2024年10月10日
全部で何人生まれた?
芦花公園を訪れた話を途中に挟んだが、その前に「全部で何人?」のタイトルでブログを2回書いた。最初は日本の、その2は世界の人口推移について。ただし人口推移の話は本題ではなく前振りのようなもの。
もう今回のタイトルでネタバレしているものの、
興味を持ったのは、現在の
日本の人口 1億2400万人
世界の人口 81億1900万人
や急増する人口問題ではなくて、
今まで何人の人が生まれたかのいわば累積人口。
それを知ってもたいして意味はない。だいたい記録が残っているのはせいぜい100年ほど前からで、それ以前の人口は推測に推測を重ねてはじき出していて、途中のパラメーターを少し変えれば結果が大きく変わるくらいは想像がつく。
ところで以前にこんな話を書いた。
自分の両親にはそれぞれ両親がいて、その私にとって祖父母に当たる人にもまた両親がいてーーーと先祖の数は倍々に増えていく。それを計算すると私の先祖は戦国時代に10億人、鎌倉時代にはなんと1兆人!を突破する計算になる。
その頃から「全部で何人生まれた?」に何となく興味を持っていたのかも知れない。
参考までに2021年に書いたご先祖様3部作のリンクを張っておく。
ご先祖様のナゾ
https://wassho.livedoor.blog/archives/53394771.html
ご先祖様のナゾ その2
https://wassho.livedoor.blog/archives/53394920.html
実はほとんどのご先祖様と血がつながっていない
https://wassho.livedoor.blog/archives/53395125.html
その累積人口。
そんなどうでもいいテーマに興味を持っている人は少ないらしく、ネットで探してもあまり情報は見つからなかった。
とりあえず世界の人口についてはアメリカの人口問題研究所(PRB:Population Reference Bureau:公的機関ではなくNPOみたい)が、2022年に人類誕生以来の累計人口を1170億人と発表している。また2013年のこちらの記事で生物学者の池田清彦が500億人と書いている。他には秋田大学教授が150〜200億人としている記事もあったが、これは文章内容からして信憑性がやや薄い。
池田の記事には情報ソースが書かれていない。人口問題研究所もリンクしたページには、その計算方法は記されていなかった(ホームページを隅々まで読めばどこかには書かれているのかも知れないが)。なおなぜかリンク先には「その計算は科学であると同時に芸術でもある」なんて意味不明の記述がある。
けっこう探したけれど累積人口を見つけられたのはこの3つくらい。人口問題研究所は1995年から累積人口を発表している。2011年における推定値は1080億人。2011年の世界人口は約71億人で、現在の人口はそれより10億人増えている。そして累積人口は推定値を2011年から90億人も増やしているから、それなりに推定方法をアップデートした数字だと考え、とりあえずこの1170億人を世界の、つまりは人類誕生以来の累計人口としておく。
さてめでたく人類は今までに1170億人が生まれたとわかったとして、
だからどうかというと別に感想はない。
最初に「それを知ってもたいして意味はない」と書いたでしょ(^^ゞ
現在の世界人口81億人(千万人以下は省略)と並べると
今までに1089億人が死んで81億人が生きている。
今生きているのは累積人口の7%。
やっぱり、それがどうしたな感想ーーー
ただ人類(ホモ・サピエンス)の誕生は30万年前。現在の81億人はこの100年に生まれた人だとして、それが30万年の歴史に占める割合は無視してもいいくらいのほんの一瞬。いちおう計算してみると100年 ÷ 30万年 = 0.033%に過ぎない。
その瞬きするような短い期間に7%もの人口が集中しているのは、「その2」にも載せたこのグラフが示す、産業革命を境にした急激な人口増加。ざっと300年で8.2倍に増えている。グラフは国連人口基金(UNFPA)https://x.gd/piFLc(短縮URL使用)から引用編集
グラフで青色に囲った部分は、現在の81億人が生まれた範囲。なおこのグラフは時間軸が右半分が2000年、左半分が十数万年になっている。左右の時間縮尺を同じにするなら、人類誕生は30万年前なので、左半分は今より150倍以上長くなる。
たまにイナゴやバッタが突然に大量発生のニュースがある。現在の人類は30万年の歴史で眺めれば、それに似た異常な状態なのかもと思えてくる。画像はhttps://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00174/070300003/から引用
全世界的には今までに1170億人生まれたとして、
日本だけでは何人生まれたのか?
