2024年10月02日
全部で何人?
総務省統計局によれば、今年の4月時点で日本の総人口は1億2400万人と推計されている。1年前より57万人、0.46%減った。
一般に人口という場合はこの総人口を指し、これには3ヶ月以上滞在している外国人も含まれている。日本人だけの人口は1億2072万人。こちらは1年前より85万5000人、0.7%の減少。
1億2400万人から1億2072万人を引いた328万人が外国人の数。また85万5000人から57万人を引くと28万5000人で、それだけ外国人が増えた計算になる。
外国人の比率を計算すると328万人 ÷ 1億2400万人 =2.6%
四捨五入して3%。
3%とはもちろん100人中の3人なのだけれど、人数のパーセンテージは子供の頃のクラスに当てはめると実感を持ちやすい。ただし世代によってクラスの人数が違うのが難点。私の小学生時代は1クラス40数名だった。今は30数名のクラスも多いと聞く。
とりあえず40名で計算すると3%は1.2名。たいした人数には思えないかも知れないが、これは全クラス&全学年で教室に1人は外国人の生徒がいる計算。5クラスあればどこかの教室には2名。もはやそんな時代。(これは人数を実感として把握するための計算なので、学校の実態と混同しないでね)
以前に奈良時代の人口はたった300万人と知ってびっくりした話を書いた。
こちらは平安時代からの人口の推移グラフ。グラフはhttps://www.jice.or.jp/knowledge/japan/commentary05から引用
これによれば1000万人を超えたのは関ヶ原の戦いの1600年頃。江戸時代の中頃に3000万人に達した後はしばらく停滞。幕末から明治維新の頃に掛けて人口が増大し、グラフの角度が跳ね上がるのは1925年(大正14年、大正は15年まで)あたり。
終戦時は7200万人で、1億人突破が1967年。
ところで一億総中流という言葉あるいは意識は
1958年から始まった「国民生活に関する世論調査」で自らを中流と回答した人が
7割を超えた。設問は「生活の程度は世間一般から見て」「上、中の上、中の中、
中の下、下」の5段階。
1960年代半ばには8割を超え、70年代に入ると9割以上。
1968年にGDPが世界第2位となった。
これらの状況を反映して1970年前後から広まったとされる。国際比較も興味があるものの、データを探したり分析に社会構造の違いを考慮したりが面倒なので手を付けていない。
そしてそれから50数年。
バブル崩壊以降「失われた10年」を3回更新し、現在はその4期目に入っている(/o\) 何かとパッとしない日本。「勝ち組・負け組」の言葉が使われ出したのが2003年、そして「格差社会」が2006年の流行語になる。
もう一億総中流の時代は終わったかと思いきや、
ほとんどといっていいほどデータに変動はない。
下図は「国民生活に関する世論調査」の1964年から2023年までのデータをグラフにしている。縦軸が%で、横軸が年度。ただし1998年、2000年、2020年は調査が実施されていない。2020年はコロナの影響。しかし1988年と2000年は「他調査とのスケジュールの関係」と説明されている。そんな理由で毎年行われている調査が中止になるとは知らなかった。
折れ線グラフは上から順に「中の上・中・下」の合計値、中の中、中の下、中の上。
1970年代になって以降はずっと90%プラスマイナスを維持している。バブルは多くの人いわゆる庶民の生活実感に影響がなかったといえる。バブルで日本中が浮かれていたなんてのはマスコミの作り出した虚像。なお2011年から少し高めに推移している理由はよくわからない。ちなみに2011年は東日本大震災のあった年。そして2021年から落ち気味なのは、いよいよ本格的な格差社会の始まりを示しているのだろうか。もっとも「意識調査」だけですべては語れない。
最初に載せたグラフは人口が右肩上がりで終わっているが、その続きは正反対の右肩下がり。もちろんそれはご存じのように少子化社会の影響。人口は2008年(平成20年)の1億2808万人をピークに下がり続けている。グラフは厚生労働白書平成27年(2015年)版より引用
今年の4月時点での1億2400万と較べると
16年間で408万人、率にして3%
も減少した。参考までに都道府県の人口順位で9位の福岡県が510万人、10位の静岡県が360万人ほどである。
人口が1億人を下回る時期の推定は
