2024年10月24日
カモシカのような脚のナゾ
カモシカのカモとは何かについて書いたのが前回のブログ。そのきっかけとなったカモシカをテーマとした番組を見て、実は最初に?と思ったのはカモシカの脚についてだった。
これがカモシカ、正確には日本固有種のニホンカモシカ。ウシ科ヤギ亜科に属するカモシカはこのニホンカモシカと、スマトラカモシカ、台湾カモシカの3種しかいない。やや違う系統に朝鮮カモシカとも呼ばれるオナガゴラールがいる。名前から推測するとアジア中心に生息する動物のようだ。3枚目の画像はhttps://www.tokyo-np.co.jp/article/238926から引用
カモシカの写真や映像を見るのは初めてではないにしても、あまり記憶に残っておらず「カモシカの絵を描きなさい」と言われてもお手上げなレベルだった。
そしてカモシカを改めてみて思ったのは、顔は可愛いけれど
脚、太いやん(^^ゞ
誰もが知っている「カモシカのような脚」との言葉から受けるイメージとはずいぶんと違う。シカのほうがよほど脚が細い。画像はhttps://www.nara-np.co.jp/news/20240717213347.htmlから引用
胴体とのバランスでは馬だってカモシカより細い。
カモシカはシカ科ではなくウシ科だからか、ウシと同じような太さ。カモシカのような脚ですねと女性にいえば喜ばれても、ウシみたいなといえばシバかれるはず(^^ゞ
だいたい細くて長い脚ならキリンにかなう動物はいない。
それがどうして「カモシカのような脚」が細くて長い、いわゆるスラッとした美脚の代名詞になったのか。考えてみれば前回に書いたように、カモシカは山の急斜面で踏ん張って暮らしているから脚がガッチリしているのは当然なのに。画像はhttps://x.gd/kL4pjから引用(短縮URL使用)
前回と同じく、これまた諸説ありでハッキリとはしないものの、
ネットで解説されている情報をまとめると以下のようになる。
1)
英語に「ガゼルのような脚 Legs like a gazelle / gazelle-like legs」という表現がある。意味はカモシカのようなと同じで細くて長くスラッとした美脚。
これがガゼル。シカのように見えるがカモシカと同じくウシ科の動物。でもカモシカと違ってこれなら美脚の比喩として使われるのは納得。画像はhttps://animalia.bio/grants-gazelleから引用
ガゼルはアフリカ、中東、中国北部に掛けて生息している。大きくはガゼル属、トムソンガゼル属、ダマガゼル属に分かれ、そこから13種ほどに細分化される。運動能力に優れ俊敏で、瞬間的には時速90km以上で走りチーターを振り切ることもあるらしい。
ちなみに日産がシルビアの姉妹車としてラインナップしていたガゼール(初代1979〜1983年:写真上、2代目1983年〜1986年:写真下)は、ガゼルをガゼールと引き延ばしてネーミング化したもの。スペルはGazelleと動物のガゼルと同じ。
他にはアディダスにもガゼルというスニーカーがあり、日産と同じくその俊敏さ、足の速さにあやかったネーミング。また英語で成長著しい中小企業をガゼルと呼ぶ使い方もある。
2)
ここから話がややこしい。
写真は上がオリックスで下がインパラ。
ガゼルに近い品種なのは一目瞭然。どちらもウシ科。ウシ科にはこういう動物がたくさんいて、ウシ科約130種のうち約90種がこんな感じ。これらをまとめてアンテロープと総称する。ウシ科の中で優美な姿をしているのをアンテロープと呼んで、それ以外のウシ科動物と区別したといってもいい。だからこれは生物学的な分類名ではない。タヌキとアナグマをまとめてムジナというのと同じ。
アンテロープは漢字で羚羊(れいよう)と書く。おそらく中国での命名が日本に伝わったのだろう。そして前回にカモシカは漢字で氈鹿と説明したが、同じく羚羊と書いてカモシカとも読む。
その理由はわからない。昔はカモシカも羚羊(れいよう)=アンテロープと見なされていたのか。今とは基準が違ってウシ科の中で優美な姿をしているではなく、シカに似ているのをまとめてアンテロープと呼んでいたのかも知れない。
ちなみにウシはウシ科、シカはシカ科でまったく別の品種。
現在のアンテロープの定義は
ウシ科 ー (ウシ族+ヤギ亜科)=アンテロープ
カモシカはヤギ亜科カモシカ属なのでアンテロープではない。
話はそれるが羚羊には羊の字が使われている。しかしヒツジはウシ科ヤギ亜科ヒツジ属である。アンテロープはヒツジにまったく似ていないのに羊の文字を当てたのも不思議。
3)
そしてガゼルのような脚 Legs like a gazelle / gazelle-like legsの英文が日本に入ってきてそれを翻訳する際に
ガゼル?何それ?
動物みたいだけれど、そんな動物は誰も知らないぞ。
↓
どうやらガゼルは羚羊の一種らしい。
じゃガゼルはカモシカと訳そう。
それで「カモシカのような脚」となったとか、その当たりが大方の説明である。
が、しか〜しなのである。
それって、おかしいと思わないか?