調べても調べても、これがまったくわからない(/o\)
それを知って意味はないとしても、今まで誰も興味を持たなかったのかな。
現在の世界人口が81億人で日本人口1億2400万人だから、その比率は1:0.015。それを1170億人に掛ければ17億5500万人との数字は出る。しかし人類の誕生が30万年前なのに対して、日本列島に人類が渡ってきたのはわずか3万8000年前。単純に比率を当てはめるのはちょっと無理がある気がする。
とりあえず日本で何人生まれたかの数字は見つけられず。
そこで、見つけられなかったら自分で計算しようホトトギス。
もっともアメリカの人口問題研究所がやっているようなシミュレーションを自分でできるはずもなく、やったのは記録のある出生数を足し上げただけ。
日本の出生数は1899年(明治32年)からの記録がある。ただし終戦を挟んだ1944〜1946年(昭和19〜21年)の記録は欠落している。
明治32年の出生数は138万6981人、昨年は72万7277人で過去最低を記録した。過去最高は終戦4年後の1949年(昭和24年)の269万6638人。出生数はピーク時の37%に落ち込んでいる計算。
なお記録のない1944〜1946年の出生数については、日本の国立社会保障・人口問題研究所が1980年(昭和55年)に出した報告書の中で、出生率(人口1000人あたりの出生数)を
1944年 29人(本当の単位はパーミルだが1000人当たりだから人数と同じ)
1945年 24人
1946年 25人
と推定していた。1943年の出生数は225万3535人で出生率は30.9人なので、
225万3535人:30.9人 = 1944年の出生数:29人
などの比率を当てはめ出生数を1944年211万人、1945年175万人、1946年182万人として計算した。
ところで、この国立の機関である社会保障・人口問題研究所が、1980年(昭和55年)に出した報告書はなんと表紙以外は手書きである。
全文はこちらを参照されたい。
https://www.ipss.go.jp/history/shingikai/data/J000008829.pdf
(一部をワープロ打ちしたファイルもある↓)
https://www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/data/pdf/14215805.pdf
以前に1980年代後半のワープロ事情についてのブログを書いた。そこに「今じゃ信じられないが、社外に出す企画書や報告書で手書きのものも多かった」とも記した。そしてやはりその話を若い連中にしても信じてもらえなかった。でもその証拠がこの報告書。
それにしても手書きの報告書なんて超久しぶりに見た。「こんな風に一生懸命書いてたなあ」と懐かしくなり、この報告書ファイルをダウンロードして保存してしまったよ(^^ゞ
さて1899年(明治32年)から、
昨年2023年まで124年間の出生数合計は
ジャジャン! 2億323万6495人
う〜ん、やっぱり、それがどうしたな感想ーーー(再)
全部で何人生まれたかを知ることで、
いったい何を期待していたのだろうかと自分自身を問い詰めているところ(/o\)
以前に「奈良時代の人口は300万人だった」と知ったときは、ある種の知的好奇心が満たされた感覚があったのに、こちらにはまったくそれがない。別に2億人だろうが3億人だろうがどうでもよく思える。よく通販などで「累積販売数〇〇〇万本突破!」なんて広告があり、その数字にはそれなりの意味を見いだしてしまうのに、「全部で何人生まれた」にそういう思考が働かないのはなぜなのか。
いろいろとナゾ
しかしそれを考えたところで得るものはない気がする。
先ほど日本の累計人口について「今まで誰も興味を持たなかったのかな」と書いた。それは誰か研究しろよとの思いの裏返し。しかし研究者の皆様におかれましては、累積人口を推定しても何の役にも立たないと判明しましたので、他のテーマに精進してください(^^ゞ
でも今回はたった124年間だし、やはりこの土地に人類が渡ってきてからの、
しっかりと科学的に推定した数字は知りたいかも。
そして、それを見て改めてフ〜ン、ショウムナといいたい(^^ゞ
おしまい
もう今回のタイトルでネタバレしているものの、
興味を持ったのは、現在の
日本の人口 1億2400万人
世界の人口 81億1900万人
や急増する人口問題ではなくて、