2012年発表の内閣府高齢社会白書によれば2048年
2023年発表の国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば2056年
2012年より11年後の2023年の発表では、その時期が8年後ろにずれている。これはもちろん出生数が増えたのではなく、総人口での推定なので、外国人が2012年当時の予測よりさらに増えた影響が反映している。
国内で暮らす日本人は今年の4月時点で1億2072万人(海外で暮らしているのは130万人)。これが1億人を切るのは2023年の推定によれば2052年で9955万人になる。この時点での外国人数は720万人と見積もられ、現在の328万人の2.2倍、全体に占める割合は720 ÷ (9955+720) =6.8% =40人クラスだと2.7人。
上のグラフを見れば「76年後」の2100年に人口は6000万人程度まで落ち込んでいる。今の半分であり、だいたい大正時代末期の水準。ただしこれは現在の外国人をあまり受け入れない移民政策をベースにした推計。それを変更すれば人口推移も大きく変わる。
人口に占める移民比率は2020年時点でアメリカ15.3%、ヨーロッパはイギリス13.8%、フランス13%、ドイツ18.8%、イタリア11%。単純平均すれば14.4%で日本の2.6%の5倍以上。
移民の多い国ほど経済成長率が大きいとのデータがある一方で、増えすぎた移民による様々なトラブルが起きているのもよく耳にするところ。なお「現在の外国人をあまり受け入れない移民政策をベースにした推計」と書いたが、それでもグラフに示されているのは、46年後の2070年に日本の移民比率は10%を超えると予測した上での数字。
昨日、岸田総理が退陣して石破総理が誕生した。自民党総裁選では9名もの候補者が立候補して、それぞれが各分野の政策をアピールしていたのはまだ記憶に新しい。もう10年もすれば、その中に移民政策も入ってくるだろうし、それは国論を二分する議論になるかも知れない。
「1億人」の数字に引っ張られて、一億総中流とか移民比率とかだいぶ話がずれた。
さらに言うと実は人口の推移すら今回の本題とは直接関係ない(^^ゞ
でもしばらくこの調子で書きましょう。
ーーー続く
一般に人口という場合はこの総人口を指し、これには3ヶ月以上滞在している外国人も含まれている。日本人だけの人口は1億2072万人。こちらは1年前より85万5000人、0.7%の減少。
1億2400万人から1億2072万人を引いた328万人が外国人の数。また85万5000人から57万人を引くと28万5000人で、それだけ外国人が増えた計算になる。
外国人の比率を計算すると328万人 ÷ 1億2400万人 =2.6%
四捨五入して3%。
3%とはもちろん100人中の3人なのだけれど、人数のパーセンテージは子供の頃のクラスに当てはめると実感を持ちやすい。ただし世代によってクラスの人数が違うのが難点。私の小学生時代は1クラス40数名だった。今は30数名のクラスも多いと聞く。
とりあえず40名で計算すると3%は1.2名。たいした人数には思えないかも知れないが、これは全クラス&全学年で教室に1人は外国人の生徒がいる計算。5クラスあればどこかの教室には2名。もはやそんな時代。(これは人数を実感として把握するための計算なので、学校の実態と混同しないでね)
以前に奈良時代の人口はたった300万人と知ってびっくりした話を書いた。
こちらは平安時代からの人口の推移グラフ。グラフはhttps://www.jice.or.jp/knowledge/japan/commentary05から引用
これによれば1000万人を超えたのは関ヶ原の戦いの1600年頃。江戸時代の中頃に3000万人に達した後はしばらく停滞。幕末から明治維新の頃に掛けて人口が増大し、グラフの角度が跳ね上がるのは1925年(大正14年、大正は15年まで)あたり。
終戦時は7200万人で、1億人突破が1967年。
ところで一億総中流という言葉あるいは意識は
1958年から始まった「国民生活に関する世論調査」で自らを中流と回答した人が
7割を超えた。設問は「生活の程度は世間一般から見て」「上、中の上、中の中、
中の下、下」の5段階。
1960年代半ばには8割を超え、70年代に入ると9割以上。
1968年にGDPが世界第2位となった。
