ツバキ

2024年04月06日

妙見坂のしだれ桜は1本だけだった

東京のサクラ開花宣言はここ数年と較べて2週間ほど遅い3月29日。最初の日曜日である最高気温28.1度となった3月31日には当然ながらまだ一分咲き以下。でも準備の都合でその日に開催された(せざるを得なかった)サクラ祭りを「サクラの咲いていないサクラ祭りなんて、めったに経験できる機会はない」とヘソ曲がりな動機で自宅近くの2会場をハシゴしてきたのは前回までに書いた通り。

3月29日に開花すれば満開になるのは4月4日か5日当たりになる。しかし4月1日の夜に天気予報を見ると、どうも今年のサクラは天候に恵まれないようだ。晴れマークが付いているのは4月2日と6日しかなく傘マークのほうが多い(>_<)

週間予報

本当は6日と7日の土日にのんびりとサクラ三昧をしたかったが、この時点で週末6日の晴れマークも当てにできないし、とりあえず雨の降らない2日にも見ておくかと外出の途中に時間をやりくりして訪れたのが妙見坂のしだれ桜。

ちなみに6日&7日には某所と某所にあるしだれ桜2カ所と、某所の川沿いのサクラを見に出かけるつもりだった。だから妙見坂は今年のメインイベントに入っていなかった補欠候補。しだれ桜があるところをあれこれ探していて見つけた。

そしてこのブログを書いている本日4月6日は晴れマークが消えたこんな天候で、
2日にサクラを見てきたのは正解。
本日の予報


場所は2021年にサクラを見に訪れた大田区にある池上本門寺の隣。本門寺の塔頭(たっちゅう)である昭栄院の境内に妙見堂というお堂があり、そのお堂に至る坂が妙見坂。

なお塔頭(たっちゅう)とは本来は大きな寺の高僧のお墓。その高僧を慕ったり墓を守るために弟子が墓の周りに住むようになり、それが転じて大きな寺の敷地内や近くにある付属の小さな寺を意味するようになる。



五反田から池上線に乗って20分ほどで池上駅に到着。
駅ビルは2021年にオープンしたエトモ池上。
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前回に来たときから、駅名の隣に池上本門寺の表示があるのはいかなる理由・いきさつなのか気になっている。池上は単に地名だが、同じ東急線で九品仏駅なんてお寺の名前が駅名なっているのにこんな表示はない。
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駅から100メートルほど離れた交差点は五叉路。そのひとつがこの本門寺通りで商店街にもなっている。もっとも地元の人が日常的に買い物をするようなお店はあまりなく、参拝客向けにお店が並んだ成り立ちのように思う。
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いくつかあるレトロな雰囲気のお店は前回来たときからまったく変わっていない。
おそらくこれからも変わらないはず。
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写真奥の突き当たりを右に曲がると本門寺に至る道路に出るのだが、
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その手前で「参道はこっち」と主張している路地があったので、
そちらを進む。
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路地を抜けて左を向き正面に見えているのが池上本門寺。
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世田谷区内が源流で、目黒区から大田区と流れる呑川(のみがわ)を渡る。
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池上本門寺の総門。
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総門とは寺の正面玄関のような存在。大門あるいは南側に造られるから南大門ともいう。対して山門はここから先は神聖なエリアだと示す門。金剛力士像が置かれていれば仁王門と呼ばれる。小さい寺だと総門と山門は共通。


池上本門寺には入らず右に進む。
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朗子(ろうし)会館、池上会館と会館の多い通り。
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人名で朗子だと「さえこ」「あきこ」「ときこ」などになる。
この朗子会館の名前由来を示した資料は見当たらなかったが、「朗」には「朗(ほが)らか、明るい」の意味がある。池上本門寺は合唱団、鼓笛隊、ボーイスカウト、体操クラブなど青少年向けの活動を「朗子クラブ」と名付けており、「ほがらか、明るい」子供に育って欲しいとの意味が込められているのかと思う。


