ザルギク

2016年11月13日

南条の里〜本栖湖〜河口湖

あちこちに紅葉を見に行ったが、私の好きな「茶色の混じっていない鮮やかな赤色のモミジ」がたくさんあるのは、河口湖がやはり一番だったというのが現在の認識。今まで河口湖には2回紅葉ツーリングをしている。同じ所を同じ目的でツーリングしないというのがポリシーである。今年はそれを曲げて鮮やかなレッドオータムを楽しむことにした。まあ既に2回訪れているのだから3度目もあったということで、私のポリシーなんてその程度。


でも河口湖で紅葉を見るだけじゃ芸がないのでひと工夫。それは富士宮市の下条という地区にある『富士山の形に植えられた「ざる菊」』。ここは去年、小田原の鈴木さんというお宅で初めてざる菊というものを見た後に、ざる菊のことをいろいろ調べていて知った。ちなみにざる菊とはザルをひっくり返したような丸い形に植えられた小菊のこと。


ルートは東名高速を御殿場ジャンクションで新東名に乗り換え、新富士インターで降りて富士宮市街を抜け、ざる菊のある南条の里へ。その後は富士山の西側を北上して本栖湖に立ち寄って河口湖に向かう。帰りは河口湖インターから中央自動車道。ルートのほとんどは高速道路なのだが、富士山は大きいので新富士インターから河口湖インターまで80キロほどある。そのほとんどが緩やかなカーブと富士山を眺めながら走れるルートなのでツーリングの満足度は高い。
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午前10時前出発。東京は最高気温20度越えの予報だったが、まだ13.5度だった。富士山の周りはかなり寒いのかと心配になる。東名高速に乗るには目黒通り〜環八と進む。ところがこの日は世田谷246ハーフマラソン大会というのが行われており、目黒通りが右折禁止になっていた。つまり環八に入れない。これは想定外の出来事。まあちょっと遠回りすればいいだけの話だが。

ところで市民マラソンを生で見たのは初めて。皆かなりヘロヘロで走っていた。大会ホームページを見ると目黒通りはコース終盤だし、午前8時半のスタートから計算すると、私が遭遇したのは制限時間の130分をクリアできるかどうかというレベルのランナーだったようだ。それにしてもジョギングをやめてから10年以上になるなあ。バイクばかり乗っていないで健康にいいことをしないとと、ツーリングしょっぱなから反省モード。


足柄サービスエリアで本日最初の富士山撮影。
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この季節の東名高速では厚木を超えた辺りからところどころで富士山が見える。先週に小田原へツーリングした時も見えたが、1週間で冠雪は5割くらい増えたような気がする。今年の冬は寒いというのは当たっているのかもしれない。ところで去年はこのサービスエリアにあったエヴァンゲリオンの展示やネルフ出張所(売店)はもうなくなっていた。なんとなく残念。


御殿場ジャンクションで東名から新東名に分岐する。2012年に開通当初の新東名を走った時は、いかにも「新築」といった路面の美しさを感じたが、4年経った現在では東名とあまり変わらないレベルになっている。また当時は道路と道路をつなぐ金具の段差のなさに感激した。しかし今回は乗り越える時に少しショックを感じた。高速道路というのは思っているより劣化のペースが速いのかもしれない。


新東名はところどころススキがたくさん生えている場所を通る。それを楽しんでいるうちに新富士インターに。そこからはナビに頼って走る。富士宮市の中心部を走るのはたぶん初めて。有名な富士宮焼きそばの看板が立ち並んでいるのかと思っていたが、ひとつも見なかった気がする。もっと駅前に行かないとお店はないのかな。しばらく走ると建物がまばらになって田舎的な風景に。お茶畑が多かった。お茶は斜面で栽培するイメージだがそうでもないみたい。


ざる菊を紹介するホームページには所在地が「静岡県富士宮市下条806-1(土井ファーム)」と書かれていた。今回は住所をナビに打ち込み土井ファームという牧場に着いた。しかし周りにざる菊が見あたらない。付近を少し走ってみてもそれらしいところを発見できず。ちょうど畑で農作業をしているオバサンがいたので尋ねてみると「このあたりじゃないと思いますよ。先ほども尋ねられたけど。この先にあるお寺で聞いてみれば」との答え。地元ではあまり有名じゃないらしい。

お寺に行ってみたが建物が奥の方にあったので、土井ファームに引き返して併設されているカフェで尋ねてみた。ざる菊を探してここに来る人が多いみたいで、カフェでは用意された略図を使って説明してくれた。店員さんはとても親切。ジェラードが名物のようだが、アイスクリームを食べるには少し涼しかったのでお礼だけ言って退散。

