2026年03月18日
ジンチョウゲを探して4 油面公園
タイトルは「ジンチョウゲを探して」で過去3回と揃えてあるものの、今回は探しに出かけたわけではない。前回に書いた林試の森を出て東横線の祐天寺駅に向かう途中に油面公園があり、近道をするために公園の中を横切ったらシャクナゲが咲いていた。
油面と書いて「あぶらめん」。漢字の読み方としては素直なのに、本当にそう読むのと思ってしまう聞き慣れない言葉。これはこのあたりの昔の地名。江戸時代中期より菜種(なたね)が栽培され、それを絞った菜種油を芝の増上寺や近くの祐天寺に奉納していたため、絞油業に対する租税が免除されて油免と呼ばれ、それがいつしか油面となったと伝わる(諸説あり)。
ここに写っているのは油面公園の半分くらい。
0.45ヘクタールと少し広めの児童公園。
ジンチョウゲは白の方が多かった。どれもまだ幼木。2025年3月に公園を大規模リニューアルしたとのことで、そのときに新たに植えられたのだろう。
探して出かけた場所ではないのにブログにしたのは、中目黒八幡神社や林試の森公園で見たジンチョウゲとは花の形というか数が違ったから。
これが油面公園のジンチョウゲ。
こちらは林試の森のジンチョウゲ。
中目黒八幡のも同じで、それ以外の場所で見たのものこのタイプ。
見較べればわかるように油面公園のは花がたくさん密集している。そのせいか今まで見たジンチョウゲより香りが少し強かった。香りそのものに違いはないと思う。画像検索してみたが品種名はわからず。
花と書いたが開いているのは花びらではなく萼(がく)で、筒状のものが上部でが4つに裂けて花びらのようになっている。萼は花びらの下にあって本来はそれを支える役割だが、花びらがなくて萼が花びらのように見えるのはアジサイと同じ構造。
ジンチョウゲは室町時代に中国から入ってきた。雌花と雄花が分かれる雌雄異株で、花つきのよい雄株のみを挿し木で増やしたため、国内に雌株はほとんどないとされる。だからジンチョウゲが実をつけるのはまれ。
ちなみに雌雄異株あるいは雌雄同株は異株(いしゅ)同株(どうしゅ)と「株」を「しゅ」と読む。そう読むのは枯株(こしゅ)や守株(しゅしゅ)など聞いたことがないような熟語ばかりで珍しい。ただし雌株や雄株は「めかぶ」「おかぶ」で「かぶ」と読むのが日本語のややこしいところ。
また植物学の分野では雌花・雄花あるいは雌株・雄株とメス→オスの順番で書く習わしがある。これは雌雄(しゆう)という言葉があるせいかな? しかし雄しべと雌しべはオス→メスの順番で書かれている場合が多く、やはり日本語は複雑怪奇。
話の脱線ついでにーーー
植物のオス・メスすなわち性別の区別は複雑。
それは生殖器官としての花と株(身体)の組み合わせがあるから。
まず花の分類は
両性花:ひとつの花に雄しべと雌しべの両方がある(全体の70〜80%)
単性花:ひとつの花に雄しべと雌しべのいずれかかがある(全体の20〜30%)
雌花:雌しべのみが発達し、雄しべはない、あるいは退化している
雄花:雄しべのみが発達し、雌しべはない、あるいは退化している
中性花:雄しべ雌しべ共にない、あるいは退化している(全体に対してごくわずか)
生殖機能を持たないので中性というよりは無性
中性花に性別はないから、
性別で区分すると花には両性花・雌花・雄花の3種類があることになる。
そしてひとつの株に、3種類のどの花が咲くかを組み合わせると次の7通りになる。
1 両性花が咲く
2 雌花が咲く →雌雄異株の雌株
3 雄花が咲く →雌雄異株の雄株
4 雌花と雄花の両方が咲く →雌雄同株
5 両性花と雌花の両方が咲く
6 両性花と雄花の両方が咲く
7 両性花と雌花と雄花のすべてが咲く
それでジンチョウゲは単性花であり、日本では雄株がほとんどだと先ほど書いた。雄株に咲くのは雄花であって、雄花とは「雄しべのみが発達し、雌しべはない、あるいは退化している」のが定義。しかしジンチョウゲの雄花の雌しべは退化していない。また数少ない雌花の雄しべも同じく。