池上会館の横を抜けると昭栄院が見えてきた。
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正面は呑川沿い。
実は先ほどの呑川の写真にも昭栄院は写っていた。
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昭栄院は小寺院だから総門を兼ねた山門。
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説明が充実。
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こぢんまりとした佇まい。
庭の手入れはとても行き届いている印象を受けた。
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山門をくぐって左にはベニハナトキワマンサク。
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花色がマンサクは黄色、トキワマンサクは白、ベニハナトキワマンサクは濃いピンクであるが、白のトキワマンサクはあまり見かけない。ベニハナトキワマンサクが紅花を省略してトキワマンサクと記される場合も多い。


右にあったのは印象的にはツバキに思えるものの、
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花の形が丸くて初めて見るタイプ。
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調べてみるとこれはカイドウツバキ(海棠椿)というベトナム原産の品種。ツバキは冬に咲くから南国ベトナムは想像しづらいね。別名はベトナム椿ともいい、かつてはベトナム王家が門外不出としていた幻の花なんだそう。日本に入ってきたのは1990年代といわれる。



そして昭栄院の横の路地にありました!しだれ桜。
奥の階段が妙見坂。
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そこそこのサイズで期待通りに満開。
(しだれ桜はソメイヨシノより早く咲く品種が多い)
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電信柱を避けて撮りましょう。
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かなり高い位置で咲いており私の持っているレンズではこれで精一杯。
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お寺の屋根と一緒に。
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ふと振り返ると昭栄院の庭からいろいろ突き出している。
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こちらは花の形が普通でも、とてもビビッドな色のツバキ。
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ベニハナトキワマンサクは実をつけていた。
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これはハナズオウ。
まだほとんどツボミでも色は濃い。
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しだれ桜の淡いピンクとフワフワ感を背景に眺めるとキレイだった。
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もう一度しだれ桜を仰ぎ見て、
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さて登りますか。
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1/3のところにある踊り場から見下ろす。
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同じく見上げる。
それにしても階段途中の広くなったところがなぜ踊り場の名前なのだろう?
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2/3を登った踊り場から。
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登り切った。全部で111段!
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ところで路地に入ったときから気付いていたけれど、妙見坂のしだれ桜は昭栄院の敷地にある1本だけだった(/o\) ネットで見つけたサイトで何枚かの写真を見たのは、しだれ桜が何本かあるのではなく、1本の桜の別カットだったとのオチ(^^ゞ


気を取り直して妙見堂。
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樹老人は七福神のひとつ。一般的には寿老人と書く方が多い。
ひょっとしたら樹老人はここだけかも知れない。
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七福神は弁財天、恵比寿、大黒天、毘沙門天、布袋、寿老人、福禄寿。しかし寿老人と福禄寿は知名度が低いかな。ましてや樹老人は超マイナーな存在。


これは第二次世界大戦の後、シンガポールのチャンギーで開かれた軍事裁判でBC級戦犯として処刑された人の慰霊碑。昭栄院の以前の住職が処刑に立ち会った縁でここに建立されたみたい。
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ところで戦争犯罪人と聞くと東条英機ら28人が裁かれ、うち7名が死刑となった極東国際軍事裁判(通称は東京裁判)が有名。A級戦犯との言葉もよく聞くから、BC級戦犯はそれより軽い罪に思えるがそうではない。

BC級戦犯はA級戦犯よりはるかに多い約5700名が起訴され、そのうち約1000名に死刑判決が下されている。起訴されて死刑になった率は東京裁判が25%で、BC級戦犯が18%だからそれほど大きな違いはない。なおBC級戦犯は横浜とマニラなど世界49カ所の軍事法廷で裁かれた。チャンギーもそのひとつで処刑者数は129名。