ざる菊は土井ファームからバイクでなら1〜2分離れた牧野酒造という蔵元の近くにある。住所は下条1037。

というわけでようやくざる菊園に到着。時刻は午後1時過ぎ。
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下条にあるのに南条の里とはこれいかに。ホームページによると南条というのは鎌倉時代にこの地を治めていた地頭の名前とのこと。
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富士山を背景にざる菊はキレイだったが「富士山の形」には見えなかった。
脚立が用意されていたのでそれに登ってみる。
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やっぱり富士山には見えない(/o\) もっと脚立の上まで登ればよかったかもしれないが、グラグラしていたしカメラを持っていて片手でしか支えられなかったので断念。
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畑の中に入ると、こんなシャレの効いた看板が(^^ゞ
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赤のざる菊は写真ではサマになっているけれど、実際はかなり見頃過ぎの感じ。
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他の色はきれいだった。
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ざる菊の内部構造がわかる貴重な写真かも。
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こちらの山頂から見たほうが富士山の形にしようとした意図がよくわかるかな。
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イメージしていたより小規模なざる菊園だった。これだけを目的にツーリングやドライブをすることは薦めないが、近くを通る時に話のネタに立ち寄るにはいいんじゃないかな。


南条の里から見える富士山をアップで。中腹はかなり赤富士っぽく見える。
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南条の里を後にして適当に走っていたら富士山西側のメイン道路である国道139号線に出た。途中で静岡県道71号〜75号にそれてしまったが、そのまま進めばまた139号線と朝霧高原あたりで合流する。朝霧高原では草原越しに遮るものなく富士山を眺められる。道路には途中いくつか駐車スペースがあって、多くの人が富士山を眺めたり写真を撮っている。でも反対車線側だったので停まらなかった。

停まらなかったもう1つの理由は、草原がこの季節は茶色だから。ここで写真を撮るなら草原が青々した季節でしょーーーという気持ちも少しあった。でも朝霧高原を少しすぎてから気がつく。草原が青い頃には富士に雪がない!


本栖湖の湖畔到着。
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湖畔に立ち寄ったのはオシッコ休憩のため。
ここは東側湖畔で富士山も見えないので水辺までは近づかず。
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湖畔に降りる道で記念撮影。通っている時は木々の色づきがキレイに思えたのに、写真に撮ってみるとそうでもなかった。
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湖畔を離れたら、本栖湖の北側を走る本栖みちと呼ばれる国道300号を少し走り、こんな狭い路肩にバイクを無理やり駐める。
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それはここから眺める富士山が抜群に美しいから。
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本当はもう少し先に中ノ倉展望台というものがあり、そこからだと千円札に描かれているのと同じ構図で富士山を眺めることができる。いわば本栖湖撮影の定番スポット。でも湖畔から30分ほど獣道のような登山道を上らなければならない。もっといいカメラに買い換えでもしたらチャレンジすることにしよう。


BMW F800Rとのツーショットも忘れずに。
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ーーー続く

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2015年11月23日

鈴木さん宅の「ざる菊」

去年、真鶴にツーリングした時も南足柄広域農道を使ってこのあたりを通った。この農道の南側終点は総世寺というお寺の横を抜けて市道に当たったところ。南足柄広域農道もその一部となっている足柄街道自体はまだ先があって、そこを小田原フラワーガーデンと反対方向に右折する。すると少し進んだところに看板が出ていて、人がたくさん集まっている民家があった。その時は?と思っただけでスルーしたが、後で調べてみると「ざる菊」というものを育てて庭を一般開放している鈴木さんというお宅だということがわかった。

今回、ホームページで探してみると「この連休までは何とか見られる」という情報が載っていた。何とか見られるというのは見事はとっくに過ぎたということでもあるが(^^ゞ、ざる菊というのは一度も見たことがないので寄ってみることにした。


賑やかな看板があるので見落とすことはない。
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なかなか立派な家である。
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ちなみにすぐ近くに広大な専用駐車場まである。この時は私のバイクだけだったが、こんな広さの駐車場が必要なくらい最盛期には人がやってくるということなんだろう。
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ご自由にお入りくださいと書いてあるので遠慮なく人の家の庭にズカズカ入る(^^ゞ
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花の色はかなり抜けていたが、とにかく広い庭の全部がざる菊。
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ざる菊というのは、ざるを逆さまにしたように丸く育てたもの。総世寺にもざる菊園があるみたいなので、このあたりでは栽培が盛んな模様。


花の痛んでいない部分をアップで。色もさまざまだが花の形もいろんな種類がある。1株に4000程の小菊が咲くとのこと。
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裏庭に回ると、まだきれいなざる菊が残っていた。近づくと萎れている部分も多いのだが、遠目には充分に楽しめる。
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それにしても凄い数のざる菊。全部で1500株ほどあるらしい。
理由はわからないが、すべて鉢植えで育てられている。
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忘れちゃいけないが、ここは個人のお宅である!
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何となく葬式とか仏壇を連想するところがあって、実は菊はあまり好きじゃない。でもざる菊は小菊なので抵抗感なし。意外とざる菊から菊の苦手意識が薄まるかも。まあそんなことより、とにかく圧倒されたというのが正直なところ。よく「丹精込めて育てる」という表現をするが、そんなものをはるかに超えた情熱や意志の力を感じる光景だった。是非、見頃の頃にまた訪れたい。


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ーーー続く

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