2024年12月18日
しばらくはiPhoneを携帯音楽プレイヤーとして その3
さてイヤホンジャックのないiPhone。
イヤホンを使って音楽を聴く方法は
(1)ライトニング端子のついたイヤホンを使う
(2)外付けの携帯用DACを使う
(3)ワイヤレスのイヤホンを使う
の3択。
このうち(1)は2つ前のブログで紹介したように、低価格ゾーンの商品しかないので対象から除外した。今回は次の携帯音楽プレイヤーを買うまでの暫定措置だけれど、既にイヤホンは持っている私にとっては一番安上がりな方法でもない。
そして(2)と(3)を比較するとなかなか微妙なのが困りもの。
まずは携帯用DAC。
一番のメリットは耳の形と鼓膜に馴染んだ今までのイヤホンがそのまま使えること。現在使っているゼンハイザーの IE 100 PROはけっこう気に入っている。
次にワイヤレスイヤホンと違って充電が不要。大型のDAC以外、つまりスティック型とドングル型のDACなら電力はスマホから供給される。それがスマホのバッテリーをどの程度消費するのかは知らない。でもとりあえずiPhoneさえ充電されていればOKなのは私にとって魅力的。
iPhoneの充電を忘れることはまずないものの、外出してから携帯音楽プレイヤーの充電忘れに気付くのはよくあった。そのiPhoneも購入したのは4年前なのでバッテリーがヘタり気味。だから外出時は常にモバイルバッテリーを持ち歩いている。もちろんそれで携帯音楽プレイヤーへも充電できる。しかしモバイルバッテリーも充電が切れていて往復ビンタを食らった経験は数多く(^^ゞ
そして前回に書いたようにワイヤレスイヤホンと違って、携帯用DACはブルートゥースによる音質低下もない。
またドングル型なら1000円から売っている。さすがにそれではちょっと不安だとしても、数千円クラスの製品を一時しのぎとして使うのも賢い選択のように思える。
デメリットはまずかさばる点である。
こんなスマホより大きなサイズは論外。このタイプはDACだけではなくアンプも入っていて通称でポタアンと呼ばれている。ポータブルアンプの略。画像はhttps://x.gd/BRoB6から引用(短縮URL使用)
ポタアンとスマホがバラバラでは持ち運びにくいので、このような結束バンドを使うのが一般的。当然ながらスマホの操作性には影響が出る。画像はhttps://x.gd/xyPrvから引用(短縮URL使用)
このポタアンとスマホの関係は、レンズはカメラに付ける部品なのに、超望遠レンズになると逆にレンズにカメラを付けるようになるのと似ている。画像はhttps://x.gd/o6cAyから引用(短縮URL使用)
スティック型あるいはドングル型のDACなら、それなりにコンパクト。画像はhttps://x.gd/S0l9Vとhttps://x.gd/JyLrMから引用(短縮URL使用)
それでもスティック型はもちろんドングル型でも、ケーブルの一部が機材と置き換わるので、ポケットの中で収まりは悪そう。画像はhttps://x.gd/pH2Teから引用(短縮URL使用)
さらに2つ前のブログで書いたように、ドングル型で1万円以上クラスはもうライトニング端子のものはほとんど売っておらず、USB-C端子への変換アダプターが必要で、これがなかなかのくせ者。また変換アダプターを使って接続箇所が増えると、ポケットの中で力が加わったときに接触に問題が起こりそうなのも気がかり。
また当然ながら、携帯用DACを使っている間はスマホに充電ができない。先ほど書いたようにバッテリーがヘタっているから、ときどき外出中に充電している。まあその間くらいは音楽を聴かなくても我慢できるけど。
次はワイヤレスイヤホン。
こちらはワイヤー=ケーブルレスだから携帯用DACと違って取り回しの心配はない。サイズは普通のイヤホンと較べて大きく重くなるが、多くの人が使っているから許容範囲なのだろう。逆に耳から外れ落ちて壊れたり、コロコロ転がっていかないかちょっと心配。普通のイヤホンはケーブルによってそれなりの嵩(かさ)があるけれど、それがなければ身の回り品の中でも極めて小さな部類なので紛失してしまいそうでもある。