さてABC級戦犯とは連合国によって布告された戦争犯罪類型の区分である

    A項:平和に対する罪
    B項:通例の戦争犯罪
    C項:人道に対する罪

のどれで有罪になったかを意味している。

区分としてはABCと「項」なのに、戦犯すなわち人物を示すときにABCの「級」に言い換えられる理由はよくわからない。どちらも死刑があるから量刑に差はないのに「級」と書くとレベルの違いのように思えてしまう。

裁判の根拠法となった国際軍事裁判所憲章(Charter of the International Military Tribunal)を読むと「項」については (a) (b) (c) と括弧付きで書かれているだけ。戦犯をどう表現してるかはよくわからなかった。英和辞書でA級戦犯を引くと class-A war criminal が出てくるが、国際軍事裁判所憲章にその表現はなく、これは日本語表現のA級を英訳したような気もする。

もっとも第二次世界大戦がかつてないほど大規模熾烈なものであったため、戦場における「B項:通例の戦争犯罪」だけではさばききれず、戦争指導者に対する罪として「A項:平和に対する罪」が設けられたので、A級戦犯のほうがより罪が重いとの見方は必ずしも間違いではない。またA級戦犯として処刑された7名はB項でも有罪になっている。

裁判で有罪となった戦犯が「殉難」かどうかは素直に受け入れられない部分もあるものの、もはや戦後79年、ここは素直に合掌。



そこそこ大きな木。
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幹はこんな感じ。そして黙ってこれにしばらく抱きついているオバチャンを二人見た。
何かスピリチュアルな儀式なんだろうか? ひょっとしてこれは「樹」老人の化身?
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他には特に撮る風景もないので妙見堂の窓ガラスでも(^^ゞ
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妙見堂まで階段を上がって、ここが池上本門寺の墓地エリアとつながっているとわかった。それで予定には入っていなかったが、このあと本門寺も少しブラブラ。
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2023年03月27日

今年こそ六義園でしだれ桜

東京で最も美しくて、かつサイズ的にも見応えのあるしだれ桜は、文京区は駒込にある六義園のものではないかとしばらく前に知る。それなら是非にともと思ったものの、昨年はコロナ規制で都立庭園は3月21日まで閉鎖。その規制解除は突然だったので、スケジュールの調整ができたときには既に散り始めだった(/o\)

ならば今年こそはと六義園の公式Twitterをフォロー。

  3月14日(火) 3分咲き
  3月15日(水) 5分咲き(5分より咲いているかも)
  3月16日(木) 見ごろです! 

の情報をキャッチする。
それにしても3分咲きから見頃まで2日間と早くない? 営業促進ツイートの疑いあり?
しかし翌日17日(金)にSNSをあれこれチェックして満開であるのを確信。

ただし天気予報は

  18日(土)    雨のち曇り
  19日(日)    晴れ
  20日(月)    晴れ
  21日(春分の日) 曇り時々晴れ

だった。これではただでさえ混雑するのに、19日の日曜日は激混みが予想される。21日も祝日とはいえ、やはりサクラは青空の下で見たい。え〜い、3連休にしちゃえ(^^ゞ ということで3月20日に六義園を訪問。この日は天気がいいばかりではなく、最高気温19.2度のポカポカ陽気にも恵まれた。



皇居のある千代田区の北隣が文京区。
六義園(りくぎえん)は文京区でも一番北側にある。
文京区


山手線の駒込駅で下車。
隣駅はオバアチャンの原宿として有名な巣鴨。
なお駒込は豊島区になる。六義園の所在は正確には文京区本駒込。
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駅を出るともう六義園が見えている。信号の向こうにあるのは染井門という出入り口。普段はこの道路(本郷通り)をもう少し進んだ正門しか開いていないが、しだれ桜の時期は駅近の染井門も開放される。ありがたやーーーと思っていたのだが(後述)。
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平日なのになかなかの人出。
写真では見えない右側の道路の奥まで行列は延びている。
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この不思議な光景な何かというと、事前に入場券を買っている人は真ん中の通路から中に入れる。並んでいるのは入場券を買うための行列で、門のところで折り返しているからこちらを向いている人がいる。
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図で説明すると
行列

