2025年03月31日
小惑星の話の続き その2
小惑星2024YR4は地球から82万8800km=月との距離の2.16倍のところで発見された。逆にいえば、その位置に来るまで発見されなかった。仮に衝突コースの軌道を進んでいた場合、6万1200kmで移動している2024YR4が、そこから地球に衝突するまでわずか13時間半しかない。
地球に接近してくる小惑星が、
どのあたりで見つかっているのか過去の事例を探すと
2012年 2012 LZ1 直径500m 最接近の4日前に発見
最接近時の地球との距離540万キロkm これは月との距離の14倍
2013年 3月2日のブログでも紹介したチェリャビンスク隕石
直径17m 落ちてくるまで気付かれず
2023年 2023 BU 直径3.5〜8.5m 最接近の5日前に発見
最接近時の地球との距離3589km
2023年 2023 NT1 直径60m 最接近の2日後に発見 発見された位置は、
地球から月までの距離の約4分の1に相当する10万230km
2024年 2024 XA 直径1.3〜2.8m
発見の5時間後に最接近 地球との距離わずかに1355km
ちなみに人工衛星が回っているのは高度200kmから3万6000lm
2024年 2024 XA1 直径0.7〜1.5m 発見から約12時間後に地球と衝突
他にもたくさんあって調べきれない。しかしPHAが140m以上の基準を設けている理由は別として、どうやら大都市壊滅級の小惑星でも早期発見は容易ではなく、(衝突コースなら)発見されたときには既に手遅れが現実のようだ(/o\)
もっとも2024YR4の大きさを100mと大きめに見積もっても、最接近距離82万8800kmとの比率は、東京から1000km離れた知床半島で12cmのものを探すのと同じ。そりゃ難しいか、しかも探すのは真っ暗な宇宙だし。
なお上の事例だけを見るとしっかり観測・監視されているように思えるものの、地球に突入してきた小惑星で2024XA1のように事前に発見されていた事例は、天体観測史上わずかに11件しかない。チェリャビンスク隕石のように落ちてきた初めて存在を知るケースがほとんど。だから発見して半日後には衝突、場所によっては大惨事というのは、あり得なくはない話なのである。
その小惑星はどれくらいの頻度で地球に向かってくるのか。
星は宇宙に漂うさまざまな粒子が衝突・合体を繰り返し巨大化した天体。そのサイズまで至らなかったり、ほとんど石コロのままでいるのが小惑星。それが地球に突入してきて大気圏で燃え尽きるのが流星で、その中で特に明るいのが火球(たまにUFOと間違われるヤツ)。そして燃え尽きずに地上まで落ちてきたのは隕石と呼び名が変わる。
大気中で燃え尽きる流星のサイズは数mmから数cm程度で、星屑や星のカケラとも呼べないくらいに小さい。なお燃え尽きるといっても、その燃えかすが数十から数百マイクロメートルの微粒子となり大気中を漂って地表に落ちてくる(1マイクロメートルは1mmの1/1000)。その見積もり量はなんと年間で5000トン。だから流星は四六時中無数に落ちてきているといえる。夜に限っても目に見えるほど光る流星はその中のごくわずか。肩から払ったチリに流星の燃えかすがのっていたかも知れないね(^^ゞ
流星の段階で燃え尽きずに地表まで到達したのが隕石。大気圏突入時に何センチ以上なら燃え尽きずに隕石となるのかはよくわからなかった。大きさと共に成分も関連するはず。また発見された隕石のサイズ分布も資料なし。
その隕石も推定で年間2万個が地表に落ちている。発見されるのはそのうち10個未満。ただしこれはどの程度の大きさ以上を隕石と見なしているかにもよるはず。数ミリ角のものだってあるはずで、そんなサイズなら自宅の庭に落ちても見つけられないだろう。
それは別として2万個のうち10個未満しか発見されないのは、陸地は地球の3割だし、都市部はその3割の1%ほどに過ぎないのがその理由。陸地に落ちてもほとんどが人知れずな僻地。そう聞くと今後に大型の小惑星が衝突しても大丈夫と安心するけれど、日本では5年に1回の割合で隕石落下が確認されている。それは日本の人口密度が高いからで、それだけ小惑星衝突のリスクも高いのを意味している(/o\)
さて上空で燃え尽きる流星や石コロレベルの隕石について
(/_')/ソレハコッチニオイトイテ
問題は大型の小惑星(というと表現が矛盾してしまうが)いわゆる巨大隕石。
一説によると大きさと頻度の関係は
直径1m 2週間に1度 重大な影響なし
直径5m 数年に1度 重大な影響なし
直径20m 50年から数100年に1度 強い爆発
直径100m 1万年に1度 都市の破壊
直径1km 50〜100万年に1度 地域の破壊
それ以上 1〜3億年に1度 気候変動、大量絶滅
と考えられているらしい。
ただしこの何年に1度の割合との表現はくせ者。100年に1度なんていわれると、ほとんどそんな事態は起きない〜安心と考えがちだが、確率的にはそれは明日かも知れないし100年後かも知れないとの意味である。
それに何年に1度とは過去の期間を過去の回数で割ったものである。
2014年にこんなことがあった。
2月6日に東京都心で26センチの積雪となり、
ニュースでは40年振りの大雪と騒がれた。
40年振りとは40年に1度ともいえる。
しかし2月14日には27センチ積もって記録更新!