画像はジンチョウゲの雌花と雄花を解剖した写真→ここをクリック
写真では雄花に退化していない雌しべがあり、雌花にも退化していない雄しべがあるのがわかる。つまりこれは両性花の断面そのもの。
いくつかの学説があるようだ。
(1)
ジンチョウゲは両性花であって雌雄異株ではない。たまたま実付きの悪い品種が日本に入ってきて、これは雄株だと勘違いした。
(2)
植物の進化は両性花から単性花の雌雄異株への流れ。ジンチョウゲはこの進化の途中にある。だから雌花にある雄しべ、雄花にある雌しべはまだ退化していなくても、もう機能していない。
(3)
ジンチョウゲは自生地が見つかっていない。したがってこれは(はるか昔に)人工的な交配によって生み出された植物。ジンチョウゲの生物分類は
科:ジンチョウゲ科
属:ジンチョウゲ属
種:ジンチョウゲ
でジンチョウゲ属には約90の品種がある。それらのどれかとどれか、あるいは違う属の植物を掛け合わせてできたのがジンチョウゲ。いわゆる園芸品種で生物学的な表現なら交雑種。そして交雑種は生殖能力が低い場合が多い。
ーーーとまあ、庭木としてポピュラーなジンチョウゲなのに、実はわかっていないことの多い不思議な植物なのである。
とりあえず私としては油面公園のジンチョウゲは花粒(これは私の造語)が多くて、香りもよく出ていたのがヨシ。
ジンチョウゲの植えられている場所の対角線上にあった遊具。この「なのはなのおか」はここ油面一帯が昔は菜種畑だったのに由来している。昭和初期まで栽培が続いていたらしい。ここで遊んでいる子供たちは知っているかな。ちなみに菜種=菜の花=油菜ね。
それでこの遊具の横を通り抜けようとしたら足裏がビックリ。地面がとても柔らかい。指で押したら少し凹んだ。いわゆるラバーマットだけれど、これは切れ目がないのでゴムチップ舗装と呼ぶみたい。
今はこんな風になっているんだ。安全への配慮に感心したり過保護のような気がしたり。ただし「今は」と書いたものの、いつ頃からゴムチップ舗装がこのように使われているのかは知らない。何たって公園の遊具で遊んでいたのははるか遠い遠い昔(^^ゞ
油面と書いて「あぶらめん」。漢字の読み方としては素直なのに、本当にそう読むのと思ってしまう聞き慣れない言葉。これはこのあたりの昔の地名。江戸時代中期より菜種(なたね)が栽培され、それを絞った菜種油を芝の増上寺や近くの祐天寺に奉納していたため、絞油業に対する租税が免除されて油免と呼ばれ、それがいつしか油面となったと伝わる(諸説あり)。
ここに写っているのは油面公園の半分くらい。
0.45ヘクタールと少し広めの児童公園。
ジンチョウゲは白の方が多かった。どれもまだ幼木。2025年3月に公園を大規模リニューアルしたとのことで、そのときに新たに植えられたのだろう。
探して出かけた場所ではないのにブログにしたのは、中目黒八幡神社や林試の森公園で見たジンチョウゲとは花の形というか数が違ったから。
これが油面公園のジンチョウゲ。
こちらは林試の森のジンチョウゲ。
中目黒八幡のも同じで、それ以外の場所で見たのものこのタイプ。
見較べればわかるように油面公園のは花がたくさん密集している。そのせいか今まで見たジンチョウゲより香りが少し強かった。香りそのものに違いはないと思う。画像検索してみたが品種名はわからず。
花と書いたが開いているのは花びらではなく萼(がく)で、筒状のものが上部でが4つに裂けて花びらのようになっている。萼は花びらの下にあって本来はそれを支える役割だが、花びらがなくて萼が花びらのように見えるのはアジサイと同じ構造。
ジンチョウゲは室町時代に中国から入ってきた。雌花と雄花が分かれる雌雄異株で、花つきのよい雄株のみを挿し木で増やしたため、国内に雌株はほとんどないとされる。だからジンチョウゲが実をつけるのはまれ。
ちなみに雌雄異株あるいは雌雄同株は異株(いしゅ)同株(どうしゅ)と「株」を「しゅ」と読む。そう読むのは枯株(こしゅ)や守株(しゅしゅ)など聞いたことがないような熟語ばかりで珍しい。ただし雌株や雄株は「めかぶ」「おかぶ」で「かぶ」と読むのが日本語のややこしいところ。
