名水

2015年08月16日

尚仁沢湧水(東荒川ダム親水公園)

尚仁沢湧水(東荒川ダム親水公園)


8月12日ツーリングの続き。

ハンターマウンテンでユリを見た後は、またもみじラインに戻る。南向きはほぼ下り。まったくの貸し切り状態なのでマイペースで走ることができた。ここはその名前の通り紅葉のときに一番混雑する道で全長28.5キロ。ビュースポットや道路沿いの滝もいくつかあるが、ハンターマウンテンから走り始めたばかりなので、停まる気が起きず本日はすべて素通り。

もみじラインが終わると竜王峡ラインという別の有料道路の入り口がある。正式名称である日塩有料道路は両者の総称であり、つまり2つの路線に分かれている。しかし竜王峡ラインはたった2.8キロ。もみじラインは塩原と竜王峡を結ぶ道路は他にないから意味があるが、竜王峡ラインには国道121号線が並行して走っている。2.8キロだとバイパスとしても短すぎる。何のために竜王峡ラインがあるのか、あるいはもみじラインと区切っているのかよくわからない。何か行政的なしがらみでそうなったのか。

さらに竜王峡ラインの1キロほど先には鬼怒川有料道路というわずか1.7キロの有料道路が待ち構えている。うっかり両方の有料道路を通ると、クルマなら150円+260円(短い鬼怒川有料道路のほうが高い)の410円がかかる。こういうせこい道路行政はそろそろやめて欲しいものである。
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もみじラインを降りたら、国道121号線を1キロほど走って、次に県道63号線に入る。何となく予想はしていたけれど林道レベルというか県道ならぬ険道というべきか、かなりヘビーな道路。しかもクネクネの度合いが強いところほど道幅が狭いからやっかい。いくつかあるヘアピンカーブは、狭くてカーブがきつくて勾配が急と3拍子揃っている。救いは他にクルマが走っていないこと。尚仁沢湧水に着くまでの約13キロですれ違ったクルマは1台だけだった。


少し道幅の広くなったところでバイクを停める。
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まさに山の中で、熊でも出てきそうである。
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もみじライン〜63号線とクネクネを1時間弱走って尚仁沢湧水(しょうじんざわゆうすい)に到着。ここは環境省の名水100選に選ばれているだけでなく、いわゆる名水コンテストでも常にトップランクらしい。正確にいうと訪れたのは東荒川ダム親水公園。尚仁沢湧水はもっと山奥で湧いている泉で、その水がこの公園まで引かれている。


水場はこんな造り。
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さっそく一杯。
冷たかった。水温は年間を通じて11度とのこと。飲んだ感じではかなりの軟水。とても口当たりがよいというか素直な味の水。よくいう水の甘さみたいなものはあまり感じなかった。
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いろいろ注意書きが多いのは仕方がない。
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こんな輩がいるから。
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この東荒川ダム親水公園は、名前から想像してダムの付属事業として整備された公園かな。こんな山奥に公園を作る必然性は感じられない。水くみ場としての機能がなければ単なる税金の無駄遣い。

夏休みだというのに水くみ場以外には誰もいない。
芝生部分は草ぼうぼうで手入れがされていないみたい。
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バードウォッチング用の壁。景色しか見えなかった(^^ゞ
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公園はかなり広くて駐車場の奥にも広がっていた。
水が張られているのは子供が遊ぶ(ことになっている)ジャブジャブ池。
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ちなみに東荒川というのは東京の荒川とは別の河川。
栃木県と茨城県を流れる那珂川(なかがわ)水系に属する川である。
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公園を一歩きした後におかわり。
とても混雑する水場と聞いていたが、私が訪れたときは家族連れ2組と、大量のポリタンクを持ち込んでいるのが2組とまったくガラガラ。
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東屋のようなところでじっくり味わう。ペットボトルの2〜3本ならバイクに積めるが、今回はその気はなく代わりにコップ持参。たぶん一期一会になるだろう尚仁沢湧水の名水をゆっくりと味わう。贅沢にも日本有数の名水で顔も洗った(^^ゞ
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東荒川ダム親水公園より先の63号線は道幅もまともになり快適な田舎ロード。しかしこの付近が放射性指定廃棄物の処分場候補になっているらしく、それに反対するノボリが道路脇にずーっと、本当に延々にずーっと東北自動車道まで立てられている。これだけ見せつけられるとさすがに辟易してくる。

63号線を南下して街中に入ってくると、大谷石(おおやいし)の塀(へい)のある家が目につく。建て替える前まで実家の塀は大谷石だったので、大谷石には何となく愛着がある。中にはすべて大谷石でできた蔵のような建物もあって、そんなのは初めて見た。そういえば大谷石は栃木県が産地だったと思い出す。しかし何度が栃木県をバイクで走ったが、こんなに大谷石をたくさん見たのは初めて。日光あたりでは見た記憶がない。栃木県内でもエリアによって人気の差があるのかな。



東北自動車道には上河内のインターから入る。ここはスマートインターチェンジと呼ばれている出入り口。高速道路のサービスエリアとかパーキングエリアにETC専用の小さな(1車線の)出入り口を設けたもの。スマートインターチェンジから高速道路に入るのは初めて。普通のインターチェンジのETCレーンと違って、バーの前で一旦停止しなければならない。そしてバーが上がるまで数秒待たされる。ETC情報のやりとりは普通のインターと同じはずなのに何が違うのだろう。


