ラン

2020年03月01日

世界らん展2020 その7

さて、そろそろ帰ろうかと思った午後5時半頃に「6時より照明を落として展示をライトアップします」というようなアナウンスが流れる。せっかくだから、それを体験してから帰ろうかと。


照明が落ちた会場。
なかなかいい雰囲気である。
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ただし大型の創作展示はライトアップの光量も大きいので、照明が明るい時とあまり変わらず写ってしまう。
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ランの花を観賞するにはまったく支障がない。
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展覧会の当日券は2300円で、午後5時から入場できるナイト当日券は1200円と約半額。展覧会は午後9時までやっているから(そうじゃない日もある)、ナイト券のほうが圧倒的にお得。午後5時に入って照明が落ちるまでに「鉢ごとの単体展示」を鑑賞して、暗くなってからそれ以外の展示を巡り歩くのがいいと思う。


これは100万輪のラン(オンシジュウム)で作られているというシンボルモニュメント。桜蘭(おうらん)と名前が付けられていた。でも桜蘭(さくららん)というランとは関係ない別の品種の花があるんだけどな。
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照明が明るい時の様子。
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こういうのはライトアップがバエる。
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「蘭舞」の展示から。これはなかなか幻想的でイイ感じだった。
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下から照明を当てたら怖いヤロ!
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もう少しすればレーザー光線のショーなども始まるようだったが、
待ちきれずに帰ることに。
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チェロのコンサートをやっていた。
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いろんなゲストを呼んで30分ほどのステージを1日に数回やっているみたい。1日券チケットを買うなら、そのステージも選んだ上で会場に来るといいかもしれない。それなら半日遊べる。



話は変わるが、
前回のエントリーでコロナウイルスで入場者が減っているのかもと書いた。それで過去の記録はどうなっているかと調べてみるとビックリの事実が。

元々は世界蘭会議という研究発表と展示評価を3年に1回行うイベントがあった。その12回大会が日本で開かれたのが1987年。その展示会が当時の向ヶ丘遊園で行われ、主催者予想の25万人を大幅に上回る40万人を集客する。

それに気をよくして(^^ゞ世界蘭会議から展示評価を切り離して拡大させた“Japan Prize 蘭 International Orchid Show”として東京ドームで開催されたのが1989年。これが世界らん展の実質的な前身とされる。

そして1991年から2018年まで開催されたのが「世界らん展日本大賞」。2019年からは「世界らん展−花と緑の祭典−」に名前が変わって現在に至る。

というわけで30回以上の歴史を持つイベントであるが、その入場者数は近年になって大幅に減少している。
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これが営業成績ならクビ間違いなしのグラフになってしまった(^^ゞ

一目でわかるのは(クリックでグラフは拡大できる)2009年に39万人もあった入場者が2010年には20万人とほぼ半減していること。いったい何が起きたのだろう? こんなに減らすのは逆に難しいと思うけれど。そして、その半減のせいで目立たないが、2018年は12万人弱と、2009年から半減した2010年の20万人と較べて58%に減少している。

場所は2回目の1989年からずっと東京ドーム。開催期間は1995年から2015年までが9日間で2016年からは7日間になり、2019年からは8日間に。展示株数は2004年から10万株。つまり規模的には40万人以上の集客があった時から変わっていない。2000年しか調べていないが当時の入場料は2000円だったから、現在とほぼ同じ。

しかしこういうイベントって半減の半減して1/4しか人が来なくてもやっていけるのか。だとしたら楽な商売。基本的にスポンサーフィーだけで経費はペイしているのだろうけど。

もっとも2018年から2019年は11万8827人から13万6236人へと15%増加している。長期低落傾向に歯止めがかかったのかも知れない。しかし今年はーーー(本日現在、まだ発表はない)。いろいろなイベントやスポーツ大会が軒並み中止になっているし、学校閉鎖で仕事ができなくなる人もいて、コロナウイルスは健康被害より経済被害のほうが大きいような気配が濃厚である。



