにバックミラーも和製英語で正しくはリバースミラー。ある年齢以上ならカセットテープを裏返しにしなくても再生できるリバースデッキやオートリバースなんて言葉に聞き覚えがあるはず。
話をリバースATMに戻すと、それを知ったのは6月21日付の経済誌ダイヤモンド(元ネタはウォールストリート・ジャーナルからの転載)。記事は野球場の売店で現金が使えなかったため、仕方なく店員に教えられたリバースATMに200ドルを投入したら、3.5ドルの手数料を取られて196.5ドルがチャージされたデビットカードが出てきたとの体験談から始まる。計算すると手数料率は1.75%になる。(別の事例で20ドルで0.5ドル引かれたとあり、それだと手数料率は2.5%)
日本でデビットカードは銀行口座から直接引き落とす仕組みだけど、この記事のデビットカードは日本でいうプリペイドカードみたいなものか。デビット debit にはいろいろな意味があって、デビットカードの場合は「引き落とし」。
プリペイドカードも日本なら手数料なんて取られないのにと思ったら、
驚くなかれアメリカでは現金が不利な扱いで、
現金を受け取るお店では1〜6ドルの割増料金になる。
以前は現金だと割引してもらえたのに。(クレジットカードなどだと
カード会社から支払われるときにお店が手数料を取られるから)
税金や電話料金を現金で払うと、政府機関や民間企業は現金決済業務を
外部に委託しているのでそこが手数料を取る。
らしい。
現金の受け入れを企業に義務付ける連邦法はなく、州によっては現金受け取り拒否を禁じる措置をとっているようだ。また中国でも4月に政府が主要観光地に現金での支払いを受け付けるよう通知を出している。キャッスレス化=脱現金化を官民一体で進めている日本とは正反対の動きで、まさにところ変われば政策もリバースするである。
ところで今までのお札発行年次は
福沢諭吉・樋口一葉・野口英世:2004年(平成16年)
福沢諭吉・新渡戸稲造・夏目漱石1984年(昭和59年)
聖徳太子・聖徳太子・伊藤博文1958年(昭和33年)〜1963年(昭和38年)
期間を計算すると
2024 − 2004 = 20年間
2004 − 1984 = 20年間
1984 − 1958 = 26年間
と、この2回は20年間ペースで更新されている。さて2044年にはもう現金を使わない時代になっているのか、お札はどんな扱いになるのかな。
なおリバースATMをGoogleで検索すると、今のところ昨年4月に書かれたマネックスグループ会長である松本大氏のコラムがヒットする以外は、リバースモーゲージ(死亡時に担保の自宅を売却して清算する融資)関連しか出てこない。
だからこれはまだほとんどの人が知らない「ところ変われば」の話題のはず。「ショウヘイを応援しにアメリカの球場に行ったらさーーー」と知ったかぶりしてみて(^^ゞ
参考までに松本氏はリバースATMから出てくるのは、
デビットカードではなくプリペイドカードだと書いている。
wassho at 21:13│Comments(0)│
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