私は事前にオンラインで購入していたので真ん中の通路からスイスイ入場。公式Twitterによると入場券購入は30分ほどの待ち時間だったようだ。

上の写真で真ん中の通路がガラ空きなので分かるように、事前に入場券を買っていない人のほうが圧倒的に多い。オンライン購入なら2分ほどの手間、行列は30分。この違いは大きい。またオンラインがいやならコンビニでも入場券は買える。こんなことはちょっと調べれば分かるのに、どうして現地窓口で買おうとするかな。情弱という言葉は嫌いで使いたくないものの、もっと要領よく行動しましょう皆さん。

赤と青のテープの間が、事実上VIP待遇になっている事前購入者用の入場レーン。
オンライン購入はメールで送られてきたQRコードをスマホで見せる方式。
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染井門を入ってすぐの所に、しだれ桜への道案内はなかったように思う。
多くの人が向かっているので、それについていく。
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途中でたくさん咲いているツバキなど見ながら、
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道は続く。
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ここでふと気づいた。
染井門、正門、しだれ桜の位置関係は下のようになっている。
正門から入ったほうが近いやん(^^ゞ
六義園マップ1

染井門を開いたのは、入場者を正門と二分して混雑を捌きたかったのね。
まあそれも親切と言えなくはないか。


少しわかりにくいが、前日の雨でぬかるんでいたのでシートが敷かれていた。
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いよいよしだれ桜が見えてきた。
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ーーー続く

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2023年03月14日

林試の森で河津桜 2023

東京では本日、サクラ(ソメイヨシノ)の開花が気象庁から発表された。統計を取り始めてからは最も早く、平年より10日早く、また全国で最も早い開花発表だそうだ。とはいっても2020年、2021年も開花発表は3月14日であり、この4年間で3回が本日なのだから、それほど早いとは感じない。昨年は3月20日だった。

参考までに平年値とは過去30年間の平均値。ただし平均値がアップデートされるのは10年に1度で、西暦年4桁の「1の位」が「1」のときに実施される。だから直近で改訂されたのは2021年。

ちょっとややこしいが

   2011年から2020年の平年値=1981年から2010年までの平均値
   2021年から2030年の平年値=1991年から2020年までの平均値

となる。つまり2020年に平年値というと、39年前の1981年から10年前の2010年の平均値なのに対し、翌2021年に平年値といえば、30年前の1991年から1年前の2020年の平均値となる。対象となる期間の古さがけっこう違うのだ。

どうして毎年アップデートして、
単純な過去30年の平均値にしないのかは知らない。
そのうち調べましょう。



さて東京でメジャーなサクラ品種の咲く順番はおおよそ、

  ↓カンヒザクラ 寒緋桜

   カワヅザクラ 河津桜
   ヒガンザクラ 彼岸桜

   シダレザクラ
   ソメイヨシノ 染井吉野
   オオシマザクラ 大島桜

   ヤエザクラ 八重桜
   ヤマザクラ 山桜

となる(と思う)。

ソメイヨシノがサクラの代表品種だから、それを基準に早咲き、遅咲きにも分けられる。早咲きでもっともポピュラーなのは河津桜だろう。

発祥の地である伊豆の河津町を訪れたことはないものの、それでも各地の河津桜名所はいろいろと巡り歩いてきた。ところが2019年に自宅近くの林試の森公園に河津桜があるのを発見。まさに灯台もと暗し。それ以来は毎年ここで河津桜を眺めるのを楽しみにしている。


