2025年06月07日
あやせローズガーデン その4
フラワーヒルを降りてオセアニアガーデン、ドライガーデンと巡ってピースフルガーデンに戻る。これで園内を1周した。
それでは帰ろうかと思ったとき、ふと見上げるとあんなところに人がいる。
せっかくなら、あそこからガーデンを見下ろそうと思い立つ。
バカと煙はーーー(^^ゞ でもこの例えはもう死語かな。
人がいたのは光陵公園のリニューアルで野球場から多目的フィールドに改修された、このスタジアムの観覧席。写真右側にある階段で上がっていく。
それにしてもノーブルスタジアムとはヘンな名前。ノーブル NOBLEとは気高い、高貴な、貴族のーーーなどの意味。スポーツをする場所であるスタジアムの名前には似合わない。堂々とした、壮大なとの意味もあるが、それだとしてもヘン。
調べてみたらネーミングライツ(スポーツ、文化施設等の名称に企業名を付けて費用を取る仕組み)で、綾瀬市にあるノーブル電子工業株式会社が命名権を獲得していたとわかった。でもノーブルと聞いただけで綾瀬市の人はその会社とわかるのだろうか。少なくとも「ノーブル電子スタジアム」にしないと宣伝効果は低いと思うけれど。ついでに書くと高貴な電子工業というのもヘンな会社名である。
観覧席はきわめて小規模。
多目的フィールドとはいえメインは野球場のようだ。
ちなみにコートを使うテニスやバスケットはそのサイズが決まっているが、より広いグラウンドやピッチを使う野球・サッカー・ラグビーなどは、推奨サイズはあるもののルールとしては定められていない。
参考までに推奨サイズで野球のグラウンド(緑のラインがホームベースから左右両翼のポールまで)と、サッカーのピッチ(破線)を大きさの比較で並べてみると図のようになる。
あやせノーブルスタジアムのホームページには対象スポーツにサッカーも載っている。しかしサッカーのときに野球の内野の芝のない部分はどうするのだろう。上の写真でシートが掛けられているのは、重りを載せて固定しているだけで、野球以外のスポーツのための準備ではなく前日に降った雨対策だと思う。
公式ホームページよりスタジアムの航空写真を借用。
話は変わってスタジアム上空を通過する自衛隊のヘリコプター。
初回に書いたようにここは厚木基地に隣接していて、自衛隊あるいは米軍のヘリコプターや飛行機がひっきりなしに飛んでくる。言ってみれば綾瀬市は基地の街でもある。そこのローズガーデンのメインブロックが「ピースフルガーデン」。このネーミングには何か意味や意図があるのかな。
さて観覧席から見下ろしたローズガーデンの全貌。
写真の並びはガーデンの奥〜入り口の順。
ブロック図も再度載せておきましょう。
5月26日に「あやせローズガーデン」を訪れて満足して帰ってきたのは確かである。
しかしここのバラ園をどう評価するかは難しい。
なぜなら実はバラがそれほど多くないのである。
バラ園らしいのは最初のウエルカムガーデンとシークレットガーデンくらいで、他のブロックでのバラは、たくさん咲いている花々の one of themに過ぎない。メドウガーデンからフラワーヒルにかけてのあふれんばかりの花数は圧倒的で感激さえしたものの、一方で「それはそうとしてバラは?」との気持ちが心のどこかにあったのも事実。
同じ神奈川県で敷地規模の近い横浜イングリッシュガーデンと比較してみると
あやせローズガーデン:0.77ヘクタール
バラ150品種 680株
横浜イングリッシュガーデン:0.66ヘクタール
バラ2200品種 2800株
最初はデータを見間違えたかと思ったくらいの差がある。単位面積あたりのバラ株数で横浜イングリッシュガーデンは「あやせローズガーデン」の4.8倍、逆に計算すれば「あやせローズガーデン」のバラは横浜イングリッシュガーデンの2割ほどしかない。これではローズガーデンではなく「ローズもそこそこ多いフラワーガーデン」である。
こういう設計になったのは市民公園であり、通年の開園、入場が無料などが影響していると推察している。ただし無料については2024年2月に生育不良から開園を1年延期しており、その段階ではまだ入場料を取る計画だったので、現在の姿が有料を前提としたままの内容なのか、無料化にあわせてレベルダウンしているのかはわからない。
理由はともかく、せめて単位面積あたり横浜イングリッシュガーデンの半分の株数は欲しい。(株数=花数ではないのだけれど話が込み入るので割愛)ホワイトガーデンは新鮮だったし、メドウガーデンは(白が多過ぎだとしても)素晴らしかった。だから私がトランプ綾瀬市大統領だったら「フラワーヒルからドライガーデンまでをバラで埋め尽くせ MARA(make Ayase rose again)」との大統領令に署名するな(^^ゞ