今まで何人の人が生まれたかのいわば累積人口。
それを知ってもたいして意味はない。だいたい記録が残っているのはせいぜい100年ほど前からで、それ以前の人口は推測に推測を重ねてはじき出していて、途中のパラメーターを少し変えれば結果が大きく変わるくらいは想像がつく。
ところで以前にこんな話を書いた。
自分の両親にはそれぞれ両親がいて、その私にとって祖父母に当たる人にもまた両親がいてーーーと先祖の数は倍々に増えていく。それを計算すると私の先祖は戦国時代に10億人、鎌倉時代にはなんと1兆人!を突破する計算になる。
その頃から「全部で何人生まれた?」に何となく興味を持っていたのかも知れない。
参考までに2021年に書いたご先祖様3部作のリンクを張っておく。
ご先祖様のナゾ
https://wassho.livedoor.blog/archives/53394771.html
ご先祖様のナゾ その2
https://wassho.livedoor.blog/archives/53394920.html
実はほとんどのご先祖様と血がつながっていない
https://wassho.livedoor.blog/archives/53395125.html
その累積人口。
そんなどうでもいいテーマに興味を持っている人は少ないらしく、ネットで探してもあまり情報は見つからなかった。
とりあえず世界の人口についてはアメリカの人口問題研究所(PRB:Population Reference Bureau:公的機関ではなくNPOみたい)が、2022年に人類誕生以来の累計人口を1170億人と発表している。また2013年のこちらの記事で生物学者の池田清彦が500億人と書いている。他には秋田大学教授が150〜200億人としている記事もあったが、これは文章内容からして信憑性がやや薄い。
池田の記事には情報ソースが書かれていない。人口問題研究所もリンクしたページには、その計算方法は記されていなかった(ホームページを隅々まで読めばどこかには書かれているのかも知れないが)。なおなぜかリンク先には「その計算は科学であると同時に芸術でもある」なんて意味不明の記述がある。
けっこう探したけれど累積人口を見つけられたのはこの3つくらい。人口問題研究所は1995年から累積人口を発表している。2011年における推定値は1080億人。2011年の世界人口は約71億人で、現在の人口はそれより10億人増えている。そして累積人口は推定値を2011年から90億人も増やしているから、それなりに推定方法をアップデートした数字だと考え、とりあえずこの1170億人を世界の、つまりは人類誕生以来の累計人口としておく。
さてめでたく人類は今までに1170億人が生まれたとわかったとして、
だからどうかというと別に感想はない。
最初に「それを知ってもたいして意味はない」と書いたでしょ(^^ゞ
現在の世界人口81億人(千万人以下は省略)と並べると
今までに1089億人が死んで81億人が生きている。
今生きているのは累積人口の7%。
やっぱり、それがどうしたな感想ーーー
ただ人類(ホモ・サピエンス)の誕生は30万年前。現在の81億人はこの100年に生まれた人だとして、それが30万年の歴史に占める割合は無視してもいいくらいのほんの一瞬。いちおう計算してみると100年 ÷ 30万年 = 0.033%に過ぎない。
その瞬きするような短い期間に7%もの人口が集中しているのは、「その2」にも載せたこのグラフが示す、産業革命を境にした急激な人口増加。ざっと300年で8.2倍に増えている。グラフは国連人口基金(UNFPA)https://x.gd/piFLc(短縮URL使用)から引用編集
グラフで青色に囲った部分は、現在の81億人が生まれた範囲。なおこのグラフは時間軸が右半分が2000年、左半分が十数万年になっている。左右の時間縮尺を同じにするなら、人類誕生は30万年前なので、左半分は今より150倍以上長くなる。
たまにイナゴやバッタが突然に大量発生のニュースがある。現在の人類は30万年の歴史で眺めれば、それに似た異常な状態なのかもと思えてくる。画像はhttps://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00174/070300003/から引用
全世界的には今までに1170億人生まれたとして、
日本だけでは何人生まれたのか?