40年に1度とわ?(^^ゞ
ところで
年末ジャンボ宝くじの1等当選確率は2000万分の1で、パーセントでなら0.000005%。これは飛行機に438年間(秀吉の時代から)毎日搭乗すれば1度は事故に遭うとされる確率の0.0009%より180倍も低い。それでも毎年20人以上が7億円、運がよければ前後賞併せて10億円をゲットしていてウラヤマシイぞ。
なんだけれどーーー
米テュレーン大学の計算によると、人が一生の間に隕石の直撃で死亡する確率は160万分の1。なんと宝くじが当たるより隕石に当たる確率のほうが高い!(一生と年に1回の確率を較べてはいけないが)
例によってあれこれと話がそれたが、
頭にゴツンと直撃するのか都市の壊滅に巻き込まれるのかは別として、
小惑星との衝突によって死ぬ確率は宝くじが当たるより高く
ほとんどの場合にそれは前触れなく突然やってくるか
あるいは事前に察知できても避難する時間的余裕がない
というリスクが人生にはつきものと、
だったらドウシタなオチでゴメン。
とりあえず明日も小惑星が衝突コースで急速接近中のニュースが流れませんように(^^ゞ
おしまい
地球に接近してくる小惑星が、
どのあたりで見つかっているのか過去の事例を探すと
2012年 2012 LZ1 直径500m 最接近の4日前に発見
最接近時の地球との距離540万キロkm これは月との距離の14倍
2013年 3月2日のブログでも紹介したチェリャビンスク隕石
直径17m 落ちてくるまで気付かれず
2023年 2023 BU 直径3.5〜8.5m 最接近の5日前に発見
最接近時の地球との距離3589km
2023年 2023 NT1 直径60m 最接近の2日後に発見 発見された位置は、
地球から月までの距離の約4分の1に相当する10万230km
2024年 2024 XA 直径1.3〜2.8m
発見の5時間後に最接近 地球との距離わずかに1355km
ちなみに人工衛星が回っているのは高度200kmから3万6000lm
2024年 2024 XA1 直径0.7〜1.5m 発見から約12時間後に地球と衝突
他にもたくさんあって調べきれない。しかしPHAが140m以上の基準を設けている理由は別として、どうやら大都市壊滅級の小惑星でも早期発見は容易ではなく、(衝突コースなら)発見されたときには既に手遅れが現実のようだ(/o\)
もっとも2024YR4の大きさを100mと大きめに見積もっても、最接近距離82万8800kmとの比率は、東京から1000km離れた知床半島で12cmのものを探すのと同じ。そりゃ難しいか、しかも探すのは真っ暗な宇宙だし。
なお上の事例だけを見るとしっかり観測・監視されているように思えるものの、地球に突入してきた小惑星で2024XA1のように事前に発見されていた事例は、天体観測史上わずかに11件しかない。チェリャビンスク隕石のように落ちてきた初めて存在を知るケースがほとんど。だから発見して半日後には衝突、場所によっては大惨事というのは、あり得なくはない話なのである。
その小惑星はどれくらいの頻度で地球に向かってくるのか。
星は宇宙に漂うさまざまな粒子が衝突・合体を繰り返し巨大化した天体。そのサイズまで至らなかったり、ほとんど石コロのままでいるのが小惑星。それが地球に突入してきて大気圏で燃え尽きるのが流星で、その中で特に明るいのが火球(たまにUFOと間違われるヤツ)。そして燃え尽きずに地上まで落ちてきたのは隕石と呼び名が変わる。