東京ドームを出たのは午後6時半過ぎ。
ナイト券で入る「わかってらっしゃる」皆さん。
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4時間くらいの滞在だった。花いっぱいの東京ドームをウロウロできて満足。ネットで調べると毎年似通った展示のようだから、4年に1回くらいでまた来てみようかな。その時も続いていますように(^^ゞ


おしまい

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2020年02月29日

世界らん展2020 その6

なぜかタニク・ファンタスティックというサボテンや多肉植物の展示コーナーがあった。近年は人気が上昇しているから集客の相乗効果を狙ったものなのか。

でもサボテンは、とりあえず並べました的で物足りない。
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これくらい気合いの入った展示をズラッと見たいもの。
もっともこれはサボテンじゃなくて多肉植物。
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植物学的にはサボテンは多肉植物の一部。でもガーデニング的には何となくサボテンはサボテンで、サボテンを除いた多肉植物を多肉植物と分類しているような気がする。

多肉植物は寄せ植えすると魅力が倍増する。
自宅には現在6つしかないけれど、いずれこの沼にはまるんだろうな(^^ゞ
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ちゃっかり即売会もやっていた。
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多肉植物の隣にコケの販売コーナー。
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鉢の付属物じゃなくて、コケをメインに鑑賞するガーデニングもある。
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盆栽の展示コーナー。世界らん展は何でもありみたい(^^ゞ
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見事としかいいようのない盆栽もいくつかあった。
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盆栽業界は「海外ではすごく人気が高まっているのに、日本では愛好者が減るいっぽうだ」といつも嘆いている。そりゃ海外では先入観なしに評価するけれど、国内ではどうしても古くさい、年寄り臭いというイメージがついて回るから仕方ない。ワールドミュージックと同じようなもので、世の中にこんな新鮮な音楽があったのかと思っても、その発祥国では古くて見向きもされていない場合もある。ひょっとしたら日本の民謡や演歌は海外のほうがマーケットが大きいかもよ。

それはさておき盆栽は、たとえばコンプリート打ちっぱなしの壁の前に置くだけでずいぶんとイメージが変わる。前回のエントリーで紹介した、小道具を生かしたフラワーアレンジメントのような世界もありだと思う。そういうことがわかる感性を持った人が盆栽業界にあらわれて、このユニークな園芸技術がなくなりませんように。

なお私には、夏なら1日に2回も水やりをしなければいけない盆栽は無理(^^ゞ



何でもありの世界らん展には、オネエタレントのIKKOのコーナーまであった。
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ランとはまったく無関係な展示で、着物と化粧品がディスプレイされていただけ。まあ着物の後ろにランの花もあるにはあったが。タレントを出しておけば人は集まるだろうという、こんな安直なやりかたじゃこの展覧会の先は長くないかも。



最後に物販ソーンへ。

お約束の公式グッズの他に、花の絵画や、ステンドグラスやオバチャンアパレルみたいなお店なども。
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もちろんメインはランの花や株の販売。
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買うつもりはまったくなくてもブラブラ見て歩くのは楽しい。
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水苔で巻いたりポットに入っていたりと売り方も様々。
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ところでけっこう賑わっていたのに、
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こんな表示が目立った(/o\)
ちなみに会期はあと2日残っている。
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やはりコロナウイルスの影響で入場者が少ないのかな。展覧会全体はけっこう空いていて余裕を持って眺めることができた。しかし例年の状況を知らないから何とも判断できない。それになんたって野球場のグランドで開催しているのだから(1.3ヘクタールある)、人混みというような混雑にはならない。

でも影響がないと考えるのは無理があるだろう。
しかし会期がもう少し先なら開催中止もあり得たのだからセーフだったとすべきか。
とにかく関係者の皆さんへはご愁傷様。


ーーー続く

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2020年02月28日

世界らん展2020 その5

「大規模な創作展示」の次は「小規模な創作展示」のブロックを歩く。


まずはハンギング・バスケットのコーナー。
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こんなにたくさん並んでいるのを見るのは初めて。壁から花が飛び出してきている感じがダイナミックで見応えがあった。
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わかる人はほとんどいないかも知れないがトレンツ・リャドの絵を思い出す。
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女性駐日大使のテーブル・ディスプレイというコーナー。写真を撮った3カ国以外にヨルダン、ソレト(アフリカ南部の国)アイスランド大使の作品があった。
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メキシコが合衆国というのは知らなかった。調べてみると、現在、合衆国と名乗るのはアメリカとメキシコの2国。もっとも合衆国と連邦は呼び名の違いであって意味の違いはない。ちなみに国名に連邦の入る国は意外と多い。アラブ首長国連邦なんかはフルネームで暗記しているが、ドイツ連邦共和国、スイス連邦、ブラジル連邦共和国などは聞き慣れない感じ。