これらの状況を反映して1970年前後から広まったとされる。国際比較も興味があるものの、データを探したり分析に社会構造の違いを考慮したりが面倒なので手を付けていない。
そしてそれから50数年。
バブル崩壊以降「失われた10年」を3回更新し、現在はその4期目に入っている(/o\) 何かとパッとしない日本。「勝ち組・負け組」の言葉が使われ出したのが2003年、そして「格差社会」が2006年の流行語になる。
もう一億総中流の時代は終わったかと思いきや、
ほとんどといっていいほどデータに変動はない。
下図は「国民生活に関する世論調査」の1964年から2023年までのデータをグラフにしている。縦軸が%で、横軸が年度。ただし1998年、2000年、2020年は調査が実施されていない。2020年はコロナの影響。しかし1988年と2000年は「他調査とのスケジュールの関係」と説明されている。そんな理由で毎年行われている調査が中止になるとは知らなかった。
折れ線グラフは上から順に「中の上・中・下」の合計値、中の中、中の下、中の上。
1970年代になって以降はずっと90%プラスマイナスを維持している。バブルは多くの人いわゆる庶民の生活実感に影響がなかったといえる。バブルで日本中が浮かれていたなんてのはマスコミの作り出した虚像。なお2011年から少し高めに推移している理由はよくわからない。ちなみに2011年は東日本大震災のあった年。そして2021年から落ち気味なのは、いよいよ本格的な格差社会の始まりを示しているのだろうか。もっとも「意識調査」だけですべては語れない。
最初に載せたグラフは人口が右肩上がりで終わっているが、その続きは正反対の右肩下がり。もちろんそれはご存じのように少子化社会の影響。人口は2008年(平成20年)の1億2808万人をピークに下がり続けている。グラフは厚生労働白書平成27年(2015年)版より引用
今年の4月時点での1億2400万と較べると
16年間で408万人、率にして3%
も減少した。参考までに都道府県の人口順位で9位の福岡県が510万人、10位の静岡県が360万人ほどである。
人口が1億人を下回る時期の推定は
2012年発表の内閣府高齢社会白書によれば2048年
2023年発表の国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば2056年
2012年より11年後の2023年の発表では、その時期が8年後ろにずれている。これはもちろん出生数が増えたのではなく、総人口での推定なので、外国人が2012年当時の予測よりさらに増えた影響が反映している。
国内で暮らす日本人は今年の4月時点で1億2072万人(海外で暮らしているのは130万人)。これが1億人を切るのは2023年の推定によれば2052年で9955万人になる。この時点での外国人数は720万人と見積もられ、現在の328万人の2.2倍、全体に占める割合は720 ÷ (9955+720) =6.8% =40人クラスだと2.7人。
上のグラフを見れば「76年後」の2100年に人口は6000万人程度まで落ち込んでいる。今の半分であり、だいたい大正時代末期の水準。ただしこれは現在の外国人をあまり受け入れない移民政策をベースにした推計。それを変更すれば人口推移も大きく変わる。
人口に占める移民比率は2020年時点でアメリカ15.3%、ヨーロッパはイギリス13.8%、フランス13%、ドイツ18.8%、イタリア11%。単純平均すれば14.4%で日本の2.6%の5倍以上。
移民の多い国ほど経済成長率が大きいとのデータがある一方で、増えすぎた移民による様々なトラブルが起きているのもよく耳にするところ。なお「現在の外国人をあまり受け入れない移民政策をベースにした推計」と書いたが、それでもグラフに示されているのは、46年後の2070年に日本の移民比率は10%を超えると予測した上での数字。
昨日、岸田総理が退陣して石破総理が誕生した。自民党総裁選では9名もの候補者が立候補して、それぞれが各分野の政策をアピールしていたのはまだ記憶に新しい。もう10年もすれば、その中に移民政策も入ってくるだろうし、それは国論を二分する議論になるかも知れない。
「1億人」の数字に引っ張られて、一億総中流とか移民比率とかだいぶ話がずれた。
さらに言うと実は人口の推移すら今回の本題とは直接関係ない(^^ゞ
でもしばらくこの調子で書きましょう。
ーーー続く
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