また参考までに神奈川新聞の記事によると、改修前の光陵公園バラ園は0.16ヘクタールで28品900株。なんと株数は改修後の「あやせローズガーデン」より多かった。そして敷地が狭いので単位面積あたりのバラ株数は横浜イングリッシュガーデンの1.3倍。
もうひとつ声を大にして言いたいことがある。
その2の投稿に『途中で「あれ?なんで?」とあることに気付く』と記した内容。
それは「あやせローズガーデン」には剣弁高芯咲き(けんべんこうしんざき)のバラがなかった!!! 剣弁とは花弁(花びら)が剣のように尖り、中心部が周辺より高く盛り上がるバラの咲き方。
バラの花姿は多種多様でも、私は剣弁高芯咲きが最もバラらしいと思っているし、これが大好き。それはバラを知ったのが子供の頃に見た高島屋の包装紙が最初だったせいかも知れない(^^ゞ (写真は1957年から1979年まで使われていたタイプ)

好みは人によって違うので剣弁高芯咲きが一番かどうかはともかくとして、バラの代表的な咲き方のひとつなのは間違いない。どうしてそれが咲いていないのだ!(見逃していないと思うし、見逃すほど少ないのならそれも問題)
とりあえず剣弁高芯咲きをもっと増やしましょう。
ところで今回はバラが少なかったとはいえ、メドウガーデンを中心に花が咲きこぼれていて満足度は高かった。次の疑問は秋バラシーズンでも他の花がこれくらい咲いているかどうか。一般に春より秋のほうが花は少ないから何となく気がかり。他の花がかなり少なくなってバラが680株だとキツいはず。しかもこれは春バラと秋バラの花数が同じとしての話。(普通は秋バラのほうが少ない)
それと初回に書いたようにこの公園は市議会の反発で指定管理者選定の議案が否決され、おそらくそれも関連して有料化が見送られたり何かと先行き不透明。バラをもっと増やして欲しいより先に、来年の春バラも現在のクオリティが保たれるのかが心配。
クオリティが維持できていればお勧めのバラ園なのは間違いない。
数が少ないバラを他の花で紛らわせる企画にまんまと乗せられるのも一興(^^ゞ
でもやっぱりバラはもっと増やしましょう。
もちろん剣弁高芯咲きを忘れずに。
おしまい
それでは帰ろうかと思ったとき、ふと見上げるとあんなところに人がいる。
せっかくなら、あそこからガーデンを見下ろそうと思い立つ。
バカと煙はーーー(^^ゞ でもこの例えはもう死語かな。
人がいたのは光陵公園のリニューアルで野球場から多目的フィールドに改修された、このスタジアムの観覧席。写真右側にある階段で上がっていく。
それにしてもノーブルスタジアムとはヘンな名前。ノーブル NOBLEとは気高い、高貴な、貴族のーーーなどの意味。スポーツをする場所であるスタジアムの名前には似合わない。堂々とした、壮大なとの意味もあるが、それだとしてもヘン。
調べてみたらネーミングライツ(スポーツ、文化施設等の名称に企業名を付けて費用を取る仕組み)で、綾瀬市にあるノーブル電子工業株式会社が命名権を獲得していたとわかった。でもノーブルと聞いただけで綾瀬市の人はその会社とわかるのだろうか。少なくとも「ノーブル電子スタジアム」にしないと宣伝効果は低いと思うけれど。ついでに書くと高貴な電子工業というのもヘンな会社名である。
観覧席はきわめて小規模。
多目的フィールドとはいえメインは野球場のようだ。
ちなみにコートを使うテニスやバスケットはそのサイズが決まっているが、より広いグラウンドやピッチを使う野球・サッカー・ラグビーなどは、推奨サイズはあるもののルールとしては定められていない。
参考までに推奨サイズで野球のグラウンド(緑のラインがホームベースから左右両翼のポールまで)と、サッカーのピッチ(破線)を大きさの比較で並べてみると図のようになる。
あやせノーブルスタジアムのホームページには対象スポーツにサッカーも載っている。しかしサッカーのときに野球の内野の芝のない部分はどうするのだろう。上の写真でシートが掛けられているのは、重りを載せて固定しているだけで、野球以外のスポーツのための準備ではなく前日に降った雨対策だと思う。
公式ホームページよりスタジアムの航空写真を借用。
話は変わってスタジアム上空を通過する自衛隊のヘリコプター。
初回に書いたようにここは厚木基地に隣接していて、自衛隊あるいは米軍のヘリコプターや飛行機がひっきりなしに飛んでくる。言ってみれば綾瀬市は基地の街でもある。そこのローズガーデンのメインブロックが「ピースフルガーデン」。このネーミングには何か意味や意図があるのかな。