大使を閣下の敬称を付けて呼ぶのは儀礼的には正しい。しかし一般的にはあまり使わないし、何か仰々しい感じで、こんなフラワーフェスティバルには似合わない。普通に〜〜大使でよかったんじゃない? ちなみに2018年のデータでは日本には160の大使館があり、そのうち駐日大使が女性なのは22カ国らしい。
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話が脱線したが、ほとんど普通のフラワーアレンジメントだから、気合いの入った作品に溢れている会場にあっては少し見劣りするのは仕方ないところ。もっとも聞くところによると、大使は監修や立ち会い程度で実際はプロが制作しているらしいから、素人ぽくアレンジするのに苦労したのかも(^^ゞ 夏休みの自由研究を手伝う親みたいに。



A4サイズくらいのフラワーアレンジメント。
ランがあまりメインじゃない気もするが。
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こういうのはなんて呼ぶのだろう。あれこれ小道具と組み合わせたフラワーアレンジメントが並んでいた。花だけのものよりやはりイメージが広がるかな。それと、そろそろ花ばかりを見るのに飽きてきた頃だったので、いい気分転換になった。
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フラワーアレンジメントというと西洋風とイメージしていたが、和風モダンテイストなものも多かった。昔ながらの生け花の弱小流派はもう衰退の一途だから、こういうスタイルを取り入れて差別化を図ればいいかもしれないと思ったり。


これはどこのコーナーか忘れたが単独で展示されていた作品。
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なぜかこの小さなランの花とセットだった。
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ーーー続く

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2020年02月26日

世界らん展2020 その4

「鉢ごとの単体展示」の次は「大規模な創作展示」のブロックへ。この名称は私が付けたもので、主催者パンフレットによれば、それぞれ個別部門とディスプレイ部門と呼ばれている。

どんなものかというのは、言葉で説明するより見ればわかる。
ドカーンとこんな感じ。
こういうビッグスケールのものを見たかったのよ\(^o^)/
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テーマ設定に工夫を凝らしたものもある。
私の葬式はこんな感じにしてもらおうかな(^^ゞ
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ところでこの展示は富士山と橋で絵のようになっているけれど、冷静に眺めれば花はただ整頓して並べてあるだけ。ある意味、センスや工夫いらず。基本のアイデアがよければ小細工は不要と見切ったところがスゴイ。
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水族館だったり建物だったり。
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和風テイストなものも多かった。
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ひときわ目を引いたのがこれ。
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創作展示はランの生産者や愛好団体などが制作している。こちらは主催者サイドの制作で作者は華道家の假屋崎省吾。どうして着物がメインになっているかというと、展覧会のスポンサーに三松という和装アパレルがついているから。いわゆる大人の事情ってやつ。
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草月流、小原流、池坊の生け花三大流派による展示。
写真だと地味に見えるが、小原流が意外とダイナミックでおもしろかった。
それと、どれも花数が控えめなのが興味深い。引き算の美学ってやつかな。
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これは乱舞と蘭舞のシャレがタイトルになっている。丸く作られた竹かごがグルグル回って舞いそうな気がしたから不思議。タイトルも作品のうちなのだと認識を新たにした。
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これもタイトルと展示内容がマッチしている。
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言葉のパワーを感じさせられたのが次の2つ。展示されているのはどちらも東洋蘭。はっきりいってほとんど馴染みのないランで、特にイメージは持っていない。