音質に関しては仮に携帯用DACとワイヤレスイヤホンが同じDAC素子を使っていたとしても前回で書いたように、ワイヤレスイヤホンはブルートゥースのコーデック過程で音楽信号の情報量がそがれるので不利になる。
ただしCDとハイレゾでもそうだが、音楽信号の情報量による音質の違いというのは、表現は難しいが「音のキレイさ」では大差ない(少なくとも私の耳には)。違うのは音の響き、広がり、立体感など。それらはオーディオ的には大切な要素とはいえ、歩いたり電車に乗っているときにそこまで聴き取れてるかなとの思いはある。
携帯用DACになくてワイヤレスイヤホンにあるアドバンテージはノイズキャンセリング。ノイズをキャンセルする、実際には無くすではなく低減する機能で、周囲の騒音にあまり邪魔されずに音楽を聴くことができる。
ノイズキャンセリングにはパッシブとアクティブがある。パッシブ=自ら働きかけない、受け身、受動的なノイズキャンセリングとはいわゆる耳栓効果。イヤーピースという耳穴と触れる部分のパッドの密着度を高める、遮音性の高い素材を使うなど。もちろんこれなら有線イヤホンでも可能。
一方のアクティブ=自ら働きかける、積極的、能動的なノイズキャンセリングは、音すなわち音波の特性を利用した電気的な仕組み。
音に限らず電波でも海の波でも、その運動をグラフにすると次のような形になる。画像はhttps://school-turnup.com/p-27520/から引用
アクティブ・ノイズキャンセリングはイヤホン外部の音をマイクで拾い、それと逆位相の音を(音楽とミックスして)イヤホンのスピーカーから鳴らし、その外部の音を打ち消す機能。逆位相とは波形が同じで周期が半分ずれた状態。画像はhttps://x.gd/KFoZTから引用(短縮URL使用)
逆位相なんて難しそうに聞こえるがグラフで逆さまの形のこと。そしてキャンセリングは水の波に例えれば、押し寄せてくる波に、こちらからも波を送ってぶつけてやる仕組み。ただし原理はシンプルでも実際の騒音はグラフのように単純ではないので、ノイズキャンセリング機能は各社のノウハウの塊。
ノイズキャンセリングの製品を最初に発売したのはBOSE。1989年に航空機のパイロット向けヘッドホンとして。1995年にはソニーが一般消費者向けのイヤホンを発売。ただしこれはあまり話題にならなかったように思う。2000年にBOSEも一般消費者向けのヘッドホンを発売。これが最初はそうでもなかったものの、2〜3年かけて評価を高めヒット作となる。
すぐヒットしなかったのはノイズキャンセリングなんて誰も使った経験がなく、どんなものか理解できない→需要が高まらなかった→やがて口コミで少しずつ体験談が広まって〜との構図。またマーケティング的には音質が売り物のオーディオ製品に「無音の価値」が受け入れられたのが面白い。
ソニーも頑張っていたが2010年頃までノイズキャンセリングの代名詞といえばBOSEだった状態が続く。飛行機のビジネスクラスにBOSEのヘッドホンを持ち込む乗客が多いなんて話も聞いた。音楽を聴くのではなく耳栓としても使っている人もいたらしい。なお2015年あたりまでは単4形乾電池による駆動だった。
ところでノイズキャンセリング機能そのものはワイヤレスか有線かには関係ない。しかし現状はノイズキャンセリングが組み込まれているのは、ほとんどがワイヤレスとなっているようである。
BOSEのイヤホンとヘッドホンはすべてノイズキャンセリング付き。既に有線イヤホンは製造していないが、ワイヤレスヘッドホンは有線でも接続できる。
ソニーは音楽用でない有線ヘッドホンにノイズキャンセリング付きが1つあるのを除けば、イヤホンとヘッドホン共にノイズキャンセリング付きはワイヤレスのみ。何年か前には有線のノイズキャンセリング付きがあったと思うが、ワイヤレスの普及によって廃盤になったようだ。ただしノイズキャンセリング機能を持つウォークマン専用の有線イヤホンが1機種だけ残っている。大まかに分ければ有線は5000円以下の低価格品と10万円以上のマニア向け高級品、ワイヤレスが中間価格帯といったラインナップ。
どちらも一長一短ある携帯DACとワイヤレスイヤホン。
さあどうする?
