2025年03月24日
プラタナスのゴツゴツ問題
新宿御苑の整形式庭園にはプラタナス並木があって、
冬は葉を落として節くれ立った枝がゴツゴツとむき出しになっている。
その姿になぜか惹かれるものがあると何度か書いた。
そして2月24日に林試の森へ河津桜の開花偵察に出かけた際、林試の森にあるプラタナスは新宿御苑のようにゴツゴツしていない〜同じ木には見えない〜考えてみれば新宿御苑のは見るからに異様だし、あれはちょっと変わった品種なのかなーーーとも書いた。
どうやらそのせいで脳にプラタナス・スイッチが入ったらしく、
最近はどこを歩いていてもやたらプラタナスが目につく(^^ゞ
それによって、まずは
プラタナスはゴツゴツしているのがほとんどで、
変わっているのは林試の森のプラタナスのほうである
へと考えが変わった。
ゴツゴツしている近くの公園のプラタナス。
駐車場のプラタナスもゴツゴツ。
別の公園のプラタナスもやはりゴツゴツ。
こちらのプラタナスだってゴツゴツ。
これだけゴツゴツがたくさんあるのなら、
やはりそれがノーマルと考えるのが自然。
ところでゴツゴツ写真の最初に載せた近所の公園には、
このように枝を縦に細く伸ばしたプラタナスもある。
隣のプラタナスには枝がないのに何が違うんだろう?
ーーーと考え出したときに、ちょっと思い当たる節があったので、
過去の新宿御苑の写真を「月日順」に並べてみた。
2019年「1月14日」細い枝がある。
2023年「2月26日」細い枝がない。
2022年「4月17日」少し葉が出ているのに細い枝はない。
話はそれるがプラタナスの若葉はキレイだね。
最初は暖かくなると細い枝を伸ばして、それに葉が茂るのだろうと考えていた。しかし「1月14日」に枝があって「2月26日」に枝がないのは矛盾する。さらに「4月17日」の写真を見ると葉は出ているのに細い枝はない。したがって縦に細く伸ばした枝に葉が茂る説は却下。
どうして枝が縦に細く伸びるプラタナスと、そうでないプラタナスがあるのか。そして年によってその枝があったりなかったりするのか?
またプラタナスのもうひとつの魅力は樹皮の色が白いこと。林試の森のように他にたくさんの木がある中で、真っ白なプラタナスが現れると神秘的ですらある。
白い木で有名なのは白樺であるが、白樺は寒い地方か高原や山にしか生えていない。だから東京で見るプラタナスの白い姿は貴重。
白いのは樹皮が定期的に剥がれ落ちるからで一種の新陳代謝と考えられている。
その過程でまるで迷彩柄のようになっている場合も。
しかし街中で見かけたプラタナスには、
分厚そうな樹皮に覆われた木もあった。
細い枝を伸ばしたり伸ばさなかったり、樹皮が剥がれ落ちたり落ちなかったりーーーどうしてプラタナスはこんなにワガママなんだ(^^ゞ
少し調べようと思ったもののプラタナスの情報は意外と少ない。
Googleで検索して最初の2ページに現れた19件は
植物のプラタナス 5件
病院名 5件
プラタナスのある公園などの紹介 3件
福祉施設名 2件
企業名 1件
漫画、お菓子、本のタイトル 合計3件
だった。まあサクラやウメを好きな人はたくさんいても、プラタナスのファンなんて聞いたことがないからそんなものか。
それでもあれこれキーワード付け加えて調べてみたところ、縦に伸びる細い枝がないプラタナスは剪定で切り落とされているようだ。新宿御苑の写真では
「1月14日」細い枝がある
「2月26日」細い枝がない
「4月17日」細い枝がない
だったが、当苑での剪定作業は1月後半から実施されるようで「1月14日」に枝があるのはそのためと思われる。ただし近所の公園に細い枝があるのとないプラタナスが混在している理由は不明。1本だけ予算が足りなくて剪定できなかったとも考えづらいし。
樹皮の色に関しては品種の違いかも知れない。
プラタナスは品種名ではなく、スズカケノキ科スズカケノキ属に属する植物の総称で全部で10品種ほどある。そのうち日本にあるのは
スズカケノキ(西アジア原産)
アメリカ・スズカケノキ(北米原産)
モミジ・バ・スズカケノキ(スズカケノとアメリカ・スズカケノキの交配種)
この中でアメリカ・スズカケノキは樹皮があまり剥がれ落ちないみたい。
ただしここで重大発見!