このブログでは何度も登場している元林業試験場の林試の森公園。
今回訪れたのは3月4日。
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公園に隣接していた団地が取り壊されて更地になっている。
相当に広い敷地だからタワマンでも建つのかな。
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西門から入ってすぐの所。
何気なく見上げたら、
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この木はサクラだった。
河津桜でもソメイヨシノでもないのは明らかだが、品種名の表示はなかった。
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その先にあるのは「大きな広場」と芸のない名前をつけられた場所。
写真左側に植えられているのはソメイヨシノ。
満開の様子はここをクリック
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広場の右側にはプラタナス並木がある。
ここのは新宿御苑のゴツゴツしたプラタナスとはずいぶんと姿が違う。
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いつもの橋を渡って、
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いつものように池を眺めて、
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少し進むと河津桜が見えてくる。
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河津桜が植えられているのは芝生広場と呼ばれる場所。とはいっても、夏になればごく薄〜く芝が生えている程度で、現状はほとんど土。

芝生広場の南側の河津桜。
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北側。
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メインの西側。
なぜか真ん中の木だけがやや葉桜状態。
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何度も来て、いつも同じような写真だけれど、
とりあえず満開のお花見気分を味わってちょうだい。
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お約束の逆光写真。
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これは逆光ぽくないけれど、
逆光じゃなければ花びらに大の字のような模様は浮き上がらない。
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ピンクの花が咲いてこそのサクラで、
だからソメイヨシノがあまり好きじゃない私の気持ちを分かってもらえるかな。
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南側の河津桜を背にして芝生広場の全景。
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ツバキとサザンカは花の形では見分けが難しいが散り方が違う。花ごとポトンと落ちればツバキで、花びらがバラバラに散ればサザンカ。
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まだ何も落ちていないぢゃないか(^^ゞ
でもツバキだと思う。
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ツバキは何となく冬の花のイメージがあるものの、品種によって咲く時期にかなりの開きがある。ツバキの開花時期として「11月〜12月」または「2月〜4月」と記している園芸本もあるくらい。
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これは春咲きのツバキのようだ。
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満開の河津桜を楽しんで10日経った本日の帰りに、
また林試の森公園に立ち寄ってみた。

花のまま落ちているからやはりツバキ。
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そして満開!
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河津桜はというと10日ですっかりーーー
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まさに花の命は短くてである。
しかし今年もしっかり満開の姿を見られたのだからシアワセ。

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2021年04月17日

日比谷公園でネモフィラとチューリップ

銀座方面へ出かけたついでに日比谷公園でネモフィラとチューリップを見てきた。ちなみに地下鉄で日比谷は銀座の隣駅。訪れたのは4月7日である。


日比谷の交差点。
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丸の内方向に見る皇居のお堀。
この光景は東京の中でも抜群に美しい。
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霞ヶ関方向。
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お堀の主みたいなヤツがいた。
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こちらが日比谷公園。
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銀座方面を眺めながら交差点を渡る。
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この場所が国道1号線という認識はあまりないなあ。
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日比谷公園に入る。
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皇居と日比谷公園の位置関係ね。
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入ったのは案内図の右上・現在地にある有楽門。有楽町に一番近いからその名前なのだろう。ネモフィラとチューリップは公園のほぼ中央、第二花壇の左側にある。
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有楽門を入ってすぐのところにある小径。昨年の12月にはここで紅葉を見た
右側の石垣で高くなっているところを登ると、
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心字池を上から眺められる。
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心字池とは「心」の文字を形取った池で日本庭園でよく見られる。しかし以前にその形を調べたら驚愕の事実を発見した(ちょっと大げさ)。


奥に進んで石垣から降りるとツバキが咲いていた。
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ツバキって冬のイメージがあるが、品種によっては春遅くまで咲いている。
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でもこんな明るい雰囲気はあまりに合わないかも。
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噴水広場に到着。
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噴水があればシャッタースピードを速めて、しぶきの一瞬を捉えないと気が済まない。
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噴水の右側に建っているのが帝国ホテル本館で、
その後ろの少し背の高いビルがタワー館。
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タワー館を2024〜30年、本館は2031〜36年の予定で建て替えることが3月25日に発表された。本館の竣工は1970年、タワー館は1983年である。それぞれ51年と35年前。このクラスのホテルでさえそうなんだから、日本の建築物の寿命って本当に短いね。