大気中で燃え尽きる流星のサイズは数mmから数cm程度で、星屑や星のカケラとも呼べないくらいに小さい。なお燃え尽きるといっても、その燃えかすが数十から数百マイクロメートルの微粒子となり大気中を漂って地表に落ちてくる(1マイクロメートルは1mmの1/1000)。その見積もり量はなんと年間で5000トン。だから流星は四六時中無数に落ちてきているといえる。夜に限っても目に見えるほど光る流星はその中のごくわずか。肩から払ったチリに流星の燃えかすがのっていたかも知れないね(^^ゞ
流星の段階で燃え尽きずに地表まで到達したのが隕石。大気圏突入時に何センチ以上なら燃え尽きずに隕石となるのかはよくわからなかった。大きさと共に成分も関連するはず。また発見された隕石のサイズ分布も資料なし。
その隕石も推定で年間2万個が地表に落ちている。発見されるのはそのうち10個未満。ただしこれはどの程度の大きさ以上を隕石と見なしているかにもよるはず。数ミリ角のものだってあるはずで、そんなサイズなら自宅の庭に落ちても見つけられないだろう。
それは別として2万個のうち10個未満しか発見されないのは、陸地は地球の3割だし、都市部はその3割の1%ほどに過ぎないのがその理由。陸地に落ちてもほとんどが人知れずな僻地。そう聞くと今後に大型の小惑星が衝突しても大丈夫と安心するけれど、日本では5年に1回の割合で隕石落下が確認されている。それは日本の人口密度が高いからで、それだけ小惑星衝突のリスクも高いのを意味している(/o\)
さて上空で燃え尽きる流星や石コロレベルの隕石について
(/_')/ソレハコッチニオイトイテ
問題は大型の小惑星(というと表現が矛盾してしまうが)いわゆる巨大隕石。
一説によると大きさと頻度の関係は
直径1m 2週間に1度 重大な影響なし
直径5m 数年に1度 重大な影響なし
直径20m 50年から数100年に1度 強い爆発
直径100m 1万年に1度 都市の破壊
直径1km 50〜100万年に1度 地域の破壊
それ以上 1〜3億年に1度 気候変動、大量絶滅
と考えられているらしい。
ただしこの何年に1度の割合との表現はくせ者。100年に1度なんていわれると、ほとんどそんな事態は起きない〜安心と考えがちだが、確率的にはそれは明日かも知れないし100年後かも知れないとの意味である。
それに何年に1度とは過去の期間を過去の回数で割ったものである。
2014年にこんなことがあった。
2月6日に東京都心で26センチの積雪となり、
ニュースでは40年振りの大雪と騒がれた。
40年振りとは40年に1度ともいえる。
しかし2月14日には27センチ積もって記録更新!
40年に1度とわ?(^^ゞ
ところで
年末ジャンボ宝くじの1等当選確率は2000万分の1で、パーセントでなら0.000005%。これは飛行機に438年間(秀吉の時代から)毎日搭乗すれば1度は事故に遭うとされる確率の0.0009%より180倍も低い。それでも毎年20人以上が7億円、運がよければ前後賞併せて10億円をゲットしていてウラヤマシイぞ。
なんだけれどーーー
米テュレーン大学の計算によると、人が一生の間に隕石の直撃で死亡する確率は160万分の1。なんと宝くじが当たるより隕石に当たる確率のほうが高い!(一生と年に1回の確率を較べてはいけないが)
例によってあれこれと話がそれたが、
頭にゴツンと直撃するのか都市の壊滅に巻き込まれるのかは別として、
小惑星との衝突によって死ぬ確率は宝くじが当たるより高く
ほとんどの場合にそれは前触れなく突然やってくるか
あるいは事前に察知できても避難する時間的余裕がない
というリスクが人生にはつきものと、
だったらドウシタなオチでゴメン。
とりあえず明日も小惑星が衝突コースで急速接近中のニュースが流れませんように(^^ゞ
おしまい
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