帰りの東北自動車道は渋滞なくスムーズだった。気温は31〜32度。結局この日は山手トンネルを除いて一度も35度以上に上がることもなく、真夏のツーリングとしてはまずまず快適に走れた。首都高は川口線が渋滞していたが都内に入ると普通の混み具合。山手トンネルは避けて都心部を抜けて帰ってきた。

午後7時半帰宅。久々の12時間越え、そして久々の400キロ越えの走行417キロ。それなりに疲れたが、滝・ユリ・名水と変化に富んだ楽しい夏休みツーリングだった。


おしまい

wassho at 23:47|PermalinkComments(0)

2012年08月22日

名水百選:洒水の滝の湧き水を飲み較べ

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先日バイクでツーリングしてきた神奈川県山北町にある洒水の滝。ここは日本の滝百選と名水百選の両方に選ばれていることは既に書いた。現地で飲んだときは特別おいしいとも思わなかったのだが、とりあえず2リッターのペットボトルに汲んで自宅に持って帰ってきた。


H2Oの純水には味がないが、飲料水にはミネラルほか微生物などいろんなものが溶け込んでいるので味がする。さらに水道水なら消毒に使うカルキの味がする。ちなみにミネラルウォーターはいいイメージで、カルキは悪いイメージだが、カルキもミネラルの一種である。そのミネラルはわかったようでわからない存在。鉄とかマグネシウムとかカルシウムなどの鉱物の成分という理解でとりあえずいいのではないかと思う。カルシウムと聞くと骨とか貝殻などを思い浮かべるが、カルシウム自体は金属元素である。


ちょっと話がそれたが、そういうわけで水には味がある。しかし、その味は当たり前だがごく薄い。一口含んだだけで「わー!おいしい」と叫ぶほど味を感じられるわけではない。そういう人が多いのはテレビの悪い影響かな。洒水の滝にも「おいしい、おいしい」と連発している人がいた。グルメ番組のレポーターは、出された料理が味付けするのを忘れていようが、たとえ腐っていようが「わー!おいしい」と目をパチクリさせるのがお仕事。



というわけで比較実験。
「六甲のおいしい水」と飲み較べてみた。
結論を言うと「洒水の水」は「六甲のおいしい水」と較べて

   よく言うなら、口当たりがまろやか
   悪くいうなら、クターっとしていて腰がない
   舌に感じる味という点では両者に差はない
   よく言われる水の甘みも差はない(というか、どちらにも感じられない)

というのが私の評価。これは冷やしても常温でも同じ。まろやか・クターっというのは常温の方が強く感じられた。

水には軟水・硬水という区別がある。一般にまろやかなのは「より軟水」ということであり、軟水・硬水はミネラル含有量の少ない・多いで決まる。ということは「洒水の水」はミネラルが少ないということなのかな。そこまで判断できるほどの知識はなし。


コーヒーで較べてみた。
これは「六甲のおいしい水」との比較ではなく、普段の「水道水をブリタの浄水ポットで濾過して、そのポットには炭も沈ませてある」水との比較。

まずは、最近はこっちの方が多くなったカフェ・アメリカーノで。
やはり少しまろやかになる。でもそれほど大きな差はない。エスプレッソベースのコーヒーで、もともと苦みが勝っている味だからと思う。


次は普通のドリップで。
こちらははっきりとまろやか。(説明すると長くなるので)コーヒーに詳しい人にしかわからない表現で恐縮だが、挽いた豆の微粉や薄皮をほとんど取り除いてドリップした味に似ている。

しかしである。
そのまろやかなコーヒーがおいしいかというと、それは別問題。どこか物足りない味になる。(だから私は微粉除去の道具を持っているが滅多に使わない)ひょっとしたらお茶ならおいしいかもしれない。しかし残念ながら「洒水の水」を使い切ってしまったので実験ならず。


総合結論
「洒水の水」はコーヒーを淹れるにはまろやかすぎて私の好みではないけれど、夏にゴクゴク飲むには、まろやかで柔らかい口当たりだから飲みやすい。ただし味的に特においしいわけではない。あくまでまろやかさがアドバンテージ。


市販のミネラルウォーターは加熱したりハイテクフィルターで濾過したりして、ほぼ無菌の状態になっている。だから賞味期限が2年ある(なぜか小さなペットボトルは1年で、その理由がよくわからない)。しかし湧き水はそういうわけにはいかない(その場で飲む分には問題ないが、保存しているうちに菌が増殖する)。ネットで調べると常温で3ヶ月は大丈夫とか、冷蔵庫で3日が限度とか意見あるいは体験談は様々。湧き水によって含まれている菌や有機物の量が違うから一概には言えないのだろう。

もっともバイクにつけてあるバッグには2リッターのペットボトルで3本くらいが限度だから、保存期間が問題になるほどの量にはならない。滝を見るのは楽しいのだが、いい滝は駐車場から1時間山を登るなんてのがざらにあるのが難点。手頃な滝を見終わったら、名水ツアーに切り替えようかな。

wassho at 07:32|PermalinkComments(0)