先ほどのこの木はプラタナスじゃない可能性がある。
それは冬のイチョウも細い枝を剪定すればこんな姿になると気付いたから。
もっと暖かくなって葉が出てきたら要確認。
話が前後するが、林試の森のプラタナスがゴツゴツしていないのは品種の違いではなく、まったく剪定をしていなくて枝が伸びっぱなしで育っている可能性がある。
逆に街中で見るプラタナスは
(1)本来の姿は幹の周りに枝が伸びる普通の樹形なのに
(2)それを余り巨大化しないよう枝を幹の近くで短く切断
(3)その短くなった枝から新しく細い枝が伸びてくる
(4)その細い枝も葉が落ちたら剪定して(2)の形を維持する
とのサイクルで、あの姿になっているのではないか? 今までゴツゴツした姿に見とれて気が回らなかったものの、ゴツゴツしたプラタナスはどう考えても樹高に対して枝が短すぎるでしょ。
こうして最初に書いた
「変わっているのは林試の森のプラタナスのほう」の考えを見直し中。
もっともこれは「変わっている」を
自然の姿に対して
現実の多数に対して
のどちらで定義するかに左右される。それと幹の近くで短く切断した枝がどうしてゴツゴツ・クネクネしてくるのかまでを説明できないのも難点。
それはさておいて、仮説とした剪定サイクルがもし正しいとするならば、街中や公園で見かけるゴツゴツしたプラタナスは、街路樹などの用途=人間の都合に合わせて形を変えられた人工的な姿、ある種の奇形との結論になる。ちょっと気の毒にも思えてきた。
とにかく何かと謎多きプラタナスのゴツゴツ問題。
そのうちしっかりと調べましょう。
冬は葉を落として節くれ立った枝がゴツゴツとむき出しになっている。
その姿になぜか惹かれるものがあると何度か書いた。
そして2月24日に林試の森へ河津桜の開花偵察に出かけた際、林試の森にあるプラタナスは新宿御苑のようにゴツゴツしていない〜同じ木には見えない〜考えてみれば新宿御苑のは見るからに異様だし、あれはちょっと変わった品種なのかなーーーとも書いた。
どうやらそのせいで脳にプラタナス・スイッチが入ったらしく、
最近はどこを歩いていてもやたらプラタナスが目につく(^^ゞ
それによって、まずは
プラタナスはゴツゴツしているのがほとんどで、
変わっているのは林試の森のプラタナスのほうである
へと考えが変わった。
ゴツゴツしている近くの公園のプラタナス。
駐車場のプラタナスもゴツゴツ。
別の公園のプラタナスもやはりゴツゴツ。
こちらのプラタナスだってゴツゴツ。
これだけゴツゴツがたくさんあるのなら、
やはりそれがノーマルと考えるのが自然。
ところでゴツゴツ写真の最初に載せた近所の公園には、
このように枝を縦に細く伸ばしたプラタナスもある。
隣のプラタナスには枝がないのに何が違うんだろう?
ーーーと考え出したときに、ちょっと思い当たる節があったので、
過去の新宿御苑の写真を「月日順」に並べてみた。
2019年「1月14日」細い枝がある。
2023年「2月26日」細い枝がない。
2022年「4月17日」少し葉が出ているのに細い枝はない。
話はそれるがプラタナスの若葉はキレイだね。
最初は暖かくなると細い枝を伸ばして、それに葉が茂るのだろうと考えていた。しかし「1月14日」に枝があって「2月26日」に枝がないのは矛盾する。さらに「4月17日」の写真を見ると葉は出ているのに細い枝はない。したがって縦に細く伸ばした枝に葉が茂る説は却下。
どうして枝が縦に細く伸びるプラタナスと、そうでないプラタナスがあるのか。そして年によってその枝があったりなかったりするのか?
