2026年04月02日

新宿御苑でサクラ巡り その2

温室を出た横の通路。
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これが東方向で、
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こちらが西方向。
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天気は西から変わるというが、温室にいた30分ほどでわずかながら晴れ間が増えてきた。もっとも気象庁の定義では全天に占める雲の割合が0〜1割なら快晴、2〜8割で晴れなので天気予報にはこれでも晴れマークがつく。一般的な感覚だと本日は半曇りかな。


向こうに見えるのが大木戸門の出入り口。
新宿門と較べると混雑は少ない。
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大木戸門から延びる通路にあるサクラとツバキのコラボレーション。
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左側が前回でも紹介したオトメツバキ。
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右側が普通の赤いツバキ。
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赤いツバキのほうは葉が黄色くなって色が賑やか。
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ところでツバキの一般的な開花時期は12月〜4月と長い。でも私はツバキは冬に咲く花との先入観があり、ウメと一緒ならまだしもサクラと並んでいると違和感を感じてしまう。

その原因ははっきりしていて、小学校の頃に雪の上に落ちているツバキの花を見た経験。ツバキは花びらがバラバラになって散るのではなく、まだ花びらがそれほど傷んでいないうちに花の形を保ったまま丸ごとストンと落ちる。そんな花は初めて見たし、白い雪の上に真っ赤な散っていない花の姿が強烈に印象的で「あれ何〜?」「ツバキ」と教えてもらって、それ以来ツバキ=冬となってしまった。

でも何年か前に、ツバキとサザンカは日が強く照っている明るい場所だと、その派手な色と形で何となく南国植物のようにも見えるとわかり、どうにも脳内が困っている(^^ゞ



玉藻池に向かう途中の色違いのサクラの競演。
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このピンクは河津桜に似ているものの、
河津桜の時期は終わっているのでヨウコウ(陽光)という品種だと思う。
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その近くに植えられていたヨウコウより色の濃い横浜緋桜はまだ幼木。
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これはジャノメエリカ。アップを撮り忘れたが紫色をした草ではなく、色が付いている部分は小さな花の集まり。
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タカトオコヒガンザクラ(高遠・小・彼岸・桜)が見えてきた。
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しかしその手前にあって無視して素通りできないのがこれ。
幹や枝を白くした盆栽のようだし流木のようでもある。
これも作庭要素?ナゾの配置。
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新宿御苑に4つある池のひとつ玉藻池(たまもいけ)。
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ここにある灯籠はデカい!
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玉藻池は江戸時代に信州の高遠藩・内藤家の屋敷に造られた庭園の一部。そして内藤家の屋敷がどうしてここにあったのかのエピソードが興味深い。


三河岡崎に生まれ徳川家康の小姓(世話係)をしていたのが内藤清成。つまり最古参の家来。江戸時代的な歴史用語でなら譜代の家臣。家康と苦楽を共にし多くの戦を勝ち抜き、家康が秀吉に関東への国替えを命じられた際には鉄砲隊を率いて江戸入りの先陣も務めた。

それまでの功績が認められ内藤清成は家康より「馬を走らせて回った範囲すべての土地を与える」と破格の褒美をもらう。内藤は「東は四谷、西は代々木、南は千駄ヶ谷、北は大久保」まで白馬で駆け回ったと伝わる。

その地名が付いた駅を直線で結んだのがこの地図。
皇居=江戸城より大きいやないかい(^^ゞ
そしてこの広い敷地の玉藻池当たりに内藤は屋敷を構えた。
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上の地図は現在の駅と駅を単純に結んだだけなので相当に広くなっているが、資料によると内藤清成が拝領したのは20万余坪となっている。仮にマックスで23万坪だとすると、17.8万坪ある新宿御苑より2回り大きい程度で、駅を直線で結んだ面積の半分弱くらいか。江戸城=皇居の宮殿部分と外苑部分の総面積は230ヘクタール=70万坪。まあ家康も江戸城より広い土地は与えないだろうし。

それでも家康が住み江戸城の中心であった江戸城本丸(現在の皇居東御苑:21ヘクタール:6.35万坪)よりはるかに広い敷地。さすが家康は太っ腹とみるか、内藤清成が白馬を走らせたときにそこは何もない荒れ地だったはずで「この欲張り者に土地を整備させよう」と考えていたのか。

ただしどの資料にも内藤清成が20万余坪を拝領と書かれているものの、それについてはちょっと疑いも持っている。ネットで得られる情報はコピペにコピペを重ねたものが多く、最初が間違っている場合もあるから鵜呑みにできないとはいつも書いているところ。20万余坪の出所はネット以前の資料のようだが、それでも同じことがいえる。

そう考える理由は江戸時代の面積単位。

   歩(ぶ)=坪
   畝(せ)=30坪
   反(たん)=300坪
   町(ちょう)=3000坪

今と違って面積を示すのは坪だけではなく、坪は面積の中で最も小さな単位。こんな江戸城並みに広い面積を記すのに坪を使うか?との疑問。別に内藤清成が手にした正確な面積や地図を知りたいと思っているわけじゃないにせよ、ちょっと気になる。誰かが町で記されていた資料を現代人にわかりやすいよう坪に換算した可能性はあるが。