また植物学の分野では雌花・雄花あるいは雌株・雄株とメス→オスの順番で書く習わしがある。これは雌雄(しゆう)という言葉があるせいかな? しかし雄しべと雌しべはオス→メスの順番で書かれている場合が多く、やはり日本語は複雑怪奇。
話の脱線ついでにーーー
植物のオス・メスすなわち性別の区別は複雑。
それは生殖器官としての花と株(身体)の組み合わせがあるから。
まず花の分類は
両性花:ひとつの花に雄しべと雌しべの両方がある(全体の70〜80%)
単性花:ひとつの花に雄しべと雌しべのいずれかかがある(全体の20〜30%)
雌花:雌しべのみが発達し、雄しべはない、あるいは退化している
雄花:雄しべのみが発達し、雌しべはない、あるいは退化している
中性花:雄しべ雌しべ共にない、あるいは退化している(全体に対してごくわずか)
生殖機能を持たないので中性というよりは無性
中性花に性別はないから、
性別で区分すると花には両性花・雌花・雄花の3種類があることになる。
そしてひとつの株に、3種類のどの花が咲くかを組み合わせると次の7通りになる。
1 両性花が咲く
2 雌花が咲く →雌雄異株の雌株
3 雄花が咲く →雌雄異株の雄株
4 雌花と雄花の両方が咲く →雌雄同株
5 両性花と雌花の両方が咲く
6 両性花と雄花の両方が咲く
7 両性花と雌花と雄花のすべてが咲く
それでジンチョウゲは単性花であり、日本では雄株がほとんどだと先ほど書いた。雄株に咲くのは雄花であって、雄花とは「雄しべのみが発達し、雌しべはない、あるいは退化している」のが定義。しかしジンチョウゲの雄花の雌しべは退化していない。また数少ない雌花の雄しべも同じく。
画像はジンチョウゲの雌花と雄花を解剖した写真→ここをクリック
写真では雄花に退化していない雌しべがあり、雌花にも退化していない雄しべがあるのがわかる。つまりこれは両性花の断面そのもの。
いくつかの学説があるようだ。
(1)
ジンチョウゲは両性花であって雌雄異株ではない。たまたま実付きの悪い品種が日本に入ってきて、これは雄株だと勘違いした。
(2)
植物の進化は両性花から単性花の雌雄異株への流れ。ジンチョウゲはこの進化の途中にある。だから雌花にある雄しべ、雄花にある雌しべはまだ退化していなくても、もう機能していない。
(3)
ジンチョウゲは自生地が見つかっていない。したがってこれは(はるか昔に)人工的な交配によって生み出された植物。ジンチョウゲの生物分類は
科:ジンチョウゲ科
属:ジンチョウゲ属
種:ジンチョウゲ
でジンチョウゲ属には約90の品種がある。それらのどれかとどれか、あるいは違う属の植物を掛け合わせてできたのがジンチョウゲ。いわゆる園芸品種で生物学的な表現なら交雑種。そして交雑種は生殖能力が低い場合が多い。
ーーーとまあ、庭木としてポピュラーなジンチョウゲなのに、実はわかっていないことの多い不思議な植物なのである。
とりあえず私としては油面公園のジンチョウゲは花粒(これは私の造語)が多くて、香りもよく出ていたのがヨシ。
ジンチョウゲの植えられている場所の対角線上にあった遊具。この「なのはなのおか」はここ油面一帯が昔は菜種畑だったのに由来している。昭和初期まで栽培が続いていたらしい。ここで遊んでいる子供たちは知っているかな。ちなみに菜種=菜の花=油菜ね。
それでこの遊具の横を通り抜けようとしたら足裏がビックリ。地面がとても柔らかい。指で押したら少し凹んだ。いわゆるラバーマットだけれど、これは切れ目がないのでゴムチップ舗装と呼ぶみたい。
今はこんな風になっているんだ。安全への配慮に感心したり過保護のような気がしたり。ただし「今は」と書いたものの、いつ頃からゴムチップ舗装がこのように使われているのかは知らない。何たって公園の遊具で遊んでいたのははるか遠い遠い昔(^^ゞ
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