ーーー続く
イヤホンを使って音楽を聴く方法は
(1)ライトニング端子のついたイヤホンを使う
(2)外付けの携帯用DACを使う
(3)ワイヤレスのイヤホンを使う
の3択。
このうち(1)は2つ前のブログで紹介したように、低価格ゾーンの商品しかないので対象から除外した。今回は次の携帯音楽プレイヤーを買うまでの暫定措置だけれど、既にイヤホンは持っている私にとっては一番安上がりな方法でもない。
そして(2)と(3)を比較するとなかなか微妙なのが困りもの。
まずは携帯用DAC。
一番のメリットは耳の形と鼓膜に馴染んだ今までのイヤホンがそのまま使えること。現在使っているゼンハイザーの IE 100 PROはけっこう気に入っている。
次にワイヤレスイヤホンと違って充電が不要。大型のDAC以外、つまりスティック型とドングル型のDACなら電力はスマホから供給される。それがスマホのバッテリーをどの程度消費するのかは知らない。でもとりあえずiPhoneさえ充電されていればOKなのは私にとって魅力的。
iPhoneの充電を忘れることはまずないものの、外出してから携帯音楽プレイヤーの充電忘れに気付くのはよくあった。そのiPhoneも購入したのは4年前なのでバッテリーがヘタり気味。だから外出時は常にモバイルバッテリーを持ち歩いている。もちろんそれで携帯音楽プレイヤーへも充電できる。しかしモバイルバッテリーも充電が切れていて往復ビンタを食らった経験は数多く(^^ゞ
そして前回に書いたようにワイヤレスイヤホンと違って、携帯用DACはブルートゥースによる音質低下もない。
またドングル型なら1000円から売っている。さすがにそれではちょっと不安だとしても、数千円クラスの製品を一時しのぎとして使うのも賢い選択のように思える。
デメリットはまずかさばる点である。
こんなスマホより大きなサイズは論外。このタイプはDACだけではなくアンプも入っていて通称でポタアンと呼ばれている。ポータブルアンプの略。画像はhttps://x.gd/BRoB6から引用(短縮URL使用)
ポタアンとスマホがバラバラでは持ち運びにくいので、このような結束バンドを使うのが一般的。当然ながらスマホの操作性には影響が出る。画像はhttps://x.gd/xyPrvから引用(短縮URL使用)
このポタアンとスマホの関係は、レンズはカメラに付ける部品なのに、超望遠レンズになると逆にレンズにカメラを付けるようになるのと似ている。画像はhttps://x.gd/o6cAyから引用(短縮URL使用)
スティック型あるいはドングル型のDACなら、それなりにコンパクト。画像はhttps://x.gd/S0l9Vとhttps://x.gd/JyLrMから引用(短縮URL使用)
それでもスティック型はもちろんドングル型でも、ケーブルの一部が機材と置き換わるので、ポケットの中で収まりは悪そう。画像はhttps://x.gd/pH2Teから引用(短縮URL使用)
さらに2つ前のブログで書いたように、ドングル型で1万円以上クラスはもうライトニング端子のものはほとんど売っておらず、USB-C端子への変換アダプターが必要で、これがなかなかのくせ者。また変換アダプターを使って接続箇所が増えると、ポケットの中で力が加わったときに接触に問題が起こりそうなのも気がかり。
また当然ながら、携帯用DACを使っている間はスマホに充電ができない。先ほど書いたようにバッテリーがヘタっているから、ときどき外出中に充電している。まあその間くらいは音楽を聴かなくても我慢できるけど。
次はワイヤレスイヤホン。
こちらはワイヤー=ケーブルレスだから携帯用DACと違って取り回しの心配はない。サイズは普通のイヤホンと較べて大きく重くなるが、多くの人が使っているから許容範囲なのだろう。逆に耳から外れ落ちて壊れたり、コロコロ転がっていかないかちょっと心配。普通のイヤホンはケーブルによってそれなりの嵩(かさ)があるけれど、それがなければ身の回り品の中でも極めて小さな部類なので紛失してしまいそうでもある。
音質に関しては仮に携帯用DACとワイヤレスイヤホンが同じDAC素子を使っていたとしても前回で書いたように、ワイヤレスイヤホンはブルートゥースのコーデック過程で音楽信号の情報量がそがれるので不利になる。