噴水のすぐ隣にネモフィラ。
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ネモフィラを見るのは2年ぶりかな。可憐を絵に描いたような姿をしている。ここの規模はたいしたことないけれど、都心で見られるだけで儲けものと考えましょう。
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雄しべの先が黒い点になっていて、風に揺れるとそれが目や口に見えて、ネモフィラが喋ったり笑っているように思える時がある。長く見つめていると危険な花(^^ゞ
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ネモフィラの隣にチューリップが続いている。
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ーーー続く

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2015年03月18日

神代植物公園で梅

谷保天満宮の梅園はなかなか良かったが量的に物足りなかったので、
梅の名所をもうひとつハシゴすることにした。
この近辺で思い浮かぶのは、

   昭和記念公園
   府中市郷土の森博物館
   神代植物公園

マップ


府中市郷土の森博物館の梅は見たことがあるので今回はパス。
iPhoneを使ってネットで調べると

   昭和記念公園:300本
   神代植物公園:214本で、うち梅園内に180本

という情報。本数は昭和記念公園が多いが、神代植物公園のほうが一箇所にまとまって植えられているみたいだ。あの広大な昭和記念公園を歩き回るにはもう遅かったので、神代植物公園に行くことにした。こちらもかなり敷地は広いが。


谷保天満宮をでたのが午後2時頃。45分くらいで神代植物公園についた。
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ところがバイクを駐めてヘルメットを脱いだまさにその時、パラパラと雨が降り出した。雨粒はとても小さくごくごく弱い雨。iPhoneで雨雲レーダーを確認すると神代植物公園上空には雨雲の表示なし。でも西の方は雨が降っている模様。まだ少し離れていたから梅を見ている間は降ったとしても弱い雨だろう。バイクのジャケットは防水だし帽子も持ってきているので傘はなくても大丈夫。でも帰りに本降りになったらイヤだ。

少し考えたが、もし本降りになりそうなら、梅園に着く途中でも(入場口は梅園からいちばん離れた場所にある)引き返すことにして公園に入る。途中で引き返せば入場料500円が無駄になるが、谷保天満宮はもちろん無料だったので、2箇所で割ればたった250円だと訳のわからない理屈で自分を納得させる。



梅園に行く前にバラ園に寄り道する。
その中心にある噴水。
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もちろん今頃にバラは咲いていないが、
この季節のバラがどんな状態になっているのかに興味があったから。

枝はかなり刈り込んである。
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柵に這わされているツルバラにはほとんど枝なし。
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バラを見に来る時は花にしか目がいかないけれど、
引っかけたら痛そうなトゲがしっかり。
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噴水の向かいにある温室は来年の春まで大規模改装工事中。
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バラ園でブラブラしているうちに雨はとりあえず上がった。

梅園へ向かう途中の風景。
まだまだ冬の景色である。
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やがて冬景色の先に、そこだけが春のような梅園が見えてくる。
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黄色い花の木が1本あって、いい色のバランス。
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サンシュユと発音しにくい木だった。
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階段を降りて梅園の中に入る。谷保天満宮は落ち着いた感じの梅園。こちらはワーッと元気よく咲いている感じ。どちらがいい悪いということはないにしても、神代植物公園の方がテンションは上がる。
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谷保天満宮と較べると花数が多いのが、元気よく感じる理由かも知れない。
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特に構図などは考えず目に写るものを撮っているだけだが、谷保天満宮との雰囲気の違いは意外と写真にあらわれるものだと感心する。やっぱりビジュアルの情報量は大きい。文章だけで両者の梅の違いを説明するなんて無理。