さて観覧席から見下ろしたローズガーデンの全貌。
写真の並びはガーデンの奥〜入り口の順。
ブロック図も再度載せておきましょう。
5月26日に「あやせローズガーデン」を訪れて満足して帰ってきたのは確かである。
しかしここのバラ園をどう評価するかは難しい。
なぜなら実はバラがそれほど多くないのである。
バラ園らしいのは最初のウエルカムガーデンとシークレットガーデンくらいで、他のブロックでのバラは、たくさん咲いている花々の one of themに過ぎない。メドウガーデンからフラワーヒルにかけてのあふれんばかりの花数は圧倒的で感激さえしたものの、一方で「それはそうとしてバラは?」との気持ちが心のどこかにあったのも事実。
同じ神奈川県で敷地規模の近い横浜イングリッシュガーデンと比較してみると
あやせローズガーデン:0.77ヘクタール
バラ150品種 680株
横浜イングリッシュガーデン:0.66ヘクタール
バラ2200品種 2800株
最初はデータを見間違えたかと思ったくらいの差がある。単位面積あたりのバラ株数で横浜イングリッシュガーデンは「あやせローズガーデン」の4.8倍、逆に計算すれば「あやせローズガーデン」のバラは横浜イングリッシュガーデンの2割ほどしかない。これではローズガーデンではなく「ローズもそこそこ多いフラワーガーデン」である。
こういう設計になったのは市民公園であり、通年の開園、入場が無料などが影響していると推察している。ただし無料については2024年2月に生育不良から開園を1年延期しており、その段階ではまだ入場料を取る計画だったので、現在の姿が有料を前提としたままの内容なのか、無料化にあわせてレベルダウンしているのかはわからない。
理由はともかく、せめて単位面積あたり横浜イングリッシュガーデンの半分の株数は欲しい。(株数=花数ではないのだけれど話が込み入るので割愛)ホワイトガーデンは新鮮だったし、メドウガーデンは(白が多過ぎだとしても)素晴らしかった。だから私がトランプ綾瀬市大統領だったら「フラワーヒルからドライガーデンまでをバラで埋め尽くせ MARA(make Ayase rose again)」との大統領令に署名するな(^^ゞ
また参考までに神奈川新聞の記事によると、改修前の光陵公園バラ園は0.16ヘクタールで28品900株。なんと株数は改修後の「あやせローズガーデン」より多かった。そして敷地が狭いので単位面積あたりのバラ株数は横浜イングリッシュガーデンの1.3倍。
もうひとつ声を大にして言いたいことがある。
その2の投稿に『途中で「あれ?なんで?」とあることに気付く』と記した内容。
それは「あやせローズガーデン」には剣弁高芯咲き(けんべんこうしんざき)のバラがなかった!!! 剣弁とは花弁(花びら)が剣のように尖り、中心部が周辺より高く盛り上がるバラの咲き方。
バラの花姿は多種多様でも、私は剣弁高芯咲きが最もバラらしいと思っているし、これが大好き。それはバラを知ったのが子供の頃に見た高島屋の包装紙が最初だったせいかも知れない(^^ゞ (写真は1957年から1979年まで使われていたタイプ)

好みは人によって違うので剣弁高芯咲きが一番かどうかはともかくとして、バラの代表的な咲き方のひとつなのは間違いない。どうしてそれが咲いていないのだ!(見逃していないと思うし、見逃すほど少ないのならそれも問題)
とりあえず剣弁高芯咲きをもっと増やしましょう。
ところで今回はバラが少なかったとはいえ、メドウガーデンを中心に花が咲きこぼれていて満足度は高かった。次の疑問は秋バラシーズンでも他の花がこれくらい咲いているかどうか。一般に春より秋のほうが花は少ないから何となく気がかり。他の花がかなり少なくなってバラが680株だとキツいはず。しかもこれは春バラと秋バラの花数が同じとしての話。(普通は秋バラのほうが少ない)
それと初回に書いたようにこの公園は市議会の反発で指定管理者選定の議案が否決され、おそらくそれも関連して有料化が見送られたり何かと先行き不透明。バラをもっと増やして欲しいより先に、来年の春バラも現在のクオリティが保たれるのかが心配。
クオリティが維持できていればお勧めのバラ園なのは間違いない。
数が少ないバラを他の花で紛らわせる企画にまんまと乗せられるのも一興(^^ゞ
でもやっぱりバラはもっと増やしましょう。
もちろん剣弁高芯咲きを忘れずに。
おしまい
wassho at 18:05│Comments(0)│
│お花畑探訪