2004年11月27日

年賀状と企業理念

コンビニの店頭や印刷屋からのDMで「年賀状印刷 受付開始」と知り、まだ知っていないことにしようと思う季節になってきた(^^ゞ


こんな文章が年賀状には印刷されている。
 「本年も相変わらずご交誼の程ひとえにお願い申し上げます」
 「旧年中は格別のご厚情を賜り有り難く御礼申し上げます」
 「本年も皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます」


質問1
この手の挨拶文、もらった年賀状で、誰がどれを書いていたか覚えていますか?

質問2
旧年中は格別のご厚情を賜り有り難く御礼申し上げます−−−といわれて「いえいえ、こちらこそありがとうございました」という気持ちになったことがありますか?


いいたいことはおわかりだろう。これらは何も伝えていない、コミュニケーションになっていない。文面をすべて読むこともないはずだ。


年賀状に目くじらを立てるつもりはない。これらの文章は干支とか富士山と同じような定番のデザインだと思えばいい。年賀状そのものも、何を伝えあったかではなく、交わしたこと自体が価値を持っている。


しかし、企業のコミュニケーションでも年賀状のようなようなものは多い。広告もそうだが、圧倒的に多いのは企業理念だとか企業メッセージの類だ。あなたは会社の企業理念を覚えていますか? 企業理念が仕事、あるいは経営での大局的な判断基準になっていますか? 企業理念を読んで、よしがんばろうと思った、あるいはこの会社はいい会社だと思ったことはありますか?


企業理念は80年代のCIブームの頃から、コンサルティング会社や広告代理店がビジネスとして取り組み始め、多くの企業で書き換えられた。最初はよかった。あまりに古い価値観に基づく企業理念を見直すことは、経営の見直しにもつながった。しかし概念は常に肥大化する。だんだんと企業理念は体系化される運命に。ある大企業の企業理念体系は上から「ミッション」「ビジョン」「価値観」「行動規範」で構成されている。それぞれがいくつかの内容をもつので、大項目だけで15の内容が並んでいる。こうなると作文ゲームである。


そこに書かれていることはすべて正しい。そのとおり経営されるべきと納得さえする。しかし年賀状なのである。文章こそ今風になってはいるものの、正しすぎて何も感じない。企業理念を議論する難しさはここにある。「正しいことを」「伝わるように」書くのが正解なのだが、往々にしてこの両立は難しい。私は企業理念は人に影響を与え続けてナンボだと考えている。

それにこの企業の理念は、日本中のほとんどの企業でも採用できる内容。企業理念の「お約束化」も最近の傾向だ。上位概念だから似てくるのは仕方ないという議論もある。しかし、お約束の企業理念を掲げる企業は、概して製品・サービスもありきたりだ。


本日は“企業理念も企業戦略なのを、お忘れなく?”の下書きでした。

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企業理念ができても、それを社内浸透させるのがまた難しい。壁に掲示しても読む人は少ない。カードや冊子を配る企業もあるが、その効果は一時的。もっとも効果的なのは唱和させること。何度も繰り返し口にすればイヤでも覚える。でも朝礼か何かで企業理念を唱和するなんて、あまりスマートな経営とはいえない。社員の反発は必至だ。


しかし企業理念というか企業としての価値観を社員で共有することは大切。ベンチャー企業を訪れて、イキイキしている会社は価値観を共有できているところが多い。それが企業文化の土台になっている。ただ会社として若く、規模も小さいので自然とそうなっているからなのだが。


大企業でスマートに企業の価値観を共有できる方策はあるのか? 

ある。
もちろん15条もあるような作文体系では無理。もっとも重視する価値観をワンフレーズにセンスよくまとめる必要がある。


それができたら私を捜し出して連絡下さい(^^ゞ

ただし売上1000億円以上の企業限定1社。
コンサルティングフィーは売上の0.1%とさせていただく。


売上の0.1%で企業の価値観を共有できれば安いものだよお客さん(^^ゞ

wassho at 22:07│Comments(0) マーケティング、ビジネス 

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