梅園の奥にも別の黄色の花が咲いていた。
梅の木とは少し離れていて一緒に眺められないのが残念。
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マンサクの仲間でアーノルド・プロミスという名前がついている。
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でも錦糸卵にしか見えない(^^ゞ
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道を挟んで右側が梅園で、左側がツバキ・サザンカ園。
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境目に植えられている白い木はサルスベリ。
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本当に猿も滑るくらいツルツルだった。
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ツバキというとこういう赤い花しか思い浮かばないが、
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黙って見せられたらバラと思ってしまうような花もあった。
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まだら模様のツバキ。
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こちらは葉っぱが斑入り(ふいり)=まだら模様。
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もっといろいろな種類のツバキがあったが、
きれいな状態で咲いているものが少なく写真に撮ったのも少なめ。


上に貼った花は葉っぱのギザギザが小さいからツバキのはず。サザンカはもうシーズンオフかな。でも両者はとても似ているからネームプレートには名前だけでなく、ツバキかサザンカのどちらなのかの区別も書いておいて欲しいな。


ーーー続く。

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2014年12月06日

三渓園の紅葉

12月に入ったこの最初の週末は真冬並みの寒さ。遠出しなくてどこかいいところはないかと考えて、思いついたのが横浜は本牧にある三渓園(さんけいえん)。
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ここはちょっとユニークな日本庭園。簡単にまとめると

  明治時代の実業家である原富太郎の自宅跡。
  日本各地から古い建物が移築・保存されている。
  全部で17ある建築物のうち9つが国の重要文化財に指定されている。

原富太郎は生糸貿易で財をなした人物。先日、世界遺産になった富岡製糸場のオーナーだった時代もある。ここの地名が三之谷で三渓と名付けたらしい。彼自身も号(ペンネームみたいなもの)として原三渓とも名乗っている。

広さは17.5ヘクタール。日本じゃ面積の単位として使われる東京ドームが4.7ヘクタールだからドーム3.8個分。坪に直せば5万3000坪。ちなみに彼の養祖父(富太郎は養子だった)である原善三郎の自宅は9.1ヘクタールあり、その跡地は横浜の代表的な公園のひとつである野毛山公園になっている。ジイちゃんと孫で併せて横浜に26.6ヘクタール!こういうのを華麗なる一族というんだろうな。

財閥としての原家はその後衰退していったようだが、関東大震災後の復興事業であったホテルニューグランド創設にも原富太郎は主導的な役割を果たし、現在のホテル会長は原富太郎から数えて3代目の原家当主がつとめている。ちなみにホテルニューグランドは山下公園に面していて、その山下公園も関東大震災で出たガレキで海を埋め立てた造成地=復興事業だった。




朝は寒いし、そんなに遠くないから出発は12時頃。
第三京浜〜首都高で新山下まで行き1時間ほどで三渓園到着。

三渓園の駐車場はあまり広くない。クルマが数台順番待ちをしていた。
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駐車場の中にある数台のバイク置き場は埋まっていたので、ガードマンにどうすればいいか尋ねると、ここに駐めろと入り口のそばにカラーコーン(赤いやつね)を置いて場所を作ってくれた。そこで革ジャンを脱いだりしてしていると公園の中から職員がやってきて「お客さん、ここはーーー」と困った口ぶり。ガードマンに指示されたというと、ああそうですかという返事。三渓園では職員よりガードマンの方がエラいみたい。
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入ったところにある案内地図。
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方位は右に90度回転していて左側が南。三渓園は大きく3つのブロックに別れている。まず池の周り。それからちょうど地図で影になっている敷地の上側が内苑と呼ばれる。ここは自宅として使われていた時代は原家のプライベートゾーンだったエリア。それ以外が外苑。三渓園はいわゆる公園になってから一般に解放されたのではなく、自宅であった当初から横浜市民に楽しんでもらおうと作られた、いってみれば自宅兼日本の伝統建築のテーマパークみたいな存在。原富太郎は関東大震災後の横浜復興にかなりの私財を投じたことでも知れられる篤志家。孫さんや三木谷さんもこういうスケールの大きな人物になって欲しいね。