ーーー続く
これがカモシカ、正確には日本固有種のニホンカモシカ。ウシ科ヤギ亜科に属するカモシカはこのニホンカモシカと、スマトラカモシカ、台湾カモシカの3種しかいない。やや違う系統に朝鮮カモシカとも呼ばれるオナガゴラールがいる。名前から推測するとアジア中心に生息する動物のようだ。3枚目の画像はhttps://www.tokyo-np.co.jp/article/238926から引用
カモシカの写真や映像を見るのは初めてではないにしても、あまり記憶に残っておらず「カモシカの絵を描きなさい」と言われてもお手上げなレベルだった。
そしてカモシカを改めてみて思ったのは、顔は可愛いけれど
脚、太いやん(^^ゞ
誰もが知っている「カモシカのような脚」との言葉から受けるイメージとはずいぶんと違う。シカのほうがよほど脚が細い。画像はhttps://www.nara-np.co.jp/news/20240717213347.htmlから引用
胴体とのバランスでは馬だってカモシカより細い。
カモシカはシカ科ではなくウシ科だからか、ウシと同じような太さ。カモシカのような脚ですねと女性にいえば喜ばれても、ウシみたいなといえばシバかれるはず(^^ゞ
だいたい細くて長い脚ならキリンにかなう動物はいない。
それがどうして「カモシカのような脚」が細くて長い、いわゆるスラッとした美脚の代名詞になったのか。考えてみれば前回に書いたように、カモシカは山の急斜面で踏ん張って暮らしているから脚がガッチリしているのは当然なのに。画像はhttps://x.gd/kL4pjから引用(短縮URL使用)
前回と同じく、これまた諸説ありでハッキリとはしないものの、
ネットで解説されている情報をまとめると以下のようになる。
1)
英語に「ガゼルのような脚 Legs like a gazelle / gazelle-like legs」という表現がある。意味はカモシカのようなと同じで細くて長くスラッとした美脚。
これがガゼル。シカのように見えるがカモシカと同じくウシ科の動物。でもカモシカと違ってこれなら美脚の比喩として使われるのは納得。画像はhttps://animalia.bio/grants-gazelleから引用
ガゼルはアフリカ、中東、中国北部に掛けて生息している。大きくはガゼル属、トムソンガゼル属、ダマガゼル属に分かれ、そこから13種ほどに細分化される。運動能力に優れ俊敏で、瞬間的には時速90km以上で走りチーターを振り切ることもあるらしい。
ちなみに日産がシルビアの姉妹車としてラインナップしていたガゼール(初代1979〜1983年:写真上、2代目1983年〜1986年:写真下)は、ガゼルをガゼールと引き延ばしてネーミング化したもの。スペルはGazelleと動物のガゼルと同じ。
他にはアディダスにもガゼルというスニーカーがあり、日産と同じくその俊敏さ、足の速さにあやかったネーミング。また英語で成長著しい中小企業をガゼルと呼ぶ使い方もある。
2)
ここから話がややこしい。
写真は上がオリックスで下がインパラ。
ガゼルに近い品種なのは一目瞭然。どちらもウシ科。ウシ科にはこういう動物がたくさんいて、ウシ科約130種のうち約90種がこんな感じ。これらをまとめてアンテロープと総称する。ウシ科の中で優美な姿をしているのをアンテロープと呼んで、それ以外のウシ科動物と区別したといってもいい。だからこれは生物学的な分類名ではない。タヌキとアナグマをまとめてムジナというのと同じ。
アンテロープは漢字で羚羊(れいよう)と書く。おそらく中国での命名が日本に伝わったのだろう。そして前回にカモシカは漢字で氈鹿と説明したが、同じく羚羊と書いてカモシカとも読む。
その理由はわからない。昔はカモシカも羚羊(れいよう)=アンテロープと見なされていたのか。今とは基準が違ってウシ科の中で優美な姿をしているではなく、シカに似ているのをまとめてアンテロープと呼んでいたのかも知れない。
ちなみにウシはウシ科、シカはシカ科でまったく別の品種。
現在のアンテロープの定義は
ウシ科 ー (ウシ族+ヤギ亜科)=アンテロープ
カモシカはヤギ亜科カモシカ属なのでアンテロープではない。
話はそれるが羚羊には羊の字が使われている。しかしヒツジはウシ科ヤギ亜科ヒツジ属である。アンテロープはヒツジにまったく似ていないのに羊の文字を当てたのも不思議。
3)
そしてガゼルのような脚 Legs like a gazelle / gazelle-like legsの英文が日本に入ってきてそれを翻訳する際に
ガゼル?何それ?
動物みたいだけれど、そんな動物は誰も知らないぞ。
↓
どうやらガゼルは羚羊の一種らしい。
じゃガゼルはカモシカと訳そう。
それで「カモシカのような脚」となったとか、その当たりが大方の説明である。
が、しか〜しなのである。
それって、おかしいと思わないか?
ーーー続く
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