しかしタイトルに「元禄」「中國」という文字が見える。すると不思議なことに、元禄のほうは江戸時代の雰囲気があるように思えるし、中國のでは中国の古典音楽が聞こえているような気分になった(日本という文字もあるにもかかわらず)。演出によって人間の心理なんていかようにでも操れるね。
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大規模な創作展示ゾーンの光景。
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ランを楽しみながらミスターの顔も拝めるのが東京ドーム。
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これだけでいくらするか?なんて計算をしてはいけません(^^ゞ
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ところどころ切り抜き的に。
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ーーー続く

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2020年02月24日

世界らん展2020 その3

ランに山ほど品種がある事は前回にも書いた。それは植物学的な話で、(日本で)園芸の大分類としては、まず東洋蘭と洋蘭に分けられる。東洋蘭は日本と中国に属するというような意味合い。原産地というよりは日中で昔から栽培されてきたというニュアンス。日本の場合なら明治維新より前を指す。

そして洋蘭は西洋産じゃなくて東洋蘭以外という分類だからややこしい。なおかつ洋蘭の原産地は東南アジアなど東洋も多いのに、それらは東洋蘭ではないという理不尽さ。これは明治になって西洋から入ってきたランを西洋蘭の意味で洋蘭と呼び、その反対語として東洋蘭という言葉もできた。でも洋蘭のオリジナルはヨーロッパじゃなかったと後で知ったといういきさつで整合性がとれなくなったようだ。なお洋蘭は熱帯・亜熱帯の植物である。


前回までに紹介したのはすべて洋蘭(のはず)。
そして次は東洋蘭(のつもり)。
詳しく調べたわけでなく展示場所の雰囲気で判断しているので違っていたらゴメン。


これらは長生蘭。
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ラン科セッコク属のラン。その東洋蘭がセッコクあるいは長生蘭で、洋蘭がデンドロビウムと呼ばれる。学術的な分類と園芸的な分類も重なり合うので、もはやランの品種ラインナップは絶望的に難解。もちろん同じセッコク属でも東洋蘭と洋蘭ではかなり違う。

そして見ての通り、洋蘭は花中心だが東洋蘭は葉や茎も含めて楽しむのが特徴。こんなのを育てていればグッと渋いガーデニングになる。


これは寒蘭。こちらは花がメインの東洋蘭。
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たくさんの東洋蘭を見たはずなのに、写真はあまり撮っていなかった。やっぱり地味なものにはカメラが向かないようで。もっと渋い大人にならないと(^^ゞ

というわけで再び洋蘭(たぶん)。
変わったもの中心で、前回の投稿に入れ忘れたもの。

スパイダーオーキッドとも呼ばれるブラッシア。
オレンジのものは珍しいみたい。
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マスデバリア。ナンジャコレ?大賞を進呈しよう(^^ゞ
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以下は名前がわからず。
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これは葉なのか花なのか? ナゾの生命体に遭遇した気分。
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名前がわからなくても美しいランは美しい。
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展示風景で。

これは東洋蘭の日本春蘭。
まとまっているとそれなりに見えるけれど、ひとつひとつは地味でしょ。
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こちらは単体でも紹介した長生蘭。
ところで東洋蘭は鉢にも凝るみたい。
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これは「えびね」という東洋蘭。
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洋蘭の華やかな世界がこっち。
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改めて眺めると胡蝶蘭はラン以外も含めて唯一無二の姿をした存在だとわかる。その高級さを支えているのはネーミングと前々回に書いた。ただし、それは誰でも一目でわかる差別性があってこその話。まさにマーケティングの見本みたいな花である。
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東洋蘭と洋蘭でシャッターを押す回数が違ってしまうのが
わかってもらえたかな?