それはさておき、

その後、清成より5代後の内藤清枚が現在の伊那市にあった高遠(たかとう)藩の城主となる。徳川家直属の家臣から城持ちの大名への出世。なお一般に高遠藩内藤家と記されるのは城主(=藩主)が保科家〜鳥居家〜内藤家と変遷したのを区別するため。

とはいっても石高はわずかに3万3000石。家康から拝領した土地の広さと身分がまったく釣り合っていない。そこで時代が下るにつれても徐々に土地を幕府に返納していく。

それでも明治になった時点でまだ10万坪ほどを所有しており、それに元は内藤家の土地だった隣接地を合わせた17万8000坪(58.3ヘクタール)で誕生したのが、新宿御苑の前身である近代農業振興を目的とした内藤新宿試験場。内藤の名前は現在も新宿区に町名として残っていて新宿御苑も新宿区内藤町11番地。とはいっても内藤町の8割ほどは新宿御苑が占めている。



さて本日の第一目的であるタカトオコヒガンザクラ(高遠・小・彼岸桜)。このサクラを初めて知ったのは芦花公園。ソメイヨシノの開花宣言が出る頃に満開を迎える。花の咲き方はソメイヨシノに似ているが、ソメイヨシノと違って淡いピンクすなわち桜色なのでお気に入り。
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遠目ではそこそこキレイだったとはいえ、この日は既にソメイヨシノの満開宣言日。近づくと見頃過ぎな感はやはり否めない。
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隣のソメイヨシノとの色の違いを楽しみましょう。
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ところでこのタカトオコヒガンザクラ(高遠・小・彼岸桜)はその名前の通り高遠(現在の長野県伊那市)地方の固有種。分類的には江戸彼岸と近畿豆桜の自然交雑種と見られている。ちなみにソメイヨシノは同じく江戸彼岸と大島桜の人工交配(自然交雑説もあり)。

そして高遠藩の時代からかどうかは不明なものの、なぜか現在でも門外不出の桜とされている。都内で植えられているのは新宿御苑と新宿周辺に数カ所、世田谷区の芦花公園のみ。そのうち御苑を含む新宿区内については、前述した高遠藩が幕府に返還した土地が「内藤新宿」という甲州街道で日本橋から最初の宿場町となり、それが現在の新宿や新宿区につながったので高遠の「門内」であるとの笑える理由。芦花公園については最初は門外不出を理由に当時の高遠町(現在は合併して伊那市)から断られたものを、東京都知事が直談判して移植したとか。

いいサクラなんだから高遠の人たちにはもっと心を広く持って、
このサクラを日本中に広めてもらいたいね。



玉藻池を離れて第二目的であるプラタナスのある整形式庭園に向かう。
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これはアオキの新芽とつぼみ(たぶん)。
苑内のそこら中で芽吹いていた。
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あと少し。
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ツバキや高いところにある夏みかん?を眺めて、
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やって来ましたプラタナス並木!
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たまりませんな(^^ゞ このゴツゴツ感。
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以前に書いた「プラタナスのゴツゴツ問題」について、その後は特に調べていないけれど、おそらくは剪定で枝が短く切られる→でもパワーが有り余ってゴツゴツ変形しているのだと想像している。


プラタナス並木は東西に延びていて先ほどの写真は一番北側。
その隣に中央の木を共有した少し幅の狭い並木がある。
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その並木を少し外側で眺める。
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もうちょっと離れて。
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もっと離れて。
自分でも笑うほど、この時期の葉がなくてゴツゴツむき出しのプラタナスが好き。
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プラタナス並木は南側にもあって、その間に挟まれているのが整形式庭園。整形式とはフランス発祥で幾何学模様的に木々を配置するのが特徴。ある意味人工的な造園美。しかし新宿御苑のはごく普通に植え込みがあるだけで、この程度で整形式と呼ぶのは間違いだと思っている。
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(参考写真↓ ベルサイユ宮殿のオレンジ庭園)
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南側のプラタナス並木。
北側と変わりはないのに毎回必ず4列すべて見て帰る(^^ゞ
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お気づきのように中央の植え込みを挟んでプラタナス並木は左右対称。整形式の造園作法には幾何学模様だけでなく左右対称も含まれる。だから正確にはプラタナス並木を含めた全体が新宿御苑の整形式庭園な訳だけれど、このプラタナス並木が素晴らしいがゆえに、中央の植え込み部分をもっと頑張って欲しいと願っている。


最後にまたゴツゴツを眺めましょう。
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中央部の周辺にはバラが植えられている。新宿御苑はバラの名所に名を連ねているとはいえ、写真で見える細長い花壇が周りを囲んでいるだけの規模で、なおかつ植え方にも芸がないので今までバラを目当てに見に来たことはない。関係者の皆さん、幾何学的にバラを配置した超エキセントリックな整形式庭園を!
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ーーー続く

wassho at 23:39│Comments(0) お花畑探訪 

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