ただしCDとハイレゾでもそうだが、音楽信号の情報量による音質の違いというのは、表現は難しいが「音のキレイさ」では大差ない(少なくとも私の耳には)。違うのは音の響き、広がり、立体感など。それらはオーディオ的には大切な要素とはいえ、歩いたり電車に乗っているときにそこまで聴き取れてるかなとの思いはある。
携帯用DACになくてワイヤレスイヤホンにあるアドバンテージはノイズキャンセリング。ノイズをキャンセルする、実際には無くすではなく低減する機能で、周囲の騒音にあまり邪魔されずに音楽を聴くことができる。
ノイズキャンセリングにはパッシブとアクティブがある。パッシブ=自ら働きかけない、受け身、受動的なノイズキャンセリングとはいわゆる耳栓効果。イヤーピースという耳穴と触れる部分のパッドの密着度を高める、遮音性の高い素材を使うなど。もちろんこれなら有線イヤホンでも可能。
一方のアクティブ=自ら働きかける、積極的、能動的なノイズキャンセリングは、音すなわち音波の特性を利用した電気的な仕組み。
音に限らず電波でも海の波でも、その運動をグラフにすると次のような形になる。画像はhttps://school-turnup.com/p-27520/から引用
アクティブ・ノイズキャンセリングはイヤホン外部の音をマイクで拾い、それと逆位相の音を(音楽とミックスして)イヤホンのスピーカーから鳴らし、その外部の音を打ち消す機能。逆位相とは波形が同じで周期が半分ずれた状態。画像はhttps://x.gd/KFoZTから引用(短縮URL使用)
逆位相なんて難しそうに聞こえるがグラフで逆さまの形のこと。そしてキャンセリングは水の波に例えれば、押し寄せてくる波に、こちらからも波を送ってぶつけてやる仕組み。ただし原理はシンプルでも実際の騒音はグラフのように単純ではないので、ノイズキャンセリング機能は各社のノウハウの塊。
ノイズキャンセリングの製品を最初に発売したのはBOSE。1989年に航空機のパイロット向けヘッドホンとして。1995年にはソニーが一般消費者向けのイヤホンを発売。ただしこれはあまり話題にならなかったように思う。2000年にBOSEも一般消費者向けのヘッドホンを発売。これが最初はそうでもなかったものの、2〜3年かけて評価を高めヒット作となる。
すぐヒットしなかったのはノイズキャンセリングなんて誰も使った経験がなく、どんなものか理解できない→需要が高まらなかった→やがて口コミで少しずつ体験談が広まって〜との構図。またマーケティング的には音質が売り物のオーディオ製品に「無音の価値」が受け入れられたのが面白い。
ソニーも頑張っていたが2010年頃までノイズキャンセリングの代名詞といえばBOSEだった状態が続く。飛行機のビジネスクラスにBOSEのヘッドホンを持ち込む乗客が多いなんて話も聞いた。音楽を聴くのではなく耳栓としても使っている人もいたらしい。なお2015年あたりまでは単4形乾電池による駆動だった。
ところでノイズキャンセリング機能そのものはワイヤレスか有線かには関係ない。しかし現状はノイズキャンセリングが組み込まれているのは、ほとんどがワイヤレスとなっているようである。
BOSEのイヤホンとヘッドホンはすべてノイズキャンセリング付き。既に有線イヤホンは製造していないが、ワイヤレスヘッドホンは有線でも接続できる。
ソニーは音楽用でない有線ヘッドホンにノイズキャンセリング付きが1つあるのを除けば、イヤホンとヘッドホン共にノイズキャンセリング付きはワイヤレスのみ。何年か前には有線のノイズキャンセリング付きがあったと思うが、ワイヤレスの普及によって廃盤になったようだ。ただしノイズキャンセリング機能を持つウォークマン専用の有線イヤホンが1機種だけ残っている。大まかに分ければ有線は5000円以下の低価格品と10万円以上のマニア向け高級品、ワイヤレスが中間価格帯といったラインナップ。
どちらも一長一短ある携帯DACとワイヤレスイヤホン。
さあどうする?
ーーー続く
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