大池と呼ばれるまさに大きな池。
背後に三渓園のシンボルである三重の塔が見える。
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松とツバキ。
気温9度くらいでバイクで高速を走っている時は寒かったが、快晴で日差しがあって三渓園では寒さを感じず。
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園内では結婚の記念写真を撮っているカップルが多かった。10組近くはいたように思う。しゃがんでいるのがカメラマンでその隣が助手。打ち掛け姿の女性がいると周りの雰囲気がとても華やぐ。
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大池の横を歩いて最初にある建物のほうに行くと残念ながら
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入れなかったのは鶴翔閣(かくしょうかく)という原富太郎の自宅だった建物。床面積950平米の大豪邸。
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茅葺き屋根の昔っぽい作りなのに、入り口のところは上部がせり出しているから車寄せになっているのだろうか。いわゆる普通の古民家では見たことがない建築デザイン。
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鶴翔閣と大池の間には睡蓮池という池が設けられている。全景は見えなかったが大きな家だというのは遠目にもわかる。ちなみに当時は女中が50名ほどいたらしい。
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鶴翔閣は内苑とは独立した分類らしく、
鶴翔閣から離れてしばらくすると内苑の入り口がある。
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御門という立派な門構えをくぐる。
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くぐったところから紅葉越しに三重の塔が見えた。
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池と芝生の前庭付きの建物は臨春閣。3つの建物が雁行して並んでいる。臨春閣は桂離宮と並ぶ数寄屋風書院造りの名作といわれている。もっとも数寄屋風書院造りという言葉はよく聞くが、どういうデザインを指しているのか具体的には知らない。でも美しい建築だということは見ればわかる。
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横に回って臨春閣を眺める。
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この臨春閣は大阪から運ばれてきたものだが、

  秀吉が京都に建てた聚楽第の一部
  紀州徳川家の別荘だった建物

という2つの説がある。どちらがオリジナルにせよ原富太郎が購入した時は、大阪の此花区で会所(集会所みたいなもの)として使われていた建物。昔のいい建物はあちこちに移築して使い回すということをしていたのかな。


建物の中には入れなかったが、外から部屋の一部を見ることはできた。
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臨春閣を過ぎると少し坂を上っていく。階段の上にあるのが月華殿。伏見城にあった大名達の控え室として使われていた建物。
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関係ないけど紅葉を見に行くと、
緑のもみじもキレイだなと見とれてしまうのは私だけかな?
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とはいいつつ紅葉もしっかり堪能。
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聴秋閣(ちょうしゅうかく)
家光が二条城内に建て、後に春日局が譲り受けたとされる建物。この建物も京都の二条城から春日局の孫に当たる人物の江戸屋敷、明治にになってからは新宿にある公爵邸と、三渓園に来るまで3回も移築されている。
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四角ではなく斜めのラインがある珍しいデザイン。
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聴秋閣の先は、小さな渓谷を登って降りる遊歩道となっており紅葉がキレイだった。
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できるだけ人が入らないように写真は撮っているが、実際には紅葉の見物客が多い。ここは渓谷を登ってUターンする場所の橋。
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流れているのは小さな水の流れで、その左岸右岸では多少見える景色が違って楽しめる。これは下り方向の左岸から撮った聴秋閣。
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聴秋閣の周りはレッドオータムだが、次の春草廬(しゅんそうろ)に近づくとイエローオータムに景色が変わる。
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春草廬は信長の弟である織田有楽(うらく)が建てた茶室ともいわれている。
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天井の照明は後で付けたと思うけど(^^ゞ
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これは茶室に入る順番を待つためのものかな。
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屋根に積もったイチョウの葉っぱを撮ってみる。
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春草廬の後は再び赤、黄色、緑のミックスオータムな紅葉を眺め、ついでに竹林を見て、秀吉が母親のために建てたお堂の横を通り、海岸門という門をくぐって内苑見学が終了。
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ーーー続く

wassho at 22:04|PermalinkComments(0)