2026年02月14日
塩谷亮 刻を描くリアリズム
NHKの「アートシーン」という展覧会情報番組でこの個展を知った。
いきなり話が脱線して恐縮だが、NHKは放送で企業名や商品名を使わないのが原則。公共放送として特定の企業や商品の宣伝にならないようするのがその理由。
子供の頃にNHKのドラマでビール瓶が出てくるシーンでは、ブランドがわからないようラベル部分が黒い紙で覆われていたのを覚えている。かぐや姫が1973年に200万枚を売り上げたヒット曲「神田川」には「♪24色のクレパス買って」との歌詞があり、NHKがクレパスは商品名だからクレヨンに変更を求めたところ、かぐや姫がそれを拒否して紅白の出演を辞退するなんて騒動もあった。
なお1978年の山口百恵の代表曲「プレイバックPart2」には「♪緑の中を走り抜けてく真紅なポルシェ」という歌詞があり、それを紅白では「真紅なクルマ」と歌わされたーーーとよく言われるがそれは間違い。NHKの他の番組で「真紅なクルマ」に置き換えられた事実はあるものの、紅白ではポルシェと歌っている。それは当時の一番人気であったピンクレディがその年の紅白を辞退して裏番組に出演する状況となり、山口百恵にまでヘソを曲げられたら(しかも紅組のトリ)ーーーなんて大人の事情があったみたい。
私感を述べれば「真紅なポルシェ」と「真紅なクルマ」では歌詞の持つ意味や世界観が変わるけれど、「クレパス」と「クレヨン」はどちらでも同じに思える。クレパスが商品名との意識もほとんどない。あの頃は紅白に出場する流行歌歌手と、それ以外のフォークシンガーなどの区別があって、後者は紅白に出るなんてダサいなんて風潮もあったから、出場依頼を断る理由にクレパスを利用したのかも知れない。
ビールはその後に架空の商品のラベルが貼られるようになったし、商品名の扱いも緩やかになった。クレパス問題から19年後の1992年紅白に南こうせつはソロで出場し、神田川をクレパスのオリジナル歌詞で歌っている。2020年の紅白では「ドルチェ&ガッバーナのその香水のせい」と、そのものズバリな商品名の歌詞もOKとなっている。
それでも根底にあるのは次のルール。
放送法第83条
1 協会(NHKを意味する)は、他人の営業に関する広告の放送をしてはならない。
2 前項の規定は、放送番組編集上必要であつて、かつ、他人の営業に関する広告のためにするものでないと認められる場合において、著作者又は営業者の氏名又は名称等を放送することを妨げるものではない。
日本放送協会番組基準(国内)第12項
1 営業広告または売名的宣伝を目的とする放送は、いっさい行わない。
2 放送中に、特定の団体名または個人名あるいは職業、商号および商品名が含まれる場合は、それが、その放送の本質的要素であるかどうか、または演出上やむをえないものかどうかを公正に判断して、その取り扱いを決定する。
ちなみに放送法は196条あって、そのうち15条〜87条までの73条分が、つまり条の数でいえば 73 ÷ 196 = 全体の1/3 以上がNHKに対する規定。それだけNHKは法律でがんじがらめに縛れているともいえる。
まあとにかくNHKでは広告宣伝をしないのが基本。
でも「アートシーン」は展覧会の宣伝以外の何物でもない。開催されている美術館名はもちろん、ご丁寧にもその期間まで教えてくれる。これが例えばアイドルやJ-POPのライブの紹介ならNHKはそんな番組は作らないはず。どこが違うのかな?どういう基準なんだろう?
