2025年10月19日

ニッポンとニホンそしてジッポンにニフォン(その前の倭編)その4

かつて東京がトウケイやトキオと呼ばれていたのと同じように、日本にもニッポンとニホン以外の読み方があったと知り、それでそもそもいつから日本?と調べだしたら、その前は「倭」だったのを思い出して、そちらが何かと興味深く今回で「その4」になってしまった。

こんなことなら「日本」の話題に入るまで、
「倭」にちなんだタイトルにするべきだったと反省□\(.. )

ところでこの反省の絵文字はもう意味がわからない人が多いかも知れない。1980年代後半に猿回しでサルが反省するポーズが大人気になったのよ。

10-1反省


さて今回は名称としての倭についてではなく、
それ以外のあれこれ。

何度も書いたように弥生時代(紀元前900年代〜紀元後250年あたり)の日本民族は文字を持たなかったので、その記録が最初に現れるのは前漢王朝(紀元前206年〜8年)の歴史書である漢書によって。そこには倭人が貢ぎ物を持って、前漢が朝鮮半島支配の拠点とした現在の平壌あたりである楽浪郡までやって来たと記されている。

漢書には具体的な時期は記されていないものの、次の次の王朝である後漢(25年〜220年)の歴史書には紀元57年、107年の朝貢(ちょうこう:中国皇帝に貢ぎ物を献上して臣下の礼を示す外交)が記録されている。このうち少なくとも57年の謁見は後漢の都である洛陽(らくよう)で行われたと考えられる。

中国大陸中部の洛陽と、朝鮮半島の楽浪郡の位置図。画像はhttps://www.nishinippon.co.jp/image/618128から引用編集
10-2地図


それにしても弥生時代に海を越えて朝鮮半島や中国大陸まで出かけていたことに驚く。埴輪や船が描かれた絵など様々な出土品から、当時の船は丸太をくりぬいた丸太舟(考古学では丸木舟と表現する)か、長距離航海にはそれの側面に板を張ってかさ上げした準構造船が使われていたと見られている。作り方はともかくとして、今でいえば大型のカヌーみたいなもの。全長は大きい船で12m程度の推定。参考までに大型観光バスがそれくらい。画像はhttps://shimonaga-iseki.yayoiken.jp/n-fune.htmlから引用
11船構造


これは弥生時代より後の古墳時代前期(4世紀初頭)の古代船を復元したもの。これで全長は11m。弥生時代の船はこれよりもっとショボかったはずで、そんな船でよく海を渡ったものだ。画像はhttps://x.gd/mjnEP(短縮URL使用)より引用
12古代船

ところで仮に九州から対馬経由で朝鮮半島に渡ったとすれば120kmプラス50km。こんな小さな手漕ぎボートでの航海は危険極まりなく漂流や沈没も多かったと思われる。それでも海を渡った弥生人のバイタリティに感心しながら、ふと後漢書に書かれていた内容が気になった。

それは

  紀元107年に倭国王の「帥升(すいしょう)」が160人の奴隷を献上した

こんな船で160人も運んだのか?
復元された古代船の写真では漕ぎ手が8人に船頭が2人乗っている。奴隷に漕がせるとして160人 ÷ 8人 =20隻。外交使節団や随行員とその他に人足モロモロを加えると、少なくともあと10隻は必要に思える。

そうなると30隻以上の大船団。それを送り出せるような国力が弥生時代にあったのだろうか。もちろん数隻でのピストン輸送も考えられるとしても、それだとかなりの日数が掛かりそうだ。

これについては様々な学説がある。
あまり詳しく調べていないが、

・後漢サイドが自らの権威を誇張するために人数を盛った
・160人の奴隷を献上したいと言っただけで、実際に献上されたかは不明
・帥升が治めていた国は朝鮮半島にあった
  →つまり対馬海峡を渡って奴隷を運んだのではない
  →その場合の倭国全体は日本列島と朝鮮半島にまたがる連合国家のような形態となる

などを見つけた。

弥生時代の倭について記した文書は漢書、後漢書、魏志倭人伝と他にもいくつかあるようだけれど、全部足してもたいした分量(文字数)ではない。また書かれている内容が正確とも限らない。歴史家はその背景や行間をあれこれ推測しながら、あるいはこじつけたりして自説を唱えている。それが歴史のロマンにも思えるし、エエ加減な学問・気楽な商売だとうらやましくもある(^^ゞ


次回も「日本」にたどり着かない予定m(_ _)m




ーーー続く


<2025年10月21日追記>
やはり倭の話を書いているのに、タイトルが「ニッポンとニホンそしてジッポンにニフォン」なのはふさわしくない。しかし既に4回もそのタイトルでアップしている。

そこで折衷策として「その2」の回以降を「ニッポンとニホンそしてジッポンにニフォン(その前の倭編)」と変更した。

wassho at 18:44│Comments(0) ノンジャンル 

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