2004年11月24日

裏原 vs 原宿・青山

本日はいい天気。渋谷でランチをしてから、次の打ち合わせまでに空きができたので、原宿方面へ歩く。明治通りの一本東側を昔はキャットストリートといった。今もそう呼ばれてるのかな? ここを歩くのは好きだ。デパートやファッションビルの中を歩くと「買って〜」という声が聞こえてくる気がするが、ここで聞こえるのは「私たちファッションが好き〜」という声だ。お昼時だったので、通りにある小さな公園で近くのお店の店員らしき人たちが集まってお弁当を食べていた。そんな雰囲気もいい。


表参道に突き当たり、それを渡ると「裏原」と呼ばれるエリアになる。10年くらい前から原宿の裏通りに店が集まり始め、ファッション好きというかファッション・オタクの若い男性に支持されて、今や原宿でもっともファッションが売れる集積エリアとなった。最近は女性向けの店も多い。


実は、このエリアに詳くはない。視察兼散歩といった感じで年に1〜2回のぞく程度。裏原ファッションにも興味はない。というより似合わない、というよりサイズが合わない(^^ゞ しかし私はなぜか裏原に惹かれるものを感じるのだ。


それは、私が普段手がけている“マーケティング”とは少し違う次元で、裏原が動いているから。顧客ニーズに合わせてなんて発想はない。「創りたい服を作る、売りたい服だけを仕入れて売る、気に入ったら買ってね」といった感じか。といってもアンダーグラウンド的な閉鎖感はない。むしろ仲間になろうよというオープンさを感じる。その街の雰囲気にも惹かれて若者が押し寄せる。

なのに成長志向や競争志向がない。全国展開しているブランドもあるが、直営店ではなく仲間的な感覚の店への卸販売が中心。裏原でそこそこ儲かっていればいいと考えているところが多いようだ。人気商品はすぐ売り切れるが、供給量を増やそうともしない。マーケティング的に品薄感をあおっているのではなく「並べたいだけ作っている」。結構パクリ商品も多いのだが、それがあの狭いエリアで共存している大らかさもある。


裏原に精通している訳ではないので、私の見方は表面的かも知れない。しかし、かって原宿や青山で生まれたDCブランドが強烈な上昇志向を持っていたのと較べると、明らかに違う「ぬるーい」感覚でビジネスが成り立っているのが面白い。裏原の成功が偶然の幸運か、マーケティングとして学ぶべきビジネスモデルか、目下思案中である。


本日は“戦略、戦術−−−戦うだけがすべてじゃないよ”の下書きでした。

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渋谷にガングロ、ヤマンバ全盛の頃、とある企業の役員数名を渋谷センター街ツアーに引き連れていったことがある。夜8時。駅前に出た時点で、すでに彼らの顔は引きつっている。みんなでくっついて離れようとしない。「さあ、一人ずつ、5分間隔で行きましょう。センター街の奥にマクドナルドがあるから、そこでマックシェイクを買って−−−」と、まるで私は肝試しの幹事だ(^_^)


あらゆる情報がすぐ手にはいる。インターネットでより一層便利になった。しかし、知ると見るとでは大違いである。できるだけ、いろいろなことを生で見た方がいい。もちろん、面倒だし時間も作れないことが多いが、それをやりくりして見聞を広めるのもビジネス能力のひとつである。

wassho at 20:24│Comments(0) マーケティング、ビジネス 

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