「アートシーン」は展覧会内容の簡単なレポート番組で、それが宣伝目的の放送ではないとの根拠なのかも知れない。ただしそれらのレポートがすべて終わって、エンドの番組タイトルも出した後に、さらに別の展覧会の告知を挿入する放送日もある。これはレポートもなく告知のみで宣伝そのもの。以前に気になってそれらの展覧会をチェックしたらNHKが協賛している展覧会がほとんどだった。放送法が禁じているのは「他人の営業に関する広告の放送」だからこれは許されるのか。でも展覧会の主催者=展覧会の収益を得るのは「他人」な訳で何となく腑に落ちない。
もちろんアートシーンの番組をケシカランといっているわけではない。あの番組で展覧会を知って訪れたことは今まで多くある。今回の展覧会も番組で紹介されなければ見逃していたはず。そんな宣伝効果抜群(^^ゞ の番組がこれからも続きますように。できれば現在15分の枠を拡大して、もっとマイナーな展覧会も紹介して欲しいくらい。
さて今回の展覧会。場所は新宿区大京町の佐藤美術館。今までここで展覧会を見た経験はなく名前を聞くのも初めて。バブルの頃に飛ぶ鳥を落とす勢いで、ニューヨークのティファニー本社ビルを買収して有名になった第一不動産の創業者が1990年に設立した美術館。第一不動は2007年に倒産したとはいえ、こういう遺産を残せてよかったね。
最寄り駅は徒歩5分のJRの千駄ヶ谷駅か地下鉄大江戸線の国立競技場駅。でも乗り換えるのが面倒だったので地下鉄副都心線の北参道駅で下車。そこからでも15分ほどの距離。
千駄ヶ谷駅の先で高架をくぐってしばらく線路と平行に。
電車と国立競技場のツーショットが撮れた。
左側の木々は新宿御苑。
この道路に出て、
信号を渡りFOR RENTと書かれている左側の路地に入る。
児童公園で行き止まりかと一瞬あせったが、
奥の階段で公園を出ると、
この道路に出る。
このちょっと趣のある建物は四谷第六小学校と幼稚園。
公立で幼少一貫校は珍しいのでは。
その四谷第六のほぼ向かいに佐藤美術館のビル。
例によって思いつくままに書いているので、展覧会の内容にまでなかなか話が進まないが、今回は超写実絵画やスーパーリアリズムと呼ばれるジャンルの展覧会。
このエレベータのサイズでわかるように小さなビル。
エレベーターホールの脇に胡蝶蘭。胡蝶蘭は好きなんだけれど、お祝いにはとりあえず白い胡蝶蘭を送っておけな風潮が嫌い。ましてや美術関係者ならもうちょっと気を利かして欲しい。
受付は2階。
でもこの表示はわかりにくい。
そしてこのエレベーターがなかなか来ずにイライラ。
2階が受付とミュージアムショップ。
3〜5階が展示会場でその雰囲気を。
狭いのは仕方ないとして天井が低いのが美術館としては残念。
ここは美術館として建てられたのではなく普通の小規模なオフィスビル。
なお会場では一部の作品を除いて写真撮影可。
ーーー続く
いきなり話が脱線して恐縮だが、NHKは放送で企業名や商品名を使わないのが原則。公共放送として特定の企業や商品の宣伝にならないようするのがその理由。
子供の頃にNHKのドラマでビール瓶が出てくるシーンでは、ブランドがわからないようラベル部分が黒い紙で覆われていたのを覚えている。かぐや姫が1973年に200万枚を売り上げたヒット曲「神田川」には「♪24色のクレパス買って」との歌詞があり、NHKがクレパスは商品名だからクレヨンに変更を求めたところ、かぐや姫がそれを拒否して紅白の出演を辞退するなんて騒動もあった。
なお1978年の山口百恵の代表曲「プレイバックPart2」には「♪緑の中を走り抜けてく真紅なポルシェ」という歌詞があり、それを紅白では「真紅なクルマ」と歌わされたーーーとよく言われるがそれは間違い。NHKの他の番組で「真紅なクルマ」に置き換えられた事実はあるものの、紅白ではポルシェと歌っている。それは当時の一番人気であったピンクレディがその年の紅白を辞退して裏番組に出演する状況となり、山口百恵にまでヘソを曲げられたら(しかも紅組のトリ)ーーーなんて大人の事情があったみたい。
私感を述べれば「真紅なポルシェ」と「真紅なクルマ」では歌詞の持つ意味や世界観が変わるけれど、「クレパス」と「クレヨン」はどちらでも同じに思える。クレパスが商品名との意識もほとんどない。あの頃は紅白に出場する流行歌歌手と、それ以外のフォークシンガーなどの区別があって、後者は紅白に出るなんてダサいなんて風潮もあったから、出場依頼を断る理由にクレパスを利用したのかも知れない。
ビールはその後に架空の商品のラベルが貼られるようになったし、商品名の扱いも緩やかになった。クレパス問題から19年後の1992年紅白に南こうせつはソロで出場し、神田川をクレパスのオリジナル歌詞で歌っている。2020年の紅白では「ドルチェ&ガッバーナのその香水のせい」と、そのものズバリな商品名の歌詞もOKとなっている。
それでも根底にあるのは次のルール。
放送法第83条
1 協会(NHKを意味する)は、他人の営業に関する広告の放送をしてはならない。
2 前項の規定は、放送番組編集上必要であつて、かつ、他人の営業に関する広告のためにするものでないと認められる場合において、著作者又は営業者の氏名又は名称等を放送することを妨げるものではない。
日本放送協会番組基準(国内)第12項
1 営業広告または売名的宣伝を目的とする放送は、いっさい行わない。
2 放送中に、特定の団体名または個人名あるいは職業、商号および商品名が含まれる場合は、それが、その放送の本質的要素であるかどうか、または演出上やむをえないものかどうかを公正に判断して、その取り扱いを決定する。
ちなみに放送法は196条あって、そのうち15条〜87条までの73条分が、つまり条の数でいえば 73 ÷ 196 = 全体の1/3 以上がNHKに対する規定。それだけNHKは法律でがんじがらめに縛れているともいえる。
まあとにかくNHKでは広告宣伝をしないのが基本。
でも「アートシーン」は展覧会の宣伝以外の何物でもない。開催されている美術館名はもちろん、ご丁寧にもその期間まで教えてくれる。これが例えばアイドルやJ-POPのライブの紹介ならNHKはそんな番組は作らないはず。どこが違うのかな?どういう基準なんだろう?