またプラタナスのもうひとつの魅力は樹皮の色が白いこと。林試の森のように他にたくさんの木がある中で、真っ白なプラタナスが現れると神秘的ですらある。
白い木で有名なのは白樺であるが、白樺は寒い地方か高原や山にしか生えていない。だから東京で見るプラタナスの白い姿は貴重。
白いのは樹皮が定期的に剥がれ落ちるからで一種の新陳代謝と考えられている。
その過程でまるで迷彩柄のようになっている場合も。
しかし街中で見かけたプラタナスには、
分厚そうな樹皮に覆われた木もあった。
細い枝を伸ばしたり伸ばさなかったり、樹皮が剥がれ落ちたり落ちなかったりーーーどうしてプラタナスはこんなにワガママなんだ(^^ゞ
少し調べようと思ったもののプラタナスの情報は意外と少ない。
Googleで検索して最初の2ページに現れた19件は
植物のプラタナス 5件
病院名 5件
プラタナスのある公園などの紹介 3件
福祉施設名 2件
企業名 1件
漫画、お菓子、本のタイトル 合計3件
だった。まあサクラやウメを好きな人はたくさんいても、プラタナスのファンなんて聞いたことがないからそんなものか。
それでもあれこれキーワード付け加えて調べてみたところ、縦に伸びる細い枝がないプラタナスは剪定で切り落とされているようだ。新宿御苑の写真では
「1月14日」細い枝がある
「2月26日」細い枝がない
「4月17日」細い枝がない
だったが、当苑での剪定作業は1月後半から実施されるようで「1月14日」に枝があるのはそのためと思われる。ただし近所の公園に細い枝があるのとないプラタナスが混在している理由は不明。1本だけ予算が足りなくて剪定できなかったとも考えづらいし。
樹皮の色に関しては品種の違いかも知れない。
プラタナスは品種名ではなく、スズカケノキ科スズカケノキ属に属する植物の総称で全部で10品種ほどある。そのうち日本にあるのは
スズカケノキ(西アジア原産)
アメリカ・スズカケノキ(北米原産)
モミジ・バ・スズカケノキ(スズカケノとアメリカ・スズカケノキの交配種)
この中でアメリカ・スズカケノキは樹皮があまり剥がれ落ちないみたい。
ただしここで重大発見!
先ほどのこの木はプラタナスじゃない可能性がある。
それは冬のイチョウも細い枝を剪定すればこんな姿になると気付いたから。
もっと暖かくなって葉が出てきたら要確認。
話が前後するが、林試の森のプラタナスがゴツゴツしていないのは品種の違いではなく、まったく剪定をしていなくて枝が伸びっぱなしで育っている可能性がある。
逆に街中で見るプラタナスは
(1)本来の姿は幹の周りに枝が伸びる普通の樹形なのに
(2)それを余り巨大化しないよう枝を幹の近くで短く切断
(3)その短くなった枝から新しく細い枝が伸びてくる
(4)その細い枝も葉が落ちたら剪定して(2)の形を維持する
とのサイクルで、あの姿になっているのではないか? 今までゴツゴツした姿に見とれて気が回らなかったものの、ゴツゴツしたプラタナスはどう考えても樹高に対して枝が短すぎるでしょ。
こうして最初に書いた
「変わっているのは林試の森のプラタナスのほう」の考えを見直し中。
もっともこれは「変わっている」を
自然の姿に対して
現実の多数に対して
のどちらで定義するかに左右される。それと幹の近くで短く切断した枝がどうしてゴツゴツ・クネクネしてくるのかまでを説明できないのも難点。
それはさておいて、仮説とした剪定サイクルがもし正しいとするならば、街中や公園で見かけるゴツゴツしたプラタナスは、街路樹などの用途=人間の都合に合わせて形を変えられた人工的な姿、ある種の奇形との結論になる。ちょっと気の毒にも思えてきた。
とにかく何かと謎多きプラタナスのゴツゴツ問題。
そのうちしっかりと調べましょう。
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