2024年11月06日
どうしてツボ(鍼灸・指圧)を医学・科学的に解明しないのかな その2
鍼と灸そして指圧はツボと呼ばれる部位に刺激を与えて、痛みを取ったり体調不良を改善する施術。法律的には医療類似行為に属する。最近は脳卒中のリハビリやアトピー、心身症さらには美容に至るまで様々な分野に適応されている。(主に鍼で)
その効果を否定はしない。
まず前回に書いたように施術者になるには国家試験があり、言い換えればこれらは国家が認めた技術。だから一部の症状に対しては健康保険も適用される。それにコンビニより多い歯医者よりもさらに多い施設があって、年間5000億円ほどの市場規模なのは、その効果があるからこその需要。手をかざしてハンドパワーを送るとか、怪しげな波動エネルギーなどの類いと違って、広く受け入れられ客観性のある実績を持っているのは理解している。
それでも素直に納得できない気持ちは多分にある。
さて鍼と灸そして指圧のメカズムの基本的な説明はこうだ。
人体は気、血、津液(しんえき)が身体を巡り、
相互に影響しながら生命活動を維持している。
↓
↓ 血はもちろん血液。
↓ 津液は血液以外の体液の総称。単に水(みず)とも呼ぶ。
↓ 気とはエネルギー的存在とされる。
↓
気は体内に張り巡らされている経絡(けいらく)を通って、臓器や筋肉や皮膚に
エネルギーを供給する。血と津液も経絡を通る。人間の場合に経絡は14本。
↓
経絡には気の出入り口である経穴(けいけつ)があり、
これの一般的な名称がツボである。
また経絡上にない奇穴(きけつ)と阿是穴(あぜけつ)があり、
これらもツボと呼ばれる。つまりツボ=経穴+奇穴+阿是穴。
ツボは諸説あるが1000箇所以上存在する。
↓
ツボには経絡(けいらく)を通じて身体各部の反応が現れる。
またツボへの刺激によって身体各部を活性化させる。
↓
もう少し東洋医学的に表現すると、気には正気と邪気がある。
正気は自然治癒力を高めたり、身体を正常に機能させる働きがある。
邪気はその逆で病気を引き起こす。
正気と邪気は経絡を通っており、ツボ=経穴はその出入り口。
邪気を外に出し、正気を補うのが鍼灸や指圧によるツボ治療。
だいたいこんなところ。
気には正気と邪気があるなんて実に怪しげである(^^ゞ
ツボについて調べると多くの鍼灸院のページで「WHO(世界保健機関)によって認定されたツボが361箇所ある」との記述が見られる。国連機関の名前を出して、少しでも怪しさを払拭したい、科学医学的正当性をアピールしたい気持ちの表れにも思える。
ついでに書いておくとWHOに認定されたとはいえ、全世界や医学界がそれに関与したわけではない。この認定会議が開かれたのは2006年。場所は日本のつくば市。参加したのは日本、中国、韓国、モンゴル、シンガポール、ベトナム、オーストラリア、アメリカ、イギリスの9カ国。他に2つの国際団体も参加しているもののWFAS(World Federation of Acupuncture Societies:世界鍼灸学会連合会)とAAOM(American Association of Oriental Medicine:米国東洋医学協会)だからツボの身内。米国東洋医学協会は2007年から米国鍼灸東洋医学協会になった。
そもそもこの会議は医学的データを検証して「ツボの科学的根拠」を認定したものではなく、ツボを扱う鍼灸師や研究者約30名ばかりが集まって、日本式、中国式、韓国式でズレがあった「ツボの位置」について調整を行ったに過ぎない。だから「WHOによって認定されたツボが361箇所ある」とは優良誤認を招きかねない表現である。
参考までにWHOは1979年に43の疾患について鍼灸施術の効果を認めている。ただし結果的に効果があったのを確認しただけで、そのメカニズムを解明したわけではない。1989年には361箇所のツボの名称の標準化も行っている。
それはさておきWHOが認定したツボ361箇所とは左右対になっているものが309箇所、単体が52箇所なので、実際には309 × 2 + 52 =合計 670箇所。なおそれまで日本でツボとされてきたのは354箇所でWHO認定により7つ増えたことになる。
他にも昔からツボとされているところを含めると1000箇所以上になる。人間の身体の表面積は日本人成年男子平均で1万6900平方センチ。(自分の値を知りたければ、ここで計算できる)それをWHO認定の670箇所に限定しても1万6900 ÷ 670 = 25平方センチ。平均すれば5センチ四方にひとつ全身にビッシリとツボがある計算。ツボの知識がなくても、どこか適当に押せば何かには効くんじゃない(^^ゞ