「アートシーン」は展覧会内容の簡単なレポート番組で、それが宣伝目的の放送ではないとの根拠なのかも知れない。ただしそれらのレポートがすべて終わって、エンドの番組タイトルも出した後に、さらに別の展覧会の告知を挿入する放送日もある。これはレポートもなく告知のみで宣伝そのもの。以前に気になってそれらの展覧会をチェックしたらNHKが協賛している展覧会がほとんどだった。放送法が禁じているのは「他人の営業に関する広告の放送」だからこれは許されるのか。でも展覧会の主催者=展覧会の収益を得るのは「他人」な訳で何となく腑に落ちない。
もちろんアートシーンの番組をケシカランといっているわけではない。あの番組で展覧会を知って訪れたことは今まで多くある。今回の展覧会も番組で紹介されなければ見逃していたはず。そんな宣伝効果抜群(^^ゞ の番組がこれからも続きますように。できれば現在15分の枠を拡大して、もっとマイナーな展覧会も紹介して欲しいくらい。
さて今回の展覧会。場所は新宿区大京町の佐藤美術館。今までここで展覧会を見た経験はなく名前を聞くのも初めて。バブルの頃に飛ぶ鳥を落とす勢いで、ニューヨークのティファニー本社ビルを買収して有名になった第一不動産の創業者が1990年に設立した美術館。第一不動は2007年に倒産したとはいえ、こういう遺産を残せてよかったね。
最寄り駅は徒歩5分のJRの千駄ヶ谷駅か地下鉄大江戸線の国立競技場駅。でも乗り換えるのが面倒だったので地下鉄副都心線の北参道駅で下車。そこからでも15分ほどの距離。
千駄ヶ谷駅の先で高架をくぐってしばらく線路と平行に。
電車と国立競技場のツーショットが撮れた。
左側の木々は新宿御苑。
この道路に出て、
信号を渡りFOR RENTと書かれている左側の路地に入る。
児童公園で行き止まりかと一瞬あせったが、
奥の階段で公園を出ると、
この道路に出る。
このちょっと趣のある建物は四谷第六小学校と幼稚園。
公立で幼少一貫校は珍しいのでは。
その四谷第六のほぼ向かいに佐藤美術館のビル。
例によって思いつくままに書いているので、展覧会の内容にまでなかなか話が進まないが、今回は超写実絵画やスーパーリアリズムと呼ばれるジャンルの展覧会。
このエレベータのサイズでわかるように小さなビル。
エレベーターホールの脇に胡蝶蘭。胡蝶蘭は好きなんだけれど、お祝いにはとりあえず白い胡蝶蘭を送っておけな風潮が嫌い。ましてや美術関係者ならもうちょっと気を利かして欲しい。
受付は2階。
でもこの表示はわかりにくい。
そしてこのエレベーターがなかなか来ずにイライラ。
2階が受付とミュージアムショップ。
3〜5階が展示会場でその雰囲気を。
狭いのは仕方ないとして天井が低いのが美術館としては残念。
ここは美術館として建てられたのではなく普通の小規模なオフィスビル。
なお会場では一部の作品を除いて写真撮影可。
ーーー続く
