ーーー続く

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2020年02月23日

世界らん展2020 その2

会場は「展示」「物販」「ステージや飲食などのその他」の3つのゾーンに大きく分かれ、その展示ゾーンは「鉢ごとの単体展示」「大規模な創作展示」「小規模な創作展示」「その他」の4つのブロックで構成されていた。

最初に見たのは鉢ごとの単体展示。
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ところでランというのはとても品種が多い。正確なところは不明だが、野生種だけで3万種で園芸品種は10万種以上とか。また植物品種の1割はランだと書いてあるものもネットで見かけた。ちなみにバラの園芸品種は4万種(野生種は200種ほど)、チューリップは5000種といわれている。

そしてランはいくつものグループに分かれており、それぞれのグループはまったく違う花である。すべてのバラはバラ科バラ属だが、Wikipediaで調べると、ランはラン科の下に997もの属があった。(属=ここでいうグループ) その中で園芸品種として主要なのは10〜15程度。


【カトレア】

分類でいうならラン科カトレア属。分類学では属の次が種になり、カトレアの種は190ある。またカトレア属と別の属を掛け合わせて、カトレアの仲間と見なすものをカトレアの交配属というらしく、それが36属ある。もうついていけない(^^ゞ

カトレアは名前程度なら知っている人も多いと思う。お店のや商品のネーミングにもよく使われる。胡蝶蘭は蘭と名前がつくからランの代表品種と思われがち。しかし園芸界でランの女王とされているのはカトレアである。
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大きくてゴージャスなカトレア。確かに女王の風格はあるかな。全体的にフワッとして花びらの一部がベロンと垂れているところは、ハナショウブジャーマンアイリスに似た雰囲気も少し感じる。



【パフィオペディルム】

パフィオペディラムともいうし、舌を噛みそうな名前なのでパフィオと短縮して呼ぶことも多い。これとカトレアを見較べてもらえば、同じランといえども、属が違えばまったく別の花だということがわかってもらえるはず。


食虫植物のような姿である。
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これなんか花びらに毛まで生えていてさらに毒々しい。(写真はクリックで拡大する)
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宇宙人が育てていそう。
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この展覧会はコンクールも兼ねていて、1位を獲ったのがこのパフィオ。
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似たようなパフィオと較べてみても、
ド素人なので、どこか優勝するほどすごいのか理解できず(/o\)
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花びらの一部が袋状になるのがパフィオの特徴。そして園芸品種というのはだんだんと過激になるもの。もう首長族ムルシ族の領域に突入している。
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もし育てるのなら、こういう可憐なパフィオがいいな。(これはパフィオペディルムではなく、フラグミペディウムかもしれない)
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【胡蝶蘭】

属名はファレノプシス。この学名はギリシャ語のphalaina(ファライナ)=蛾に由来する。ヨーロッパでは蝶と蛾をあまり区別しない。蛾のドギツイ模様も華やかと感じるらしい。英語名のMoth Orchid(モス オーキッド)も直訳すれば蛾のランとなる。

というわけでファレノプシスは蛾のように美しいというネーミングなのだけれど、日本で蛾はイメージが悪いので、誰かが蝶に変えたというわけ。胡蝶というのは源氏物語の第24帖のタイトルにもなっていて蝶と同じ意味。


実は胡蝶蘭はあまり好きじゃない。この定番のスタイルがとても人工的に感じられるし、花数が多いのは魅力的でも花自体は素っ気ない。それはたまに見る胡蝶蘭のほとんどが白単色だからかも知れない。それと花のせいではないが、やはり金満のイメージがついて回る。
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しかしこういうスタイルだとずいぶんと印象が違って見える。
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それと胡蝶蘭にはいろいろな模様があることも初めて知った。
西洋人はこれを見て蛾を連想したわけだ。
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カラー胡蝶蘭もいいね。
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【シンビジウム】

アップの写真だと小さい花のイメージになってしまうが、いわゆる鈴なりになってたくさん咲くから(上に伸びるから鈴なりとはいわないか)、けっこうボリュームがあってランの豪華さを楽しめる花。
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なぜかファッショナブルに撮れた1枚。
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【リカステ】

リカステだと思うけれどあまり自信なし。
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これは違うかも。
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【バンダ】

バンダだと思うけれどリカステ以上に自信なし。
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【その他いろいろ】

黄色と茶色の混ざったラン。
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これはキリンに見えた(^^ゞ トリコセントラムという品種。
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爽やかなグリーン系。これもシンビジウム。
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あれこれ。
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ちょっと変わったタイプをいろいろ。