調べても調べても、これがまったくわからない(/o\)
それを知って意味はないとしても、今まで誰も興味を持たなかったのかな。
現在の世界人口が81億人で日本人口1億2400万人だから、その比率は1:0.015。それを1170億人に掛ければ17億5500万人との数字は出る。しかし人類の誕生が30万年前なのに対して、日本列島に人類が渡ってきたのはわずか3万8000年前。単純に比率を当てはめるのはちょっと無理がある気がする。
とりあえず日本で何人生まれたかの数字は見つけられず。
そこで、見つけられなかったら自分で計算しようホトトギス。
もっともアメリカの人口問題研究所がやっているようなシミュレーションを自分でできるはずもなく、やったのは記録のある出生数を足し上げただけ。
日本の出生数は1899年(明治32年)からの記録がある。ただし終戦を挟んだ1944〜1946年(昭和19〜21年)の記録は欠落している。
明治32年の出生数は138万6981人、昨年は72万7277人で過去最低を記録した。過去最高は終戦4年後の1949年(昭和24年)の269万6638人。出生数はピーク時の37%に落ち込んでいる計算。
なお記録のない1944〜1946年の出生数については、日本の国立社会保障・人口問題研究所が1980年(昭和55年)に出した報告書の中で、出生率(人口1000人あたりの出生数)を
1944年 29人(本当の単位はパーミルだが1000人当たりだから人数と同じ)
1945年 24人
1946年 25人
と推定していた。1943年の出生数は225万3535人で出生率は30.9人なので、
225万3535人:30.9人 = 1944年の出生数:29人
などの比率を当てはめ出生数を1944年211万人、1945年175万人、1946年182万人として計算した。
ところで、この国立の機関である社会保障・人口問題研究所が、1980年(昭和55年)に出した報告書はなんと表紙以外は手書きである。
全文はこちらを参照されたい。
https://www.ipss.go.jp/history/shingikai/data/J000008829.pdf
(一部をワープロ打ちしたファイルもある↓)
https://www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/data/pdf/14215805.pdf
以前に1980年代後半のワープロ事情についてのブログを書いた。そこに「今じゃ信じられないが、社外に出す企画書や報告書で手書きのものも多かった」とも記した。そしてやはりその話を若い連中にしても信じてもらえなかった。でもその証拠がこの報告書。
それにしても手書きの報告書なんて超久しぶりに見た。「こんな風に一生懸命書いてたなあ」と懐かしくなり、この報告書ファイルをダウンロードして保存してしまったよ(^^ゞ
さて1899年(明治32年)から、
昨年2023年まで124年間の出生数合計は
ジャジャン! 2億323万6495人
う〜ん、やっぱり、それがどうしたな感想ーーー(再)
全部で何人生まれたかを知ることで、
いったい何を期待していたのだろうかと自分自身を問い詰めているところ(/o\)
以前に「奈良時代の人口は300万人だった」と知ったときは、ある種の知的好奇心が満たされた感覚があったのに、こちらにはまったくそれがない。別に2億人だろうが3億人だろうがどうでもよく思える。よく通販などで「累積販売数〇〇〇万本突破!」なんて広告があり、その数字にはそれなりの意味を見いだしてしまうのに、「全部で何人生まれた」にそういう思考が働かないのはなぜなのか。
いろいろとナゾ
しかしそれを考えたところで得るものはない気がする。
先ほど日本の累計人口について「今まで誰も興味を持たなかったのかな」と書いた。それは誰か研究しろよとの思いの裏返し。しかし研究者の皆様におかれましては、累積人口を推定しても何の役にも立たないと判明しましたので、他のテーマに精進してください(^^ゞ
でも今回はたった124年間だし、やはりこの土地に人類が渡ってきてからの、
しっかりと科学的に推定した数字は知りたいかも。
そして、それを見て改めてフ〜ン、ショウムナといいたい(^^ゞ
おしまい
wassho at 23:22│Comments(0)│
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