ーーー続く
今回も本題にたどり着けなかったm(_ _)m
その効果を否定はしない。
まず前回に書いたように施術者になるには国家試験があり、言い換えればこれらは国家が認めた技術。だから一部の症状に対しては健康保険も適用される。それにコンビニより多い歯医者よりもさらに多い施設があって、年間5000億円ほどの市場規模なのは、その効果があるからこその需要。手をかざしてハンドパワーを送るとか、怪しげな波動エネルギーなどの類いと違って、広く受け入れられ客観性のある実績を持っているのは理解している。
それでも素直に納得できない気持ちは多分にある。
さて鍼と灸そして指圧のメカズムの基本的な説明はこうだ。
人体は気、血、津液(しんえき)が身体を巡り、
相互に影響しながら生命活動を維持している。
↓
↓ 血はもちろん血液。
↓ 津液は血液以外の体液の総称。単に水(みず)とも呼ぶ。
↓ 気とはエネルギー的存在とされる。
↓
気は体内に張り巡らされている経絡(けいらく)を通って、臓器や筋肉や皮膚に
エネルギーを供給する。血と津液も経絡を通る。人間の場合に経絡は14本。
↓
経絡には気の出入り口である経穴(けいけつ)があり、
これの一般的な名称がツボである。
また経絡上にない奇穴(きけつ)と阿是穴(あぜけつ)があり、
これらもツボと呼ばれる。つまりツボ=経穴+奇穴+阿是穴。
ツボは諸説あるが1000箇所以上存在する。
↓
ツボには経絡(けいらく)を通じて身体各部の反応が現れる。
またツボへの刺激によって身体各部を活性化させる。
↓
もう少し東洋医学的に表現すると、気には正気と邪気がある。
正気は自然治癒力を高めたり、身体を正常に機能させる働きがある。
邪気はその逆で病気を引き起こす。
正気と邪気は経絡を通っており、ツボ=経穴はその出入り口。
邪気を外に出し、正気を補うのが鍼灸や指圧によるツボ治療。
だいたいこんなところ。
気には正気と邪気があるなんて実に怪しげである(^^ゞ
ツボについて調べると多くの鍼灸院のページで「WHO(世界保健機関)によって認定されたツボが361箇所ある」との記述が見られる。国連機関の名前を出して、少しでも怪しさを払拭したい、科学医学的正当性をアピールしたい気持ちの表れにも思える。
ついでに書いておくとWHOに認定されたとはいえ、全世界や医学界がそれに関与したわけではない。この認定会議が開かれたのは2006年。場所は日本のつくば市。参加したのは日本、中国、韓国、モンゴル、シンガポール、ベトナム、オーストラリア、アメリカ、イギリスの9カ国。他に2つの国際団体も参加しているもののWFAS(World Federation of Acupuncture Societies:世界鍼灸学会連合会)とAAOM(American Association of Oriental Medicine:米国東洋医学協会)だからツボの身内。米国東洋医学協会は2007年から米国鍼灸東洋医学協会になった。
そもそもこの会議は医学的データを検証して「ツボの科学的根拠」を認定したものではなく、ツボを扱う鍼灸師や研究者約30名ばかりが集まって、日本式、中国式、韓国式でズレがあった「ツボの位置」について調整を行ったに過ぎない。だから「WHOによって認定されたツボが361箇所ある」とは優良誤認を招きかねない表現である。
参考までにWHOは1979年に43の疾患について鍼灸施術の効果を認めている。ただし結果的に効果があったのを確認しただけで、そのメカニズムを解明したわけではない。1989年には361箇所のツボの名称の標準化も行っている。
それはさておきWHOが認定したツボ361箇所とは左右対になっているものが309箇所、単体が52箇所なので、実際には309 × 2 + 52 =合計 670箇所。なおそれまで日本でツボとされてきたのは354箇所でWHO認定により7つ増えたことになる。
他にも昔からツボとされているところを含めると1000箇所以上になる。人間の身体の表面積は日本人成年男子平均で1万6900平方センチ。(自分の値を知りたければ、ここで計算できる)それをWHO認定の670箇所に限定しても1万6900 ÷ 670 = 25平方センチ。平均すれば5センチ四方にひとつ全身にビッシリとツボがある計算。ツボの知識がなくても、どこか適当に押せば何かには効くんじゃない(^^ゞ
ーーー続く
今回も本題にたどり着けなかったm(_ _)m
wassho at 23:25│Comments(0)│
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