これはリンカトレアンセというカトレアの交配属だが、
ちっともカトレアに似ていない。
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デンドロビウムのデカいやつ。
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これはリンコスティリスという名前。
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フレッドクラーケアラという交配属で、品種名がアフターダークという黒いラン。
昔、そんなスクリーンセイバーが一世を風靡したなと懐かしかったら、オッサン・オバハン確定ね(^^ゞ
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ーーー続く

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2020年02月21日

世界らん展2020 ー花と緑の祭典ー

東京ドームで開催されていた世界らん展2020へ行ってきた。

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ずっと行きたいと思っていた世界らん展。しかしこのイベントは事前告知があまり活発ではなく、いつも紹介記事、つまり会場を訪問した後のレポートを見て、会期は1週間程度なので、あっ!また行きそびれたと残念な思いをしてきた。

幸いにも今年は事前に情報に接することができた。もっとも、そんなにランが好きなのかといわれれば、まったくそんなことはなく、ただ東京ドームが花いっぱいに埋まるイベントを見たかったというのが正直なところ。


というわけで別にランに詳しくもなくて、その名前で私がまず思い浮かべるのは、平均的な日本人とおそらく同じく胡蝶蘭である。何となく夜の高級店の雰囲気(^^ゞ そういう場所にはほとんど行かないし、それ以外の場所で胡蝶蘭を見たことのほうが圧倒的に多いにもかかわらず、なぜそう想像するのか自分でも不思議。

そして胡蝶蘭と聞いてイメージするのは高級すなわち高価だということ。開店祝いなどのお花に胡蝶蘭がズラッと並んでいると、ここはちょっと格が高いなと思ってしまう。

実際の価格はというと、そこそこ見栄えのする胡蝶蘭だと5万円ほどする。
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銀座でデカい顔をしたければ30万円は必要かな。
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胡蝶蘭は高価だから有り難がられている側面がある。ではどうして胡蝶蘭は高価なのか。栽培にたいへん手間がかかるなどのコスト面はあるだろうが、それよりも「胡蝶蘭」という妖しげな雰囲気も漂わせたネーミングが付加価値を押し上げていると思っている。だから夜のお店で好まれるのかな。ときどき書いているけれどマーケティングにおいてネーミングは極めて重要。

ちなみに胡蝶蘭は英語だとモス・オーキッド。そんな名前じゃ高い値段は取れない。

そしていったん高級な花というブランドを確立すれば、縁起物や祝い物カテゴリーとして合理性を超えた価格を奮発してもらえるし、その好循環ループで胡蝶蘭を送っておけば間違いないという定番商品のポジションを確保できる。おそらく胡蝶蘭を自分で購入して飾っている人は少なくて、ほとんどが贈答需要だと思う。

それにしても選挙事務所や楽屋風景などで、白い胡蝶蘭ばかりがズラーッと並んでいるのを見ると、いかにもこの国の画一性を垣間見た気分になる。だから私のお祝い事には胡蝶蘭以外も送って下さい(^^ゞ


さて地下鉄の後楽園駅を出て東京ドームへ。
左側は遊園地やスパなどのあるラクーアと呼ばれる商業施設。
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入り口までドーム沿いを歩いて行く。
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チケット売り場は閑散としていた。実は事前にEチケットを買おうとして、ホームページの反応があまりに遅いので諦めたのだが、それで正解だった。入場料は2300円とけっこうなお値段。
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22番ゲートは東京ドームの正面出入り口。入場時に持ち物検査がある。でもバッグをチラッと見せる程度の形式的なもの。ボディは調べないからマシンガンでもダイナマイトでも自由に持ち込める。手間とコストをかけている意味なし。
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来るなウイルス(^^ゞ
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中に入ってけっこう長い距離を歩かされる。
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途中でグラウンド部分が見えて期待が高まる。
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座席にいるのは休憩している人かな。
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写真ではロッカーの中に入っていくように見えるが、そこから階段を降りる。
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本日は心配無用。
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入り口の飾り付け。
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ここをくぐって、いよいよランの咲き乱れる世界へ!
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ーーー続く

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